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暗躍
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しおりを挟む――その頃、屋敷の中にある牢では猫丸による山崎への猫責めが行われていた。
十数匹の猫達があらゆる方向から山崎の体中を舐めまくり、噛みつきまくり、くすぐり倒す。それを延々と繰り返す。ある意味、暴力による拷問よりも精神的にキツい。
髪の毛、両腕と両足と胴体はもちろんのこと。耳や首、着物の中にまで入って悪戯している子もチラホラ。
が、山崎も忍。口をキュッと引き結んだまま、うめき声のひとつもあげることなく耐えている。
「しぶといのにゃー。裏山に行けば残りの子達も参加させられるけど、どうする?」
「…………いい。丸、楽しいだけ…………それに…………無駄だ」
牢に連れてきてから休むことなく猫責め。猫丸は仮眠をとっていたものの、鳶は一睡もせず見張り続けていた。
そして判断したのだ、これ以上責めても効果はないと。長い時間「にゃんにゃん」とか「ピチャピチャ」とか「ガリガリ」とかいう音を聞きながら、目を背けたくなる光景を凝視し続けてきた。
ずっと猫まみれの様子を見続けていたからこそ、山崎が考えていることに気付きやむを得なく中断を決意。
「…………」
「何か、待ってるのかにゃー?誰かが助けに来る?誰??」
そう、山崎は決して口を割らない。どんな苦行を受けてもその時が来るのを待つ。そんなまっすぐな、深緑色の目をしている。
猫まみれの山崎を楽しそうに眺めていた猫丸が猫達を引かせると、山崎は咳き込んだのち、深い深い溜め息を吐いた。
「はぁぁぁぁぁ…………ほんと、酷い目に遭ったっす。沖田あたりにでも味わわせてやりたいっすよ。あぁー、猫くせぇっ」
「丸、警戒。目、放すな」
天下の新選組の一員である山崎がたとえどんなに優秀だろうと、捕えられた時のことを考えていないわけがない。
鷹の翼が下手に新選組を殺せないとわかっているからこそ、山崎は拷問に耐え抜きあらかじめ企てておいた時が来るのを待つ。
誰か助けが来るのか?それとも、捕えられても捕えられなくても元からこの屋敷を狙って爆弾でも仕掛けているのか?
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