あの人と。

Haru.

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After Story

重症?

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「ラギアスは好きな人いないの?」

「俺、ですか?」

「うん」

 ずっと人間嫌いだったしまだ無理かなぁ。でもでも、最近のラギアスはそこまで人間を嫌ってる感じはないし、どうかな? 僕的にはラギアスにも恋人できてほしい!

「恋愛はしたことがないのでよくわかりませんが……友人と呼べる仲間ならできました。今はそれで十分です」

「友達かぁ……そっかそっか、よかった!! でもラギアスの友達1号と2号はダグと僕だからね!」

 人間嫌いだったラギアスに友達って呼べる存在ができたのはうれしいけどそこは譲りません!

「じゃあ俺3号」

「では私は4号ですね」

「えー、ラスとリディアはラギアスが友達って言った人達の次になるんじゃない?」

「元から友達ってことでいいじゃん」

「そうですよ、細かいことは気にしなくていいのです」

「そっかぁ」

 じゃあ何号目かは宣言した人から早い数字を取れるってことで!!

「恐れ多いのですが……」

「えー、僕たちが友達じゃ嫌?」

「嫌なわけでは……」

「拒否されたら泣いちゃうかも」

 ここで嘘泣き! すんすんと鼻をすすってみます。あ、ラスも乗ってくれた! リディアは呆れたような目で見てきてるけど……気にしない気にしない。

「勘弁してください……ダグラスさんとアレックスさんに殺されます」

「じゃあ友達ね!」

 にっこりと笑いかけて有無を言わせない。

「……はい」

 勝ったー!! 渋い顔をしてるけどはいって言ったもんね! 言質はとった! 思わずラスとハイタッチしちゃいます。

「あとは恋人かぁ……ラギアスはどっちなの?」

「どっち、とは?」

「そんなの決まってるだろ。抱く方が抱かれる方かってことだろ?」

 わぁ、ラスったら直球。僕はあえて何がとは言わなかったのに。まぁ、聞きたかったことはそれで間違ってないけど!

「だっ……意識したことがないので知りません」

「じゃあラギアスって童貞処女?」

 ラス……

「どっ……狼族は基本的に伴侶と決めた相手としか契らないのです。不能なわけではありません!」

 へぇ、そんなしきたりがあるんだ。あ、でも狼って一夫一婦制だったっけ。パートナーが死んじゃったり、群れから追い出されたり、繁殖力がなくなったりしない限り同じパートナーといるんだったっけ? 動物が進化してきた結果の獣人もその習性をもってるってことかな?

 でも童貞処女には変わりないってことで……

「ユキよかったね、童貞仲間いたよ」

「だよね!! 思った!!」

 ラギアスも抱かれる側だったら完璧なんだけどな!! アルも貴族の次男だったから童貞じゃないしさ、僕の周りには本当に童貞の人がいないの! やっと仲間を見つけたよ!!

「ラギアス、仲間だね!」

「……そうですね」

 あれ、どうしたのラギアス、そんな考えることを放棄したみたいな顔をして。いいじゃん、童貞でも。一途で誠実な証拠だよ!! 悪いことなんてないない!

「ラギアスが抱く側だったらどうするのです?」

「うぅ、悲しいけどラギアスの幸せは応援する……!」

 童貞仲間がいなくなっても仕方ない……! ラギアスの幸せが優先です! 僕だって今のままで幸せすぎるくらいだからいいのです。

「ま、ユキは童貞でも違和感ないから全然問題ないよ」

「……見た目が子供っぽいって言いたいんでしょ」

「正解!」

 ラスのバカ! たしかに僕は見た目年齢12歳ですけど! 12歳なら童貞で当たり前ですけど! 僕は18だもん!

「大人に見られたい!」

「毎日えっちして気だるげな雰囲気出しておけば?」

「……絶対僕それ起き上がれなくなる」

 えっちするのが嫌なわけじゃないけど……! 流石に毎日は多いと思うのです……! いや、ダグがしたいなら考えますけど……! ……ちなみに毎日ってなったら回数はどうなるのでしょう……? なんだか毎日だとしても1回では終わらない気がするのは僕だけでしょうか? ダグの体力的に毎日3回とかでもありえそうで怖い。僕一生ベッドから起き上がれなくなるよ。

「ダグラスはむしろ元気になりそうですねぇ」

「わかる、イキイキしそう」

 ……悪循環!! 僕の体力はすっからかんになっていくのにダグはどんどん元気になっていくとか……! 日に日に回数増やされたりしたらもう僕は死亡確定ですよ。

「まあ、ダグラスは前回で懲りたでしょうからそう何日も続けて、なんてことはしないでしょう。ユキ様の体調が悪い時に襲うなんてこともしないでしょうし」

「まぁそうだよね」

 うんうん! 僕のダグは優しいから無茶なことはしないしない! 僕が少しでも疲れてる日は心配して早く寝かせようとしてくるし! 毎日なんてしないしない!

「ところで今は週に何回してるの?」

「……?」

「ああ、うん……回数じゃ数えられないのか……」

 記憶飛ぶからね……覚えていられるのはギリギリ3回目に突入するかしないかぐらいのところまで。それからは本当に覚えてないというかただひたすらに気持ちいいことしかわからなくなって、回数がどうとかの話どころじゃなくなります。5回とかされてるんじゃないかなって思ってます……本当にダグの体力は底なしです。

「週に何?」

「多くて4日、少なくても2日はする、かな……?」

 僕の体調とか休みの日の予定の有無とかで週に何日するかは変わります。

「4日って……1日おきじゃん! それでも記憶飛ぶくらいするの!?」

「さ、流石にそれはしないよ! ……たまにしか」

「することもあるんじゃん!」

 だって……たまにそうしたくなる時があるんだもん……こう……なにもかもわかんなくさせられるのってさ、身体はもちろん辛くなるんだけど、満たされるというか……幸せすぎて定期的にそうして欲しくなるのです……! だから前にした日から1日しかあいてなかったとしても、たまに記憶が飛ぶくらいしてしまうのです……

「ほんと、こんなに可愛い顔してるのにユキって性欲強いよね」

「ダグ限定だもん! ダグ以外になんて興奮しないし!」

 だからいいんだもん! 

「そうじゃなかったらそれこそベッドから出られないと思いますよ」

 たしかに……絶対ないけど僕がダグ以外に興奮なんてした日には、お仕置きどころじゃ済まされないよ……僕が起き上がれない状態をキープさせられて、実質的な監禁生活を余儀なくされそうです……ダグの独占欲凄いもん! 全く嫌じゃないけど!

「ユキもユキで独占欲凄いしお互い様な夫婦だよね」

「何だかんだ似た者同士なのですよね」

 えへへ、僕とダグ似てるんだって。嬉しいね!

「褒めてはないのになぁ……」

「似てる、というところでとりあえず嬉しくなってしまうのがユキ様です」

「なるほど」

 ん? 何か言いました?? 僕ちょっとトリップしてたから全く聞いてなかったよ。まぁいっか!

「ダグラス馬鹿なユキはおいといて、1番性欲強そうなアルバスと婚約したリディアはどうなの? やっぱ回数多いの?」

 あ、前はまだ付き合って間もないからわからないってリディアが避けた質問だ。そろそろわかってくる頃だよねぇ。え? ダグ馬鹿ってことに怒らないのか? だって事実だもん。

「……ご想像にお任せします」

 遠い目をしたリディアに多いんだろうなぁってことを察する僕とラス。だってアルバスさん体力有り余ってそうだもん。

「ですが私はユキ様と違ってしっかりと報復をします」

「たしかにリディアならやりそう。ユキはそもそも嫌がってないからあれだけど」

 むっ、まるで僕がダメみたいな……いいじゃん! 幸せだし! 僕は今のままでいいんです!

「ユキ様はダグラスのことを甘いとおっしゃいますが、ユキ様も大概ですよね」

「僕ひどいことされてないし怒る理由ないよ」

「重症だな」

 ひどい。僕普通だもん。ダグは優しいもん! 僕の嫌がることなんてしないもん!! 前に僕が拗ねたこともあったけどすぐにそれも終わったし! ダグは優しいのが普通で、僕はそんなダグが大好きなのです。それでいいのです……!
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