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ねこねここねこねこ
6P
しおりを挟む一生懸命に戦ってそれでも負けてしまえば仕方ない、死を覚悟している。けれど、こんなところで潰える鷹の翼ではないと信じている。
鷹の翼の皆がそれぞれ仲間を信じているように、猫丸もまた皆の強い想いを信じている。だから、どんなに力の差が歴然な強敵でも諦めない。
猫丸は仲間を、家族を信じている。山猫に頼らなくてもきっと松原を倒せる。証明してみせるんだ!
猫丸は大きく息を吸い込み、力で振り下ろされる薙刀に脇腹を斬られながらも体をひねって松原の手から脱出。着地と同時にギンッ!と睨み上げると物陰から複数の影が飛び出した。
「なっ、また猫か!くっ……邪魔をするでないッ!」
飛び出し、松原に襲いかかったのは30匹ほどの猫。1度は戦いに恐怖し逃げていた猫達が、帰ってきた。
本当の意味で覚悟を決めた今の猫丸になら全てを捧げられる。どんなに怖くても立ち向かっていけると、猫丸の瞳の奥に燃え上がった炎を感じたから。
「丸は鷹の翼の猫丸。たくさんの猫達を使役する、最年少の隠れた特攻員。猫被りな丸の本当の姿、その目に焼きるけろにゃーッ!!」
ほんの一瞬、猫丸が大人になった姿が見えた。声が聞こえた。もちろんそれは現実ではない幻なわけで。
薙刀を振り回し力づくで猫達を払いのけた松原に、今度は猫丸が襲いかかる。自信に満ちた2つの黒い瞳が、松原の目に映った。
まるで別人。伸びるはずのない暗器の爪が伸びているのか?いや、そんなはずはない。だが伸びているように見える。その爪が松原の胸を斬り裂き、立て続けに繰り出された蹴りは薙刀で防がれる。
目の前でシュンッと姿を消すと今度は間髪入れずに猫達が再び四方八方から襲いかかり、松原の動きを封じる。
だが、松原もやられてばかりではない。これでも新選組の四番隊隊長なのだ。猫達に噛みつかれ鋭い爪で引っ掻かれながらも蹴り飛ばし、薙刀で斬りかかる。
蹴り飛ばされた2匹の猫を抱き留め、すぐにまた姿を消す猫丸。次の瞬間松原の頭上に出現するとさっき抱き留めた猫2匹を上から仕掛け、自分は着地。
頭と肩に噛みつかれながらも松原は猫丸の着物の裾を踏みつけ、逆さに持ち替えた薙刀で猫丸の右肩から手首までを斬りつけた。
その、薙刀を握る手に猫丸がガブッ!と噛みつく。鋭く尖った八重歯が、他の歯も皮膚を突き破って歯が根元まで埋まるほど強く強く噛みつく。
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