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亜人の森
憧れているんだ勇者様に
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「まったく……」
コラーは相当な苦労人なのだろうなとマルクエンは思う。
「そうだ! こんな所で立ち話をさせてはいけません! この村で唯一の宿屋にご招待します!」
「わかりました。助かります」
コラーが宿屋に案内してくれる道すがら、コラーはマルクエンに話をし続けていた。
「あの、失礼ですが。マルクエン様とラミッタ様は竜を倒した経験があるって本当なんですか!?」
「えぇ、翼竜と……。あとは鉱脈に住む竜を」
コラーはマルクエン達の方を向き、目を輝かせる。
「凄い!! 噂は本当だったんだ!!」
「マルクエン様、竜倒したか!? もっと好きになった! ツガイになろう!」
「い、いえ、その……。ははは」
セロラがグイグイと来るのでタジタジのマルクエン。
「魔人も!! 魔人も倒したんですよね!!」
「えぇ、まぁ」
「凄い!! 凄いです!!」
「魔人も倒したのか? やっぱ結婚しよ!!」
個性の強い二人だなぁと、マルクエンは苦笑いしていた。
その後、ソワソワしていたコラーだったが、意を決してマルクエンに言う。
「マルクエン様、ラミッタ様、頼みたいことがあるんです。ちょっと……」
「ん? 何でしょうか?」
マルクエンが聞き返すと、コラーは話し続ける。
「一度で良いから、お二人の必殺技を見たいんです!」
「必殺技……? ですか」
「憧れているんです、勇者様に!」
輝いた目で見られて、顔を見合わせるマルクエンとラミッタ。
「一回きり見せて頂ければ、それで私は満足します! お願いです!」
「そうですか、まぁ、一回ぐらいならば」
開けた場所だったので、マルクエンは金色の剣を引き抜いて、空に向かって光の刃を数発飛ばした。
負けじとラミッタも詠唱を始め、光の剣を空に向かって発射する。
「うわー! 凄い!!」
「凄い!! マルクエン様、ツガイになろう!!」
キャッキャと喜ぶ二人を見てほっこりするマルクエン。
「ありがとうございました! あぁ、そうだ! 宿屋に行かなくちゃ……」
本来の目的を思い出したコラーは再び歩き始めた。
「こちらです!」
案内されたそこは、お世辞にも綺麗な外観とは言えない宿だ。
「さぁ、どうぞ中へ!」
「えぇ、それでは」
マルクエンとラミッタは、宿屋のドアを通り、室内を見る。
老朽化はしていたが、小綺麗に掃除はされており、汚いという印象は無かった。
「いい宿ですね」
マルクエンが言うと同時に、奥から人が出迎えに来る。
「いらっしゃいませ。お待ちしておりました勇者様」
気品のある中年の女性だ。彼女も亜人であり、頭から耳が生えていた。
コラーは相当な苦労人なのだろうなとマルクエンは思う。
「そうだ! こんな所で立ち話をさせてはいけません! この村で唯一の宿屋にご招待します!」
「わかりました。助かります」
コラーが宿屋に案内してくれる道すがら、コラーはマルクエンに話をし続けていた。
「あの、失礼ですが。マルクエン様とラミッタ様は竜を倒した経験があるって本当なんですか!?」
「えぇ、翼竜と……。あとは鉱脈に住む竜を」
コラーはマルクエン達の方を向き、目を輝かせる。
「凄い!! 噂は本当だったんだ!!」
「マルクエン様、竜倒したか!? もっと好きになった! ツガイになろう!」
「い、いえ、その……。ははは」
セロラがグイグイと来るのでタジタジのマルクエン。
「魔人も!! 魔人も倒したんですよね!!」
「えぇ、まぁ」
「凄い!! 凄いです!!」
「魔人も倒したのか? やっぱ結婚しよ!!」
個性の強い二人だなぁと、マルクエンは苦笑いしていた。
その後、ソワソワしていたコラーだったが、意を決してマルクエンに言う。
「マルクエン様、ラミッタ様、頼みたいことがあるんです。ちょっと……」
「ん? 何でしょうか?」
マルクエンが聞き返すと、コラーは話し続ける。
「一度で良いから、お二人の必殺技を見たいんです!」
「必殺技……? ですか」
「憧れているんです、勇者様に!」
輝いた目で見られて、顔を見合わせるマルクエンとラミッタ。
「一回きり見せて頂ければ、それで私は満足します! お願いです!」
「そうですか、まぁ、一回ぐらいならば」
開けた場所だったので、マルクエンは金色の剣を引き抜いて、空に向かって光の刃を数発飛ばした。
負けじとラミッタも詠唱を始め、光の剣を空に向かって発射する。
「うわー! 凄い!!」
「凄い!! マルクエン様、ツガイになろう!!」
キャッキャと喜ぶ二人を見てほっこりするマルクエン。
「ありがとうございました! あぁ、そうだ! 宿屋に行かなくちゃ……」
本来の目的を思い出したコラーは再び歩き始めた。
「こちらです!」
案内されたそこは、お世辞にも綺麗な外観とは言えない宿だ。
「さぁ、どうぞ中へ!」
「えぇ、それでは」
マルクエンとラミッタは、宿屋のドアを通り、室内を見る。
老朽化はしていたが、小綺麗に掃除はされており、汚いという印象は無かった。
「いい宿ですね」
マルクエンが言うと同時に、奥から人が出迎えに来る。
「いらっしゃいませ。お待ちしておりました勇者様」
気品のある中年の女性だ。彼女も亜人であり、頭から耳が生えていた。
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