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桜鬼と桜樹
8P
しおりを挟むその反応を、青ざめた顔を待ってましたとばかりに、桜鬼の右手はさらに奥へと滑り込み直接腹部を撫でた。
ついさっきまで何度も殴りつけられ濃い赤紫色に変色した熱い腹部をゆっくり撫で、わざと痣の部分をギュウッと強く押さえる。
「うぅっ!ん、うっ……んんっ!んんーっ!」
さらに腹部から横へ、下へ。腰を撫でて太もも全体をいやらしく撫でれば内側で手を止めた。
「その反応、すでに経験済みかな?どうしよっかなぁ。壊しながら辱めるのも好きだけど、せっかくの声が聞けないのは面白くないし。でも…………めちゃくちゃにしたい。真っ赤な血液と僕の白い液で紅白に染めてめでたくしたいねぇ!」
グッと顔を近づければ赤い瞳が怪しく光る。狂気に満ちた光。
匂いを嗅ぐように首や肩に顔をうずめ、胸まで来ると襟を噛んで引っ張り器用にはだけさせた。外気にさらされた胸が露わになり、桜鬼は喉を鳴らす。
いくら小紅が「嫌!」だと首を振っても、懸命に「やめてください!」と涙を流しても、桜鬼はやめない。
そんなに大きくはない胸に顔をうずめ、右手は足をつかんで、左手は口を塞いで、そして膝は小紅の下半身を刺激し始める。
本当に、桜鬼は一体どうしてしまったというのか?普段の彼とは真逆の、凶暴でイカれた快楽殺人鬼。
元々物置き部屋だった小紅の部屋は他の人達の部屋からは遠く、誰もが完全に寝静まっているこの時間、誰かが助けに駆け付けてくれる可能性は低い。
夜が明けて誰かが目を覚まし部屋の前を通り過ぎる時に気づくのが先か、誰かが小紅を起こしに来るのが早いか。
もしくは、このまま犯され傷つけられて体も心もボロボロにされた挙句、もう2度と動かない冷たいモノになり果てたのを発見されるのか。
「んっうっ……んんっんうっ……っ!」
冷たい外気にさらされ、恐怖でどんどん体が冷えていく。無理矢理与えられる刺激に体が反応し、触れられているところだけがジンジン熱を帯びる。
怖いはずなのに、確かに嫌なのに。体は敏感に反応して彼の膝を濡らしてしまう。それが余計に彼を高ぶらせる。
ギュッと目を閉じ、自由な震える両手で両耳を塞ぐ。もう小紅は全てを捨てた。何も見ない、何も聞かない、何も感じない。ひたすらに全てが終わるのを待つ。
楽しそうに笑いながら小紅の体に赤い痕を残していく桜鬼。だんだん本能的になってきて、下を刺激する膝は激しさを増し、がぶりと首筋に噛みつく。
そのまま肉を噛みちぎってしまいそうなほど強く噛みつき、なおも笑い続ける彼は障子に黒い人影が写っていることに気付かなかった。
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