49 / 234
ルカラカヘ
箱
しおりを挟む
魔人は片手で魔法の防御壁を貼り、火の玉を受け止めた。
その後、地上に降り立ち、マルクエンと対峙する。
「面白い、挑発に乗ってやろう。掛かってこい!!」
マルクエンは大剣を斜めに構え、走った。魔人も剣を抜いて待ち構える。
「はあああぁぁぁ!!!」
大声を出しながらマルクエンは重い一撃を放つ。魔人は剣で受け止めると、腕にビリビリとした衝撃を感じ取った。
「ほーう、楽しめそうだ」
魔人は剣をくるりと回し、マルクエンに突きを繰り出す。今度はマルクエンが大剣でそれを防ぐ。
それからは斬り合いが始まった。お互い一歩も譲らずに、剣同士がぶつかり合う音が辺りに響き渡る。
「私も無視しないで貰いたいわね」
ラミッタが加勢に入り、魔人を背中から斬ろうとした。
だが、それはひらりと躱されてしまう。
「流石に二人同時だと面倒だな」
空へと飛び上がり、魔人は二人を見下ろす。
「降りてきなさい! 卑怯者!!」
「ハハハ、勝負はお預けだ。楽しませて貰った礼に俺の名を教えてやろう」
魔人はそんな事を言った後に続ける。
「俺の名は『クラム』覚えておけ!!!」
「はっ、殺す相手の名前なんてどうでもいいわ」
ラミッタは挑発を続けていたが、もう誘いに乗るつもりは無いのだろう。
「そして、これはささやかなプレゼントだ」
クラムは手のひらに乗る大きさの灰色の箱を取り出した。
それを地上に放り投げると、箱は大きくなりながら落下していく。
地面につく頃には四方が三メートル程の大きさになり、ズシンと重く音が響いた。
「それでは、また会おう!!」
魔人は何処かへ飛び去ってしまった。
逃さないとラミッタは魔法の光弾を打つも、魔人の速さについていけずに終わる。
いつの間にか、マルクエンとラミッタの回りには冒険者や兵士。治安維持部隊が集まっていた。
「あんたら、魔人を退けるなんて……。Aランクの冒険者か?」
兵士に話しかけられ、マルクエンもラミッタも参ったなと思う。どう説明したものかと。
「いや、私はDランクの冒険者です」
ラミッタが言うと、兵士は目を丸くした。
「Dランク!? う、嘘だろ……」
「確かにランクはDですが、私もコイツも遠い異国の地で戦いを学んでいました」
「それにしても……。強すぎる……」
ラミッタはそれ以上言葉を返さずに、マルクエンに命令する。
「宿敵、あのふざけた箱を壊しちゃいなさい」
「!! あぁ!!」
マルクエンは筋力強化の魔法を使い、ありったけの力で大剣を箱に叩きつけた。
その後、地上に降り立ち、マルクエンと対峙する。
「面白い、挑発に乗ってやろう。掛かってこい!!」
マルクエンは大剣を斜めに構え、走った。魔人も剣を抜いて待ち構える。
「はあああぁぁぁ!!!」
大声を出しながらマルクエンは重い一撃を放つ。魔人は剣で受け止めると、腕にビリビリとした衝撃を感じ取った。
「ほーう、楽しめそうだ」
魔人は剣をくるりと回し、マルクエンに突きを繰り出す。今度はマルクエンが大剣でそれを防ぐ。
それからは斬り合いが始まった。お互い一歩も譲らずに、剣同士がぶつかり合う音が辺りに響き渡る。
「私も無視しないで貰いたいわね」
ラミッタが加勢に入り、魔人を背中から斬ろうとした。
だが、それはひらりと躱されてしまう。
「流石に二人同時だと面倒だな」
空へと飛び上がり、魔人は二人を見下ろす。
「降りてきなさい! 卑怯者!!」
「ハハハ、勝負はお預けだ。楽しませて貰った礼に俺の名を教えてやろう」
魔人はそんな事を言った後に続ける。
「俺の名は『クラム』覚えておけ!!!」
「はっ、殺す相手の名前なんてどうでもいいわ」
ラミッタは挑発を続けていたが、もう誘いに乗るつもりは無いのだろう。
「そして、これはささやかなプレゼントだ」
クラムは手のひらに乗る大きさの灰色の箱を取り出した。
それを地上に放り投げると、箱は大きくなりながら落下していく。
地面につく頃には四方が三メートル程の大きさになり、ズシンと重く音が響いた。
「それでは、また会おう!!」
魔人は何処かへ飛び去ってしまった。
逃さないとラミッタは魔法の光弾を打つも、魔人の速さについていけずに終わる。
いつの間にか、マルクエンとラミッタの回りには冒険者や兵士。治安維持部隊が集まっていた。
「あんたら、魔人を退けるなんて……。Aランクの冒険者か?」
兵士に話しかけられ、マルクエンもラミッタも参ったなと思う。どう説明したものかと。
「いや、私はDランクの冒険者です」
ラミッタが言うと、兵士は目を丸くした。
「Dランク!? う、嘘だろ……」
「確かにランクはDですが、私もコイツも遠い異国の地で戦いを学んでいました」
「それにしても……。強すぎる……」
ラミッタはそれ以上言葉を返さずに、マルクエンに命令する。
「宿敵、あのふざけた箱を壊しちゃいなさい」
「!! あぁ!!」
マルクエンは筋力強化の魔法を使い、ありったけの力で大剣を箱に叩きつけた。
0
お気に入りに追加
44
あなたにおすすめの小説
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない…
そんな中、夢の中の本を読むと、、、
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
放置された公爵令嬢が幸せになるまで
こうじ
ファンタジー
アイネス・カンラダは物心ついた時から家族に放置されていた。両親の顔も知らないし兄や妹がいる事は知っているが顔も話した事もない。ずっと離れで暮らし自分の事は自分でやっている。そんな日々を過ごしていた彼女が幸せになる話。
もう、終わった話ですし
志位斗 茂家波
ファンタジー
一国が滅びた。
その知らせを聞いても、私には関係の無い事。
だってね、もう分っていたことなのよね‥‥‥
‥‥‥たまにやりたくなる、ありきたりな婚約破棄ざまぁ(?)もの
少々物足りないような気がするので、気が向いたらオマケ書こうかな?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる