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第十四話・黒に抱かれる

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 好きで、好きでたまらない・・・・・・でも、ずっと手の届かない存在だと思っていたリヒトに、口付けられて。

 オトヤの心臓が、壊れてしまいそうなほど早く拍動する。

(なんで、教官、教官と、僕、キスしてるッ・・・・・・♡)

 涙で潤んでいた瞳を見開き、動揺しながらも憧れのリヒトとの口付けで歓喜に震えるオトヤ。

 壁に身体を押さえつけられ、舌で唇を割られ、深くなる接吻に下半身がひどく疼いた。

「んっ、ふ♡ きょ、んむッ♡ ぁ、はぁ、ふ・・・・・・⁉︎♡」

 リヒトの舌先はオトヤの口の中のいいところばかりに触れ、あまりの快感にオトヤは痛いほど反応した股間を隠すように両手で押さえつける。

(~~ぁッ♡ すき、好き・・・・・・ッ♡♡♡ も、キスだけで、イっちゃいそ・・・・・・♡)

 オトヤの腰から力が抜ける。立っていられなくなって床に尻もちをつくオトヤに、リヒトの身体が覆い被さった。

 リヒトの、いつもどこか虚無を見つめているような静かな瞳に熱がやどる。

 その目は据わっていて、獣のように獰猛な光を帯びていた。

 しかし、その表情は葛藤しているのか苦しげに歪んでいる。

「・・・・・・本当に、今は離れてくれ。俺に理性が残っている内に・・・・・・‼︎」

 ーーこの時リヒトの精神には、リビドーショックの波が限界まで寄ってきていた。

 頬を赤く染め健気に寄り添ってくるオトヤのことを抱きしめ、犯してしまいたいなどという欲望がふつふつと湧き上がってきていて、押さえつけるのに必死だったのだ。

 このままでは、理性を保っていられなくなり、オトヤを滅茶苦茶に犯してしまう。

 リビドードライブを開発した本人であるリヒトは、何よりもショックの危険性を理解していた。

「教官、もしかして、僕を逃がそうとして・・・・・・」

 オトヤが震える声で尋ねると、リヒトは眉間に皺を寄せる。

「いいから・・・・・・余計なことは言わなくていい、今なら間に合ッ」

 ーーその吐息荒く話すリヒトの唇を、オトヤはちゅ、とキスで塞いだ。

 その胸元にすがりつき、上目遣いで誘うように見つめる。

「つ、辛いなら、僕を抱いてください・・・・・・」

 ぎゅう、と抱きつき、腰を揺らしてリヒトに擦り付ける。

 こんな事態を利用したくは無かった。しかしオトヤは、今この時を逃せばもう二度と、リヒトが自分に欲情してくれることなど無いに違いないと思ってしまったのだ。

「オトヤッ・・・・・・やめろ、一日経てば、治る、からっ・・・・・・」

「教官、抱いてくださいっ・・・・・・‼︎ 好きです教官、僕・・・・・・教官が大好きなんです‼︎ 一回だけでもいい・・・・・・教官と、えっちしたい・・・・・・ッ♡」

 ーーオトヤのそんな殺し文句で、リヒトの理性は完全に崩壊した。



ーーーーー



 ーー地下室、リヒトの部屋。初めて入るそこをじっくり見回す暇さえ与えられず、オトヤは荒々しくベッドに押し倒された。

(ぁ、べ、ベッド、教官の良い匂いがしてッ・・・・・・♡)

 興奮に全身鳥肌がたつオトヤ。その唇を強引に深く奪われ、激しく中を蹂躙されて、腹の奥がキュンキュンと疼く。

 服の中に手を入れられ、腹のあたりの生肌をリヒトの骨ばった手で撫ぜられて、腰が揺れた。

「ふあぅ、教官ッ・・・・・・♡」

 大好きで大好きで仕方ない、そんな彼に直接肌を触れられるだけで、快楽に脳髄が溶けそうだ。

 胸元まで入ってきた手が、そのオトヤのぷっくり勃った乳首を容赦なく摘み、ぎゅうっとつねって。

「あっ、あぁんッ・・・・・・‼︎♡ きょう、かんッ♡ いっ、いっぢゃう、なんか、きょ、おかし、感じちゃぅッ・・・・・・‼︎♡♡♡」

 オトヤはそれだけで全身ガクガク振るわせて、絶頂してしまった。

(あぁ、だめかも♡ ちんちん触られてないのに、射精気持ちいぃッ・・・・・・‼︎♡ 教官好き、教官に触られて、もぅ、僕ッ・・・・・・おかしくなっちゃったっ・・・・・・♡♡♡)

 とろとろの顔で絶頂するオトヤの服を、リヒトは乱暴な手つきで剥いであっという間に裸にする。

 そのオトヤの華奢な白い身体は、内側から照らされてるように赤く火照っていて。

「ぁ、きょ、教官、挿れてッ・・・・・・♡ もぅ、挿れてください♡♡♡」

 自分で脚を広げ、ヒクヒクと物欲しげに疼く穴に己の精液を塗りたくるオトヤ。

 毎夜リヒトを想って一人自慰をしていたオトヤのそこは、すんなりほぐれてとろとろになる。

 オトヤのそんな煽情的な姿に、リヒトの瞳がぐらぐらと揺れた。

「ーーオトヤッ・・・・・・‼︎」

 リヒトに深く抱きしめられる。

 そのまま、太く長いリヒトの熱をずぶ、とハメられて。

「あっ、あっ‼︎♡ きょ、かんの、なかにッ・・・・・・んあぁッ、あっ、あぁあっーーーー‼︎‼︎♡♡♡」

 そのまま最奥まで一気に突き挿れられて、オトヤはぴゅうぴゅうと白濁を噴きながらひどく幸せそうな顔をしてイッてしまった。
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