惰眠童子と呼ばれた鬼

那月

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繋がる生

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 俺はこれから、どうするのだろう?いや、どうするも何も、今回が特殊だっただけだ。また、いつものように家に引きこもって長く寝ては起きるを繰り返す日々に戻る。


 沈黙に耐えられなくなった和比呂が「何かほしいものは?やり残したことはあるか?」と聞くが、小娘はわずかに笑みを浮かべて首を横に振る。今更、だろう。


 それから小娘は何度も吐血と嘔吐を繰り返し、疲れて眠ってしまった。


「……くだらぬことに巻き込んで悪かったな、和比呂」


「へそ曲がりで無駄にプライド高い鬼のあんたの口から、そんな気の利いた言葉が聞けるとはな。あんたでも、少しは心境の変化ってもんがあったみたいだな」


 キツネを残し、俺は縁側に座る和比呂にあの不和歌磨呂の話をした。


「助けてくれたとはいえ、なぜ逃がした?野放しにすれば他の人達に言いふらしてしまうことは目に見えているだろ?蒼輝さん達は山に逃げればいいだろう。けどな、俺は人間なんだよ。話が広まれば表で生きづらくなる」


「…………あの男は、むやみやたらに言いふらしたりはしない。そういう目をしていた」


「どういう目だよ。俺を担いだとはいえ、女みたいなやつなんだろう?」


「あぁ。何だろうな、俺にもよくわからんが。なんかこう……こいつなら頼っても大丈夫だって感じがしたんだ。嘘を吐かぬ、まっすぐで綺麗な目をしていた」


 思い出せば、まず、歌麿呂がなぜあんな山奥に1人でいたのかが不思議だ。鬼化していた俺や、血だらけの和比呂を見ても臆することなく手を差し出してきたし。


 本当に、不思議な男。だが何よりも、歌麿呂のことを想うと――胸がザワつくのだ。


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