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After Story
溢れる寂しさ
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昨日で結婚後のお休みが終わり、今日からは通常通りの日々が始まる。ダグとひたすらに甘い時間を過ごすのもおしまいなのです……
「今日は夜番ない?」
「ないぞ」
「ん。一緒に寝ようね」
「ああ、勿論だ」
朝から夜の確認をしてしまうほど今日は憂鬱です……お休みの間はずっとべったりだったから突然離れるのは寂しすぎるんだよ……
「ユキ? そんな顔してたら両陛下も心配するぞ?」
「むぅ……ダグは寂しくないの?」
「寂しいが、ユキを守るという仕事に誇りを持っているからな。それに、寂しいのを我慢したら夜はより幸せに感じるだろう?」
……一理ある。なら僕も我慢するかぁ……
「……寂しいの我慢するからキス、して?」
「ああ、勿論だ」
「んっ……」
朝からねっとり甘いキスをしてもらって元気を補充!
……したけれどやっぱり寂しいものは寂しい……
「ユキや、どこか具合が悪いのか?」
久しぶりのヴォイド爺との授業中、いつものように出された問題を解いていたらヴォイド爺に止められてしまった。
「ふぇ? んーん、大丈夫」
「しかし今日はどこか表情が暗いぞ? ……よし、今日は久しぶりじゃしこの辺で終わりにしよう。ゆっくりいつものペースに戻していけばいいじゃろ」
「え?! 大丈夫! いつも通りやろ?」
そんなあからさまだったのか……寂しいって理由で心配かけて申し訳ない……
「いや、ユキは躓くこともないし順調すぎるくらいじゃからゆっくりでかまわんのじゃよ。今日の残りの時間は私とお茶でもしようじゃないか」
「……ん、ありがとう」
「なぁに、私もユキとお茶がしたいからの。旅行の話を聞かせてはくれんか?」
「もちろんいいよ」
それからリディアが入れてくれたお茶でお茶をしつつ楽しかった思い出をあれこれ話した。といっても旅行中に楽しくなかった思い出なんてなかったんだけどね。何しても楽しかったから結局話すことは盛りだくさんになってしまって。それでもヴォイド爺は優しく笑って僕が話すがままに聴いてくれて、相槌を打ってくれた。
「うむうむ、ユキが楽しかったようで何よりじゃ」
「うん、すっごく楽しかった! あ、ヴォイド爺にお土産渡さなくちゃね。ダグ、出してもらえる?」
「どうぞ」
「ありがとう」
一瞬触れた手にどきりとして。それと同時に騎士として接するダグに寂しさを感じて。それを振り払うように明るさを装ってヴォイド爺へお土産を渡した。
「開けても構わんか?」
「もちろん!」
「菓子も美味かったからなぁ……まさかまだあったとはの。嬉しい限りじゃ……おや、綺麗なブローチじゃ!」
ヴォイド爺に渡したのは1つのブローチ。大きな青い石が真ん中に嵌っていて、銀細工の縁が細かくて綺麗なんだ。
「ふふ、港町特有の細工みたい。ヴォイド爺のイメージに合うなぁって思ったからそれにしてみたよ。ローブにつけても違和感ないかなぁって思ったの」
「うむうむ、私も気に入ったぞ。どれ、つけてみようかの」
そう言ってヴォイド爺はいそいそとローブの左胸あたりにブローチをつけた。やはり違和感なく馴染んですごく綺麗だ。
「どうじゃ?」
「すっごく似合うよ!」
「そうかの? リディアや、鏡はないかのぅ」
「こちらにございますよ」
ヴォイド爺の要求にさっと姿見を出したリディア。この部屋に姿見はないはずなんだけど……さすがリディアは話の流れから要求されるものを予測して用意しておくよね。すごいよ。
「おや、ありがとう。うむうむ、綺麗じゃ! ずっとつけておこう!」
「贈っておいてなんだけどお仕事に問題はない?」
装飾品禁止とか……
「大丈夫じゃよ? 私はそういうのがわからんで今までつけておらんかったのじゃが、神官は殆どの者が装飾品をつけておる。同じローブを着ていたら個性が潰れるだとか言ってのぉ」
なるほど? 確かに年がら年中同じローブを着ることになるのならアクセントに何か欲しくなるかも。
「そっか、なら僕もつけてもらえると嬉しいなぁ。あ、でも飽きたりしたら外しちゃっていいからね?」
「飽きるなど! ユキに貰った物に飽きるなどあるわけがない。自慢し放題じゃしの」
自慢……なんだか目に浮かぶよ。イメージは孫に貰ったプレゼントを自慢するおじいちゃん。
「ほどほどにね?」
「ああ、もちろんじゃ。とりあえずは陛下に自慢しようかのぉ……」
それ僕に突撃されそうなんだけど。……ま、いっか。ロイ達にもお土産はあるし。
「おや、もうこんな時間か。今日は終わりじゃなぁ……」
本当だ。いつのまにかもう授業終わりの時間になってた。
「名残惜しいが、そろそろ私は行くの」
「ん、わかった。ありがとうね、ヴォイド爺」
「私こそありがとう。ではの」
ヴォイド爺が出て行ってからボフリとカウチに沈み込めばリディアが新しくミルクティーを出してくれた。甘いチョコが添えられていてすかさず口に放り込んでもごもごと味わう。
美味しい、けどダグと食べたらもっと美味しかっただろうなぁ……
なんて考えつつ目に入ったクマをギュムっと抱きしめてみる。
少しひんやりとしたクマはダグの暖かさを思い起こさせて。また少し寂しくなってしまった。
はぁ……だめだなぁ、僕。こんなことで寂しいなんて。リディアとダグから気遣わしげな視線を感じるし、かなり心配をかけてしまっているのだろう。
……午前の予定はもうないし、このまま少し寝てしまおう。
甘くて温かいミルクティーを一気に飲み干し、クマを抱きしめながらカウチに横になればリディアが何も言わずに毛布をかけてくれた。
起きたら次こそ切り替えるぞと意気込みながら眠りについた僕だったが、ダグと眠るのが普通になっていた僕にとって独り寝は寂しいもので、結局あまり眠ることはできず浅く眠っては起きてを繰り返すことになったのだった。
眠ることは諦めてただ寝転びながらダラダラとしていると、どうしても思考はうじうじとしたものになってしまう。
うぅ、僕って護衛としてのダグも大好きだったはずなのに今日はうじうじしちゃう……こんなんじゃダグも呆れちゃうよ……
そんなふうに思ったらポロリと1つ涙が溢れて、それを皮切りにポロポロと流れ出した涙は止められなくて。
「ユキ様?! どうなさいました? お加減が優れませんか?」
「……大丈夫、なんでもない」
眉根を下げて心配してくれるリディアから視線を逸らしてクマに顔を埋めてやり過ごそうとすると、突然に浮遊感に襲われ、次の瞬間には覚えのありすぎる体温と安心感に包まれた。
涙でぼやけた視界に映るのはキラキラ光る銀色だった。
「ユキ様、どうなさいました? お辛いですか?」
「う……ダグ……ごめんね、ダグ……護衛として、の、ダグも好き、なのに……っどうしても、寂しい、って思っちゃって……情け、なくて…………っ嫌いに、なんないで……っ」
突き放されるのが怖くて首にしがみついて言えば、ポンポンと背中を優しく叩かれた。
「嫌いになんてなりませんよ、ユキ様。大丈夫ですからね。お慕いしております、ユキ様」
僕をなだめるようにそう言ったダグの声は優しくて。安心した僕はダグの腕の中で力を抜いてくたりともたれかかった。
「ダグ、ダグ……もうちょっと、このまま……」
「ええ、かまいませんよ」
ゆっくりと頭から背中まで優しく撫でてくれるダグの手に安心し、次第に瞼は下りていったのだった。
「今日は夜番ない?」
「ないぞ」
「ん。一緒に寝ようね」
「ああ、勿論だ」
朝から夜の確認をしてしまうほど今日は憂鬱です……お休みの間はずっとべったりだったから突然離れるのは寂しすぎるんだよ……
「ユキ? そんな顔してたら両陛下も心配するぞ?」
「むぅ……ダグは寂しくないの?」
「寂しいが、ユキを守るという仕事に誇りを持っているからな。それに、寂しいのを我慢したら夜はより幸せに感じるだろう?」
……一理ある。なら僕も我慢するかぁ……
「……寂しいの我慢するからキス、して?」
「ああ、勿論だ」
「んっ……」
朝からねっとり甘いキスをしてもらって元気を補充!
……したけれどやっぱり寂しいものは寂しい……
「ユキや、どこか具合が悪いのか?」
久しぶりのヴォイド爺との授業中、いつものように出された問題を解いていたらヴォイド爺に止められてしまった。
「ふぇ? んーん、大丈夫」
「しかし今日はどこか表情が暗いぞ? ……よし、今日は久しぶりじゃしこの辺で終わりにしよう。ゆっくりいつものペースに戻していけばいいじゃろ」
「え?! 大丈夫! いつも通りやろ?」
そんなあからさまだったのか……寂しいって理由で心配かけて申し訳ない……
「いや、ユキは躓くこともないし順調すぎるくらいじゃからゆっくりでかまわんのじゃよ。今日の残りの時間は私とお茶でもしようじゃないか」
「……ん、ありがとう」
「なぁに、私もユキとお茶がしたいからの。旅行の話を聞かせてはくれんか?」
「もちろんいいよ」
それからリディアが入れてくれたお茶でお茶をしつつ楽しかった思い出をあれこれ話した。といっても旅行中に楽しくなかった思い出なんてなかったんだけどね。何しても楽しかったから結局話すことは盛りだくさんになってしまって。それでもヴォイド爺は優しく笑って僕が話すがままに聴いてくれて、相槌を打ってくれた。
「うむうむ、ユキが楽しかったようで何よりじゃ」
「うん、すっごく楽しかった! あ、ヴォイド爺にお土産渡さなくちゃね。ダグ、出してもらえる?」
「どうぞ」
「ありがとう」
一瞬触れた手にどきりとして。それと同時に騎士として接するダグに寂しさを感じて。それを振り払うように明るさを装ってヴォイド爺へお土産を渡した。
「開けても構わんか?」
「もちろん!」
「菓子も美味かったからなぁ……まさかまだあったとはの。嬉しい限りじゃ……おや、綺麗なブローチじゃ!」
ヴォイド爺に渡したのは1つのブローチ。大きな青い石が真ん中に嵌っていて、銀細工の縁が細かくて綺麗なんだ。
「ふふ、港町特有の細工みたい。ヴォイド爺のイメージに合うなぁって思ったからそれにしてみたよ。ローブにつけても違和感ないかなぁって思ったの」
「うむうむ、私も気に入ったぞ。どれ、つけてみようかの」
そう言ってヴォイド爺はいそいそとローブの左胸あたりにブローチをつけた。やはり違和感なく馴染んですごく綺麗だ。
「どうじゃ?」
「すっごく似合うよ!」
「そうかの? リディアや、鏡はないかのぅ」
「こちらにございますよ」
ヴォイド爺の要求にさっと姿見を出したリディア。この部屋に姿見はないはずなんだけど……さすがリディアは話の流れから要求されるものを予測して用意しておくよね。すごいよ。
「おや、ありがとう。うむうむ、綺麗じゃ! ずっとつけておこう!」
「贈っておいてなんだけどお仕事に問題はない?」
装飾品禁止とか……
「大丈夫じゃよ? 私はそういうのがわからんで今までつけておらんかったのじゃが、神官は殆どの者が装飾品をつけておる。同じローブを着ていたら個性が潰れるだとか言ってのぉ」
なるほど? 確かに年がら年中同じローブを着ることになるのならアクセントに何か欲しくなるかも。
「そっか、なら僕もつけてもらえると嬉しいなぁ。あ、でも飽きたりしたら外しちゃっていいからね?」
「飽きるなど! ユキに貰った物に飽きるなどあるわけがない。自慢し放題じゃしの」
自慢……なんだか目に浮かぶよ。イメージは孫に貰ったプレゼントを自慢するおじいちゃん。
「ほどほどにね?」
「ああ、もちろんじゃ。とりあえずは陛下に自慢しようかのぉ……」
それ僕に突撃されそうなんだけど。……ま、いっか。ロイ達にもお土産はあるし。
「おや、もうこんな時間か。今日は終わりじゃなぁ……」
本当だ。いつのまにかもう授業終わりの時間になってた。
「名残惜しいが、そろそろ私は行くの」
「ん、わかった。ありがとうね、ヴォイド爺」
「私こそありがとう。ではの」
ヴォイド爺が出て行ってからボフリとカウチに沈み込めばリディアが新しくミルクティーを出してくれた。甘いチョコが添えられていてすかさず口に放り込んでもごもごと味わう。
美味しい、けどダグと食べたらもっと美味しかっただろうなぁ……
なんて考えつつ目に入ったクマをギュムっと抱きしめてみる。
少しひんやりとしたクマはダグの暖かさを思い起こさせて。また少し寂しくなってしまった。
はぁ……だめだなぁ、僕。こんなことで寂しいなんて。リディアとダグから気遣わしげな視線を感じるし、かなり心配をかけてしまっているのだろう。
……午前の予定はもうないし、このまま少し寝てしまおう。
甘くて温かいミルクティーを一気に飲み干し、クマを抱きしめながらカウチに横になればリディアが何も言わずに毛布をかけてくれた。
起きたら次こそ切り替えるぞと意気込みながら眠りについた僕だったが、ダグと眠るのが普通になっていた僕にとって独り寝は寂しいもので、結局あまり眠ることはできず浅く眠っては起きてを繰り返すことになったのだった。
眠ることは諦めてただ寝転びながらダラダラとしていると、どうしても思考はうじうじとしたものになってしまう。
うぅ、僕って護衛としてのダグも大好きだったはずなのに今日はうじうじしちゃう……こんなんじゃダグも呆れちゃうよ……
そんなふうに思ったらポロリと1つ涙が溢れて、それを皮切りにポロポロと流れ出した涙は止められなくて。
「ユキ様?! どうなさいました? お加減が優れませんか?」
「……大丈夫、なんでもない」
眉根を下げて心配してくれるリディアから視線を逸らしてクマに顔を埋めてやり過ごそうとすると、突然に浮遊感に襲われ、次の瞬間には覚えのありすぎる体温と安心感に包まれた。
涙でぼやけた視界に映るのはキラキラ光る銀色だった。
「ユキ様、どうなさいました? お辛いですか?」
「う……ダグ……ごめんね、ダグ……護衛として、の、ダグも好き、なのに……っどうしても、寂しい、って思っちゃって……情け、なくて…………っ嫌いに、なんないで……っ」
突き放されるのが怖くて首にしがみついて言えば、ポンポンと背中を優しく叩かれた。
「嫌いになんてなりませんよ、ユキ様。大丈夫ですからね。お慕いしております、ユキ様」
僕をなだめるようにそう言ったダグの声は優しくて。安心した僕はダグの腕の中で力を抜いてくたりともたれかかった。
「ダグ、ダグ……もうちょっと、このまま……」
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ゆっくりと頭から背中まで優しく撫でてくれるダグの手に安心し、次第に瞼は下りていったのだった。
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