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ジャガの街
美味しいのだ!
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「うん、美味いな」
「ほんと、美味しいですね!」
シヘンも舌鼓を打つ中でラミッタが言う。
「私、こういう料理は慣れないのよね。テーブルマナーしかり、量が少ないのしかり」
「そうか? 美味しくて良いじゃないか?」
「はいはい、ボンボンの宿敵さんにはこういうお上品なお料理がお似合いのこと」
マルクエンにいちいち突っかかるラミッタを見てクスクスとケイとシヘンは笑っている。
「でも、今日はめちゃくちゃ腹減ったんで、ガッツリ食べたい気分はあるっスねー」
ケイの言葉にラミッタも頷く。
「量が足りなかった時は、追加で何か頼みましょうか」
そんな事を言っている内に、本日のスープがやって来た。
黄色く、甘いいい匂いのするコーンスープだ。
「ふわぁー、いい匂い」
思わず素直な感想が漏れるシヘン。
スプーンで掬って一口飲むと、疲れた体に染み渡る優しい甘みを感じていた。
「んー、美味しい!!」
「美味い!! 美味いっスね!!」
ワイワイと料理の感想を言い合ったり、竜と戦った時の話をしたりしていたら、お次は魚料理だ。
「お待たせ致しました。ラタのムニエルでございます」
大きめのムニエルにされた白身魚を中心とし、カラフルなソースが皿に彩られている。
「おっ、食べごたえありそうッスね!!」
「冒険者用に大きめサイズの料理が提供されているのでしょうかね」
マルクエンはそう呟き、サカナにナイフを入れる。
淡白な身は、ふわりほろりと崩れ、付け合せのソースとも相性が良い。
「ンマーイ!! うまいっス!!!」
「中々、美味しいわね」
ラミッタも流石にシェフの腕を認めざるを得ない一品だった。
そして、4人の前に果実を加えた氷をふわふわに削った物が提供される。
「木苺のふわふわかき氷でございます」
「え、デザート? まだお腹いっぱいじゃないわよ?」
「あー、これはなラミッタ。恐らく口直し用で、この後メインディッシュが来るんだ。この国でもコース料理の出し方が同じであればだがな」
「あら、物を知らずゴメンあそばせ」
マルクエンに教えられるのは気に入らないのだろうか、ラミッタはそんな事を言う。
「なんつーか、さっぱりしてるッスね」
「うん、美味しいけどデザートとは違うんだね」
「えぇ、あくまで口直し用なので」
ケイは次の料理をワクワクして待っていた。店員がやって来ると、待っていましたとばかりにソワソワする。
「お待たせ致しました。本日のメインディッシュ。トーラ牛のロースステーキでございます」
その料理名を聞いてマルクエンがハッとする。確かトーラはシヘンの出身地だ。
「トーラ牛かぁ……」
思わずシヘンは独り言を呟く。
「トーラは畜産が盛んッスからね! 牛もブランド物なんスよ!!」
「へぇー、そうだったのですね」
マルクエンが感心して言うと、シヘンが話す。
「このお肉も、私と一緒にこの街まで旅してきたんですね」
「しみじみ言ってる場合じゃないわよ。熱いうちに食べましょう」
「そうですね、すみません」
「ほんと、美味しいですね!」
シヘンも舌鼓を打つ中でラミッタが言う。
「私、こういう料理は慣れないのよね。テーブルマナーしかり、量が少ないのしかり」
「そうか? 美味しくて良いじゃないか?」
「はいはい、ボンボンの宿敵さんにはこういうお上品なお料理がお似合いのこと」
マルクエンにいちいち突っかかるラミッタを見てクスクスとケイとシヘンは笑っている。
「でも、今日はめちゃくちゃ腹減ったんで、ガッツリ食べたい気分はあるっスねー」
ケイの言葉にラミッタも頷く。
「量が足りなかった時は、追加で何か頼みましょうか」
そんな事を言っている内に、本日のスープがやって来た。
黄色く、甘いいい匂いのするコーンスープだ。
「ふわぁー、いい匂い」
思わず素直な感想が漏れるシヘン。
スプーンで掬って一口飲むと、疲れた体に染み渡る優しい甘みを感じていた。
「んー、美味しい!!」
「美味い!! 美味いっスね!!」
ワイワイと料理の感想を言い合ったり、竜と戦った時の話をしたりしていたら、お次は魚料理だ。
「お待たせ致しました。ラタのムニエルでございます」
大きめのムニエルにされた白身魚を中心とし、カラフルなソースが皿に彩られている。
「おっ、食べごたえありそうッスね!!」
「冒険者用に大きめサイズの料理が提供されているのでしょうかね」
マルクエンはそう呟き、サカナにナイフを入れる。
淡白な身は、ふわりほろりと崩れ、付け合せのソースとも相性が良い。
「ンマーイ!! うまいっス!!!」
「中々、美味しいわね」
ラミッタも流石にシェフの腕を認めざるを得ない一品だった。
そして、4人の前に果実を加えた氷をふわふわに削った物が提供される。
「木苺のふわふわかき氷でございます」
「え、デザート? まだお腹いっぱいじゃないわよ?」
「あー、これはなラミッタ。恐らく口直し用で、この後メインディッシュが来るんだ。この国でもコース料理の出し方が同じであればだがな」
「あら、物を知らずゴメンあそばせ」
マルクエンに教えられるのは気に入らないのだろうか、ラミッタはそんな事を言う。
「なんつーか、さっぱりしてるッスね」
「うん、美味しいけどデザートとは違うんだね」
「えぇ、あくまで口直し用なので」
ケイは次の料理をワクワクして待っていた。店員がやって来ると、待っていましたとばかりにソワソワする。
「お待たせ致しました。本日のメインディッシュ。トーラ牛のロースステーキでございます」
その料理名を聞いてマルクエンがハッとする。確かトーラはシヘンの出身地だ。
「トーラ牛かぁ……」
思わずシヘンは独り言を呟く。
「トーラは畜産が盛んッスからね! 牛もブランド物なんスよ!!」
「へぇー、そうだったのですね」
マルクエンが感心して言うと、シヘンが話す。
「このお肉も、私と一緒にこの街まで旅してきたんですね」
「しみじみ言ってる場合じゃないわよ。熱いうちに食べましょう」
「そうですね、すみません」
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