144 / 396
本編
140 結局は
しおりを挟む
旅行3日目! 水曜日です。今日こそはダグへのプレゼントを買いたい……! あ、おじさんへのお礼の手紙は昨日の夜に書き上げてリディアに渡しましたよ。いつお礼を届けるのかは知らないけど、絶対届けてくれるはず。
「さて、いくか」
「うん!」
昨日の夜はそのまま寝たから今日の僕は絶好調! ダグと街へお出かけです。
「では行きましょうか」
今日はリディアも街に行く。とはいえ僕達とは別行動なんだけど、リディアはお土産買わないのかって聞いたらそれなら僕が出かけてる間に行ってくるって言ったから一緒に街に向かうの。一緒の馬車に乗って降りてから別行動だよ。
むふふー、リディアも好きな人にお土産買えばいいのにって思ってたから聞いたんだけど、お土産見に行くようで良かった! まぁその人に買うとは決まってないけど、見に行かないよりは買う可能性高いよね!
馬車で街中まで行き、リディアと別れてダグと2人で歩く。今日来たのは一昨日とはまた違う場所で、市場ではなく普通のお店が並ぶ場所。お土産買うならこっちかなって思ってる。
「何を買うんだ?」
「うーん、何がいいかなぁ。せっかくだから海っぽいのがいいよね」
サンゴや貝殻を使った何かとかがいいかな?
「ふむ……とりあえず見てからだな」
「そうだねぇ」
とりあえずデートを楽しみつつ見て行きましょう! お土産探しで大変ですデートどころではなかったなんてならないようにね! デートできるようにロイ達が計画してくれたんだからあくまでもメインはデート! お土産はその中でいいものを探すのです。
「むー、見つからない……」
現在街の中心にあった噴水の近くで休憩中。ダグが渡してくれたリディア特性果実水を飲みつつうんうんと唸る。
「土産ならだいたい見つかっただろう?」
「えっ、あっ、う、うん!!」
ダグへのプレゼントを探してたなんて言えない……!
「で、何を探しているんだ?」
「な、内緒」
「内緒にしても俺の前で買えばバレるぞ。別行動は無理だしな」
うっ、たしかに……わかってはいたけどこっそり買うなんて無謀かぁ……ダグが商品に夢中になることってないからその間に店員さんに話をつけて、も無理だし僕まだ魔法収納を習得できてないからリディアに渡すまでも隠せない……
「うぅ……でもダグには言えないよぅ……」
「ふむ……? ああ、まさか俺の誕生日祝いを買おうとしているのか」
「な、なんでそれを……!」
なんでバレた?!
「いや、俺に言えないなら俺宛だろう? 最近で俺宛に何かを贈るような出来事といえば誕生日か結婚くらいだしな。結婚相手のユキからなら結婚祝いというのもおかしな話だし、ならば誕生日祝いだろうと」
「うぅ……正解です……」
思わずガクリと項垂れる。もうこれでサプライズ企画は潰れた……悲しい!!
「気にしなくていいと言っただろう?」
「だってぇ……」
「俺としてはユキとの結婚が誕生日祝いみたいなものだったからな。可愛い奥さんをもらえて俺は嬉しいぞ?」
今すっごいキュンとした……! 微笑みながらのそのセリフはずるいと思うのです!!
「ぼ、僕だってかっこいい旦那様もらったもん!」
僕ももらってるから誕生日祝いにはなりません!!
「その台詞は嬉しいな」
本当に嬉しそうに微笑むから僕の胸が鳴り止みません!! キュンキュンとうるさいぞ、僕の胸!
「俺は本当に欲しいものがユキくらいだからな。ユキが俺のものである以上、何もいらないぞ?」
「あ、う……でもぉ……」
「なら帰ってから1日を俺にくれ。ユキと2人きりでただまったりと過ごしたい。父上と母上がくれた温室ででもゆっくり過ごそう」
「それ、僕が喜ぶだけなんだけど……」
ダグとまったりするなんてなんのご褒美? 結婚前って意外にバタバタしてじっくりまったりする時間ってなかなか取れなかったし、いくらでもそんな時間は欲しいくらいだよ。まぁ忙しかったわけじゃなくともダグとの時間はいつだって嬉しいのですが!
「俺だって嬉しいからいいだろう? ああ、温室にはピアノもあるようだから何か弾いてもらおう」
「いくらでも弾くけど……本当にそれでいいの? 僕なんだって買うよ?」
「物よりユキとの時間が欲しい」
っ!! 今ぼくの心臓止まりかけた!!
「僕ダグが好きすぎて死にそう……」
キュンキュン通り越してギュンギュンいってる……ダグへの愛が止まらない!!
「はは、死なないでくれよ? 俺はユキがいないと生きていけん」
はぅ……さらにときめかせて僕をどうする気ですか……ときめき指数振り切れ過ぎて本当に死にそうなんですが!
こんな幸せを逃したくないから死なないけどね! なんとしてでも生き延びますよ僕は!!
「ふぅ……一生分ときめいた気がする……本当に何も買わなくていいんだね?」
「ああ、もちろんだ。ほら、何も気にしなくていいから普通に旅行を楽しもう」
「……そうだね! 旅行なんてそうそう出来るものじゃないし楽しまなくちゃ!」
何もいいものが見つからないし、ダグがいいというならもう気にせずに楽しもう! ダグと過ごす前の日にケーキは焼いておくけどね! ダグは甘いものは好きだけど甘すぎると食べられないから甘さ控えめで作るつもりです。
並んで座っていたベンチからパッと立ち上がってまた街へ。まだもう少しリディアと合流するまで時間があるから近くのお店でも見ながら時間を潰そう。何か珍しいものとかあるといいなぁ。
結局その後色々と見ているうちに僕ばっかり買ってもらっちゃった。髪飾りやアンクレットや綺麗なジュエリーケースなどなど……申し訳ないなって思うんだけど、本当に楽しそうに僕に買い与えるダグを見てたら何も言えない。
本当は僕の身の回りのもの全てをダグが買ったもので埋め尽くしたいんだって。リディアが集めたものが多すぎて無理だからそれはしないけど、少しずつダグが買ったものを増やしていくつもりなんだって。
……少しずつとはって思うくらい買ってくれたのは気のせい? まぁダグが買ってくれたものは全部宝物になるし嬉しいしいいんだけどさぁ……いつか破産しない?
え? それ以上に稼いでるから大丈夫? それにこうして買ってやれるのはたまにだから問題ない?
……流石部隊長なだけありますねぇ。まぁいいや、ダグにもらえる物はなんでも嬉しいしありがたく受け取ろう!
「ユキ、最後にあの店に行こう」
「ん? 欲しいものあるの?! 僕が買う!」
なになに、欲しいものあるんじゃ、ん……
「……ダグ兄上、念のため聞きますがこれは何に使うおつもりで……」
「聞くのか? 別にいいがそうだな、夜にベッドの上でユキを蕩か」
「わぁああああ!! もういい! もういいです!!」
「ふ、残念だ。買ってくる」
ばかばかばか! 欲しいものだと思ったのに!! 確かに買うってことは欲しいもので間違いはないのだろうけどそういうことじゃない!!
ダグが手に取ったのはえっち用の香油でした。いつも使ってるやつとはまた違った香りのものらしいです……
「さて、いくか」
「うん!」
昨日の夜はそのまま寝たから今日の僕は絶好調! ダグと街へお出かけです。
「では行きましょうか」
今日はリディアも街に行く。とはいえ僕達とは別行動なんだけど、リディアはお土産買わないのかって聞いたらそれなら僕が出かけてる間に行ってくるって言ったから一緒に街に向かうの。一緒の馬車に乗って降りてから別行動だよ。
むふふー、リディアも好きな人にお土産買えばいいのにって思ってたから聞いたんだけど、お土産見に行くようで良かった! まぁその人に買うとは決まってないけど、見に行かないよりは買う可能性高いよね!
馬車で街中まで行き、リディアと別れてダグと2人で歩く。今日来たのは一昨日とはまた違う場所で、市場ではなく普通のお店が並ぶ場所。お土産買うならこっちかなって思ってる。
「何を買うんだ?」
「うーん、何がいいかなぁ。せっかくだから海っぽいのがいいよね」
サンゴや貝殻を使った何かとかがいいかな?
「ふむ……とりあえず見てからだな」
「そうだねぇ」
とりあえずデートを楽しみつつ見て行きましょう! お土産探しで大変ですデートどころではなかったなんてならないようにね! デートできるようにロイ達が計画してくれたんだからあくまでもメインはデート! お土産はその中でいいものを探すのです。
「むー、見つからない……」
現在街の中心にあった噴水の近くで休憩中。ダグが渡してくれたリディア特性果実水を飲みつつうんうんと唸る。
「土産ならだいたい見つかっただろう?」
「えっ、あっ、う、うん!!」
ダグへのプレゼントを探してたなんて言えない……!
「で、何を探しているんだ?」
「な、内緒」
「内緒にしても俺の前で買えばバレるぞ。別行動は無理だしな」
うっ、たしかに……わかってはいたけどこっそり買うなんて無謀かぁ……ダグが商品に夢中になることってないからその間に店員さんに話をつけて、も無理だし僕まだ魔法収納を習得できてないからリディアに渡すまでも隠せない……
「うぅ……でもダグには言えないよぅ……」
「ふむ……? ああ、まさか俺の誕生日祝いを買おうとしているのか」
「な、なんでそれを……!」
なんでバレた?!
「いや、俺に言えないなら俺宛だろう? 最近で俺宛に何かを贈るような出来事といえば誕生日か結婚くらいだしな。結婚相手のユキからなら結婚祝いというのもおかしな話だし、ならば誕生日祝いだろうと」
「うぅ……正解です……」
思わずガクリと項垂れる。もうこれでサプライズ企画は潰れた……悲しい!!
「気にしなくていいと言っただろう?」
「だってぇ……」
「俺としてはユキとの結婚が誕生日祝いみたいなものだったからな。可愛い奥さんをもらえて俺は嬉しいぞ?」
今すっごいキュンとした……! 微笑みながらのそのセリフはずるいと思うのです!!
「ぼ、僕だってかっこいい旦那様もらったもん!」
僕ももらってるから誕生日祝いにはなりません!!
「その台詞は嬉しいな」
本当に嬉しそうに微笑むから僕の胸が鳴り止みません!! キュンキュンとうるさいぞ、僕の胸!
「俺は本当に欲しいものがユキくらいだからな。ユキが俺のものである以上、何もいらないぞ?」
「あ、う……でもぉ……」
「なら帰ってから1日を俺にくれ。ユキと2人きりでただまったりと過ごしたい。父上と母上がくれた温室ででもゆっくり過ごそう」
「それ、僕が喜ぶだけなんだけど……」
ダグとまったりするなんてなんのご褒美? 結婚前って意外にバタバタしてじっくりまったりする時間ってなかなか取れなかったし、いくらでもそんな時間は欲しいくらいだよ。まぁ忙しかったわけじゃなくともダグとの時間はいつだって嬉しいのですが!
「俺だって嬉しいからいいだろう? ああ、温室にはピアノもあるようだから何か弾いてもらおう」
「いくらでも弾くけど……本当にそれでいいの? 僕なんだって買うよ?」
「物よりユキとの時間が欲しい」
っ!! 今ぼくの心臓止まりかけた!!
「僕ダグが好きすぎて死にそう……」
キュンキュン通り越してギュンギュンいってる……ダグへの愛が止まらない!!
「はは、死なないでくれよ? 俺はユキがいないと生きていけん」
はぅ……さらにときめかせて僕をどうする気ですか……ときめき指数振り切れ過ぎて本当に死にそうなんですが!
こんな幸せを逃したくないから死なないけどね! なんとしてでも生き延びますよ僕は!!
「ふぅ……一生分ときめいた気がする……本当に何も買わなくていいんだね?」
「ああ、もちろんだ。ほら、何も気にしなくていいから普通に旅行を楽しもう」
「……そうだね! 旅行なんてそうそう出来るものじゃないし楽しまなくちゃ!」
何もいいものが見つからないし、ダグがいいというならもう気にせずに楽しもう! ダグと過ごす前の日にケーキは焼いておくけどね! ダグは甘いものは好きだけど甘すぎると食べられないから甘さ控えめで作るつもりです。
並んで座っていたベンチからパッと立ち上がってまた街へ。まだもう少しリディアと合流するまで時間があるから近くのお店でも見ながら時間を潰そう。何か珍しいものとかあるといいなぁ。
結局その後色々と見ているうちに僕ばっかり買ってもらっちゃった。髪飾りやアンクレットや綺麗なジュエリーケースなどなど……申し訳ないなって思うんだけど、本当に楽しそうに僕に買い与えるダグを見てたら何も言えない。
本当は僕の身の回りのもの全てをダグが買ったもので埋め尽くしたいんだって。リディアが集めたものが多すぎて無理だからそれはしないけど、少しずつダグが買ったものを増やしていくつもりなんだって。
……少しずつとはって思うくらい買ってくれたのは気のせい? まぁダグが買ってくれたものは全部宝物になるし嬉しいしいいんだけどさぁ……いつか破産しない?
え? それ以上に稼いでるから大丈夫? それにこうして買ってやれるのはたまにだから問題ない?
……流石部隊長なだけありますねぇ。まぁいいや、ダグにもらえる物はなんでも嬉しいしありがたく受け取ろう!
「ユキ、最後にあの店に行こう」
「ん? 欲しいものあるの?! 僕が買う!」
なになに、欲しいものあるんじゃ、ん……
「……ダグ兄上、念のため聞きますがこれは何に使うおつもりで……」
「聞くのか? 別にいいがそうだな、夜にベッドの上でユキを蕩か」
「わぁああああ!! もういい! もういいです!!」
「ふ、残念だ。買ってくる」
ばかばかばか! 欲しいものだと思ったのに!! 確かに買うってことは欲しいもので間違いはないのだろうけどそういうことじゃない!!
ダグが手に取ったのはえっち用の香油でした。いつも使ってるやつとはまた違った香りのものらしいです……
25
お気に入りに追加
2,138
あなたにおすすめの小説
婚約破棄と言われても・・・
相沢京
BL
「ルークお前とは婚約破棄する!」
と、学園の卒業パーティーで男爵に絡まれた。
しかも、シャルルという奴を嫉んで虐めたとか、記憶にないんだけど・・
よくある婚約破棄の話ですが、楽しんで頂けたら嬉しいです。
***********************************************
誹謗中傷のコメントは却下させていただきます。
新しい道を歩み始めた貴方へ
mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。
そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。
その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。
あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。
あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?
誰よりも愛してるあなたのために
R(アール)
BL
公爵家の3男であるフィルは体にある痣のせいで生まれたときから家族に疎まれていた…。
ある日突然そんなフィルに騎士副団長ギルとの結婚話が舞い込む。
前に一度だけ会ったことがあり、彼だけが自分に優しくしてくれた。そのためフィルは嬉しく思っていた。
だが、彼との結婚生活初日に言われてしまったのだ。
「君と結婚したのは断れなかったからだ。好きにしていろ。俺には構うな」
それでも彼から愛される日を夢見ていたが、最後には殺害されてしまう。しかし、起きたら時間が巻き戻っていた!
すれ違いBLです。
ハッピーエンド保証!
初めて話を書くので、至らない点もあるとは思いますがよろしくお願いします。
(誤字脱字や話にズレがあってもまあ初心者だからなと温かい目で見ていただけると助かります)
11月9日~毎日21時更新。ストックが溜まったら毎日2話更新していきたいと思います。
※…このマークは少しでもエッチなシーンがあるときにつけます。
自衛お願いします。
婚約者に会いに行ったらば
龍の御寮さん
BL
王都で暮らす婚約者レオンのもとへと会いに行ったミシェル。
そこで見たのは、レオンをお父さんと呼ぶ子供と仲良さそうに並ぶ女性の姿。
ショックでその場を逃げ出したミシェルは――
何とか弁解しようするレオンとなぜか記憶を失ったミシェル。
そこには何やら事件も絡んできて?
傷つけられたミシェルが幸せになるまでのお話です。
王命で第二王子と婚姻だそうです(王子目線追加)
かのこkanoko
BL
第二王子と婚姻せよ。
はい?
自分、末端貴族の冴えない魔法使いですが?
しかも、男なんですが?
BL初挑戦!
ヌルイです。
王子目線追加しました。
沢山の方に読んでいただき、感謝します!!
6月3日、BL部門日間1位になりました。
ありがとうございます!!!
気づいたら周りの皆が僕を溺愛していた。
しののめ
BL
クーレル侯爵家に末っ子として生まれたノエルがなんだかんだあって、兄達や学園の友達etc…に溺愛される???
家庭環境複雑でハチャメチャな毎日に奮闘するノエル君の物語です。
若干のR表現の際には※をつけさせて頂きます。
現在文章の大工事中です。複数表現を改める、大きくシーンの描写を改める箇所があると思います。当時は時間が取れず以降の投稿が出来ませんでしたが、改稿が終わり次第後の展開を書き始める可能性があります。長い目で見ていただけると幸いです。2024/11/12
兄たちが弟を可愛がりすぎです
クロユキ
BL
俺が風邪で寝ていた目が覚めたら異世界!?
メイド、王子って、俺も王子!?
おっと、俺の自己紹介忘れてた!俺の、名前は坂田春人高校二年、別世界にウィル王子の身体に入っていたんだ!兄王子に振り回されて、俺大丈夫か?!
涙脆く可愛い系に弱い春人の兄王子達に振り回され護衛騎士に迫って慌てていっもハラハラドキドキたまにはバカな事を言ったりとしている主人公春人の話を楽しんでくれたら嬉しいです。
1日の話しが長い物語です。
誤字脱字には気をつけてはいますが、余り気にしないよ~と言う方がいましたら嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる