102 / 234
ジャガの街
特訓しよう
しおりを挟む
マルクエン達は早速、街の外で特訓をすることにした。
「あのー、本当に真剣で大丈夫なんスか?」
「大丈夫よ、それともあなたは宿敵に傷を負わせる自信でもあるのかしら?」
「いや、無いっス!! 微塵も無いッス!」
ケイは剣を持ってマルクエンと対峙する。シヘンは心配そうに見つめていた。
「私から攻撃はしませんので、遠慮なく来て下さい」
「了解っス。それでは!!」
ケイは剣を振り上げてマルクエンの元へと走り出す。近づくとそのままの勢いで袈裟斬りにしようとした。
マルクエンは剣を横に構えてそれを弾く。ケイの手はビリビリとした衝撃を感じていた。
次はそのまま力を込めて横薙ぎに剣を振るうも、マルクエンはさっと後ろに引いて避ける。
最後に突きを繰り出すも、簡単に弾かれ、ケイは体勢を崩した。
「なるほどね、ケイはまず基礎中の基礎、体幹を作らないとね」
「は、はいっス……」
ラミッタに言われ、ケイは言葉に詰まる。
「とりあえずそっちで素振り千回ね」
「うぇっ!? わ、わかりました……」
そして、ラミッタは心配そうに眺めていたシヘンの方を振り返り、ニッコリ笑う。
「次はあなたの番よ?」
「あっ、はい! わかりました!」
シヘンは杖を強く握り、ラミッタを見つめる。
「それじゃ、私にどんどん魔法を打ち込んできなさい。殺す気でね」
「わかりました!!!」
シヘンは杖を振り、火の玉を数発ラミッタに向けて放つ。
その間にも詠唱を続け、雷を追撃として飛ばす。
ラミッタは片手で魔法の防御壁を張り、全てを打ち消した。
「もっと打ってきなさい!!」
シヘンは言われるがまま、火、雷、氷といった魔法を放ち続けた。
10分程して、シヘンは地面に片膝を付く。
「はぁはぁ……」
汗をかきながら、うずくまるシヘン。マルクエンは心配そうに歩み寄った。
「大丈夫ですか? シヘンさん」
「平気……。です」
ラミッタはシヘンに近付いて言う。
「まだまだ魔力が不足しているわね。これから毎日魔法を打つわよ?」
「は、はい……」
マルクエンはケイに付いて、ラミッタはシヘンの面倒を見ている。
「ケイさん。腕はこう伸ばして、こう構えると良い」
マルクエンはケイの体を触り、構えを教えている。
「こ、こうっスか?」
筋肉質なマルクエンの腕や胸に触れて、少しドキドキするケイ。
「あぁ、そうです」
「了解っス!」
ラミッタは少し回復したシヘンに魔法の打ち方を教えていた。
「それじゃ、あの的に向かって火を打ち込みなさい!」
「わかりました!」
言われた通り狙って打つが、着弾したのは十発中二発だけだ。
「もっと指先に神経を集中させて、よく狙うのよ」
「はい!!」
二人の指導を受けた二人は、夕方頃にはすっかりクタクタになっていた。
「も、もうダメ、動けないッス……」
「わ、私も……」
「二人共、体力も作らないといけないわね」
「だが、センスは良い方ですよ」
「あのー、本当に真剣で大丈夫なんスか?」
「大丈夫よ、それともあなたは宿敵に傷を負わせる自信でもあるのかしら?」
「いや、無いっス!! 微塵も無いッス!」
ケイは剣を持ってマルクエンと対峙する。シヘンは心配そうに見つめていた。
「私から攻撃はしませんので、遠慮なく来て下さい」
「了解っス。それでは!!」
ケイは剣を振り上げてマルクエンの元へと走り出す。近づくとそのままの勢いで袈裟斬りにしようとした。
マルクエンは剣を横に構えてそれを弾く。ケイの手はビリビリとした衝撃を感じていた。
次はそのまま力を込めて横薙ぎに剣を振るうも、マルクエンはさっと後ろに引いて避ける。
最後に突きを繰り出すも、簡単に弾かれ、ケイは体勢を崩した。
「なるほどね、ケイはまず基礎中の基礎、体幹を作らないとね」
「は、はいっス……」
ラミッタに言われ、ケイは言葉に詰まる。
「とりあえずそっちで素振り千回ね」
「うぇっ!? わ、わかりました……」
そして、ラミッタは心配そうに眺めていたシヘンの方を振り返り、ニッコリ笑う。
「次はあなたの番よ?」
「あっ、はい! わかりました!」
シヘンは杖を強く握り、ラミッタを見つめる。
「それじゃ、私にどんどん魔法を打ち込んできなさい。殺す気でね」
「わかりました!!!」
シヘンは杖を振り、火の玉を数発ラミッタに向けて放つ。
その間にも詠唱を続け、雷を追撃として飛ばす。
ラミッタは片手で魔法の防御壁を張り、全てを打ち消した。
「もっと打ってきなさい!!」
シヘンは言われるがまま、火、雷、氷といった魔法を放ち続けた。
10分程して、シヘンは地面に片膝を付く。
「はぁはぁ……」
汗をかきながら、うずくまるシヘン。マルクエンは心配そうに歩み寄った。
「大丈夫ですか? シヘンさん」
「平気……。です」
ラミッタはシヘンに近付いて言う。
「まだまだ魔力が不足しているわね。これから毎日魔法を打つわよ?」
「は、はい……」
マルクエンはケイに付いて、ラミッタはシヘンの面倒を見ている。
「ケイさん。腕はこう伸ばして、こう構えると良い」
マルクエンはケイの体を触り、構えを教えている。
「こ、こうっスか?」
筋肉質なマルクエンの腕や胸に触れて、少しドキドキするケイ。
「あぁ、そうです」
「了解っス!」
ラミッタは少し回復したシヘンに魔法の打ち方を教えていた。
「それじゃ、あの的に向かって火を打ち込みなさい!」
「わかりました!」
言われた通り狙って打つが、着弾したのは十発中二発だけだ。
「もっと指先に神経を集中させて、よく狙うのよ」
「はい!!」
二人の指導を受けた二人は、夕方頃にはすっかりクタクタになっていた。
「も、もうダメ、動けないッス……」
「わ、私も……」
「二人共、体力も作らないといけないわね」
「だが、センスは良い方ですよ」
0
お気に入りに追加
44
あなたにおすすめの小説
公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない…
そんな中、夢の中の本を読むと、、、
【書籍化進行中、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化進行中です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
放置された公爵令嬢が幸せになるまで
こうじ
ファンタジー
アイネス・カンラダは物心ついた時から家族に放置されていた。両親の顔も知らないし兄や妹がいる事は知っているが顔も話した事もない。ずっと離れで暮らし自分の事は自分でやっている。そんな日々を過ごしていた彼女が幸せになる話。
もう、終わった話ですし
志位斗 茂家波
ファンタジー
一国が滅びた。
その知らせを聞いても、私には関係の無い事。
だってね、もう分っていたことなのよね‥‥‥
‥‥‥たまにやりたくなる、ありきたりな婚約破棄ざまぁ(?)もの
少々物足りないような気がするので、気が向いたらオマケ書こうかな?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる