134 / 226
アムールトへ
剣!
しおりを挟む
扉がノックされ、どうぞと言うと、大きな木箱を数人がかりで運んできた。
「こちらでございます」
「だいぶ仰々しいわね」
マルクエンは大きな箱を、ラミッタはそれより二周り小さな箱を開ける。
「おぉ……」
マルクエンの目に映るのは黄金色に光り輝く鞘に入った大剣だ。
「何だか、趣味の悪い金持ちみたいな剣ね」
ラミッタの剣も黄金色に輝いている。それを見て片目を閉じてため息を付いた。
「そう言うな、金ピカでカッコいいぞ?」
「アンタ、本当に金色好きよね……」
「これが、伝説の龍を使った剣ですか……」
口数少ないゴーダも、剣士として興味津々だ。
「引き抜いても大丈夫でしょうか?」
「構いませんよ!」
ギルドのスタッフに許しを得てからマルクエンは抜剣した。
剣身も綺麗な黄金色であり、刃は鋭く光っている。ひと目見ただけで業物だと分かる代物だ。
「ギルド併設の闘技場が空いていますが、試し切りはいかがでしょう?」
「良いのですか!?」
マルクエンはまるで新しいおもちゃを手に入れた子供のように目を輝かせていた。
マルクエン達はギルドに併設されている闘技場まで足を運ぶ。
「試し切り用の丸太と精霊を召喚しておきます」
「ありがとうございます!」
少し噂が広まったのか、見物人がチラホラとやって来た。
マルクエンとラミッタの前には人が使役する魔物のような存在、精霊が現れる。
まず、マルクエンは剣を引き抜いて振り回してみた。
ずっしりと手応えのある重みに、マルクエンは胸の高鳴りが抑えきれない。
「それでは早速!!」
マルクエンは立てられている丸太を剣で袈裟斬りにした。
「!!」
斬った本人だけでなく、周りも驚いていた。
刃が丸太に当たったが、少しの減速もせずに通り抜けたのだ。
マルクエンも少しの抵抗も手に感じなかった。
数秒後に、丸太がずり落ちて、地面へ転がる。
「おぉ……」
思わずマルクエンはまじまじと剣を見つめ直していた。
次に剣を構えて精霊と対峙する。
「こちらでございます」
「だいぶ仰々しいわね」
マルクエンは大きな箱を、ラミッタはそれより二周り小さな箱を開ける。
「おぉ……」
マルクエンの目に映るのは黄金色に光り輝く鞘に入った大剣だ。
「何だか、趣味の悪い金持ちみたいな剣ね」
ラミッタの剣も黄金色に輝いている。それを見て片目を閉じてため息を付いた。
「そう言うな、金ピカでカッコいいぞ?」
「アンタ、本当に金色好きよね……」
「これが、伝説の龍を使った剣ですか……」
口数少ないゴーダも、剣士として興味津々だ。
「引き抜いても大丈夫でしょうか?」
「構いませんよ!」
ギルドのスタッフに許しを得てからマルクエンは抜剣した。
剣身も綺麗な黄金色であり、刃は鋭く光っている。ひと目見ただけで業物だと分かる代物だ。
「ギルド併設の闘技場が空いていますが、試し切りはいかがでしょう?」
「良いのですか!?」
マルクエンはまるで新しいおもちゃを手に入れた子供のように目を輝かせていた。
マルクエン達はギルドに併設されている闘技場まで足を運ぶ。
「試し切り用の丸太と精霊を召喚しておきます」
「ありがとうございます!」
少し噂が広まったのか、見物人がチラホラとやって来た。
マルクエンとラミッタの前には人が使役する魔物のような存在、精霊が現れる。
まず、マルクエンは剣を引き抜いて振り回してみた。
ずっしりと手応えのある重みに、マルクエンは胸の高鳴りが抑えきれない。
「それでは早速!!」
マルクエンは立てられている丸太を剣で袈裟斬りにした。
「!!」
斬った本人だけでなく、周りも驚いていた。
刃が丸太に当たったが、少しの減速もせずに通り抜けたのだ。
マルクエンも少しの抵抗も手に感じなかった。
数秒後に、丸太がずり落ちて、地面へ転がる。
「おぉ……」
思わずマルクエンはまじまじと剣を見つめ直していた。
次に剣を構えて精霊と対峙する。
0
お気に入りに追加
45
あなたにおすすめの小説
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
【完結】ちびっこ錬金術師は愛される
あろえ
ファンタジー
「もう大丈夫だから。もう、大丈夫だから……」
生死を彷徨い続けた子供のジルは、献身的に看病してくれた姉エリスと、エリクサーを譲ってくれた錬金術師アーニャのおかげで、苦しめられた呪いから解放される。
三年にわたって寝込み続けたジルは、その間に蘇った前世の記憶を夢だと勘違いした。朧げな記憶には、不器用な父親と料理を作った思い出しかないものの、料理と錬金術の作業が似ていることから、恩を返すために錬金術師を目指す。
しかし、錬金術ギルドで試験を受けていると、エリクサーにまつわる不思議な疑問が浮かび上がってきて……。
これは、『ありがとう』を形にしようと思うジルが、錬金術師アーニャにリードされ、無邪気な心でアイテムを作り始めるハートフルストーリー!
大好きな母と縁を切りました。
むう子
ファンタジー
7歳までは家族円満愛情たっぷりの幸せな家庭で育ったナーシャ。
領地争いで父が戦死。
それを聞いたお母様は寝込み支えてくれたカルノス・シャンドラに親子共々心を開き再婚。
けれど妹が生まれて義父からの虐待を受けることに。
毎日母を想い部屋に閉じこもるナーシャに2年後の政略結婚が決定した。
けれどこの婚約はとても酷いものだった。
そんな時、ナーシャの生まれる前に亡くなった父方のおばあさまと契約していた精霊と出会う。
そこで今までずっと近くに居てくれたメイドの裏切りを知り……
強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
騎士志望のご令息は暗躍がお得意
月野槐樹
ファンタジー
王弟で辺境伯である父を保つマーカスは、辺境の田舎育ちのマイペースな次男坊。
剣の腕は、かつて「魔王」とまで言われた父や父似の兄に比べれば平凡と自認していて、剣より魔法が大好き。戦う時は武力より、どちらというと裏工作?
だけど、ちょっとした気まぐれで騎士を目指してみました。
典型的な「騎士」とは違うかもしれないけど、護る時は全力です。
従者のジョセフィンと駆け抜ける青春学園騎士物語。
【短編】冤罪が判明した令嬢は
砂礫レキ
ファンタジー
王太子エルシドの婚約者として有名な公爵令嬢ジュスティーヌ。彼女はある日王太子の姉シルヴィアに冤罪で陥れられた。彼女と二人きりのお茶会、その密室空間の中でシルヴィアは突然フォークで自らを傷つけたのだ。そしてそれをジュスティーヌにやられたと大騒ぎした。ろくな調査もされず自白を強要されたジュスティーヌは実家に幽閉されることになった。彼女を公爵家の恥晒しと憎む父によって地下牢に監禁され暴行を受ける日々。しかしそれは二年後終わりを告げる、第一王女シルヴィアが嘘だと自白したのだ。けれど彼女はジュスティーヌがそれを知る頃には亡くなっていた。王家は醜聞を上書きする為再度ジュスティーヌを王太子の婚約者へ強引に戻す。
そして一年後、王太子とジュスティーヌの結婚式が盛大に行われた。
【完結】実家に捨てられた私は侯爵邸に拾われ、使用人としてのんびりとスローライフを満喫しています〜なお、実家はどんどん崩壊しているようです〜
よどら文鳥
恋愛
フィアラの父は、再婚してから新たな妻と子供だけの生活を望んでいたため、フィアラは邪魔者だった。
フィアラは毎日毎日、家事だけではなく父の仕事までも強制的にやらされる毎日である。
だがフィアラが十四歳になったとある日、長く奴隷生活を続けていたデジョレーン子爵邸から抹消される運命になる。
侯爵がフィアラを除名したうえで専属使用人として雇いたいという申し出があったからだ。
金銭面で余裕のないデジョレーン子爵にとってはこのうえない案件であったため、フィアラはゴミのように捨てられた。
父の発言では『侯爵一家は非常に悪名高く、さらに過酷な日々になるだろう』と宣言していたため、フィアラは不安なまま侯爵邸へ向かう。
だが侯爵邸で待っていたのは過酷な毎日ではなくむしろ……。
いっぽう、フィアラのいなくなった子爵邸では大金が入ってきて全員が大喜び。
さっそくこの大金を手にして新たな使用人を雇う。
お金にも困らずのびのびとした生活ができるかと思っていたのだが、現実は……。
晴れて国外追放にされたので魅了を解除してあげてから出て行きました [完]
ラララキヲ
ファンタジー
卒業式にて婚約者の王子に婚約破棄され義妹を殺そうとしたとして国外追放にされた公爵令嬢のリネットは一人残された国境にて微笑む。
「さようなら、私が産まれた国。
私を自由にしてくれたお礼に『魅了』が今後この国には効かないようにしてあげるね」
リネットが居なくなった国でリネットを追い出した者たちは国王の前に頭を垂れる──
◇婚約破棄の“後”の話です。
◇転生チート。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げてます。
◇人によっては最後「胸糞」らしいです。ごめんね;^^
◇なので感想欄閉じます(笑)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる