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After Story
side.リディア
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「ん……」
「起きたか?」
「え? あ、す、すみません!」
私としたことが、随分と深く眠ってしまっていたようです。普通所属は違うとはいえ、新人である私の方が先に起きているべきでしたのに……どうやら騎士団長はすでに起きて、用意も全て済ませている様子。完全に寝坊してしまいました。しかし騎士団長は起こる様子もなくあっさりとした様子で。
「時間には間に合ってるから構わねぇよ。そんだけ疲れてたんだろ。俺は打ち合わせもあるから先に出るが、お前も用意したら班の元へ行けばいい。また今夜もここに来ていいからな」
「あ、ありがとうございます」
なぜこんなに良くしてくださるのでしょうか。昨日声をかけてきた騎士達が騎士達だっただけに、これだけ気を遣ってくださる騎士団長に違和感を覚えます。
「あ、そうだ、お前他の奴らに俺とのこと聞かれてもあんま否定するなよ。下手したらどっかのテントに引きずり込まれるぞ」
「……わかりました」
流石に引きずり込まれるなど勘弁です。あんな筋肉ダルマ達に力尽くで来られたら対処のしようがありません。ここはお言葉に甘えておきましょう。
そのままテントを出て行った騎士団長を見送り、私も手早く用意を済ませて外に出るとジロジロと嫌な視線を感じます。ニヤニヤと下卑た笑みを浮かべている騎士がちらほらと……本当に、腐った奴らですね。
「リディア! こっちだ、早く来い」
「ダグラス。すみません、遅れてしまいましたか」
「いや、まだもう少し間はあるが……はやく班の元へ行った方がいい。この視線だからな」
「ああ……ありがとうございます」
たしかにこの視線の中1人でいるというのはなかなかに気疲れしてしまいます。ここは班のメンバーと共にいた方がいくらかはマシでしょう。
班の元へ行けばどうやらダグラスが説明してくれていたのか、メンバー達からは気遣わしげな声をかけられました。
「大丈夫だったか? すまん、俺らのテントに連れて行けばよかったな」
「いえ、お気遣いありがとうございます。事前調査を怠っていた私も迂闊だったのです。肉欲のことしか頭になさそうな方々が華奢な神官と同じ場で過ごすことになれば、そういうことになる可能性があることなんて少し考えればすぐにわかったはずなのです。これからは情報収集は確実にします」
身体を動かすことが仕事な騎士は無駄に元気が有り余ることであっちの方も色々と元気そうですし。こんなすぐ横に華奢な相手がいる場など格好の出会いの場になることなんて今考えればすぐにわかります。神官は神官で普段近くにいない男らしい体格の騎士達に心が揺さぶられて開放的になってしまう方が多いのでしょう。私はその限りではありませんが。
「にっ……お、おう……なんかすまんな……今夜はどうするんだ? こっちにくるか?」
「騎士団長が今夜も泊めてくださるそうですので、そのご厚意に甘えようかと。周りには騎士団長の相手をしていると勘違いさせておいた方が何かと安全だろうと言われました」
「……あの人が一番危ないような気もしなくないが……」
「リディアって団長のタイプど真ん中だよな……」
「なにか?」
あまりにも小さな声だったので聞き取れませんでした。危ないとかなんとか……? たしかに馬鹿な騎士達がいる中で1人でいたら危ないですよね。
「いや、なんでもない。お前さんがいいならいいんだ。俺らもなんか聞かれたら適当に話合わせとくな」
「ありがとうございます。ところで、あなた方もまさか昨晩は誰かと……?」
「いや、それはねぇよ。そもそも、第1部隊はそういうことをする奴は入れてもらえねぇんだ。今の団長になってから、騎士団全部隊が再編成されたんだが、そういうことをする奴らは第2部隊以下に入れられた。ま、それを知ってるのは第1に入れられた奴らだけなんだがな」
なるほど、確かになにも対策をしていないわけではないようです。そうやって区別していたんですねぇ……確かに騎士団を象徴とする第1部隊がそんなに腐っていたら国民に見せる顔がありませんからね。騎士団長の対応は間違っていないでしょう。
……やはり、騎士団長は信用に値する人間なのでしょうか……? 昨晩も一切触れてくることもございませんでしたし……やはり今晩も安心して泊めていただきましょう。他へ行くより安全に違いありません。
そのあとは予定通り班ごとに別れて討伐へ。やはり私が入れられた班は精鋭部隊なだけありそれぞれ個々の力がとてつもないものであることはさることながら、その連携もかなりのもので私などいらないくらいでした。だからこそ体験としてここに入れられたのかもしれませんが。
わざと隙を作ってくださったところへ魔法を放ち、僅かながら加勢しつつ討伐を続けること数時間。ようやく1度目の休憩のようです。少し疲れてきた頃だったので少しほっとします。
「なかなかいい腕だな。お前さんの年で討伐に参加させられるのもよくわかる」
「ありがとうございます。それにしても流石第1部隊ですね。素晴らしい連携でした」
「はは、ありがとな。ダグラスもなかなかのもんだろ? こいつ、この歳で未来の第1部隊隊長候補なんだわ」
「もうですか?」
確か私と同じ18のはず。そんな歳から隊長候補とは……?
「こいつ、頭が良く回るんだ。それだけじゃなく魔力も多いし剣さばきも眼を見張るもんがある。そこらの新人とは全然違う。俺たちはこいつに追い抜かれねぇように必死さ」
「俺はまだまだです」
「俺に模擬戦で勝っておきながらそんなこと言うなよ……俺はどうなるんだ……」
「あれはたまたまです」
模擬戦で第1班班長へ勝った……? 本当に、恐ろしいくらいの能力を持っているのですね……私も負けていられません。もっと訓練しなければ。帰ったらどなたかに魔法演習に付き合っていただきましょう。
そのあとはまた何度か休憩を挟みつつ討伐し、日暮れまでには野営地へと戻りました。今夜またここで過ごしたらまた明日討伐をして、明後日の朝にお城へ向けて出発するのです。なので後二晩、ここで泊まると言うわけです。
「リディア、団長のテントまで送る」
「ありがとうございます。……それにしても、騎士というのは肉欲のことしか頭にないのです?」
今も感じる視線は非常に下卑たものです。国の守りの要である組織がこれでは少し、いえかなり不安な気がいたしますよ。
「……少なくとも俺は違うぞ。あいつらの行動や思考は理解できん」
「それならばよかった。あまりにも頭のおかしい方々が多いので私がおかしいのかと思い始めていましたよ」
「あれが普通なら世も末だ」
「ふ、たしかに」
未来の第1部隊隊長候補と言われているダグラスがこういう人間ならば少しはこの先の騎士団というものに希望が持てるような気がします。どうにか改善してほしいものですね。
騎士団長のテントへ着くと、既に戻っていた騎士団長の許可を元に中へ入ると……
「し、失礼しました」
着替え中ではないですか……! 何許可を出しているのです……!
「んあ? 別に気にするこたねぇだろ。別にもっと見てもいいんだぞ?」
そう言ってニヤリと笑ってくる騎士団長は微かに野生的な雰囲気を纏っていて。しかし、性的な気配を一切感じさせず、間違ってもオツムの弱い騎士達と一緒とは思えないことから気にする方が馬鹿らしいと、私もさっさと着替えたのですが、そうすると少し慌てたように視線を逸らした騎士団長。
「気にすることはないのでしょう?」
「あー……いや、お前、随分綺麗な見た目してるだろ。自衛するならちっとくれぇ気を使え。その気がなくともその気があるようにとられちまうぞ。襲われたかねぇだろ」
「……貴方は私を襲うのです?」
「そりゃ気持ちのねぇ行為なんざ虚しいだけだから襲わねぇがよ……」
ちらりと見た騎士団長の目は微かに何かを堪えるような光を灯していて。それを見てしまった私には“もしもそこに気持ちがあったのなら”、なんて聞くことは出来ませんでした。
「起きたか?」
「え? あ、す、すみません!」
私としたことが、随分と深く眠ってしまっていたようです。普通所属は違うとはいえ、新人である私の方が先に起きているべきでしたのに……どうやら騎士団長はすでに起きて、用意も全て済ませている様子。完全に寝坊してしまいました。しかし騎士団長は起こる様子もなくあっさりとした様子で。
「時間には間に合ってるから構わねぇよ。そんだけ疲れてたんだろ。俺は打ち合わせもあるから先に出るが、お前も用意したら班の元へ行けばいい。また今夜もここに来ていいからな」
「あ、ありがとうございます」
なぜこんなに良くしてくださるのでしょうか。昨日声をかけてきた騎士達が騎士達だっただけに、これだけ気を遣ってくださる騎士団長に違和感を覚えます。
「あ、そうだ、お前他の奴らに俺とのこと聞かれてもあんま否定するなよ。下手したらどっかのテントに引きずり込まれるぞ」
「……わかりました」
流石に引きずり込まれるなど勘弁です。あんな筋肉ダルマ達に力尽くで来られたら対処のしようがありません。ここはお言葉に甘えておきましょう。
そのままテントを出て行った騎士団長を見送り、私も手早く用意を済ませて外に出るとジロジロと嫌な視線を感じます。ニヤニヤと下卑た笑みを浮かべている騎士がちらほらと……本当に、腐った奴らですね。
「リディア! こっちだ、早く来い」
「ダグラス。すみません、遅れてしまいましたか」
「いや、まだもう少し間はあるが……はやく班の元へ行った方がいい。この視線だからな」
「ああ……ありがとうございます」
たしかにこの視線の中1人でいるというのはなかなかに気疲れしてしまいます。ここは班のメンバーと共にいた方がいくらかはマシでしょう。
班の元へ行けばどうやらダグラスが説明してくれていたのか、メンバー達からは気遣わしげな声をかけられました。
「大丈夫だったか? すまん、俺らのテントに連れて行けばよかったな」
「いえ、お気遣いありがとうございます。事前調査を怠っていた私も迂闊だったのです。肉欲のことしか頭になさそうな方々が華奢な神官と同じ場で過ごすことになれば、そういうことになる可能性があることなんて少し考えればすぐにわかったはずなのです。これからは情報収集は確実にします」
身体を動かすことが仕事な騎士は無駄に元気が有り余ることであっちの方も色々と元気そうですし。こんなすぐ横に華奢な相手がいる場など格好の出会いの場になることなんて今考えればすぐにわかります。神官は神官で普段近くにいない男らしい体格の騎士達に心が揺さぶられて開放的になってしまう方が多いのでしょう。私はその限りではありませんが。
「にっ……お、おう……なんかすまんな……今夜はどうするんだ? こっちにくるか?」
「騎士団長が今夜も泊めてくださるそうですので、そのご厚意に甘えようかと。周りには騎士団長の相手をしていると勘違いさせておいた方が何かと安全だろうと言われました」
「……あの人が一番危ないような気もしなくないが……」
「リディアって団長のタイプど真ん中だよな……」
「なにか?」
あまりにも小さな声だったので聞き取れませんでした。危ないとかなんとか……? たしかに馬鹿な騎士達がいる中で1人でいたら危ないですよね。
「いや、なんでもない。お前さんがいいならいいんだ。俺らもなんか聞かれたら適当に話合わせとくな」
「ありがとうございます。ところで、あなた方もまさか昨晩は誰かと……?」
「いや、それはねぇよ。そもそも、第1部隊はそういうことをする奴は入れてもらえねぇんだ。今の団長になってから、騎士団全部隊が再編成されたんだが、そういうことをする奴らは第2部隊以下に入れられた。ま、それを知ってるのは第1に入れられた奴らだけなんだがな」
なるほど、確かになにも対策をしていないわけではないようです。そうやって区別していたんですねぇ……確かに騎士団を象徴とする第1部隊がそんなに腐っていたら国民に見せる顔がありませんからね。騎士団長の対応は間違っていないでしょう。
……やはり、騎士団長は信用に値する人間なのでしょうか……? 昨晩も一切触れてくることもございませんでしたし……やはり今晩も安心して泊めていただきましょう。他へ行くより安全に違いありません。
そのあとは予定通り班ごとに別れて討伐へ。やはり私が入れられた班は精鋭部隊なだけありそれぞれ個々の力がとてつもないものであることはさることながら、その連携もかなりのもので私などいらないくらいでした。だからこそ体験としてここに入れられたのかもしれませんが。
わざと隙を作ってくださったところへ魔法を放ち、僅かながら加勢しつつ討伐を続けること数時間。ようやく1度目の休憩のようです。少し疲れてきた頃だったので少しほっとします。
「なかなかいい腕だな。お前さんの年で討伐に参加させられるのもよくわかる」
「ありがとうございます。それにしても流石第1部隊ですね。素晴らしい連携でした」
「はは、ありがとな。ダグラスもなかなかのもんだろ? こいつ、この歳で未来の第1部隊隊長候補なんだわ」
「もうですか?」
確か私と同じ18のはず。そんな歳から隊長候補とは……?
「こいつ、頭が良く回るんだ。それだけじゃなく魔力も多いし剣さばきも眼を見張るもんがある。そこらの新人とは全然違う。俺たちはこいつに追い抜かれねぇように必死さ」
「俺はまだまだです」
「俺に模擬戦で勝っておきながらそんなこと言うなよ……俺はどうなるんだ……」
「あれはたまたまです」
模擬戦で第1班班長へ勝った……? 本当に、恐ろしいくらいの能力を持っているのですね……私も負けていられません。もっと訓練しなければ。帰ったらどなたかに魔法演習に付き合っていただきましょう。
そのあとはまた何度か休憩を挟みつつ討伐し、日暮れまでには野営地へと戻りました。今夜またここで過ごしたらまた明日討伐をして、明後日の朝にお城へ向けて出発するのです。なので後二晩、ここで泊まると言うわけです。
「リディア、団長のテントまで送る」
「ありがとうございます。……それにしても、騎士というのは肉欲のことしか頭にないのです?」
今も感じる視線は非常に下卑たものです。国の守りの要である組織がこれでは少し、いえかなり不安な気がいたしますよ。
「……少なくとも俺は違うぞ。あいつらの行動や思考は理解できん」
「それならばよかった。あまりにも頭のおかしい方々が多いので私がおかしいのかと思い始めていましたよ」
「あれが普通なら世も末だ」
「ふ、たしかに」
未来の第1部隊隊長候補と言われているダグラスがこういう人間ならば少しはこの先の騎士団というものに希望が持てるような気がします。どうにか改善してほしいものですね。
騎士団長のテントへ着くと、既に戻っていた騎士団長の許可を元に中へ入ると……
「し、失礼しました」
着替え中ではないですか……! 何許可を出しているのです……!
「んあ? 別に気にするこたねぇだろ。別にもっと見てもいいんだぞ?」
そう言ってニヤリと笑ってくる騎士団長は微かに野生的な雰囲気を纏っていて。しかし、性的な気配を一切感じさせず、間違ってもオツムの弱い騎士達と一緒とは思えないことから気にする方が馬鹿らしいと、私もさっさと着替えたのですが、そうすると少し慌てたように視線を逸らした騎士団長。
「気にすることはないのでしょう?」
「あー……いや、お前、随分綺麗な見た目してるだろ。自衛するならちっとくれぇ気を使え。その気がなくともその気があるようにとられちまうぞ。襲われたかねぇだろ」
「……貴方は私を襲うのです?」
「そりゃ気持ちのねぇ行為なんざ虚しいだけだから襲わねぇがよ……」
ちらりと見た騎士団長の目は微かに何かを堪えるような光を灯していて。それを見てしまった私には“もしもそこに気持ちがあったのなら”、なんて聞くことは出来ませんでした。
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