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After Story
感じ方はそれぞれ
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「舞踏会の件はこんなもんかぁ? ユキはほかに何か聞きたいことあるか?」
「あ、神様が現れた件はどうなったのです? やっぱり騒ぎになりました?」
あれって結構大事件だよね。こっちにいると少なからず影響を及ぼしてしまうって言っていた神様が姿を現すなんてそうそうあることじゃないだろうし。
「あー、あれか。結構な騒ぎになったな。だが助かった面がかなり大きい。あの時神によって捕らえられた者の中には侯爵の手の者じゃない者もいた。つまりは神は先に起こることがわかっていて未然に防いでくれたってわけだ」
そんなことがあったのか。たしかに神様は“悪しき者を”って言ってたからなぁ……
「ユキは神に会うことがあるかもしれないし次に会ったら礼を言っておいてくれ。俺たちじゃあ無理だろうしなぁ」
「んー、それなら多分今聞いていると思います。神様、結構こっちのこと見てるみたいだし。僕なんて心読まれますよ」
神様って結構暇なのかなぁ……
「幸仁、私だってそんなに暇なわけじゃないよ?」
突然ふわっと背後に気配がしたと思えばそのまま僕の横に座った神様。本当にいつも突然現れるなぁ。
「もう、心を読まないでください」
「意識しなくとも聞こえてくるのだから仕方がないだろう」
そうかもしれないけどぉ……声に出してないのに返事されたらびっくりしちゃう。
「幸仁は魂が綺麗だから、心の声が良く聞こえてくるのだよ。純粋な感情を持った声はとても心地のいいものだ。私の楽しみを奪わないでおくれ」
魂が綺麗っていうのはよくわからないけれど……
「楽しいのです?」
「ああ、とてもね」
「……ならいいです」
神様には沢山感謝しているし、神様が楽しいなら心を読まれるくらいいいや。そのうち慣れるだろうし。
「ふふ、ありがとう。いい子の幸仁にはプレゼントをあげよう」
「へ? プレゼント? いやいや、いらないですよ」
神様からのプレゼントってスケールが大きいんだよね……それにプレゼントをもらうようなことなんてしてないし。
「暖炉をつけてあげようと思ったんだけどな」
「暖炉? この部屋暖かいですよ?」
魔法で管理してるから暖炉はいらないと思うんだけど……
「ふふ、暖炉は別物さ。暖炉の前に大きなふわふわのラグを敷いて、ふわふわのクッションもたっぷり置かなくてはね。あとはダグラスと大きな毛布にくるまってまったりなんて魅力的じゃあないかい?」
暖炉の前でダグとまったり……ふわふわもこもこに包まれてまったり……し、幸せすぎる……!
「い、いやいやいや、大丈夫です。お気持ちだけもらっておきます! 管理も大変になっちゃいますし」
「そこはもちろん魔法で掃除も整備もいらないものにするよ。使いたいときにほんの少し魔力を流せば使える、薪いらずの暖炉だよ。見た目はもちろん薪が燃えている暖炉に見えるようにしてあげる」
「う、ぐ……」
ものすごく魅力的……! 正直欲しい! でもそれをもらうようなことしてないし、むしろ神様には色々としてもらいすぎてるし……ダグの部屋もゲートも作ってもらって、ピアノだって送ってもらったのに……
「私の幸せは幸仁が幸せであることだ。幸仁はなんの遠慮もしなくていいのだよ。まぁ、幸仁がいらないと言ってもつけるつもりだったからいいのだけれどね。ほら見てごらん、暖炉の出来上がり」
「へ?! ……もう、神様……」
本当に暖炉出来てる……部屋まで広くして……さっき言ってたふわふわのラグもクッションもある。
「ふふ、いいじゃないか。私だって幸仁を甘やかしたいのだから」
「ありがとうございます。何か返せたらいいのですけど……」
「いらないよ。既にもらっているからね。幸仁がこの世界に来て、私は毎日が楽しい。満ち足りているのだ。私が幸せだと思えば、その分世界は豊かになる。世界を豊かにしているのだから幸仁は胸を張って甘えていいのだよ」
「……その話は初めて聞きましたよ?」
「うん、言ったことがないからね。私の幸せに世界が反応するんだ」
本当は世界中の人々が幸せであれば神様も幸せだけれど、普通の人の声や気持ちはあまり神様に届かないんだって。比べて神子の声は届きやすいから僕が幸せであることが1番手っ取り早いらしい。世界が豊かになれば、人の心に余裕ができて穏やかになるから戦争も減る。神子がいる時代が平和なのってそういうことらしい。知らなかった。
「だから幸仁は神子なのに何も出来ていない、だなんて思う必要は何もないのだからね」
「っ……は、い……」
やっぱり神様はなんでもお見通しかぁ……気ままに生きていいとは言われたけれど、やっぱり周りが色々としてくれる中でのほほんと生活してるのは少なからず罪悪感があった。僕は何も出来てないのに、って……このままでいいのかなあって思ってた。でも、そっか。僕が幸せだと思えば世界は豊かになるのか。僕が何もしていないことに変わりはないけれど、役に立てているのか……よかった……
「貴族と呼ばれる者達は高貴なるものに伴う義務だとかいうものを背負っているみたいだけれど、幸仁にはそんな義務は存在しないよ。私の愛し子なのだから誰にも文句は言わせない。万が一幸仁を悪く言う者がいたら私がとっちめてあげよう」
「ふふ、神様が味方だなんて僕最強すぎませんか?」
「私の愛し子だからね。私が望むのは幸仁の幸せだからそれくらいは当たり前のことだ。何かあったらいつでも言うといい」
「ありがとうございます、神様」
神様にまでこんなに大事にされて、僕は本当に幸せ者だなぁ……
「ああ、やはり幸仁の幸せな気持ちは心地いい」
優しく微笑みながら何かを噛みしめるようにじっと目を閉じてそう言った神様。僕の幸せな気持ちが伝わっているのかぁ……こうやって喜んでもらえるなら僕も嬉しい。
「僕、もっと幸せになりますね」
「ああ、楽しみにしているよ。さて、騎士団長アルバス、私に礼をとのことだが?」
あ、アルバスさんと話してたこと普通に忘れてた。神様が来たらつい神様のペースに乗っちゃうんだよねぇ……アルバスさんはどうやら神様と僕のやり取りをポカンと見ていたらしく、神様が声をかけた瞬間にハッとなって慌てたように頭を下げた。
「は、はっ! ヴィルヘルム王国騎士団騎士団長アルバスと申します。舞踏会におきましては、ご助力いただきまして感謝の念に堪えません」
「構わない、幸仁の為にしたことだ。しかしこの先いつでも私が幸仁を助けられるとは限らない。そう何度も世界に降り立っては世界に強い影響を及ぼしてしまうからね。だからなるべく君達で幸仁を守っておくれ。どうにもならない時は手助けをするだろうけれど、基本的にそれは出来ないことと思っておいて欲しい」
神様はこの部屋以外にはあまり出てこれないもんね。
「かしこまりました。騎士団の総力を挙げてユキを守ります」
「僕だってみんなを守りますよ!」
守られてばかりの僕じゃないのです!
「ふふ、幸仁もよく頑張っているからね。では幸仁を頼んだよ。幸仁、無理はしないようにね」
「はい」
最後に僕の頭をポンポンと撫でてから神様はすうっと消えていった。こういうの見るから神様だってわかるんだけど、話しているとなんだか結構身近に感じてしまうんだよなぁ。
「っは──……まじか、あんなに気軽に現れるもんなのか」
息を詰めていたのか一気に力を抜いてカウチに倒れこんだアルバスさん。そんなに緊張したの?
「神様は結構フレンドリーです」
「……神を相手にしてそう思うのはユキだけだろうよ。そう思って許されるのもな」
そうかなぁ。神様すっごく優しいよ?
「ユキ様は神を前に緊張はなさらないのですか?」
「うーん……ちょっとはするけど息がつまるような感じはないよ? みんなはするの?」
「たりめぇだろ。なんだろうなぁ……全く及ばない壁? みてぇなのをありありと感じさせられる。これが畏怖っていうもんなんだろうなぁ」
アルバスさんの言葉にダグとリディアも頷いた。そんな風に感じるものなのかぁ。僕がそういうのを感じたことがないのは神子だってことに関係してるのかな?
「ま、そこらへんはいいか。無事に礼も伝えられたことだしそろそろ仕事に戻るかね」
「あ、最後に一個聞いていいです?」
あえて触れなかったけど、実はアルバスさんが来た時から気になってたことがあるんだよね。
「んあ? なんだ?」
「……それ、痛くないのです?」
アルバスさんの顔にはそれはそれは見事な紅葉が。しかも両頬。真っ赤な紅葉がものすごく痛そうです。まぁ、リディアにやられたんだろうなぁ。
「……聞くな」
「……平手で良かったですね?」
「そうだな……」
ちらっとリディアを見たら絶対零度の眼差しでアルバスさんを見ていた。おかしいな、一気に室内温度下がったな……
これ、叩いたリディアも痛かっただろうなぁ。多分衝撃が腰にダイレクトにきたと思う。それでも叩かないと気が済まなかったんだろうなぁ……お疲れ様です?
「あ、神様が現れた件はどうなったのです? やっぱり騒ぎになりました?」
あれって結構大事件だよね。こっちにいると少なからず影響を及ぼしてしまうって言っていた神様が姿を現すなんてそうそうあることじゃないだろうし。
「あー、あれか。結構な騒ぎになったな。だが助かった面がかなり大きい。あの時神によって捕らえられた者の中には侯爵の手の者じゃない者もいた。つまりは神は先に起こることがわかっていて未然に防いでくれたってわけだ」
そんなことがあったのか。たしかに神様は“悪しき者を”って言ってたからなぁ……
「ユキは神に会うことがあるかもしれないし次に会ったら礼を言っておいてくれ。俺たちじゃあ無理だろうしなぁ」
「んー、それなら多分今聞いていると思います。神様、結構こっちのこと見てるみたいだし。僕なんて心読まれますよ」
神様って結構暇なのかなぁ……
「幸仁、私だってそんなに暇なわけじゃないよ?」
突然ふわっと背後に気配がしたと思えばそのまま僕の横に座った神様。本当にいつも突然現れるなぁ。
「もう、心を読まないでください」
「意識しなくとも聞こえてくるのだから仕方がないだろう」
そうかもしれないけどぉ……声に出してないのに返事されたらびっくりしちゃう。
「幸仁は魂が綺麗だから、心の声が良く聞こえてくるのだよ。純粋な感情を持った声はとても心地のいいものだ。私の楽しみを奪わないでおくれ」
魂が綺麗っていうのはよくわからないけれど……
「楽しいのです?」
「ああ、とてもね」
「……ならいいです」
神様には沢山感謝しているし、神様が楽しいなら心を読まれるくらいいいや。そのうち慣れるだろうし。
「ふふ、ありがとう。いい子の幸仁にはプレゼントをあげよう」
「へ? プレゼント? いやいや、いらないですよ」
神様からのプレゼントってスケールが大きいんだよね……それにプレゼントをもらうようなことなんてしてないし。
「暖炉をつけてあげようと思ったんだけどな」
「暖炉? この部屋暖かいですよ?」
魔法で管理してるから暖炉はいらないと思うんだけど……
「ふふ、暖炉は別物さ。暖炉の前に大きなふわふわのラグを敷いて、ふわふわのクッションもたっぷり置かなくてはね。あとはダグラスと大きな毛布にくるまってまったりなんて魅力的じゃあないかい?」
暖炉の前でダグとまったり……ふわふわもこもこに包まれてまったり……し、幸せすぎる……!
「い、いやいやいや、大丈夫です。お気持ちだけもらっておきます! 管理も大変になっちゃいますし」
「そこはもちろん魔法で掃除も整備もいらないものにするよ。使いたいときにほんの少し魔力を流せば使える、薪いらずの暖炉だよ。見た目はもちろん薪が燃えている暖炉に見えるようにしてあげる」
「う、ぐ……」
ものすごく魅力的……! 正直欲しい! でもそれをもらうようなことしてないし、むしろ神様には色々としてもらいすぎてるし……ダグの部屋もゲートも作ってもらって、ピアノだって送ってもらったのに……
「私の幸せは幸仁が幸せであることだ。幸仁はなんの遠慮もしなくていいのだよ。まぁ、幸仁がいらないと言ってもつけるつもりだったからいいのだけれどね。ほら見てごらん、暖炉の出来上がり」
「へ?! ……もう、神様……」
本当に暖炉出来てる……部屋まで広くして……さっき言ってたふわふわのラグもクッションもある。
「ふふ、いいじゃないか。私だって幸仁を甘やかしたいのだから」
「ありがとうございます。何か返せたらいいのですけど……」
「いらないよ。既にもらっているからね。幸仁がこの世界に来て、私は毎日が楽しい。満ち足りているのだ。私が幸せだと思えば、その分世界は豊かになる。世界を豊かにしているのだから幸仁は胸を張って甘えていいのだよ」
「……その話は初めて聞きましたよ?」
「うん、言ったことがないからね。私の幸せに世界が反応するんだ」
本当は世界中の人々が幸せであれば神様も幸せだけれど、普通の人の声や気持ちはあまり神様に届かないんだって。比べて神子の声は届きやすいから僕が幸せであることが1番手っ取り早いらしい。世界が豊かになれば、人の心に余裕ができて穏やかになるから戦争も減る。神子がいる時代が平和なのってそういうことらしい。知らなかった。
「だから幸仁は神子なのに何も出来ていない、だなんて思う必要は何もないのだからね」
「っ……は、い……」
やっぱり神様はなんでもお見通しかぁ……気ままに生きていいとは言われたけれど、やっぱり周りが色々としてくれる中でのほほんと生活してるのは少なからず罪悪感があった。僕は何も出来てないのに、って……このままでいいのかなあって思ってた。でも、そっか。僕が幸せだと思えば世界は豊かになるのか。僕が何もしていないことに変わりはないけれど、役に立てているのか……よかった……
「貴族と呼ばれる者達は高貴なるものに伴う義務だとかいうものを背負っているみたいだけれど、幸仁にはそんな義務は存在しないよ。私の愛し子なのだから誰にも文句は言わせない。万が一幸仁を悪く言う者がいたら私がとっちめてあげよう」
「ふふ、神様が味方だなんて僕最強すぎませんか?」
「私の愛し子だからね。私が望むのは幸仁の幸せだからそれくらいは当たり前のことだ。何かあったらいつでも言うといい」
「ありがとうございます、神様」
神様にまでこんなに大事にされて、僕は本当に幸せ者だなぁ……
「ああ、やはり幸仁の幸せな気持ちは心地いい」
優しく微笑みながら何かを噛みしめるようにじっと目を閉じてそう言った神様。僕の幸せな気持ちが伝わっているのかぁ……こうやって喜んでもらえるなら僕も嬉しい。
「僕、もっと幸せになりますね」
「ああ、楽しみにしているよ。さて、騎士団長アルバス、私に礼をとのことだが?」
あ、アルバスさんと話してたこと普通に忘れてた。神様が来たらつい神様のペースに乗っちゃうんだよねぇ……アルバスさんはどうやら神様と僕のやり取りをポカンと見ていたらしく、神様が声をかけた瞬間にハッとなって慌てたように頭を下げた。
「は、はっ! ヴィルヘルム王国騎士団騎士団長アルバスと申します。舞踏会におきましては、ご助力いただきまして感謝の念に堪えません」
「構わない、幸仁の為にしたことだ。しかしこの先いつでも私が幸仁を助けられるとは限らない。そう何度も世界に降り立っては世界に強い影響を及ぼしてしまうからね。だからなるべく君達で幸仁を守っておくれ。どうにもならない時は手助けをするだろうけれど、基本的にそれは出来ないことと思っておいて欲しい」
神様はこの部屋以外にはあまり出てこれないもんね。
「かしこまりました。騎士団の総力を挙げてユキを守ります」
「僕だってみんなを守りますよ!」
守られてばかりの僕じゃないのです!
「ふふ、幸仁もよく頑張っているからね。では幸仁を頼んだよ。幸仁、無理はしないようにね」
「はい」
最後に僕の頭をポンポンと撫でてから神様はすうっと消えていった。こういうの見るから神様だってわかるんだけど、話しているとなんだか結構身近に感じてしまうんだよなぁ。
「っは──……まじか、あんなに気軽に現れるもんなのか」
息を詰めていたのか一気に力を抜いてカウチに倒れこんだアルバスさん。そんなに緊張したの?
「神様は結構フレンドリーです」
「……神を相手にしてそう思うのはユキだけだろうよ。そう思って許されるのもな」
そうかなぁ。神様すっごく優しいよ?
「ユキ様は神を前に緊張はなさらないのですか?」
「うーん……ちょっとはするけど息がつまるような感じはないよ? みんなはするの?」
「たりめぇだろ。なんだろうなぁ……全く及ばない壁? みてぇなのをありありと感じさせられる。これが畏怖っていうもんなんだろうなぁ」
アルバスさんの言葉にダグとリディアも頷いた。そんな風に感じるものなのかぁ。僕がそういうのを感じたことがないのは神子だってことに関係してるのかな?
「ま、そこらへんはいいか。無事に礼も伝えられたことだしそろそろ仕事に戻るかね」
「あ、最後に一個聞いていいです?」
あえて触れなかったけど、実はアルバスさんが来た時から気になってたことがあるんだよね。
「んあ? なんだ?」
「……それ、痛くないのです?」
アルバスさんの顔にはそれはそれは見事な紅葉が。しかも両頬。真っ赤な紅葉がものすごく痛そうです。まぁ、リディアにやられたんだろうなぁ。
「……聞くな」
「……平手で良かったですね?」
「そうだな……」
ちらっとリディアを見たら絶対零度の眼差しでアルバスさんを見ていた。おかしいな、一気に室内温度下がったな……
これ、叩いたリディアも痛かっただろうなぁ。多分衝撃が腰にダイレクトにきたと思う。それでも叩かないと気が済まなかったんだろうなぁ……お疲れ様です?
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