惰眠童子と呼ばれた鬼

酒呑童子が酒を飲んでばかりいる鬼なら、惰眠童子は寝てばかりいる鬼だ。


深い深い眠りの中に心を沈めていた惰眠童子は突如として、人間の少女に叩き起こされた。

「あたしの守護神になって、あたしを守って頂戴」

何度も死にかけた。その代わり、家族が代わりに死んだ。
もう身代わりになる人はいない。だから、今度はあたしが死ぬ。
それでもいい。
ただ、高校を卒業するまでの1週間。何が何でも守ってほしい。

惰眠童子はただならぬ雰囲気をまとう少女に仕方なく、とっても嫌々、承諾。
少女を狙う数々の不幸。巻き込まれる惰眠童子。
人為的な不幸。災い。とても、人間が成せるものではない。

人外には人外を
惰眠童子は大昔馴染みを頼り、力を借りる。
やがて少女がなぜ何度も死にかけるのか、なぜ集中的に災いが起こるのかを知る。

その意味を知った時が、少女の終わりと惰眠童子の始まりである。
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