20 / 166
リボンとお野菜ズ(書籍収載しきれなかった王子に出会った頃の伯爵領の話)
癒やしの姉(伯爵領から王都に行く少し前)
しおりを挟むひゅぅぅーっと風が吹き、私はもこもこと着込んだ身体をふるりと震わせた。
花冷えの季節でもあり、ようやく厳しかった冬が去り日中は暖かくなってきたが、早朝の風はひんやりと冷たい。
今日はいつもよりおめかしをして野菜畑に立っていた。といっても、リボンの飾りに金の刺繍が入り豪華になったかなくらいだが、綺麗なものをひとつ身につけるだけでも気分が全然違う。
リボンはほかにも色があり、どれも色合いや丁寧に縫われた刺繍は見れば見るほど綺麗で、それを身につけると自分の女性らしさがワンランク上がったのではと思えるほどお気に入りのものだ。
たとえ、それが腹黒王子にもらったプレゼントであろうとも、ものには罪はない。
そこは気にせず……、気にしないようにしている。
「さて、今日はなんの日かわかる?」
そう尋ねると、一斉に頷く野菜たち。シュクリュも『わふぅ』と返事をした。
「今日はね、知ってのとおりヴィア姉さまが帰ってくる日です。みんなでお出迎えしましょうねー」
もはや、姉が帰省するたびに野菜たちとともに出迎えるのは恒例になりつつあった。
声をかけが終わり野菜たちとの触れ合いが一通り終わると、そわそわ、そわそわぁと気持ちが落ちつかなくなる。
じっとしていられず野菜畑を行ったり来たりしていると、一緒についてくる野菜や果物たちも行ったり来たり。
その姿にくすりと笑い、足を止めると野菜たちもピタリと止まり、動き出すと間隔を乱さず動き出す。
そのうち仕込んだらいろいろなことができそうだ。運動会だとかダンスだったり、サーカスの芸みたいに見ている人たちを楽しませてくれるだろう。
「ふふっ。みんなと一緒にヴィア姉さまを待つのはとっても楽しいわ」
るんるん、と声を弾ませて、まだかなぁ、まだかなぁっと道の先へと目を凝らす。
姉が久しぶりに帰ってくるのだ。しかも、一人で! ここ重要。
公爵領で再会したあと、何度か姉は学校の休みを利用して帰省はしたがほとんどがオズワルドと一緒であった。
事業の話もあるからそこまでおかしなことではないけれど、過保護と姉を溺愛するあまりの行動であることの比重が高そうである。
姉とオズワルドのツーショットは麗しいので、私の萌えは満たされているから、まあ、それはそれでありだよねとは思っている。
オズワルドの表情が甘やかにとろけるなんてものは滅多に見られるものではない。貴重なものを見せていただいていると、感激はしている。
だけど、まったく問題がないわけではなく、想像以上にオズワルドが姉に対して甘く、糖分過多で後半になるともういいですと見ているのも遠慮したくなるほどの激甘だった。
姉の身内の私の前で遠慮を捨てたのか、姉を前にするととろっとろのどろっどろで、さすがの私もお腹いっぱいだ。
もう姉たちは卒業も間近で、卒業と同時に婚姻したいと言うオズワルドの強い強いつよーいつっよーーーい希望で、姉が人妻になる前の帰省はこれが最後となる。
さすがに今回は彼も気を利かせてくれたのか、忙しかったのか。とにかく、久しぶりに遠慮なく姉と話せるのが私は楽しみで仕方がなかった。
そうこうしているうちに、シルヴィアを乗せた馬車が到着した。
私と同じくキャラメル色の髪が、早朝の爽やかな光に照らされて天使が降臨してきたかと錯覚するくらい、姉は涼やかな気配とともに降り立った。
「ヴィア姉さま、おかえりなさい」
「ただいま。ティア。今日も野菜たちと出迎えてくれたのね」
馬車のもとへ野菜たちと駆け寄り、扉を開くと同時に待ちきれず姉に声をかけると、シルヴィアは軽く目を見張りふふふっと柔らかに笑う。
変わらない姉の微笑にとても安堵して、私もふにゃりと笑みを浮かべた。
畑で一通り現状や野菜たちを紹介し終えると、シルヴィアと一緒に屋敷に戻った。
久しぶりに姉が淹れてくれた紅茶に口をつけ、ふぅっと息を吐く。
「美味しいぃ、温まるぅー」
「こちらは、まだ寒いものね」
少し気温が上がってきたとはいえ、冷えていた身体に沁みていく。
春の日差しが入り込む白枠の窓辺には、シルヴィアのポケットやカバンに入ってついてきたラディッシュたちが這い出て、ぷらぷらと足を動かしていた。
赤紫、ピンクとそれぞれ濃さも違ってその小ささと相まって可愛らしく、並んでいる姿は非常にほっこりするものだ。ちなみに、ラディッシュはほとんどが手ありだ。
ラディッシュたちは姉のことが好きで帰省するたびに姉の荷物によく忍び込もうとするのだが、それを目ざとく見つけるオズワルドによって、ぽいっぽいっと阻止されていた。
クールビューティーに摘まれ、ラディッシュたちは一生懸命足をパタパタ動かして抵抗するのだが、姉が一番のオズワルドにはその可愛さは伝わらず、あっさりとシルヴィアから遠ざけられていた。
フロンティア的には姉推しすぎる推しのその姿は美味しいのだが、ラディッシュを掴んでものすごく綺麗な微笑みを浮かべるオズワルドはまさしく人外の魔王そのものに見えた。
掴まれているラディッシュたちはわかっていないので毎度懲りずに挑戦するのだが、隊長とかはオズワルドを警戒してあまり近づかない。きっと、本能で逆らったら怖い人ということがわかるのかもしれない。
だが、今日はその美貌の魔王がいない。
非常にご機嫌なラディッシュたちだ。個体は違うのに、そういった意志が引き継がれているのか今日はいつにも増して動きが速かった。
これ幸いとわらわらとついて来たので、好きにさせている。
「ヴィア姉さま。改めておひさしぶりです。お元気でしたか?」
「もう。ティアったら頻繁にやり取りしているじゃない。でも、嬉しいわ。それにシュクリュやカブ隊長や野菜たちも元気だったわね。前回変わった催しをしたって聞いているわよ」
「それは殿下とオズワルド様が……、あと悪ノリしたリヤーフのせいです」
そうなのだ。なぜか催しに発展してしまった、どっちでしょう改め、どっちでショウ(SHOW)大会。
彼らに、帰省したときに繰り広げられたカブと大根の美脚勝負の話をしたのが悪かった。
オズワルドが持っていた通信機でのやり取りだったが、非常に面白がったのはアンドリューで、それに対してさらなる発展をと貴族向けにワインを作って美味しさ比べとかも面白そうですね、と言ったのがオズワルド。
そのため二人の権力者によって、土地が増えた伯爵領。
もともと北部の土地は持て余し気味で没落した貴族の国預かりの土地も多く、食料問題の貢献もありあっさりと許可された。
任された土地も辺境伯側であったので、この辺はアンドリュー王子が強く関わっていると思われる。
しかも、ワインの生産とあっては、嗜好品を好む貴族の期待も膨らみぜひとも成功させてくれとの圧が強い。
もう関わる相手が大きいと、規模が大きくなりすぎて私の手に負えなくなってきた。
難しいことはこちらで考えるから好きなようにとは言われてはいるが、規模の大きさに正直恐縮しっぱなしだ。
こちらは楽しくシュクリュと野菜たちと水やり、ちょっと遠出することも増えたなくらいなので、規模とやっていることの落差に申し訳ないとも思ったりもする。
そのオズワルドの言葉で果物が仲間入りすることになったのだが、その話に噛んできたのがリヤーフ。
ワインの生産が安定したら大会にして大々的に宣伝も兼ねて、どっちでショウをしようってことになったのだ。
好きに野菜を育てていいし何かあればフォローはしてくれるのだが、あれをやってみろこれをやってみろと、二人は結構容赦がない。
ある意味勤勉でもあるのだが、どちらもエス気もあるので次々と案が出てきて大変だ。
その上、商魂たくましいリヤーフもいるのだから、話の進みが早かった。
彼らの視点や動きに学ぶことも多く、伯爵領や野菜のためにも非常に恵まれたいい環境ではあると思うのだけど、だ。
北部の食料問題のこともあり、試せることは試したいということは理解しているし協力したいと思っているが、とにかく精神面でハードだ。
身体的なケアや金銭的な心配はもちろんない。ただ、すでにいるメンツがメンツであるし、貴族向けのものに参入するとか、そのイベントに辺境伯までやって来てと大御所揃いで気が気でない。
野菜たちはノリノリだったからいいけれど、当初思っていた穏やかな発展とは違ってきてその辺りは気になるところだ。
「そうだったわね。王太子殿下がティアの魔力を認めてくださっているものね。オズワルド様からティアの活躍を聞いて、とっても嬉しかったの。ここに帰ってくるたびにたくさんの仲間が増えていて、ティアが人を笑顔にしていることはとても誇りに思うわ。さすが私の可愛い妹だって」
「ヴィア姉さま……」
シルヴィアの言葉は気負いなく、ただ姉として、妹によく頑張ってるねと労いの純粋な気持ちが乗ったものだった。
それ以上も以下でもなく、私の功績を等身大で見てくれている。
成功ありきではなく頑張りを見てもらえた気がして、私は思わずがばりと姉に抱きついた。
「ふふっ、もう、ティアったら甘えん坊ね」
「だって」
だってだって、認めてもらえるのはやっぱり嬉しい。
好きでやっていることだし、周囲も喜んでくれて何かの役に立っているのならと思うけれど、成人もしていない自分が背負うには重すぎることもあって、誇りに思うとの家族の言葉は心に響いた。
そんな優しい姉と物理的に距離が遠くなっていくことが、急に感じられて甘えたい気分になった。
姉はいなくはならないけれど、大きくなるにつれてそれぞれの道を進んでいく。ましてや、姉は結婚が決まりもうすぐ人妻となるのだ。
別に帰ってこないわけでもないけれど、会えないわけでもないけれど、やっぱり寂しく感じてしまう。
姉も何か思うところがあったのか、猫っ毛の私の髪をなぜてくれる。ゆっくりと細い指が優しく行き来し、しばらくして穏やかな声が落ちてきた。
「ティアも大きくなったわね」
「……もうすぐ学園に行く年齢になります」
「そうね。ティアはすぐに誕生日がくるからもうすぐ十七歳なのね」
「はい。ヴィア姉さまは成人されて、なんだか感慨深いです」
産まれたときからずっとここで育ってきた二人。
一人は結婚間近で、もう一人は王都の学園へと行く。
どちらも良き旅立ちではある。それはわかっているのだけど、小さな頃から仲が良くずっと一緒に過ごしていたので、こうして二人でゆっくりできるのはもうあまりないのだと思うと成長が嬉しいとともに寂しくもあった。
いろいろなことを自分でできるようになった分、今まですぐそばにいて知り得ていたことも少なくなって、それぞれで大事なものが増えていく。
私がぐぅっと抱きついていると、ラディッシュたちもえっちらおっちら小さなボディで窓枠から下りると駆け寄ってきた。
抱きしめられないから、シルヴィアの服のあっちこっちに捕まってぷらぷら浮いている。
あっ、一体が落ちた。気づいた姉に拾われて膝の上に置かれる。良かったね。
本当、ラディッシュたちの気持ちわかるよ。わかる。
ヴィア姉さまの清らかな包容力のそばってすっごく落ちつくもんね。
今日はちょいちょいっと摘んで放り出すオズワルドがいないし、みんな遠慮がない。そして、私も遠慮せず姉妹の時間を過ごせる。
「ヴィア姉さまはいつまでも私の姉さまです」
「何を当たり前のことを言っているの。ティアはいつまでも私の可愛い妹よ」
優しくぽんぽんと背中を叩かれて、私はふにょっと相好を緩ませながら姉のお腹に顔を埋めた。
26
お気に入りに追加
5,573
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
冷徹義兄の密やかな熱愛
橋本彩里(Ayari)
恋愛
十六歳の時に母が再婚しフローラは侯爵家の一員となったが、ある日、義兄のクリフォードと彼の親友の話を偶然聞いてしまう。
普段から冷徹な義兄に「いい加減我慢の限界だ」と視界に入れるのも疲れるほど嫌われていると知り、これ以上嫌われたくないと家を出ることを決意するのだが、それを知ったクリフォードの態度が急変し……。
※王道ヒーローではありません
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
うたた寝している間に運命が変わりました。
gacchi
恋愛
優柔不断な第三王子フレディ様の婚約者として、幼いころから色々と苦労してきたけど、最近はもう呆れてしまって放置気味。そんな中、お義姉様がフレディ様の子を身ごもった?私との婚約は解消?私は学園を卒業したら修道院へ入れられることに。…だったはずなのに、カフェテリアでうたた寝していたら、私の運命は変わってしまったようです。
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつまりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
妹と旦那様に子供ができたので、離縁して隣国に嫁ぎます
冬月光輝
恋愛
私がベルモンド公爵家に嫁いで3年の間、夫婦に子供は出来ませんでした。
そんな中、夫のファルマンは裏切り行為を働きます。
しかも相手は妹のレナ。
最初は夫を叱っていた義両親でしたが、レナに子供が出来たと知ると私を責めだしました。
夫も婚約中から私からの愛は感じていないと口にしており、あの頃に婚約破棄していればと謝罪すらしません。
最後には、二人と子供の幸せを害する権利はないと言われて離縁させられてしまいます。
それからまもなくして、隣国の王子であるレオン殿下が我が家に現れました。
「約束どおり、私の妻になってもらうぞ」
確かにそんな約束をした覚えがあるような気がしますが、殿下はまだ5歳だったような……。
言われるがままに、隣国へ向かった私。
その頃になって、子供が出来ない理由は元旦那にあることが発覚して――。
ベルモンド公爵家ではひと悶着起こりそうらしいのですが、もう私には関係ありません。
※ざまぁパートは第16話〜です
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。