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迫りくる氷山
4P
しおりを挟む実際、脱出するまで場所はわからなかった。街から遠く離れた山奥かと思いきや、街の中心部に近い大きなビルの地下だった。
大きな会社が所有するビルなんだけど、持ち主は不明。特殊な魔法がビル全体にかけられていて、外からは人がいるように見えるのに実際、中には誰もいないんだって。
ここで疑問。小童子がビルなんかに住み着くのか?いいえ、彼らは廃墟が大好きよ。魔法が使える?断じて有り得ないわ。そこまで急激に進化するなんて有り得ない。
なら、小童子以外にも何かがいる。知能の高い鬼、もしくは魔法が使える鬼?もしくは、魔法が使える人間が協力しているか協力させられているか。
その答えはすぐにわかった。脱出していた時、大人の女性が立ちはだかったんだって。
どう見ても人間で、戦闘は苦手だけれど高度な幻術の魔法を使う。あと、とっても胸が大きかった……って、そ、それはいいわよ!
自分の意思らしいし、鬼に味方しちゃう人間かいるなんて。理由を知りたいわね。
強い幻術をかけられて1度捕まってまた檻の中へ。どんな幻術だったのかはよほど辛かったのか、教えてくれなかったわ。
女との戦闘で鬼死団だとバレ、危険性を考えた女は仲間を連れてやってきた。
あの少年小童子と他数体の小童子、女が腕に抱き着いているのは背が高い男。それからそんなに背が高くない、一見女性のように見える美青年。
男と美青年は普通の人間のように見えるが纏っている雰囲気が鬼特有のもの。人間の姿ということはかなり高い知能と力を持ってそうね。
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