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奪還と強奪
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しおりを挟む「千歳、君はどっちの味方なのかね?我々の作戦などと敵の前で口走るとは情報屋としてどうかと思うが?」
千歳の発言に松原の表情が変わった。笑みが消え、鋭く細められた茶色い眼光は千歳を射貫く。彼の纏っている空気がザワつく。
千歳の介入で少し鎮火した雪も、山崎の居場所をバラされて怒りの矛先を向けた。しかし千歳はわずかにも気にすることなくシレッとしている。
「誰の味方でもないわよ。見ていてあまりにもくだらないから、話を進めてあげようと思ったの。さっきのちぃの発言、双方に同じくらいの損得だったでしょう?」
山崎は奥の牢にいる。この情報は鷹の翼にとって、新選組に知られれば損だが新選組にとっては得。
松原と沖田の登場は作戦であり山崎を助けるためのものではない。この情報は新選組にとって、鷹の翼に知られれば損だが鷹の翼にとっては得。
沖田と雪の口喧嘩は顔を合わせれば途端に着火するようだが。慣れを通り越して飽きも通り越してしまった千歳には耐えられなかった。
いや、それだけじゃない。他にも彼女には、彼らの顔なじみの情報屋として以外に思うことがあった。
千歳という1人の人間として、新選組と鷹の翼に介入した。それが何を意味するのか、未来にどんな影響を与えるのかは千歳自身がよくわかっているはず。
それでも、自分の役割を捨ててまでして口を挟んだということは――
「松原さんと沖田さんは何をしにいらっしゃったのですか?まさか、たったお2人で襲撃ですか?」
それまで黙っていた小紅は千歳の隣に立ち、松原に向き直る。恐怖を隠しきれていない。胸の前で握った手が小刻みに震えている。
「いや、私達は山崎君を回収するついでに君の――」
「まぁーっちゅーさん!すすむーはまーた勝手なことしてるみたいだし、作戦は失敗。さっさと帰るよー」
沖田が遮るように松原を大きな声で変な呼び名で呼んだ瞬間、屋敷の奥でドォォォンッ!!と爆発音が轟いた。
「あっちは……!やっぱりてめぇら何か仕掛けてやがったんだなっ!!」
「ということは、あそこが牢ってことだねー。安心していいよ。僕達も予想外、あれはすすむーの暴走だからー」
松原が何を言いかけたのか、頭からすっぽ抜けてしまうほどの地響きと轟音。山崎を捕らえて鳶と猫丸が見張っているはずの牢から煙が上がっている。
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