あの人と。

Haru.

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After Story

幸仁、頑張る

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「夜も冷えて参りましたからお風邪を召されませんよう、ガウンをどうぞ」

「うん……」

 なんでガウンが必要かって? 寒いからだよ、僕の格好が。

 ……そうですよ、お義兄さんからの例のアレを着てしまったんですよ……!!

 うぅ、なんで着ちゃったんだろう……色々あいててスースーするし服として機能してないし……お義兄さん許すまじ! こういうのってなんて言うんだっけ。たしか……ベビードール? それに似てる、かな。男の僕の着るものではないと思う!

 じゃあ着なきゃいいじゃんって? だってダグちょっと着て欲しそうにしてたし……喜ぶかなって……た、たまには僕も勇気を出さなきゃってちょっと思った瞬間にリディアにパパッと着せられたの!

 いや、まぁ、うん。たしかにお義兄さんからのこれは上質なシルクで仕立てられてて縫製もしっかりしてて、なぜか女の子らしいデザインでも着てみてもほとんど違和感のない仕上がりであって、かなりお金のかけられた良い物だとはわかるんだけど……! 逆に違和感ないって怖いよね!! そしてやっぱり寒い! 露出が多すぎるの!!

「さぁ、お部屋へ戻りますよ。暖かいお飲物をご用意いたしますから」

「はぁい……」

 もう腹をくくっていきましょう。さらば、明日の僕よ。多分というか絶対今日の僕は抱き潰されます。


 リディアが出してくれたのはマシュマロを浮かべたホットココアだった。ミルクたっぷりのクリーミーなココアは甘いのが大好きな僕の気持ちをかなり浮上させた。寝かせない、なんて言われてたことも忘れてウキウキとココアを飲みました。


 ……はい、飲みましよ。飲み干したんです。そうしたらダグにあれよあれよという間に抱きかかえられてベッドへ連行。



「ユキ、解くぞ」

「やっ……もっと暗くして、ほしい……」

 やっぱり恥ずかしい……!! アルバスさんのより断然露出多いんだもん……! いっそ全裸の方がまだ恥ずかしくないんじゃないかってくらいのデザインなんだよぅ……

 思わずガウンの帯へかけられたダグの手を遮ってしまった。

「これ以上か? 俺はユキをしっかり見たいんだが……」

「だって恥ずかしい……」

 僕はあんまり見て欲しくない……」

「綺麗なユキが見たい。駄目か……?」

「う……」

「この中、兄上からの祝いを着ているのだろう? 見せてくれないか?」

 でもやっぱり恥ずかしいよぅ……

「俺の為に着てくれたのだろう? 健気なユキを丸ごと愛させてくれ」

 う……そんなこと言われたら……

「ん……あんまり、じろじろ見ないでね……」

 そっと手を離すと、ダグはしゅるりと帯を解いた。

「それは保証できないな」

 首筋にキスを落としながらダグはゆっくりと前の合わせを開いていく。

「んっ……」

 チリ、と小さな痛みが走り、痕をつけられたのがわかった。ダグが痕をつけることはあまりない。僕がそういう証をリディアに見られることを嫌がるからだ。

 そんなダグが、僕の身体に痕を刻むのは……いつもより、興奮している時。これは、本当に明日は起き上がれないかも……


 するりと合わせをはだけられ、ダグの目の前に黒いベビードールもどきを纏った僕が晒される。

「ぁ……」

「綺麗だ……白も似合うが、黒もよく似合っている」

「ん……っ……は、ぁ……」

「ユキ、興奮しているのか? もう息を荒げて……ここも、尖っている」

「んぁっ!!」

 いきなりきゅう、と胸の先を摘まれ、身体がビクリと跳ねた。確かに僕のそこはすでに尖っていて、いやらしく黒い薄布に透けていた。

 や、恥ずかしい……

「っだっ、て……ダグの視線、熱い……」

 ダグの視線は僕の身体を灼くかのように僕の全身を辿っていく。視線がたどる場所全てがぴりぴりと甘く痺れるようで、触られてもいないはずのところまで気持ちいいと感じてしまう。

「ユキが綺麗だからだ。熱くもなるさ。ユキ、愛している」

「ん……僕も、ダグを愛してるよ」

 ダグのことを考えるだけで胸がきゅう、と甘く締め付けられて苦しいのに、その苦しさすらどこか愛おしいほどにダグを愛している。

「悪いユキ、今日は本気で止まらない。嫌だったら、今のうちに逃げてくれ……」

 そういったダグはどこか苦しそうな表情をしていた。

 ばかだなぁ……

「逃げない、よ? 僕もその……ダグと、えっちしたい。ダグと、繋がりたい。だめ……?」

 ダグの視線を浴びていると身体に熱が溜まったのか微かな疼きのようなものが腰に甘く積もりだした。それは今この瞬間も積もり続けていて、徐々に疼きは大きくなっている。

「っ、駄目なわけあるか……! 本当に、止まれないからな……」

「ん、ダグを、ちょうだい?」

 ダグに向かって両手を伸ばせば深い深いキスをくれた。ダグのたくましい首に手を回して僕からも舌を絡めると、またさらにキスは深まっていく。寝室に響く水音が、僕達のキスの激しさを物語っている。

「んっん、ぅ……は、ん…………っ……」

 気持ち、い……頭がぼうっとして何も考えられない。深いキスも、薄布の上から撫でる手も、絡み合う足も、時折漏れ出る吐息も、何もかもが気持ちいい。

「とろけた顔をしているな……可愛い」

「ん……」

 耳をくすぐられて擽ったさに首をすくめると、逆側の首にチリ、とまた1つ小さな痛みが走った。今日のダグは沢山痕をつけたい気分のようだ。

 ……僕も、なんだか今日は痕をつけられたい、かも……あと、僕も、ダグにつけたい……

「ダグ、僕も……」

「ああ。おいで。やり方はわかるか?」

 抱き起こされてダグの上に座らされ、いくつかボタンの外されたダグの首もとが僕の目の前にきた。

「ん、大体、は?」

 キュウって強めに吸いつけばいいん、だよね?

「やってみろ」

「ん……」

 僕はダグより吸い付く力も弱いから、かなり強めに吸ってみるとくっきりと僕の痕がダグの首もとについた。真っ赤な痕は、僕の首筋につけられたものとお揃いだ。

 これ、僕のって痕を残せて嬉しい、かも……ダグが僕の身体に痕を残したがる気持ちがよくわかった。

「上手くできたな。痕をつけられるというのはいい気分だ。ユキのものだという証、だな」

「ん……僕のも、ダグのものって、証」

「ああ、そうだな」

「ん……もっと、つけて?」

「いいのか?」

「ん……つけて、ほしい」

 リディアに見られるのは恥ずかしいけど、実際に僕がダグにつけてみて満たされた心にお互いの痕への愛しさが芽生えた。

 もっと沢山、愛しい痕を、ダグの証を、刻んでほしい。


 ダグは僕をとろとろに蕩かせながら、沢山の痕をつけてくれた。僕も沢山ダグにつけて、お互いの首筋や胸元はまるで小さな赤い花びらが舞ったかのようになっている。僕に関しては全身だけれど。

 後ろもとろとろにされてダグがそろそろ、と自身のものへ香油をまぶしたのを見て、僕はダグに寝転がってもらった。その上へと力の入らない身体を踏ん張ってまたがった。

「どうした……?」

「ん……きょう、は、ぼくから……する……」

 僕もだいぶ、今日は興奮しているのかもしれない……

「っ! ユキ、嬉しいが無理をするな……」

「だい、じょうぶ……」

 片手は身体を支えるためにダグのお腹へ。もう片方をダグのものに添え、僕の後ろへぴとりとくっつける。

 あとは、少しずつ腰を下ろす、だけ……

 ぐ、と後ろを割り開く質量に、自然と息も上がり、身体も微かに震える。怖さからの震えではない。快感による震えだった。

「んっんっ……だ、ぐ……」

「っ、ユキ……」

 ゆっくりゆっくり飲み込んで、漸く先っぽだけ中に入った。僕はダグのものに添えた手を離し、1度ダグのお腹に両手をついて荒くなった息を整える。

「だぐ、て、つないで……?」

 片手だけ繋いでもらい、ゆっくりゆっくりとダグを飲み込んでいく。

 いつもより断然ゆっくりな挿入に、ダグはもどかしさを感じているだろう。けれど、僕のすることを止めることもなく、ただただ見守ってくれている。

 優しいダグの目を見つめながら震える足を踏ん張って腰をゆっくりと下ろすと、こつり、と奥の入り口にダグの熱いものが当たった。

「あ……」

 どう、しよ……

「ここも、頑張れるか?」

「ぅ、あ……やって、みる……」

 え、と……ちょっと息むくらいがいいん、だっけ……

 深呼吸をしてゆっくりと息むようにすると、じわじわと奥をダグのものが抉じ開ける感覚におかされた。

「あ、あ……ん、だぐ……」

「やめるか?」

「や……する……」

 自分の力で、ダグのものを全部受け入れたいんだ。だから、頑張る。

 一気に腰を落としてしまわないよう、必死に踏ん張る足はすでにぶるぶると震えていて、少しでも気を抜けば崩れ落ちてしまうだろう。そうなったら苦しくなることは目に見えてわかっているから、しっかり踏ん張ってなんとか身体を支える。

 奥の入り口は、結腸とよばれる部位だと、教えてもらった。そこをズルズルとダグのものが擦り上げるのは全身がビクビクと跳ねるほど気持ちいい。継続的にイかされているような感じで、頭が真っ白になりそうだ。

 ふーふーと息を吐きながらじわじわと腰を下ろし、漸く僕のお尻がダグの下生えに触れた。

「あ、あぁ……ふ、ぁ……」

「よく頑張ったな」

 優しく微笑んだダグにゆるく頭を撫でられてふにゃりと顔が緩んだ。

 頑張ってよかったぁ……

「動けるか?」

「……む、り」

「わかった。少しずつ動くな」

「ん……」

 流石にここから動くのはむりだった。僕は入れるだけでいっぱいいっぱいみたいだ。

「……んっ、あ、あー……ゃ、ぅ……ん──っ……」

 どうしよう、ゆっくり揺すられるだけでたまらなく気持ちいい。気持ちよすぎておかしくなりそうで、嫌々と首を振ってもダグは止まらない。

「だぐ、だぐぅ……」

「どうした?」

「きもち、い……っは……へんに、なる……んぁあ……」

「っ、くそ、もう動くからな……!」

「っや、あぁあ?! んっんっんっ……んあ──っっ」

 腰をがしりと捕まれ、ぐっと突き上げられると自分の体重とダグの力でより奥まで熱いものが入ってきてビクビクと震えてしまう。

 気持ちよくて、おかしくなりそうで、でも、もっと、ほしくて────

「ひぁ、ん──っっ! も、と……だぐぅ、もっとぉ……っ!」

「っユキ……!」

「あ────ッッ!! やっあっあっ、ひあぁあっっ!!」

 下からの深い突き上げに僕は深くイった。イったけれどダグは止まらない。絶頂の余韻もなにもなくそのまままたイかされ、何回も、何回も、回数なんてわからないほどイかされた。

 とっくに体勢もかわり、ベッドにぐったりと身体を投げ出す僕はまだまだ衰えを知らないダグの突き上げに喘がされていると、突然いつもと違う感覚に襲われた。

「や……?! まって、ダグ、まって……っぁああ!!」

「止まれるか……っ!」

「んぅう~~っっ!! もれちゃ、なんかもれひゃう……っ!!」

「構わん、漏らせばいい……!」

「やぁあああ!! らめ、ま、あぁあああ────ッッ!!」

 ぶしり、と何かが僕のものから吹き出し、びしゃびしゃと僕の身体を濡らし、ベッドへダラダラと垂れていく。

 ど、しよ……お漏らし、しちゃった……? こんな歳でお漏らしなんて嫌われる……!

「ユキ、これは尿じゃない。潮だ」

 しお……? おしっこじゃ、ない……? それなら、大丈夫、なのかな……?

「そんなに気持ち良かったか。もっと吹こうな」

 え、うそうそまって……!

「ん──────ッッッッ!!!」

 またガツガツと突き上げられ、揺さぶられ、それからも何度も何度もイかされては潮も吹かされ、文字通り全身どろどろになった僕は、何回目かの潮吹きの果てに意識を飛ばしたのだった。
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