■Gastgeber■

悪魔ベリアル

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【第2週】

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●10月3日
1日 午後8時20分ごろ
岐阜県美濃加茂市のマンションにて、男性が死亡しているのが発見されました。
死亡男性はマンションに住んでいた高橋優斗(26)
警察は無職の西村孝弘容疑者(30)を逮捕・送検しました。
西村容疑者は、高橋さんをナイフで複数回刺して殺害。
バラバラに解体した遺体を街道沿いに放置した疑い。
西村容疑者は犯行を否定しています。
高橋さんと西村容疑者の間に、ネット上でのトラブルがあり
それが動機だと考えられ、引き続き捜査が続けられています。

18 名前:名無しさん 20XX/10/03 21:15 ID:GIfsl2Cs0
高橋さんってあの配信者でしょ?
めっちゃ男尊女卑な発言してた人。
ネットでも炎上してたし、あんまり驚かないかも。

19 名前:名無しさん 20XX/10/03 21:15 ID:EMfVaH7l0
俺も高橋さんの配信見てたけど、こんな結末になるなんて悲しいわ。
炎上はしてたけど、まさか殺されるなんて…。

20 名前:名無しさん 20XX/10/03 21:17 ID:.JVmf6GS0
>>18
そうなんだ…配信者だったんだね。
ネットで炎上してる人がリアルでもトラブル起こすなんて、なんか怖いな。

21 名前:名無しさん 20XX/10/03 21:18 ID:aMAterAsu00
前々から女性を愚弄する発言が目立つ人物でしたから、報いを受けて死んで当然です。

22 名前:名無しさん 20XX/10/03 21:18 ID:dQBISqFx0
ネットでの言い争いが現実にまで発展するってヤバいな。
ネット上でのトラブルが命に関わる時代になったか…。

23 名前:名無しさん 20XX/10/03 21:18 ID:dsr.lEGl0
高橋さんって、自分で炎上させといて勝手に敵作ってたよね。
正直、自業自得だと思うわ。


●10月4日
3日投開票の山梨県知事選挙は、青鞜せいとう党単独の支援を受けた平塚正氏が初当選した。
青鞜党は大躍進を続け、47都道府県の内、15県の知事が青鞜党所属となった。
今年にある衆参同時選挙でも、大幅な議席獲得が期待されている。

12 名前:名無しさん 20XX/10/04 09:45 ID:WVm.qRsk0
山梨で平塚氏が知事になるとは驚いたな。
青鞜党って最近よく聞くけど、俺は特に支持してないし、様子見かな。

13 名前:名無しさん 20XX/10/04 09:45 ID:CcHrpRL40
青鞜党がまた勝った!本当に嬉しい。
平塚さんなら女性の権利もさらに進めてくれるはず。
これで社会が変わる!

14 名前:名無しさん 20XX/10/04 09:46 ID:DwFm2qDb0
青鞜党が増えるとか最悪だな。
結局、男を締め付けるための党だろ?
男がどんどん不利になってく。

15 名前:名無しさん 20XX/10/04 09:46 ID:lmHrH2Zo0
今の腐敗した与党には期待できない。
だからこそ青鞜党が希望なんだよ。
平塚さんの当選は、クリーンな政治の第一歩だ。

16 名前:名無しさん 20XX/10/04 09:46  ID:CcHrpRL40
ようやく女性が上に立つ時代になってきた!
男なんてもう不要だし、青鞜党がもっと日本を女性中心に変えていくべき!




殺風景な白い壁と天井。
部屋の中央に座った女医は、片手に超音波スキャナーを持ち、それを患者のお腹へと圧し当てている。
彼女は女医らしく白衣を纏い、黒いワイヤーフレームの眼鏡をかけている。
年の頃は40才くらいだろうか?
ほうれい線が口元に刻まれ、髪の毛にもメッシュの様に白い物が混ざっている。

「うーん…」

そんな彼女は眉を顰め、エコー検査で探査した結果を映すモノクロのモニターを見詰めた。

「…どうですか…先生?」

女医の隣から様子を伺っていた女性が、不安げに問いかける。
彼女は燃え立つような赤毛のロングヘア、目鼻立ちがハッキリとしている美人だった。
外国人独特の彫りの深さと、日本人が持つ丸い印象が合わさって、彼女がハーフだとすぐにわかる。
女性的な脚のラインが目立つ、タイトスカートの白いビジネススーツ姿で、凛とした印象を感じた。

「ぃゃ…、わからないねぇ~っ」

スキャナを患者のお腹から離すと、一息つく様に女医は呟いた。
無造作に数枚のペーパータオルを箱から引き抜き、患者のお腹に塗っていたゼリーを拭きとる。
そして、看護師へスキャナの片付けを指示すると、女医は電子カルテの表示されたモニタへ視線を移した。

「…また、ダメだったんですかぁ?」

そう言いつつ、自分のお腹に残ったゼリーを自ら拭い、エコー検査を受けていた女性が半身を起こした。
綺麗に染めた青いミディアムヘア、ツートンカラーで内側が明るい水色。
片側の側頭部は、刈り上げたツーブロックにしている。
服装も黒が基本なパンクでロックな印象で、
白いビジネススーツの女性とは、対照的な雰囲気だ。
顔の感じも、スーツの女性は知的でクールな大人の女性なのに対して
エコーを受けていた彼女は、生意気でカワイイ雰囲気。

「まあ、まだIPS精子は発展途上な技術だからねぇ~っ」

女医は慣れた手つきでキーボードを叩き、検査結果を電子カルテへと記載していく。

「でも、男女の自然受精でも着床率は70%だし…。」
「IPS細胞から生成した人造精子だと、着床率40%で自然より低いけど。」
「同性でも、自分の遺伝子を受け継いだ子供が産める可能性があるんだから。」
「"買わない宝くじは、当たらない…"、みたいなモンだよ。」
そう言うと女医は軽く微笑んだ。

21世紀初頭にIPS細胞の生成技術が確立。
そこから生み出された万能細胞は、人々に様々な恩恵を与えた。
その中で開発された人工精子と人工卵子は、不妊に悩む人々を救う画期的な技術であった。
そして、"性の多様性"により同性婚が一般化した時代。
その技術により、同性同士でも"互いの遺伝子を受け継いだ子供"を持つ事が可能になった。

白いビジネススーツで赤毛なハーフの彼女の名前は、"物部もののべタニヤ"
パンクでツーブロックなミディアムヘアの彼女の名は、"杉本リンカ"
今や彼女達の様な同性カップルでも、子供が持てる時代。

「でも、今回はちょっと違うかなぁ…」

女医は机の下から書類を取り出し、ペンで何かを走り書きする。

「え?どうしたんです…?」
「何か悪い事でも…?」
「いやいや、この大学病院に設備が足りなくてぇ…」
「別の病院で精密検査を受けて貰えるかな…?」
「今、紹介状を書きますからぁ…」
そう言いつつ女医は白い用紙へ必要事項を埋めていく。

「えーっ、この前もそう言って別の場所で検査したら…。」
「妊娠していないって、言われましたよぉーっ」
リンカは可愛らしく口を尖らせ、ベッドから降ろした脚をブンブンッと振った。

「すみませんねぇ~っ、弱小大学病院でっ!!」
リンカの不安を察した女医はにこやかに笑みを浮かべた。

「なぁに、IPSを使った妊活は補助金が出るからねぇ~っ」
「なるべく、色々と受診して貰ってっ♪」
「国から出る補助金で医者を儲けさせて貰わないとっ♪」

女医はそう軽口を叩きながら、診察券が入ったクリアファイルをタニヤへ渡した。
苦笑しつつも、それを受け取ったタニヤはファイルをリンカへ回す。

「ごめん、リンカ」
「ちょっと、先に会計に行ってもらえる…?」
「え??あっ、…うん。」

リンカはタニヤの言われるままに立ち上がると、一礼して診察室から待合室へと立ち去った。

「また、"移送"ですか…?」

リンカがドアを閉めた事を確認すると、タニヤは女医に告げた。

「うん。」
「今回も経過は上手く行っているわ。」

女医は椅子をクルリッと回すと、タニヤに向き直った。

「彼女は、とっても優秀ネッ♪」
「"良いオカアサン"だわ…っ★」
「今回もしっかりと移送してちょうだいね☆」

ニッコリと微笑みながら女医は、作成した紹介状をタニヤの前へ差し出した。
タニヤはそれを無言で受け取ると、診察室からリンカが待っている待合室へと去った。


「むぅ~っ」
「今回で三回目だよ…っ!!」


助手席でリンカは、頬を膨らませて悪態を吐いた。
別の大学病院へ向かう車の中。

「しょうがないよ、先生も言ってたでしょ…?」
「そうだけどさぁ…っ」
「どうせ、今回も精密検査されて…」
「"残念ながら、妊娠していませんでした"って言われるんだよっ」

「…きっと…っ」

ガクリッと糸が切れた操り人形の様に、リンカは肩を落とし、俯いた。

「なぁに?」
「リンカは子供欲しくないの…?」
「アタシとの子供…。」
「そんな事ない…っ!!」

パッと顔を上げ、グイッとリンカは運転しているタニヤへ近づく。
そのまま、どしんっとぶつかる勢いでタニヤの頬へキスをする。

「そんな事ある訳ないじゃん…っ」
「タニヤの子供産みたいもん…。」

リンカは小さく恥ずかしがりながら、呟く。
そして、するりっと腕を伸ばしてタニヤの赤い髪へ触れた。

「こらっ、運転中だよ…っ」
「あぁん、だめだったら…っ」

ハンドルを握ったタニヤは、正面を注視しつつリンカを窘める。
運転に集中して自由の利かないタニヤを揶揄う様に、リンカは指先でタニヤの内股へ手を伸ばした。
するりっと撫でる様に指先で、ストッキング越しに彼女の内腿をなぞる。

「ん…っ、こらぁっ」

車を運転しているタニヤは抵抗する事も出来ず、リンカの愛撫を受け入れる。
さわさわとリンカの手が、タニヤの肉感的な太ももの形をなぞり、
タイトスカートの裾を辿る。

「だめよっ、運転…ちゅぅ…っ、あ。」

ちょんっとスカートの裾から飛んだリンカの指先は、タニヤのお腹からねっとりと上へと昇ってゆく。
堪らずタニヤは、左手でリンカの手を払う。
だが、それに怯まずにリンカのデコった付け爪が輝く指先が、タニヤのスーツの懐へ入り込む。
そして、水色のワイシャツの上からタニヤのブラの形をなぞり出す。

「こらっ…、だめよっ、だめ…っ」
「運転してる、だから…はぁ…っ」

タニヤの艶っぽい反応を楽しむ様にリンカは微笑みながら、容赦なく彼女の肉体へ刺激を与え続ける。
そんな彼女の手首を掴み、タニヤは自分の肢体を這い回るリンカの手を引きはがした。
そうこうしていると、二人の乗っていた車は赤信号で停車する。

「チャァーンスッ♪」
「あ。バカッ…!!」

車が静止した事を確認すると、リンカは喰らいつく様にタニヤの白い首元へ吸い付いた。
ぢゅぅっと、タニヤの首へキスをして
ぬらりっと、首筋をリンカの舌が這う。
それに対して、タニヤはリンカの胸をグワシッと鷲掴みにする。

「う、ぅぅん~っ、あふっ★」
「散々、イジメてくれたわねぇ~、お返ししちゃうからっ♪」

ぎゅぅとタニヤの白く長い指が、リンカのふっくらとした胸を握り
頂点を探り出すと、ダイヤルをひねる様に捻る。

「あ。あ。あ。だめ、ごめんっ、ごめんなさい…っ」
「はぁ…、もう…っ、悪い娘っ」

赤信号待ちの車内。
タニヤはリンカの顎をすくう様に持ち上げ、じっと互いに視線を交わす。
そのまま惹きつけ合う様に唇を重ね、軽く唇だけを触れ合わせた。
そのまま、次はぬらっと互いに舌を絡ませる深いキス。

「あ、ぁぁ…、タニヤぁ…好きっ♪」
「うん★、ウン☆、アタシもよ…、リンカっ♪」

そろりっとリンカの手はタニヤのタイトスカートを捲りつつ、より深い場所へと潜り込み
タニヤの手はリンカのTシャツを捲って、ブラの隙間からチロチロ舐める様にリンカの胸を指で探る。

信号は赤から青に変わる。
二人は互いの肉体から性愛を探る事に熱中していて、それに気が付かない。
対抗車線の車が発進すると、曲がる様な素振りをみせつつ車体を大きく歪ませた。

「…あ?」
「ん…?どうしたの?」

リンカは対向車の異常な動きに気付いて声を上げた。
大きく車体をスライドさせて、二人の停車している側の車線へ対向車は逆走を始める。

そして、暴走車は速度を落とさず、二人の乗った車へ直撃した。
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