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本編
107 報酬
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30分ほどの休憩後、またお手伝いを再開した。
さっきよりはほんの少しだけペースを落としたけど怠けずやってますよ! え? ペース落とした時点で怠けてる?
だって流石にあのペースだと最後まではもたなさそうだったから……初日からぶっ倒れたりなんかしたらリディアにお手伝い禁止されるの確実だから少しペースを抑えたの。今のペースなら全部を捌ききるのは無理だけど体力も問題なくもつはず。
継続してお手伝いを続けるためにペース配分を考えただけなので断じて怠けではない! と思いたい!!
サクサクと続けていくとなんだかおかしな書類を発見。さっきまでも微妙におかしな書類とかあったんだけどミスかなぁくらいの細かいものだったからリアムさんに確認したら、書類の作成者に確認してくれることになったんだけども……
うーん、これはなんだろ? なんか気持ち悪い……違和感あるなぁ……
その違和感を突き詰めようと1つ1つの項目を指でなぞりながら数字を確認していくと、突然なぞった文字が消えた。
「えっ?!!」
「どうなさいました、ユキ様」
思わず僕があげてしまった声にリアムさんが反応してこっちへ向かってきた。
どどどどうしよう僕文字消しちゃった怒られる……!
「ご、ごめんなさい……! 指でなぞってたら文字が消えて……!」
「文字が? その書類を見せていただけますか?」
「う、はい……ごめんなさい……」
確認してたつもりだったのになぞったら文字が消えるなんて思わなかった……うぅ、初仕事でこんな失敗を……
「ユキ様お手柄です! これは不正の手口ですよ! 隠蔽の魔法がかけられていたのです。なかなか見つけられない不正なのでとてもありがたいです!」
怒られるのを覚悟してたのに褒められた。
……へ? 不正?
「え、と……じゃあ僕が消してしまったわけではないんですか……?」
本来ない項目が隠蔽の魔法で追加されてたってこと?
「ええ。ユキ様がなぞったことで隠蔽の魔法が解けたのでしょう。お手柄ですよ、ユキ様」
よ、よかったぁ……僕の失態じゃなくて……
って不正だったんだからいいことはないか!
「レイナード様、ユキ様が不正の書類を見つけられましたよ」
「ユキ、凄いじゃないか。どうやって見つけたんだ?」
「なんだか書類に違和感があって……なんだろって思いながら1つ1つ指でなぞりながら確認してたらいきなり文字が消えたの。僕が何がおかしなことしちゃったのかと思った……」
本当に怖かった……だってこすると消えるペンよりもあっさり消えたんだもん。
「ふむ……それも神子の力、か……? よくわからんがお手柄だな。助かった、ありがとう」
「ううん、役に立ててよかった」
神子パワー結構役にたつなぁ。前は無味のはずの毒に、今回は書類に違和感を覚えたんだもんなぁ……思ったよりできることが多そうだ。
この世界に来て初めて役に立った気がして嬉しい!!
「また書類に何かあればその都度言ってくれ。リアム、不正の書類は確認後父上に回しておいてくれ」
「かしこまりました」
「不正の書類はロイの仕事なの?」
「ある程度の確認はこっちでやるがな。最終的には不正への対処は国王である父上の仕事になるんだ」
国の書類だから国の代表が、ってことなのかな? あまりわからないけどそういうものなんだね。ロイも大変だなぁ。
「そうなんだね。ロイのお仕事増やしちゃった」
「不正の書類がそのまま流されてしまうより全然いいさ。それに父上もユキが見つけた不正ならどんなに面倒な書類も喜んで処理するだろう」
確かに不正を気付かずにそのまま処理してしまったら大変だ。僕もしっかり不正は見つけないとね。
というか僕が見つけたなら喜んで処理するって……ロイ……
「そうかなぁ……まぁいいや。僕また続きやるね」
「ああ、頼んだ」
不正を見つけれて気分も上がり、ちょっとうきうきで残っている書類を捌く。半分を過ぎ、山ではなくなってきたけれどまだまだ分厚い束だ。……うん、これ終わらなさそう。
終わらないのなら仕方ない。あまり無理に速くやってミスしてもだめだし、できるところまでやろう。
「ユキ、そろそろ終わりにしよう」
「ふぇ……?」
思っていた以上に書類に集中しきっていたようで、レイに声をかけられて顔を上げるとすでに窓から入る光で部屋がオレンジ色に染まっていた。そろそろカーテンを閉めて明かりをつけないとダメなくらいだ。
「すごい集中力だったな。おつかれ。お陰でかなりの書類が片付いて助かった。体調に無理がなければまた明日も頼めるか?」
「うん、僕もやりたい! ……山1つ分は片付けられないけど……」
僕なりに頑張ったけど結局4分の1ほど余ってしまった。かなり高い山だったから4分の1でもかなりの量なんだよ……
「はは、それはリアムがからかっただけだから構わんよ。まさか1日でこれだけの量が終わるとは思っていなかったしな」
「兄上、ユキの給料凄いことなりそうですね」
「そうだな。それも計算しなくてはな」
「僕普通のお給料でいいんだけど……余分に貰うのは嫌だよ」
働いてお金を稼ぎたいとは言ったけれど、気を利かせてもらって多く貰うのは違う。僕は本来貰える給料だけを貰いたい。カサ増ししてもらったらお小遣いと変わらないもん……
生活がかかってたらそんなことも言えないだろうけど、僕の生活は保障されているし、自分で買いたい物も特にない。
お世話になった人にお礼をするならば、僕が働いてそれに見合った給料をもらって、そのお金で買える精一杯のものを買って贈るというのが1番理想的な感謝の伝え方だと思う。僕の現状から考えたらね。
だから多めに貰うのは嫌だと伝えたけれど、給料が多くなる訳というのはどうやら僕の思っていたこととは違うようだった。
「ああ、ユキは余分に渡すと嫌がるだろうからそれは元からしないつもりだ。だが、城内の仕事は書類の種類によって1枚あたりいくらと決まっているのだ。基本の給料に加えて処理した書類分の手当が支払われる。だからユキの給料は高くなるぞ」
「会計書類は複雑ではないから1枚あたりは安く設定されてるけど、ユキの処理速度を見てたらかなりの金額になると思うよ。あと不正を見つけたら特別報酬もあるしすでにユキ特別報酬ももらえるね!」
そんなシステムがあったなんて。
お城の文官、いわゆる書類仕事を担当する人達の基本給は月25万ギルで平民の平均収入よりすでに大分高いけれど、さらに手当がついて最終的にはかなりの額になってくるらしい。自分の頑張り次第で給料は数倍にだってなるという素晴らしいシステムのようだ。
でもそんなシステムも基本的には業務時間内で、という制限がつくらしい。だから終業後に自室でいくら書類を処理したとしても、それには手当は出されず、無償労働となってしまうようだ。
基本的には、というのは他のお役目があってずっと書類に取り掛かるのは無理、という人達は時間外でも手当が補償される。その場合は寧ろ通常よりも高い手当が出されるらしい。
例外は置いておいて、確かに時間外でも手当を支払ってたら空き時間にでもやればいくらでも給料増やせちゃうもんね。それなら徹夜してでも書類に取り掛かる人も出てきそう。それはちょっとまずいよね。
「ユキの場合基本給こそ時給換算して支払うから丸一日働いている他の文官よりも低額となってしまうが、手当は皆同じだ。十分期待していていいと思うぞ」
「そっかぁ……僕頑張るね!!」
「頑張るのはいいけど無理はしないようにね? 倒れたりしたらこの部屋立ち入り禁止令出ると思うよ」
……それは否定できないなぁ。
ちらりとリディアをみたらにっこり笑顔。うん、確実に立ち入り禁止令出るね。二度とお手伝いなんてさせてもらえなくなる。
「……ほどほどに頑張るね!」
「うん、それがいいよ! 俺もユキと一緒に仕事したいし」
言い直したらラスに賛成された。レイも頷いているからそれが正解のようだ。
……うん、リディアも満足そうな顔だ。
体調を崩さない倒れないを念頭において出来る限り頑張ろう! 継続してお手伝いを続けるためにも!!
さっきよりはほんの少しだけペースを落としたけど怠けずやってますよ! え? ペース落とした時点で怠けてる?
だって流石にあのペースだと最後まではもたなさそうだったから……初日からぶっ倒れたりなんかしたらリディアにお手伝い禁止されるの確実だから少しペースを抑えたの。今のペースなら全部を捌ききるのは無理だけど体力も問題なくもつはず。
継続してお手伝いを続けるためにペース配分を考えただけなので断じて怠けではない! と思いたい!!
サクサクと続けていくとなんだかおかしな書類を発見。さっきまでも微妙におかしな書類とかあったんだけどミスかなぁくらいの細かいものだったからリアムさんに確認したら、書類の作成者に確認してくれることになったんだけども……
うーん、これはなんだろ? なんか気持ち悪い……違和感あるなぁ……
その違和感を突き詰めようと1つ1つの項目を指でなぞりながら数字を確認していくと、突然なぞった文字が消えた。
「えっ?!!」
「どうなさいました、ユキ様」
思わず僕があげてしまった声にリアムさんが反応してこっちへ向かってきた。
どどどどうしよう僕文字消しちゃった怒られる……!
「ご、ごめんなさい……! 指でなぞってたら文字が消えて……!」
「文字が? その書類を見せていただけますか?」
「う、はい……ごめんなさい……」
確認してたつもりだったのになぞったら文字が消えるなんて思わなかった……うぅ、初仕事でこんな失敗を……
「ユキ様お手柄です! これは不正の手口ですよ! 隠蔽の魔法がかけられていたのです。なかなか見つけられない不正なのでとてもありがたいです!」
怒られるのを覚悟してたのに褒められた。
……へ? 不正?
「え、と……じゃあ僕が消してしまったわけではないんですか……?」
本来ない項目が隠蔽の魔法で追加されてたってこと?
「ええ。ユキ様がなぞったことで隠蔽の魔法が解けたのでしょう。お手柄ですよ、ユキ様」
よ、よかったぁ……僕の失態じゃなくて……
って不正だったんだからいいことはないか!
「レイナード様、ユキ様が不正の書類を見つけられましたよ」
「ユキ、凄いじゃないか。どうやって見つけたんだ?」
「なんだか書類に違和感があって……なんだろって思いながら1つ1つ指でなぞりながら確認してたらいきなり文字が消えたの。僕が何がおかしなことしちゃったのかと思った……」
本当に怖かった……だってこすると消えるペンよりもあっさり消えたんだもん。
「ふむ……それも神子の力、か……? よくわからんがお手柄だな。助かった、ありがとう」
「ううん、役に立ててよかった」
神子パワー結構役にたつなぁ。前は無味のはずの毒に、今回は書類に違和感を覚えたんだもんなぁ……思ったよりできることが多そうだ。
この世界に来て初めて役に立った気がして嬉しい!!
「また書類に何かあればその都度言ってくれ。リアム、不正の書類は確認後父上に回しておいてくれ」
「かしこまりました」
「不正の書類はロイの仕事なの?」
「ある程度の確認はこっちでやるがな。最終的には不正への対処は国王である父上の仕事になるんだ」
国の書類だから国の代表が、ってことなのかな? あまりわからないけどそういうものなんだね。ロイも大変だなぁ。
「そうなんだね。ロイのお仕事増やしちゃった」
「不正の書類がそのまま流されてしまうより全然いいさ。それに父上もユキが見つけた不正ならどんなに面倒な書類も喜んで処理するだろう」
確かに不正を気付かずにそのまま処理してしまったら大変だ。僕もしっかり不正は見つけないとね。
というか僕が見つけたなら喜んで処理するって……ロイ……
「そうかなぁ……まぁいいや。僕また続きやるね」
「ああ、頼んだ」
不正を見つけれて気分も上がり、ちょっとうきうきで残っている書類を捌く。半分を過ぎ、山ではなくなってきたけれどまだまだ分厚い束だ。……うん、これ終わらなさそう。
終わらないのなら仕方ない。あまり無理に速くやってミスしてもだめだし、できるところまでやろう。
「ユキ、そろそろ終わりにしよう」
「ふぇ……?」
思っていた以上に書類に集中しきっていたようで、レイに声をかけられて顔を上げるとすでに窓から入る光で部屋がオレンジ色に染まっていた。そろそろカーテンを閉めて明かりをつけないとダメなくらいだ。
「すごい集中力だったな。おつかれ。お陰でかなりの書類が片付いて助かった。体調に無理がなければまた明日も頼めるか?」
「うん、僕もやりたい! ……山1つ分は片付けられないけど……」
僕なりに頑張ったけど結局4分の1ほど余ってしまった。かなり高い山だったから4分の1でもかなりの量なんだよ……
「はは、それはリアムがからかっただけだから構わんよ。まさか1日でこれだけの量が終わるとは思っていなかったしな」
「兄上、ユキの給料凄いことなりそうですね」
「そうだな。それも計算しなくてはな」
「僕普通のお給料でいいんだけど……余分に貰うのは嫌だよ」
働いてお金を稼ぎたいとは言ったけれど、気を利かせてもらって多く貰うのは違う。僕は本来貰える給料だけを貰いたい。カサ増ししてもらったらお小遣いと変わらないもん……
生活がかかってたらそんなことも言えないだろうけど、僕の生活は保障されているし、自分で買いたい物も特にない。
お世話になった人にお礼をするならば、僕が働いてそれに見合った給料をもらって、そのお金で買える精一杯のものを買って贈るというのが1番理想的な感謝の伝え方だと思う。僕の現状から考えたらね。
だから多めに貰うのは嫌だと伝えたけれど、給料が多くなる訳というのはどうやら僕の思っていたこととは違うようだった。
「ああ、ユキは余分に渡すと嫌がるだろうからそれは元からしないつもりだ。だが、城内の仕事は書類の種類によって1枚あたりいくらと決まっているのだ。基本の給料に加えて処理した書類分の手当が支払われる。だからユキの給料は高くなるぞ」
「会計書類は複雑ではないから1枚あたりは安く設定されてるけど、ユキの処理速度を見てたらかなりの金額になると思うよ。あと不正を見つけたら特別報酬もあるしすでにユキ特別報酬ももらえるね!」
そんなシステムがあったなんて。
お城の文官、いわゆる書類仕事を担当する人達の基本給は月25万ギルで平民の平均収入よりすでに大分高いけれど、さらに手当がついて最終的にはかなりの額になってくるらしい。自分の頑張り次第で給料は数倍にだってなるという素晴らしいシステムのようだ。
でもそんなシステムも基本的には業務時間内で、という制限がつくらしい。だから終業後に自室でいくら書類を処理したとしても、それには手当は出されず、無償労働となってしまうようだ。
基本的には、というのは他のお役目があってずっと書類に取り掛かるのは無理、という人達は時間外でも手当が補償される。その場合は寧ろ通常よりも高い手当が出されるらしい。
例外は置いておいて、確かに時間外でも手当を支払ってたら空き時間にでもやればいくらでも給料増やせちゃうもんね。それなら徹夜してでも書類に取り掛かる人も出てきそう。それはちょっとまずいよね。
「ユキの場合基本給こそ時給換算して支払うから丸一日働いている他の文官よりも低額となってしまうが、手当は皆同じだ。十分期待していていいと思うぞ」
「そっかぁ……僕頑張るね!!」
「頑張るのはいいけど無理はしないようにね? 倒れたりしたらこの部屋立ち入り禁止令出ると思うよ」
……それは否定できないなぁ。
ちらりとリディアをみたらにっこり笑顔。うん、確実に立ち入り禁止令出るね。二度とお手伝いなんてさせてもらえなくなる。
「……ほどほどに頑張るね!」
「うん、それがいいよ! 俺もユキと一緒に仕事したいし」
言い直したらラスに賛成された。レイも頷いているからそれが正解のようだ。
……うん、リディアも満足そうな顔だ。
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