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本編
81 めん……大変なことに
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現在ものすごくめんど……大変なことになってます。
部屋に来たヴォイド爺とロイとアルは今にも泣き出さんばかりの様子を見せたがちゃっかり僕の前に座った。3人へとリディアが気持ちを落ち着かせるお茶を出したら3人とも速攻で飲み干した。……熱くないのかな。
「ロイとアルはなんでここに……」
お茶を飲んでいくらか落ち着いたであろう2人に問う。
「ユキが授業を休むと聞いてな。なかなかないことだからひどく体調を崩したのでは、と心配して見に来たんだ」
「……そう」
「そしたら……っ……ユキが喰われっ……」
「ああ……うん……」
「せめて否定の言葉が聞きたかった……!」
「だって……ねぇ?」
間違ってないんだもん。否定したってねぇ……
「私らの可愛いユキが……!!」
「……ユキは俺のだ」
ちょっとダグ、今の聞こえたよ?! ロイ達には聞こえてなかったみたいだけど僕には聞こえたよ?! 今護衛モードのはずなのに一瞬だけ明らかに恋人モードだったよね?! もうもう、予想してなかった言葉聞けて僕にやけちゃうよ!
「ユキ、なんでそんなに笑っているんだ」
「えー? 内緒!」
僕はダグのものだもんなんて言ったらものすごいことになりそうだから言わない。僕の胸に留めておくのです。
「はぁ……ああぁユキが……こんなにはやく……」
……あ、今回が初めてだと思われてる? 前回の時は授業もなかったしロイ達にも会わなかったからなぁ……言わないでおこう。
と思ったらアルが爆弾投下。
「ユキ、今回が初めてだよな……?」
「……え? あはは……」
初めてはもう少し前です。お披露目の日です。なんて言えない。
「……まさか、嘘だろう……いつだ、いつなんだ?!」
「い、言わない……」
「怒らないから言いなさい!」
「な、なんで言わないとダメなのさ! 初体験報告なんておかしいでしょ?!」
そうだよ、なんで言わないとダメなのさ! ロイ達は僕の親なんでしょ?! 初体験はいつです! なんて親に報告するバカどこにいるのさ!!
それに成人もしてるんだから何も問題ないし!!!
「ぐっ……それもそうか……だが……うぅ、ユキが……」
「もう、僕別に嫌なことされたんでも無理やりされたわけでもないからそっとしといてよ」
「うぅ……」
目の前の3人の落ち込みようはものすごい。もうズーンっていう文字見えるもん。
娘の初体験はまだだと思っていたけど実はすでに済んでいたことを聞かされた父親の心境、かな……僕男だけど。
「もう……そんなに落ち込むことじゃないでしょ!
それより昨日僕みんなにお土産買ったんだよ。受け取ってくれる?」
「何?! ユキからのお土産?!」
3人が一気に嬉しそうな顔になった。
「そうだよ、ちゃんと僕が選んだんだから! ダグ、出してくれる?」
「かしこまりました」
ダグに頼んで魔法収納から3人へのお土産を出してもらう。万が一にも出しておいて割れてしまったら大変だから魔法収納にずっと入れといてもらってたんだ。魔法収納の中は時間が止まってるから何も動かなくて安心なの。
「はい、こっちがロイとアルに。こっちはヴォイド爺に」
「あ、開けていいのか?」
「もちろん!」
ロイとアルは2人がかりで、ヴォイド爺は1人でドキドキと言った様子でそれでいて丁寧に包装を剥がしていき、それぞれの箱をゆっくり開いた。
「ロイとアルにはペアのグラス。ヴォイド爺にはガラスペンだよ。……気に入らなかった?」
箱を開けた体勢のまま固まった3人に気に入らなかったのかと不安になる。
「そんなことはない! 綺麗なグラスだ!!」
「そうだよ、すごく気に入った!!」
「私もじゃ! 使うのがもったいないぐらいじゃ!」
そう言って3人とも嬉しそうに笑ってくれた。よかった、どうやら気に入ってくれたみたいだ。
「ふふ、よかった。でもヴォイド爺、ちゃんと使ってね?」
「ああ、ちゃんと大切に使うさ」
「うん、僕も使ってくれた方が嬉しい。でもよかった、3人とも気に入ってくれて。
あ、そうだ。リディア、お財布どこに置いてある?」
「こちらにございますよ」
「ん、ありがとう。ロイ、これって国のお金じゃない? 残った分返すね」
昨日リディアから渡されたお財布はきっと国の予算から出されたやつだと思うの。もう僕しばらく外行かないだろうし、使い道が無いから返しておこう。かなりの額入ってるから持ってるのも怖いし。
「ん? たしかに予算から出しているが……ユキ、全然使ってないじゃないか。何も買わなんだのか?」
「買ったよ? 楽譜とお土産」
「いやいやいや、もっと欲しいものはなかったのか? なんでも買えるようにと用意したのに……もっとユキの欲しいものを買ってよかったのだぞ?」
「んー、僕あまり欲しいものとかってないし、買おうと思ってた物はダグが買ってくれたから……」
今も左手の薬指に嵌ってる指輪を見つめそっと撫でる。これ以外にも髪飾りとガラスペンまで買ってくれたからなぁ……
「む? 指輪か?」
「ふふ、そう。ダグとお揃いなの。お互いの瞳の色を着けてるんだよ」
「ほぉ……なぜ薬指なんだ?」
「へ?! えっと……元の世界だと、ブレスレットじゃなくて指輪なの。恋人とか夫婦とかが着けるの……左手の薬指にお揃いの指輪をはめるんだよ」
独占欲云々は省いて説明! そこまでは言わなくてもいいだろうし……
「そうなのか? ふむ……いいな。アル、私達も揃いの指輪をつけようか」
「は?! い、いや俺たちブレスレット着けてるし……!」
「いいじゃないか、指輪が増えても。それとも私からの指輪は受け取りたくないか?」
「そ、そうじゃないけど……」
「なら受け取ってくれるな?」
「……うん」
……わぁー、目の前でいちゃいちゃしだしたぁ……あまーい。
……はっ!! これってもしかして僕とダグのイチャつきを見たリディアの気分なのでは?!! ごめんねリディアいつもこんな気持ちだったのか……!
……まてよ、僕とダグってもっとデロデロに甘いような……ってことはリディアはもっとダメージを……? うわ、本当にごめんリディア。でもダグとイチャつくのはやめられません! ごめんね!!
「……陛下、指輪をお作りになるのは良いと思いますがこれからご公務なのでは?」
「む、そうだな。ユキ、では私達はそろそろ戻る。グラスも有り難く使わせてもらうよ。金の方は一応預かっておくが欲しいものがあればいつでも言うのだぞ?
あー……ダグラスとその……うん、まぁいいがほどほどに、な」
「……うん。お仕事頑張ってね……」
なにこれものすごく恥ずかしい。いや、もう許して(?)もらえたのはいいけども……そもそも許しを貰うことでもないし別に僕が求めすぎてこうなってるんじゃないからね?!! ダグのばかぁ!!!
ロイとアルは出て行ったけれどヴォイド爺は残った。
「ユキや、本当に無理やりではなかったんじゃな?」
「うん、それだけは違うよ。ダグはそんなことしない。ちゃんと僕の気持ちを聞いて、待っててくれたから」
「そうか……なら私ももうなにも言わんが……せめて自力で歩ける程度にはしておいた方がよいと思うぞ……?
私もまだ仕事があるからもう行くの。来週の授業は今日やる予定じゃったことをそのまま回すから用意はその通りにな。ガラスペン、ありがたく使わせて貰うよ」
「……うん、ヴォイド爺もお仕事頑張って」
……だから僕のせいじゃないのに……! とか言ったらダグは僕が煽るのが悪いとか言うんでしょうけど!!
……ねぇそれって僕のせい? 僕のせいなの?
うう、それでもダグとするのが嫌に感じない僕はバカなのでしょうか……
部屋に来たヴォイド爺とロイとアルは今にも泣き出さんばかりの様子を見せたがちゃっかり僕の前に座った。3人へとリディアが気持ちを落ち着かせるお茶を出したら3人とも速攻で飲み干した。……熱くないのかな。
「ロイとアルはなんでここに……」
お茶を飲んでいくらか落ち着いたであろう2人に問う。
「ユキが授業を休むと聞いてな。なかなかないことだからひどく体調を崩したのでは、と心配して見に来たんだ」
「……そう」
「そしたら……っ……ユキが喰われっ……」
「ああ……うん……」
「せめて否定の言葉が聞きたかった……!」
「だって……ねぇ?」
間違ってないんだもん。否定したってねぇ……
「私らの可愛いユキが……!!」
「……ユキは俺のだ」
ちょっとダグ、今の聞こえたよ?! ロイ達には聞こえてなかったみたいだけど僕には聞こえたよ?! 今護衛モードのはずなのに一瞬だけ明らかに恋人モードだったよね?! もうもう、予想してなかった言葉聞けて僕にやけちゃうよ!
「ユキ、なんでそんなに笑っているんだ」
「えー? 内緒!」
僕はダグのものだもんなんて言ったらものすごいことになりそうだから言わない。僕の胸に留めておくのです。
「はぁ……ああぁユキが……こんなにはやく……」
……あ、今回が初めてだと思われてる? 前回の時は授業もなかったしロイ達にも会わなかったからなぁ……言わないでおこう。
と思ったらアルが爆弾投下。
「ユキ、今回が初めてだよな……?」
「……え? あはは……」
初めてはもう少し前です。お披露目の日です。なんて言えない。
「……まさか、嘘だろう……いつだ、いつなんだ?!」
「い、言わない……」
「怒らないから言いなさい!」
「な、なんで言わないとダメなのさ! 初体験報告なんておかしいでしょ?!」
そうだよ、なんで言わないとダメなのさ! ロイ達は僕の親なんでしょ?! 初体験はいつです! なんて親に報告するバカどこにいるのさ!!
それに成人もしてるんだから何も問題ないし!!!
「ぐっ……それもそうか……だが……うぅ、ユキが……」
「もう、僕別に嫌なことされたんでも無理やりされたわけでもないからそっとしといてよ」
「うぅ……」
目の前の3人の落ち込みようはものすごい。もうズーンっていう文字見えるもん。
娘の初体験はまだだと思っていたけど実はすでに済んでいたことを聞かされた父親の心境、かな……僕男だけど。
「もう……そんなに落ち込むことじゃないでしょ!
それより昨日僕みんなにお土産買ったんだよ。受け取ってくれる?」
「何?! ユキからのお土産?!」
3人が一気に嬉しそうな顔になった。
「そうだよ、ちゃんと僕が選んだんだから! ダグ、出してくれる?」
「かしこまりました」
ダグに頼んで魔法収納から3人へのお土産を出してもらう。万が一にも出しておいて割れてしまったら大変だから魔法収納にずっと入れといてもらってたんだ。魔法収納の中は時間が止まってるから何も動かなくて安心なの。
「はい、こっちがロイとアルに。こっちはヴォイド爺に」
「あ、開けていいのか?」
「もちろん!」
ロイとアルは2人がかりで、ヴォイド爺は1人でドキドキと言った様子でそれでいて丁寧に包装を剥がしていき、それぞれの箱をゆっくり開いた。
「ロイとアルにはペアのグラス。ヴォイド爺にはガラスペンだよ。……気に入らなかった?」
箱を開けた体勢のまま固まった3人に気に入らなかったのかと不安になる。
「そんなことはない! 綺麗なグラスだ!!」
「そうだよ、すごく気に入った!!」
「私もじゃ! 使うのがもったいないぐらいじゃ!」
そう言って3人とも嬉しそうに笑ってくれた。よかった、どうやら気に入ってくれたみたいだ。
「ふふ、よかった。でもヴォイド爺、ちゃんと使ってね?」
「ああ、ちゃんと大切に使うさ」
「うん、僕も使ってくれた方が嬉しい。でもよかった、3人とも気に入ってくれて。
あ、そうだ。リディア、お財布どこに置いてある?」
「こちらにございますよ」
「ん、ありがとう。ロイ、これって国のお金じゃない? 残った分返すね」
昨日リディアから渡されたお財布はきっと国の予算から出されたやつだと思うの。もう僕しばらく外行かないだろうし、使い道が無いから返しておこう。かなりの額入ってるから持ってるのも怖いし。
「ん? たしかに予算から出しているが……ユキ、全然使ってないじゃないか。何も買わなんだのか?」
「買ったよ? 楽譜とお土産」
「いやいやいや、もっと欲しいものはなかったのか? なんでも買えるようにと用意したのに……もっとユキの欲しいものを買ってよかったのだぞ?」
「んー、僕あまり欲しいものとかってないし、買おうと思ってた物はダグが買ってくれたから……」
今も左手の薬指に嵌ってる指輪を見つめそっと撫でる。これ以外にも髪飾りとガラスペンまで買ってくれたからなぁ……
「む? 指輪か?」
「ふふ、そう。ダグとお揃いなの。お互いの瞳の色を着けてるんだよ」
「ほぉ……なぜ薬指なんだ?」
「へ?! えっと……元の世界だと、ブレスレットじゃなくて指輪なの。恋人とか夫婦とかが着けるの……左手の薬指にお揃いの指輪をはめるんだよ」
独占欲云々は省いて説明! そこまでは言わなくてもいいだろうし……
「そうなのか? ふむ……いいな。アル、私達も揃いの指輪をつけようか」
「は?! い、いや俺たちブレスレット着けてるし……!」
「いいじゃないか、指輪が増えても。それとも私からの指輪は受け取りたくないか?」
「そ、そうじゃないけど……」
「なら受け取ってくれるな?」
「……うん」
……わぁー、目の前でいちゃいちゃしだしたぁ……あまーい。
……はっ!! これってもしかして僕とダグのイチャつきを見たリディアの気分なのでは?!! ごめんねリディアいつもこんな気持ちだったのか……!
……まてよ、僕とダグってもっとデロデロに甘いような……ってことはリディアはもっとダメージを……? うわ、本当にごめんリディア。でもダグとイチャつくのはやめられません! ごめんね!!
「……陛下、指輪をお作りになるのは良いと思いますがこれからご公務なのでは?」
「む、そうだな。ユキ、では私達はそろそろ戻る。グラスも有り難く使わせてもらうよ。金の方は一応預かっておくが欲しいものがあればいつでも言うのだぞ?
あー……ダグラスとその……うん、まぁいいがほどほどに、な」
「……うん。お仕事頑張ってね……」
なにこれものすごく恥ずかしい。いや、もう許して(?)もらえたのはいいけども……そもそも許しを貰うことでもないし別に僕が求めすぎてこうなってるんじゃないからね?!! ダグのばかぁ!!!
ロイとアルは出て行ったけれどヴォイド爺は残った。
「ユキや、本当に無理やりではなかったんじゃな?」
「うん、それだけは違うよ。ダグはそんなことしない。ちゃんと僕の気持ちを聞いて、待っててくれたから」
「そうか……なら私ももうなにも言わんが……せめて自力で歩ける程度にはしておいた方がよいと思うぞ……?
私もまだ仕事があるからもう行くの。来週の授業は今日やる予定じゃったことをそのまま回すから用意はその通りにな。ガラスペン、ありがたく使わせて貰うよ」
「……うん、ヴォイド爺もお仕事頑張って」
……だから僕のせいじゃないのに……! とか言ったらダグは僕が煽るのが悪いとか言うんでしょうけど!!
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うう、それでもダグとするのが嫌に感じない僕はバカなのでしょうか……
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