あの人と。

Haru.

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After Story

お仕置き

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 アルバスさんも帰っていってダラダラとしているうちに夜になり、ダグのお仕事も終わった。一緒にご飯を食べてからしばらく休憩していると突然抱き上げられた。

「リディア、今日はもういい。部屋に戻れ」

「……わかりました。では失礼します」

 あっさりと出て行ったリディアに思わずポカン。ダグはそんな僕を軽々と運んで……着いた先はベッド。

「へ……? え? ダグ……?」

「なんだ?」

「え、と……する、の? 昨日、した、よね……?」

 連日、っていうのは初めてではないでしょうか……

「したな。だが今日もする。身体はもう回復しているだろう?」

「う、ん……」

 ペンダントのおかげでむしろ元気なくらいだ。

「今日はお仕置きだ」

「え?! なんで?!」

 お仕置き?!

「団長の前でやらしいことを考えて、やらしい顔を見せただろう?」

「っ……」

 つ、と首筋を指先で辿りながら囁かれ、思わずふるりと身体が震えた。

「お仕置きな」

 ダグの低い声がジンと全身に染み渡って熱を生み出す。

「や、だ……」

「なら逃げるか? 逃げてもいいぞ?」

 そう言ったダグの眼は鋭く、熱い熱を孕んでいて。

 逃げられ、ない────

 抵抗するようにダグの胸に突っ張っていた手から力を抜き、そっとベッドに投げ出すと優しく微笑んでキスをくれた。

「いい子だ、ユキ」




 せめてお風呂に入らせて欲しいと言えば、さっと浄化をかけられて終わったら入れてやると言われた。浄化はかけてくれたしとお風呂は諦めてダグに身を任せると、お仕置きと言われていたのに優しく服を脱がせながら全身にキスを落とされて拍子抜けした。

 なんだ、いつも通りだ……

 いつものように甘いダグにふわふわと気持ち良さを感じていたがしかし、ホッとしたのも束の間。するりと僕の後ろを撫でたダグはギョッとするようなことを言い出した。

「ほらユキ、自分でここ、準備できるな?」

 一瞬、何を言われたのかわからなかった。

「……っや、むり、むり……できない……」

 そんなこと、したことない。自分で慣らすなんて、そんなことできない。でもふるふると首を振っても、ダグは許してくれない。

「大丈夫だ、出来る。ほら、見ていてやるから」

「や……」

「ユキ」

「っ……」

 熱い眼でジ、と見つめてくるダグに逆らうことなどできなくて。観念してダグが垂らしてくれた香油を指につけて後ろに伸ばした。

「っ、ん……」

 ツプリ、と右手の中指の先を挿れると、きゅうと締まった。力を抜くようにふぅふぅと息を吐きながらゆっくりと指を埋める僕を、ダグが熱い視線で焦がすように見つめてくる。

 視線から逃れたくて、脚を閉じて身体を横にして丸めると、咎めるようにぐいと最初よりも大きく脚を開かれてしまった。

「やだ……! ダグ、やぁ……っ!」

 こんな格好やだぁ……!

「隠すな。俺のために準備をするところを見せてくれ」

「や、だ……! 見ないで……っ」

「嫌? だがここは勃っているぞ」

「っ……」

 ダグに言われて始めて自分のモノが反応していることに気付いた。今の状況に興奮してるなんて……でもたしかに、いつもと違うこの状況にドキドキしている気がする。僕って結構変態だったのかも……

「ほらユキ、手が止まっているぞ」

「う……」

 恥ずかしいしちょっと怖いし自分でなんてしたくない。でも、ダグの有無を言わせない様子に諦めて恐る恐る指を引き抜いては挿れ、とゆっくりと繰り返してみると、ダグの興奮した様子を隠さない視線も相まってかぞわぞわとした気持ち良さのようなものが湧き上がってきた。

「んっ……ふ……」

 くち、と音が立つのが恥ずかしくてたまらない。恥ずかしくてたまらないのに、気持ちいい。中で指を回してみたり、内側をなぞってみたりと、ダグの指を思い出しながらするとさらに気持ちよくなった。

「はっ……ん……ぁ、ん……っ」

 少しずつ指を速め、難なく動かせるようになれば1本指を追加した。そのままそっとお腹側の壁をなぞればビクリと身体が跳ねる場所があった。

「気持ちいいところを見つけられたな。ほら、そこを擦ってみろ」

「やっ……あ、あっあっ……んんっ……!」

 ダグの優しい手に頭を撫でられながら言われた通りに見つけた場所を擦ると、どんどんと気持ち良さが腰に溜まっていった。このまま続けると弾けそうで怖くて、必死に自由な左手をダグに伸ばす。

「やぁあっ……! こわ、いっ……ひぁっだぐ、こわい、よぉっ……んーっ!」

「怖くない。大丈夫だ。ほら、見ているからイってみろ」

 繋いでくれた手に縋り、ぐちぐちと音を立てて弄り続ける。

「んっあっあっ……! いく、いっちゃう……っひ、ぁあっ!」

「イけ」

「ん────っっ!!」

 耳元で囁かれた瞬間、ガクガクと震えながら達した。僕のモノからはとろとろと白濁が漏れ出て、身体はひくひくと痙攣を続ける。

「上手にイけたな、ユキ。いい子だ」

「ん……」

 褒めるように優しく頭を撫でられ、お仕置きは終わったのだと安堵し1つ息を吐いたがしかし。

「どうした、手が止まっているぞ?」

「──え?」

「まだ俺のは挿れられないぞ」

「っ……」

 そう、だ……これは、だ。僕がイって終わりなどではないのだ。そしてお仕置きは、まだ始まってすらいない。

 だってこれは、あくまでも準備なのだから。





 長い時間をかけてダグに熱い眼で見つめられながら震える手で後ろを広げ、やっとのことでダグのモノを受け入れられるくらいになった。

「だぐ、だぐぅ……も、いい? だぐの、ちょうだい……っ」

「ああ、よく頑張ったな。おいで、ユキ。お仕置きを始めよう」

 ──ああ、やはりお仕置きはこれからなのだ。

 でも、怖さはあまりない。どんなことをされるのか、させられるのか……不安ではあるけれど、ダグは酷いことはしないと信じている。ダグは僕が本当に嫌がること、痛い思いをすることは絶対にしない。だから僕は安心してダグに身を委ねたらいい。

 ベッドヘッドに背を向けるように座ったダグの上に座らされ、1つキスをされた。

「ユキ、手を後ろに」

 言われた通りに手を後ろに持っていけば、ふわふわとした幅の広いリボンで軽く両手首を縛られた。

「痛くないか?」

「ん、大丈夫……」

 リボンもふわふわだし、ギッチリ締められたわけじゃないから痛みはない。多分お仕置きだって自覚させるためだけのものだから拘束としての意味はあまりないのだろう。

「もう逃げられないな」

「ん……」

 つ、と縛られた手首をなぞられてひくりと身体が震える。これでもう、精神的にも、物理的にも、ダグに縛り付けられてしまったのだ。ダグが満足するまで、この手の拘束は緩められることはない。これからダグに与えられるであろう狂うような快感と羞恥を想像してズクリと腰が重たくなった。

「ユキ、自分で挿れられるな?」

「っ……」

 身体に力は入らないし手も縛られてしまっている。自分で挿れるなんて無理だ。

「ほら頑張れ」

 首を振って無理だと伝えたのに、ダグはそのまま寝転んで僕の後ろがちょうどダグのモノの上に来るように支えた。

「脚に力を入れないと一気に入るぞ」

 そう言われ、慌てて必死に脚に力を入れる。上体も気を抜けばバランスを崩しそうだ。僕が自力で体勢を保とうとすると程なくしてダグは支えていた手を離した。手を離された瞬間は一瞬体勢を崩しかけたものの、慌ててなんとか立て直した。

 本気かとダグを見れば、余裕そうな表情で僕の次の動作を待っている。

 うぅ、やらないとダメなんだ……

 後ろ手に縛られた震える手でなんとかダグのモノを支えると、自然と自分の胸をダグに突き出すような体勢になり、カッと顔が熱くなった。ダグはそんな僕の様子も楽しそうに眺めるばかりでどうやら助けてはくれないようだ。

 なんとか支えたダグのモノを僕の後ろにあてがい、ぐ、と腰を下ろしていく。加減がわからなくて念入りに慣らしたそこは難なくダグの大きなものを飲み込んでいく。

「んっあっあっ……っは、ん…………んぅう~っっ」

 ──もちろん果てしない快感は襲ってくるけれど。

 ダグの大きなものは中の気持ちいい場所を余すことなく擦り、引っ掻き、蹂躙していくのだ。いっそ狂ってしまったほうが楽なのではないかと思うほどの快感に苛まれることだって少なくない。そんなダグのモノを自分から飲み込むなど……初めてではないとはいえかなりの重労働だ。今回など手をつけないのだからなおのこと。


 幾度となく力が抜けそうになりながらも慎重に腰を下ろし、なんとか1番奥までダグを飲み込めた。重い快感と疲労でもう1ミリも動けそうにもない。

「ユキ、そのまま動いてみろ。自分で気持ちよくイけたらお仕置きは終わりだ。本当は俺をイかせるまで、と思っていたんだが、ユキがイくまでで許してやる。優しいだろう?」

 鬼だ。

「ほら頑張れ。気持ちよくイけたらご褒美にもっと気持ちよくしてやるから」

 ……それもお仕置きの続きな気がするのは僕だけ? ダグが満足するまで続けられるってことじゃないの……?

 内心ガクブルしながらそろりと腰を揺らしてみるとジン、とした快感が腰に響いた。数回そうやって腰を揺らすとすぐに僕はその快感に呑まれた。

「あっあっあっ……! きも、ちぃ……っだぐぅ……っ!」

 あまりにも気持ちよくて、でももっと欲しくて、ダグのモノをきゅうきゅうと締め付けながら夢中で腰を揺すった。

「やらしいな、ユキ。こんなに腰を振って」

「やぁっ、みないで……っ! ひっあっあっ!」

 やらしい、なんて言われて恥ずかしいのにもう止まらない。もっと、欲しくてたまらない。

「俺に見られるの、好きだろう? ほら、もうイきそうじゃないか」

「んっやっぁあっ! いく、いっちゃ……んぁあっ! いってい……っ? だぐぅ、いっていい……っ?」

「だめだ。まだ我慢しろ」

「やっあっ、なんっで……っ? いきた、いきたいっ……ひ、ぃあっ……ん~っっいく、いっちゃう……っっ!」

 もうそこまで限界は来ているのに、ダグにダメと言われたら身体はその通りにしようとしてギリギリのところで留められてしまう。

「まだ我慢だ。ほら、腰は止めるなよ」

「やぁああっっ!! むり、むりぃいっっ! おねが、いかせて……っあぁあッッ!!」

 イっちゃダメなのに腰も止めちゃダメなんて……! 無理、無理、もうイきたい……!

「もうやらしい顔を俺以外に見せないと、人前でやらしいことを考えないと約束できるな?」

「んっんっ、する、やくそくするぅっ! だからいってい? いきたいっ、だぐぅっっ!!」

「ああ、いいぞ。イけ、ユキ」

「ひっあっあっ……あぁあ────ッッ!!」

 ようやく許された絶頂に、ガクガクと全身を震わせて意識を飛ばしそうになった。ダグに倒れ込み、ダグの上で身体を跳ねさせ続ける僕を撫でる手にも快感を覚え、もう訳がわからないくらいだった。

「可愛いな、ユキ。こんな姿も俺以外に見せたら駄目だぞ」

「みせ、ないっ……はっ、ぅ……は、はっ……っん……」

「いい子だ。いい子のユキにはご褒美をあげないとな」

「やぁああっっ?! まっ、まだ……!」

 まだ達した衝撃が収まっていないのに、さっとリボンを取られたと思ったらぐるりと体勢を変えられ、一瞬で組み敷かれてしまった。脚は大きく開かれ、腰はガッチリと掴まれている。そうした張本人は肉食獣のような目で僕を見ていて。

「何回でもイっていいからな」

「ひっ、やぁああぁあああっっ!!」

 そのあとのことは思い出したくない。とりあえず、事後、いつもより格段に機嫌のいいダグにお風呂に入れられながら、もう二度とお仕置きは受けたくないと、僕は思いました。
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