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第4章
③
しおりを挟む「いやいや、大袈裟ですよ。いつか店で料理をふるまう時が来たら、少しでもオシャレにして姫達を喜ばせたいじゃないですか。それにこういうの楽しくて好きなんですよ」
「見た目よし、性格よし、料理もできるとか、完璧か。お前に恋人がいないのが不思議なくらいだ」
えー、俺はそんなハイスペじゃないですよ。って笑いながら、両手を合わせて「いただきます」をする。
店で料理をふるまいたいのは、わりと本気で思ってる。だから前に厨房を手伝いたいってオーナーに相談したら「俺様の返答も想像できないほどアホじゃないはずだ」って、無表情で去っていった。
まぁ、言いたいことはわかるよ。ナンバーワンのキャストをバックに下げる時間がもったいない、ってね。
でも作るのは好きだし、腕を上げるためにも色んな人に食べてほしいんだよなぁ。あぁそうだ。なら、家で作って店への差し入れにしたらいいんじゃないか!?
「うまい!半熟卵のトロトロ、ベーコンのカリカリ、レタスのシャキシャキ、触感の違いが……胡椒も効いていて、とにかく、うまいっ」
おぉ、ビックリした。ハスキーさんが急に吠えたと思ったら美味しさにビックリ感動して震えてるし。
このホットサンドとか、ちょっとした、すぐにつまめるものなら皆喜んでくれそう。
「そんなに喜んでもらえるとは思いませんでしたよ。でも、嬉しい。これ、今度多めに作って皆に差し入れしようかなって――」
「それはだめだ」
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