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After Story
楽しかったのに
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「これはこれは神子様、偶然ですねぇ」
胡散臭そうな笑みを浮かべて話しかけて来た人に、リディアと騎士さんが前に出て僕を抱えたダグは僕を庇うようにして後ろに回った。いつでも剣を抜けるような体勢です。
「ユキ様への謁見許可は出ていないはずです。お引き取りを」
「いやいや、偶然出会った尊い方にご挨拶をするのは当然のことでございましょう? それを邪魔する方がいささか無礼な気がいたしますがねぇ」
「そもそもこちらのお庭はたとえお城へ入ることを許された方でも一部の方しか入ることは許されていません。本日は許可の降りている方はいらっしゃらないはずです。これ以上ここに留まるのであれば侵入者として対処させていただきます」
え、そうなの? それ僕知らなかった。たしかにお城の中だと知らない貴族とたまに会うことがあったけどここで会うことはほとんどなかったような? その時も穏やかな感じの人で無理に話しかけようとはしてこなかったような……
「許可ならば先程いただきましたよ。ほら、こちらに許可証がございます」
「拝見させていただきます」
「どうぞご自由に」
ニタニタと嫌な笑みを浮かべた貴族から紙を受け取ったリディアがそれを確認する。んー、なんとなく違和感? この感じは覚えがありますよ。
「リディア、それ見せて」
「ええ、どうぞ」
リディアが僕に見えるように上げてくれた紙をじっと読んでみる。内容はたしかに庭に入ることを許す的な内容なんだけども……やっぱり違和感があります。多分いつかの会計書類みたいに文字が消えるか何かするやつだよ。
でもなんとなぁく嫌な感じがするから触りたくない。
「ふーっ」
必殺、神子の吐息! なんちゃって。でも効果はありましたよ。触りたくなかったから息でなんとかならないかなぁってチラッと思って吹きかけてみたらあら不思議。入城許可証に早変わり。庭へ入っていいなんてどこにも書いてないよ。同じ方向から見ていたダグはその変化には気付いたみたいだけど、リディアはまだ気付いていない。目線でダグに合図してまだ言わないようにしてもらう。ピリリとダグの気は鋭くなったけれどそれくらいなら大丈夫だ。
んー、でもまだ違和感が消えないんだよなぁ。……まさか毒? 毒の気配に似てるかも。毒が染み込まされてる? てことはこの貴族が返してもらおうとした時にわざとリディアの指を傷つけるように受け取る可能性が高いな。
「リディア、そのままそれ持っててね。拘束」
とりあえず許可証の偽造は犯罪なので捕まえましょう。毒かどうかはまだ決まってないけれど偽造だけで十分罪です。足を地面に固定するように縛るだけでも十分だとは思うけれど念のため全身を固定しておこう。
「なっ……神子様何をなさいます? 我々はちゃんと許可を得てここにいるのにこのような無体なこと……」
「許可証を偽造していたのによく言いますね」
「っ……!」
ほら顔色が変わった。リディアも確認して眉根を寄せている。
「リディア、その紙で手を切らないようにね。魔法収納にでも入れちゃって」
魔法収納って中で他のものに干渉することがないから証拠品の保管にも役立つんだよね。僕も使えるようになりたいなぁ。
「すぐに騎士を呼びます」
「ん、まって、その前に手を出して」
「どうなさいました?」
「んー、念のため解毒。紙への違和感が消えなかったからもしかしたら毒が付いていたのかもしれないから。まだわからないけど次に出すときは素手では触らないようにね」
リディアに手を中心に全身に解毒魔法をさっとかける。まぁ今の様子からするに毒が入り込んでる感じはなさそうだけど念のため、ね。
「あ、ありがとうございます。ではすぐに騎士をお呼びします」
「あ、もう呼びました。すぐに来るそうです」
お、騎士さんが呼んでくれたみたい。じゃあ後は待ってこの3人を突き出すだけだね。3人は悔しそうに睨んでいるけれど偽造したのはそっちでしょ? 捕まりたくなかったら最初っからそんなことしなきゃよかったのに。バレないとでも思ったのかなぁ。
ちょっと待つとすぐに騎士さんたちがやってきた。
「お待たせいたしました、神子様。罪人はこちらですか?」
「はい。許可証を偽造をしていたようです。リディアが持っていますが毒が付いている可能性があるのでそれも調べて下さい」
「はっ、かしこまりました! おい、縛れ!」
1人ずつ縄で縛っていくのを見て捕縛が完了した人から拘束を解く。魔力が勿体無いもん。
「リディア様、証拠品をこちらに」
「ええ。ユキ様から素手で触れないようにと」
「かしこまりました、お預かりいたします」
「では我々はこれにて失礼いたします。後ほど聴取に伺うかもしれません」
「はい、わかりました」
騎士さんが3人を引っ張って行ってとりあえずは解決? でも、正直面倒なことをしてくれたなぁって思うよ。騎士さんのお仕事増えるしロイのお仕事も増えるかも。それにもしかしたらリディアが毒で倒れてたかもしれないんだよ。許せないよね。
「リディア、痺れとか痛みとか大丈夫? 念のため治癒師さんのところ行く?」
「いえ、大丈夫です。なんともありません。ユキ様に解毒魔法をかけていただきましたから」
「そっか。何か変だったらすぐに言ってね」
「はい、お気遣いありがとうございます」
顔色も悪くないしとりあえずは安心かな。こっちに害は何もなく終わったけれどなんだか気疲れしちゃった。こてっとダグの肩に頭を預けてもたれかかると心配そうに頭を撫でられた。相変わらずダグの大きな手は気持ちいい。
「お部屋に戻りましょう。少しお休みになって下さい」
「ん、そうする……」
ダグが部屋に向かって歩く振動と安心する体温と香りに、嫌な出来事に蓋をするように眠った。お花見るの楽しかったのになぁ……
……最近の僕眠ってばっかだなぁとか思ってないよ。うん。
「ユキに聞き取りをしてぇんだが」
「私どもだけで構いませんか?」
「できればユキも、だな。あの舞踏会の件も話してぇ」
「ユキ様は現在お休み中なのですが」
んー……? 話し声……リディアと……聞き覚えはあるけど誰の声だっけ……?
「んぅ……」
「ああユキ様、起こしてしまいましたか」
「ダグ……? うー……あれだぁれ?」
「団長です。お庭であったことの聴取をしたいと」
ああ、アルバスさんかぁ……庭であったことの聴取……起きないとだなぁ。ぐぐっと伸びをしたらちょっと眠気は飛んだ。まだ頭は完全には働いていないけどこれくらいなら大丈夫でしょう。
「リディア、入ってもらっていいよ」
「ユキ様、ご無理はなさらなくとも構いませんよ?」
「大丈夫、早めに終わらせてしまおう」
「……かしこまりました。ではどうぞ」
「おう、すまんなユキ」
「大丈夫です。しょうがないので今は向かいのカウチに座ってもいいですよ」
「……おう」
5m以内に入ってるけど仕方ない。僕は動きたくないし、アルバスさんは聴取なんだからメモを取る必要があるだろうからね。
「んじゃ、色々聞くぞ。といってもまぁユキの覚える違和感ってのは説明のしようがないんだろうけどなぁ」
「んー、偽造された許可証って毒ついてました?」
「おう、染み込んでたぞ。そりゃたっぷりとな。あれで指でも切ったら危なかったな」
やっぱり? そうだろうなぁとは思ったよ。
「毒がついてるかも、っていうのはなんとなぁくわかったんですよね。偽造だなぁっていうのも。かといって説明出来るかと言われたら難しいんですけど」
覚えた違和感に差はあるんだろうけど、言葉にしようと思っても出来ないなぁ。感覚を説明するのって難しいよね。
「ふむ、なるほどな。まぁそこは無理に言わなくていい。経験からくるものかもしれねぇしな」
たしかに? 隠蔽による偽造も毒も見たことがあったからね。
「んじゃ、庭であったことを教えてくれや。当事者から聞きてぇんでな」
「はぁい」
僕が話す内容にダグとリディアが補いつつ、庭であった出来事はそれはそれは事細かにアルバスさんに伝えられました。お花のくだりはいるか聞いたらいらないって言われ、しぶしぶ話すのをやめた。楽しかったのになぁ。
胡散臭そうな笑みを浮かべて話しかけて来た人に、リディアと騎士さんが前に出て僕を抱えたダグは僕を庇うようにして後ろに回った。いつでも剣を抜けるような体勢です。
「ユキ様への謁見許可は出ていないはずです。お引き取りを」
「いやいや、偶然出会った尊い方にご挨拶をするのは当然のことでございましょう? それを邪魔する方がいささか無礼な気がいたしますがねぇ」
「そもそもこちらのお庭はたとえお城へ入ることを許された方でも一部の方しか入ることは許されていません。本日は許可の降りている方はいらっしゃらないはずです。これ以上ここに留まるのであれば侵入者として対処させていただきます」
え、そうなの? それ僕知らなかった。たしかにお城の中だと知らない貴族とたまに会うことがあったけどここで会うことはほとんどなかったような? その時も穏やかな感じの人で無理に話しかけようとはしてこなかったような……
「許可ならば先程いただきましたよ。ほら、こちらに許可証がございます」
「拝見させていただきます」
「どうぞご自由に」
ニタニタと嫌な笑みを浮かべた貴族から紙を受け取ったリディアがそれを確認する。んー、なんとなく違和感? この感じは覚えがありますよ。
「リディア、それ見せて」
「ええ、どうぞ」
リディアが僕に見えるように上げてくれた紙をじっと読んでみる。内容はたしかに庭に入ることを許す的な内容なんだけども……やっぱり違和感があります。多分いつかの会計書類みたいに文字が消えるか何かするやつだよ。
でもなんとなぁく嫌な感じがするから触りたくない。
「ふーっ」
必殺、神子の吐息! なんちゃって。でも効果はありましたよ。触りたくなかったから息でなんとかならないかなぁってチラッと思って吹きかけてみたらあら不思議。入城許可証に早変わり。庭へ入っていいなんてどこにも書いてないよ。同じ方向から見ていたダグはその変化には気付いたみたいだけど、リディアはまだ気付いていない。目線でダグに合図してまだ言わないようにしてもらう。ピリリとダグの気は鋭くなったけれどそれくらいなら大丈夫だ。
んー、でもまだ違和感が消えないんだよなぁ。……まさか毒? 毒の気配に似てるかも。毒が染み込まされてる? てことはこの貴族が返してもらおうとした時にわざとリディアの指を傷つけるように受け取る可能性が高いな。
「リディア、そのままそれ持っててね。拘束」
とりあえず許可証の偽造は犯罪なので捕まえましょう。毒かどうかはまだ決まってないけれど偽造だけで十分罪です。足を地面に固定するように縛るだけでも十分だとは思うけれど念のため全身を固定しておこう。
「なっ……神子様何をなさいます? 我々はちゃんと許可を得てここにいるのにこのような無体なこと……」
「許可証を偽造していたのによく言いますね」
「っ……!」
ほら顔色が変わった。リディアも確認して眉根を寄せている。
「リディア、その紙で手を切らないようにね。魔法収納にでも入れちゃって」
魔法収納って中で他のものに干渉することがないから証拠品の保管にも役立つんだよね。僕も使えるようになりたいなぁ。
「すぐに騎士を呼びます」
「ん、まって、その前に手を出して」
「どうなさいました?」
「んー、念のため解毒。紙への違和感が消えなかったからもしかしたら毒が付いていたのかもしれないから。まだわからないけど次に出すときは素手では触らないようにね」
リディアに手を中心に全身に解毒魔法をさっとかける。まぁ今の様子からするに毒が入り込んでる感じはなさそうだけど念のため、ね。
「あ、ありがとうございます。ではすぐに騎士をお呼びします」
「あ、もう呼びました。すぐに来るそうです」
お、騎士さんが呼んでくれたみたい。じゃあ後は待ってこの3人を突き出すだけだね。3人は悔しそうに睨んでいるけれど偽造したのはそっちでしょ? 捕まりたくなかったら最初っからそんなことしなきゃよかったのに。バレないとでも思ったのかなぁ。
ちょっと待つとすぐに騎士さんたちがやってきた。
「お待たせいたしました、神子様。罪人はこちらですか?」
「はい。許可証を偽造をしていたようです。リディアが持っていますが毒が付いている可能性があるのでそれも調べて下さい」
「はっ、かしこまりました! おい、縛れ!」
1人ずつ縄で縛っていくのを見て捕縛が完了した人から拘束を解く。魔力が勿体無いもん。
「リディア様、証拠品をこちらに」
「ええ。ユキ様から素手で触れないようにと」
「かしこまりました、お預かりいたします」
「では我々はこれにて失礼いたします。後ほど聴取に伺うかもしれません」
「はい、わかりました」
騎士さんが3人を引っ張って行ってとりあえずは解決? でも、正直面倒なことをしてくれたなぁって思うよ。騎士さんのお仕事増えるしロイのお仕事も増えるかも。それにもしかしたらリディアが毒で倒れてたかもしれないんだよ。許せないよね。
「リディア、痺れとか痛みとか大丈夫? 念のため治癒師さんのところ行く?」
「いえ、大丈夫です。なんともありません。ユキ様に解毒魔法をかけていただきましたから」
「そっか。何か変だったらすぐに言ってね」
「はい、お気遣いありがとうございます」
顔色も悪くないしとりあえずは安心かな。こっちに害は何もなく終わったけれどなんだか気疲れしちゃった。こてっとダグの肩に頭を預けてもたれかかると心配そうに頭を撫でられた。相変わらずダグの大きな手は気持ちいい。
「お部屋に戻りましょう。少しお休みになって下さい」
「ん、そうする……」
ダグが部屋に向かって歩く振動と安心する体温と香りに、嫌な出来事に蓋をするように眠った。お花見るの楽しかったのになぁ……
……最近の僕眠ってばっかだなぁとか思ってないよ。うん。
「ユキに聞き取りをしてぇんだが」
「私どもだけで構いませんか?」
「できればユキも、だな。あの舞踏会の件も話してぇ」
「ユキ様は現在お休み中なのですが」
んー……? 話し声……リディアと……聞き覚えはあるけど誰の声だっけ……?
「んぅ……」
「ああユキ様、起こしてしまいましたか」
「ダグ……? うー……あれだぁれ?」
「団長です。お庭であったことの聴取をしたいと」
ああ、アルバスさんかぁ……庭であったことの聴取……起きないとだなぁ。ぐぐっと伸びをしたらちょっと眠気は飛んだ。まだ頭は完全には働いていないけどこれくらいなら大丈夫でしょう。
「リディア、入ってもらっていいよ」
「ユキ様、ご無理はなさらなくとも構いませんよ?」
「大丈夫、早めに終わらせてしまおう」
「……かしこまりました。ではどうぞ」
「おう、すまんなユキ」
「大丈夫です。しょうがないので今は向かいのカウチに座ってもいいですよ」
「……おう」
5m以内に入ってるけど仕方ない。僕は動きたくないし、アルバスさんは聴取なんだからメモを取る必要があるだろうからね。
「んじゃ、色々聞くぞ。といってもまぁユキの覚える違和感ってのは説明のしようがないんだろうけどなぁ」
「んー、偽造された許可証って毒ついてました?」
「おう、染み込んでたぞ。そりゃたっぷりとな。あれで指でも切ったら危なかったな」
やっぱり? そうだろうなぁとは思ったよ。
「毒がついてるかも、っていうのはなんとなぁくわかったんですよね。偽造だなぁっていうのも。かといって説明出来るかと言われたら難しいんですけど」
覚えた違和感に差はあるんだろうけど、言葉にしようと思っても出来ないなぁ。感覚を説明するのって難しいよね。
「ふむ、なるほどな。まぁそこは無理に言わなくていい。経験からくるものかもしれねぇしな」
たしかに? 隠蔽による偽造も毒も見たことがあったからね。
「んじゃ、庭であったことを教えてくれや。当事者から聞きてぇんでな」
「はぁい」
僕が話す内容にダグとリディアが補いつつ、庭であった出来事はそれはそれは事細かにアルバスさんに伝えられました。お花のくだりはいるか聞いたらいらないって言われ、しぶしぶ話すのをやめた。楽しかったのになぁ。
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