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After Story
2人の子
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今日も今日とてお休みのダグとデートです。天気がいいからと2人でお庭をお散歩することになり、リディアからお昼とおやつを貰ってからのんびりと歩いてます。離れたところには護衛の騎士さんがいるから完全には2人きりではないけれどどっちみち外だからそう大胆なことは出来ないからね。問題ないです。
今日は少し遠くまで行ってみることになり、ずっと奥まで続くお庭の端の方を目指します。かなり距離があるけど、ダグとだから楽しさしかないです。それにゆっくりだからそんなに辛くないしね。
そうやってゆっくりと歩いてかなりお城から離れたところまでやってくると、ちょうどいい時間だったからシートを広げてお昼を食べることにした。ダグと準備をしてまったりとサンドウィッチを食べ始めると、騎士さん達も少し離れたところでお昼を食べ始めた。綺麗な景色に囲まれて暖かい日差しの下で食べるご飯は格別に美味しいです。
そうしてまったりと過ごしているとちょうどご飯を食べ終えた頃、どこからか僕を呼ぶ声が聞こえた気がした。
「ダグ、今の聞こえた?」
「聞こえたが……」
ダグにも聞こえたようだけど、どうやらダグは警戒しているみたい。たしかにいきなり知らない声が聞こえてきたら怪しいもんね。でも僕には、声の主が悪い存在には思えなかった。だって、毒だとか偽造だとかそういうもののように悪い気を感じなかったから。
なんとなく、と言ってしまえばそうなんだけど……でもやっぱり僕は何か害のある存在だとは思いません。そうやって考えているとまた僕を呼ぶ声が。今度ははっきりと聞こえました。
「ダグ、行ってみたい」
「だが……わかった。ユキが何も感じていないのなら危険なものではないのだろう。少し行ってみるか」
「うん!」
ダグの許可のもと、僕達はシートやサンドウィッチを入れていたバスケットを片付けてから木が生い茂る森へと足を踏み入れた。この奥の方から声は聞こえてくる。何がこの先にあるのかわからないけれど、根拠はないけど何かいいものが待っている気がする。
歩くたびに声は少しずつ大きくなってきて、ついに開けたところへ出るとその中央にはひときわ大きな木が一本だけ生えていた。どうやらその木の方から声は聞こえるようだ。
そっと近付くと、ふわりと拳ほどの大きさの光が2つほど飛んできた。
「僕を呼んだのは、君達?」
──ソウダヨ。ユキヒト、マッテタ。
くるくると僕の周りを飛ぶ光はどうやら喜んでいるようだ。なんだか無邪気な子供のようで可愛いです。……一体この子達がどういう存在なのかわからないんだけども……
一体なんだろう、と考えていると2つの光はふわりと僕のもとを離れて木の根元へと飛んだ。
──ユキヒト、コノコヲオネガイ。
「え?」
コノコ……この子? 一体何かと見てみると、光の側には一抱えもありそうなほど大きな卵があった。
──コノコ、サイキンウマレタ。シンジュウノコ。カエルニハタクサンマリョク、ヒツヨウ。
「神獣の子!? 生まれたのか……一体何年振りだ……?」
ダグが驚くのもおかしくありません。だって神獣の子はここ数百年ほど確認されていないのだから。神獣自体もまだ生きているのか、それとも既に世界からいなくなってしまったのかわからないほどで、滅んでしまったと思われていたのです。それがまさかここに……
──シンジュウ、セカイニシアワセナキガタクサンノトキ、ウマレル。
神獣は世界に幸せな気が沢山ある時に生まれる……? それは解明されていないことなんじゃ……でも、それなら数百年ほど生まれたことが確認されていなくてもおかしくないかもしれない。だって神子はかなり長い間いなかったのだから。神子の幸せな感情が1番この世界に影響を与えやすいからね。
── コノコウマレタ、ユキヒトノオカゲ。ユキヒト、オヤニナッテ。
「親!? 僕が!? この子に親はいないの?」
──シンジュウ、オヤイナイ。ソレフツウ。シンジュウオヤカラウマレルチガウ。
「神獣は自然にこの世界に生まれ落ちるってこと? 幸せな気の集合体ってことなのかな……」
──ソウダヨ。タマゴカエルマリョク、アツメルタメ、フツウナラスゴクカカル。
光によればどうやら卵が孵るには数十年から下手したら100年以上かかるらしい。それが僕のもとにいると1週間から遅くともひと月ほどで孵るらしい。僕の魔力はどうやら大気に漂う微弱な魔力よりも純度も高くて量もかなり多いからそれだけ早まるようだ。
「早く孵ってなにか悪いことが起きたりしない?」
孵るお手伝いができるならいくらでも魔力をあげたいけれど、未熟な状態とか弱い状態で孵っちゃったりとかしないか心配です。
──ダイジョウブ。ユキヒトノマリョク、シンジュウツヨクスル。イチバンイイ。ツレテイッテ。
「……わかった。孵った子はどうしたらいいの?」
──ユキヒトトソノコノイシニマカセル。
「そっか……まずは元気に生まれてきてもらわなきゃだね。大事にするね」
そっと卵を抱えてみると、ほわりと一瞬光を放って少し温かくなった。ここに神獣が……命の重み、だね。元気に生まれてきてね。
──ウン。ボクタチ、コノキノセイ。ココ、ハナレラレナイ。マタアイニキテクレル?
「この木の……うん、また来るよ。またお話ししようね」
そっか、この子達はこの木の精だったんだね。温かくて優しい光はまさにこの木を体現しているかのようだ。この木のそばはすごく落ち着くもん。優しい木のそばだからこそ、ここに神獣の卵も生まれ落ちたんだろうね。誘われていなくても、また来たいくらいにいい場所だって思います。
──ウン。マッテル。
「うん。じゃあ、またね」
──バイバイ。
木の精達に別れを告げて、卵を抱えてお城の方へと出発した……けれど、落とさないように慎重に歩くのはなかなかに気力も体力も使うようで、早々に疲れてしまった僕は卵ごとダグに抱えられることになりました……
お城についてから、ダグと僕はさてどうしようと卵を抱えたまま悩みまして。とりあえずリディアを呼ぼうとベルを一振り。すぐにやってきたリディアに事の次第を話すとロイやヴォイド爺に相談することになって、すぐにロイの執務室へ集合した。
「……神獣の、子」
「みたい、だよ。僕、この子が生まれるまで育ててもいい?」
「託されたのだから、な。その方が神獣の為でもあるなら、ぜひユキが育てた方が良いだろう」
若干呆然としたロイにそう言われ、とりあえずこの子は僕が育てる事で決定しました。
「さすがユキじゃのう……孵ったら発表、かの……? とりあえず見守るしかないのぉ……」
「だな……その子が生まれてからどんな決断をしたか、また教えてくれ。神獣の件は神子のことと同様に世界に発表する必要があるからな」
「わかった。神獣は確か会話ができるんだよね? 早くお話ししたいなぁ。元気で生まれてきてね」
ゆっくり腕の中の卵を撫でると返事をするかのようにほわりと光を放った。まるで既に意思があるかのようだ。やっぱり神獣はこんな頃から賢いのかな。強く優しい子に育ってくれると嬉しいです。
「……既に親の表情になっているな」
「……そう、かな?」
「ああ、良い表情だ。何か必要なことがあれば言うと良い。力になる」
「ありがと。頑張るね」
この子を抱きしめていると、なんだか温かい気持ちになる。守ってあげなくちゃって思うし、元気に生まれてきてほしいとも思う。これが母性ってやつなのかな……実の子供は出来ないけれど……いや、出来ないからこそ、この子は僕達にとっての子供みたいな感覚なのかな。
ダグもなんだか、卵を見る目は優しい。やっぱりこの子は僕達の子だ。子供ができたら子供にすら嫉妬してしまうって思っていたけれど、今は全くそんな気持ちはなくてただただ温かい気持ちでいっぱいだ。きっとダグも同じだろう。ダグと2人で、この子が元気に生まれて来るのを見守ろう。
どうか僕達の子が元気に生まれますように。
今日は少し遠くまで行ってみることになり、ずっと奥まで続くお庭の端の方を目指します。かなり距離があるけど、ダグとだから楽しさしかないです。それにゆっくりだからそんなに辛くないしね。
そうやってゆっくりと歩いてかなりお城から離れたところまでやってくると、ちょうどいい時間だったからシートを広げてお昼を食べることにした。ダグと準備をしてまったりとサンドウィッチを食べ始めると、騎士さん達も少し離れたところでお昼を食べ始めた。綺麗な景色に囲まれて暖かい日差しの下で食べるご飯は格別に美味しいです。
そうしてまったりと過ごしているとちょうどご飯を食べ終えた頃、どこからか僕を呼ぶ声が聞こえた気がした。
「ダグ、今の聞こえた?」
「聞こえたが……」
ダグにも聞こえたようだけど、どうやらダグは警戒しているみたい。たしかにいきなり知らない声が聞こえてきたら怪しいもんね。でも僕には、声の主が悪い存在には思えなかった。だって、毒だとか偽造だとかそういうもののように悪い気を感じなかったから。
なんとなく、と言ってしまえばそうなんだけど……でもやっぱり僕は何か害のある存在だとは思いません。そうやって考えているとまた僕を呼ぶ声が。今度ははっきりと聞こえました。
「ダグ、行ってみたい」
「だが……わかった。ユキが何も感じていないのなら危険なものではないのだろう。少し行ってみるか」
「うん!」
ダグの許可のもと、僕達はシートやサンドウィッチを入れていたバスケットを片付けてから木が生い茂る森へと足を踏み入れた。この奥の方から声は聞こえてくる。何がこの先にあるのかわからないけれど、根拠はないけど何かいいものが待っている気がする。
歩くたびに声は少しずつ大きくなってきて、ついに開けたところへ出るとその中央にはひときわ大きな木が一本だけ生えていた。どうやらその木の方から声は聞こえるようだ。
そっと近付くと、ふわりと拳ほどの大きさの光が2つほど飛んできた。
「僕を呼んだのは、君達?」
──ソウダヨ。ユキヒト、マッテタ。
くるくると僕の周りを飛ぶ光はどうやら喜んでいるようだ。なんだか無邪気な子供のようで可愛いです。……一体この子達がどういう存在なのかわからないんだけども……
一体なんだろう、と考えていると2つの光はふわりと僕のもとを離れて木の根元へと飛んだ。
──ユキヒト、コノコヲオネガイ。
「え?」
コノコ……この子? 一体何かと見てみると、光の側には一抱えもありそうなほど大きな卵があった。
──コノコ、サイキンウマレタ。シンジュウノコ。カエルニハタクサンマリョク、ヒツヨウ。
「神獣の子!? 生まれたのか……一体何年振りだ……?」
ダグが驚くのもおかしくありません。だって神獣の子はここ数百年ほど確認されていないのだから。神獣自体もまだ生きているのか、それとも既に世界からいなくなってしまったのかわからないほどで、滅んでしまったと思われていたのです。それがまさかここに……
──シンジュウ、セカイニシアワセナキガタクサンノトキ、ウマレル。
神獣は世界に幸せな気が沢山ある時に生まれる……? それは解明されていないことなんじゃ……でも、それなら数百年ほど生まれたことが確認されていなくてもおかしくないかもしれない。だって神子はかなり長い間いなかったのだから。神子の幸せな感情が1番この世界に影響を与えやすいからね。
── コノコウマレタ、ユキヒトノオカゲ。ユキヒト、オヤニナッテ。
「親!? 僕が!? この子に親はいないの?」
──シンジュウ、オヤイナイ。ソレフツウ。シンジュウオヤカラウマレルチガウ。
「神獣は自然にこの世界に生まれ落ちるってこと? 幸せな気の集合体ってことなのかな……」
──ソウダヨ。タマゴカエルマリョク、アツメルタメ、フツウナラスゴクカカル。
光によればどうやら卵が孵るには数十年から下手したら100年以上かかるらしい。それが僕のもとにいると1週間から遅くともひと月ほどで孵るらしい。僕の魔力はどうやら大気に漂う微弱な魔力よりも純度も高くて量もかなり多いからそれだけ早まるようだ。
「早く孵ってなにか悪いことが起きたりしない?」
孵るお手伝いができるならいくらでも魔力をあげたいけれど、未熟な状態とか弱い状態で孵っちゃったりとかしないか心配です。
──ダイジョウブ。ユキヒトノマリョク、シンジュウツヨクスル。イチバンイイ。ツレテイッテ。
「……わかった。孵った子はどうしたらいいの?」
──ユキヒトトソノコノイシニマカセル。
「そっか……まずは元気に生まれてきてもらわなきゃだね。大事にするね」
そっと卵を抱えてみると、ほわりと一瞬光を放って少し温かくなった。ここに神獣が……命の重み、だね。元気に生まれてきてね。
──ウン。ボクタチ、コノキノセイ。ココ、ハナレラレナイ。マタアイニキテクレル?
「この木の……うん、また来るよ。またお話ししようね」
そっか、この子達はこの木の精だったんだね。温かくて優しい光はまさにこの木を体現しているかのようだ。この木のそばはすごく落ち着くもん。優しい木のそばだからこそ、ここに神獣の卵も生まれ落ちたんだろうね。誘われていなくても、また来たいくらいにいい場所だって思います。
──ウン。マッテル。
「うん。じゃあ、またね」
──バイバイ。
木の精達に別れを告げて、卵を抱えてお城の方へと出発した……けれど、落とさないように慎重に歩くのはなかなかに気力も体力も使うようで、早々に疲れてしまった僕は卵ごとダグに抱えられることになりました……
お城についてから、ダグと僕はさてどうしようと卵を抱えたまま悩みまして。とりあえずリディアを呼ぼうとベルを一振り。すぐにやってきたリディアに事の次第を話すとロイやヴォイド爺に相談することになって、すぐにロイの執務室へ集合した。
「……神獣の、子」
「みたい、だよ。僕、この子が生まれるまで育ててもいい?」
「託されたのだから、な。その方が神獣の為でもあるなら、ぜひユキが育てた方が良いだろう」
若干呆然としたロイにそう言われ、とりあえずこの子は僕が育てる事で決定しました。
「さすがユキじゃのう……孵ったら発表、かの……? とりあえず見守るしかないのぉ……」
「だな……その子が生まれてからどんな決断をしたか、また教えてくれ。神獣の件は神子のことと同様に世界に発表する必要があるからな」
「わかった。神獣は確か会話ができるんだよね? 早くお話ししたいなぁ。元気で生まれてきてね」
ゆっくり腕の中の卵を撫でると返事をするかのようにほわりと光を放った。まるで既に意思があるかのようだ。やっぱり神獣はこんな頃から賢いのかな。強く優しい子に育ってくれると嬉しいです。
「……既に親の表情になっているな」
「……そう、かな?」
「ああ、良い表情だ。何か必要なことがあれば言うと良い。力になる」
「ありがと。頑張るね」
この子を抱きしめていると、なんだか温かい気持ちになる。守ってあげなくちゃって思うし、元気に生まれてきてほしいとも思う。これが母性ってやつなのかな……実の子供は出来ないけれど……いや、出来ないからこそ、この子は僕達にとっての子供みたいな感覚なのかな。
ダグもなんだか、卵を見る目は優しい。やっぱりこの子は僕達の子だ。子供ができたら子供にすら嫉妬してしまうって思っていたけれど、今は全くそんな気持ちはなくてただただ温かい気持ちでいっぱいだ。きっとダグも同じだろう。ダグと2人で、この子が元気に生まれて来るのを見守ろう。
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