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鬼死団
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しおりを挟むそのうえ、普段は新しい爆弾の開発に勤しんでいるから爆破実験も何度もしてる。だから人のいない遠く離れた山奥にある専用の小屋に、戦闘要員で呼ばれた時以外は大抵引きこもってる。
それに彼女は特殊で、戦闘要員と情報屋も兼ねているの。本人曰く「すっごーーーーぉく、忙しいのだ、だっだー」らしい。
「大丈夫、自分で歩け――うっわ!?」
「く、首を絞めないで、コホッコホッ…………足元がおぼつかないアキラさんを歩かせるほど俺も残酷じゃない。おぶっていくから、つかまっていてください」
「すまない。すぐに治るとはいえ、あなたも怪我が痛むだろうに」
「治癒はすぐに始まるので痛むのはあんまり気にならなくなる。人間だった時は、痛みが長引いて苦しんだけど、ね……」
ねぇアキラさん。マクベスの小さな呟きは聞こえちゃった?目を伏せて悲しそうに笑う顔は見えちゃったかしら?
アキラさんはマクベスよりも背が高くて体格がいいんだけど、背中に乗っけられてちょっと安心してる?本当は辛いんでしょ。
驚きのあまり、とっさにマクベスの首をガッチリつかんじゃってヤバかったけど。でも楽しそう。
アキラさんは24歳。7年前の百鬼夜行の時にはすでに鬼死団として戦場に立っていた。17歳という若さでズバ抜けた戦闘スタイルと、当時からとんでもない馬鹿力。
前団長の補佐をしていたんだけど、あの時の戦鬼に前団長を喰われてから周りの団員の推薦を受けて新しい団長の座に就いたの。
もう数えるくらいしか生き残っていなかったんだもの、鬼死団は。今のメンバーは生き残りと、新たに志願して入団した人達で構成されている。
本人は「命を懸けて団長を守るのが俺の役目だったのに、逆に守られてしまった。情けないよ。俺には、団長なんて勤まらない」って言っていたんだけどね。彼を支持する人達の方が強かった。
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