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姉、弟、妹
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「おい、姉貴、仕事に戻れよ」
「今日は暇だから平気平気」
春さんが物凄く不機嫌そうにお姉さんに言い放つが、お姉さん意に介さない。
そのせいで春さんが一層不機嫌な顔になっていく。
彼の不機嫌な感情が自分に向かっているのであればこの上なく慌てるのだけど、自身には向いていないおかげで彼の様子を可愛らしく感じてしまう。
相変わらず私は現金だ。
「明ちゃん、素敵なお姉さまに向かって酷くない、こいつ」
「その、えっと」
だがお姉さんが私に会話を振って来た事で困ってしまう。
お姉さんの事は割と好きな方だし、春さんは大好きな人だ。
どちらかに落ち度が有るのならともかく、こういうじゃれつく様な感じは何とも返し難い。
私に妹でも居れば少しは違ったのだろうか。
「おい、明ちゃん困ってんだろ!」
「えー、そんな事無いよねぇ。ねー?」
春さんが私の様子を見てお姉さんに向かって叫ぶが、お姉さんはそれすらも意に介さない。
そして座っている私の後ろに回り、背中から抱きついてきた。
「あの、私はお姉さんの事は好きですので、その、えっと」
このままだと姉弟喧嘩に発展しそうなので、落ち着いて貰おうと春さんに向かって伝える。
けどそれが駄目だったのか、春さんは一層気にくわないという顔でお姉さんを睨む。
けど暫く睨んだ後、諦めたかのように深い溜息を吐いた。
「はぁ・・・いいよ、好きにしろよ」
「あんたに言われなくても好きにするわよ」
春さんの諦めの言葉に、当然という態度で応えるお姉さん。
その際私に思いきり抱き着いて来た。
妹が欲しかったというお姉さんにとって、私は妹替わりなのだろう。
「まあ、夜は二人っきりだから存分に好きにしなさいなー」
「おまっ、そういう事を言うなよ!」
「だって、今日は明ちゃん泊りでしょ?」
お姉さんの言葉に少し顔が熱くなる。彼女の言う通り、今日はここに泊まる。
一度家に帰ったので着替えも完備だ。
そして夜になるとこの家は基本春さん一人になるので、まあ、そういう事だ。
「だーかーらー、それを明ちゃんに言うなよ!」
「なーにを今更。大体そういう話は男よりも女の方がしてるっての。こういう所見ると中身はやっぱり男ね、あんた。いや、変に純情な乙女に育っちゃったのかな」
「いや、その、私も余りそう話は、ちょっと」
雛相手が特別なだけで、そこまでそういった話で盛り上がれる人間なつもりはない。
ちょっとした惚気になる程度なら話すけど、生々しい所までは少し厳しい。
「そうだ明ちゃん、この間明ちゃんに会うと思った服買ったんだ。着てくれない?」
「・・・フリフリの奴じゃないですよね?」
「残念ながら今回は違うんだぁ」
お姉さんは基本的に可愛らしい服を好む。
高身長の自分には似合わないからと、春さんに着せるのはその為だ。
何故か私にもそういった物を着せようとするから、そこだけは少し困る。
けどどうやら、今日はそういった物では無いらしい。
「とりあえず見てからで、いいですか?」
「うんうん! じゃあちょと私の部屋においで。あ、春は来るな。覗くなよ?」
「とっとと行けくそ姉貴! 明ちゃん、何か変な事されたらすぐ逃げて良いからね」
「あの、えっと、はい」
そんな感じで、お姉さんに部屋に連れていかれる事になった。
春さんの機嫌がとても悪いので、後でちゃんとフォローしとかないといけないな。
・・・後でいっぱい甘えて貰おう。
「今日は暇だから平気平気」
春さんが物凄く不機嫌そうにお姉さんに言い放つが、お姉さん意に介さない。
そのせいで春さんが一層不機嫌な顔になっていく。
彼の不機嫌な感情が自分に向かっているのであればこの上なく慌てるのだけど、自身には向いていないおかげで彼の様子を可愛らしく感じてしまう。
相変わらず私は現金だ。
「明ちゃん、素敵なお姉さまに向かって酷くない、こいつ」
「その、えっと」
だがお姉さんが私に会話を振って来た事で困ってしまう。
お姉さんの事は割と好きな方だし、春さんは大好きな人だ。
どちらかに落ち度が有るのならともかく、こういうじゃれつく様な感じは何とも返し難い。
私に妹でも居れば少しは違ったのだろうか。
「おい、明ちゃん困ってんだろ!」
「えー、そんな事無いよねぇ。ねー?」
春さんが私の様子を見てお姉さんに向かって叫ぶが、お姉さんはそれすらも意に介さない。
そして座っている私の後ろに回り、背中から抱きついてきた。
「あの、私はお姉さんの事は好きですので、その、えっと」
このままだと姉弟喧嘩に発展しそうなので、落ち着いて貰おうと春さんに向かって伝える。
けどそれが駄目だったのか、春さんは一層気にくわないという顔でお姉さんを睨む。
けど暫く睨んだ後、諦めたかのように深い溜息を吐いた。
「はぁ・・・いいよ、好きにしろよ」
「あんたに言われなくても好きにするわよ」
春さんの諦めの言葉に、当然という態度で応えるお姉さん。
その際私に思いきり抱き着いて来た。
妹が欲しかったというお姉さんにとって、私は妹替わりなのだろう。
「まあ、夜は二人っきりだから存分に好きにしなさいなー」
「おまっ、そういう事を言うなよ!」
「だって、今日は明ちゃん泊りでしょ?」
お姉さんの言葉に少し顔が熱くなる。彼女の言う通り、今日はここに泊まる。
一度家に帰ったので着替えも完備だ。
そして夜になるとこの家は基本春さん一人になるので、まあ、そういう事だ。
「だーかーらー、それを明ちゃんに言うなよ!」
「なーにを今更。大体そういう話は男よりも女の方がしてるっての。こういう所見ると中身はやっぱり男ね、あんた。いや、変に純情な乙女に育っちゃったのかな」
「いや、その、私も余りそう話は、ちょっと」
雛相手が特別なだけで、そこまでそういった話で盛り上がれる人間なつもりはない。
ちょっとした惚気になる程度なら話すけど、生々しい所までは少し厳しい。
「そうだ明ちゃん、この間明ちゃんに会うと思った服買ったんだ。着てくれない?」
「・・・フリフリの奴じゃないですよね?」
「残念ながら今回は違うんだぁ」
お姉さんは基本的に可愛らしい服を好む。
高身長の自分には似合わないからと、春さんに着せるのはその為だ。
何故か私にもそういった物を着せようとするから、そこだけは少し困る。
けどどうやら、今日はそういった物では無いらしい。
「とりあえず見てからで、いいですか?」
「うんうん! じゃあちょと私の部屋においで。あ、春は来るな。覗くなよ?」
「とっとと行けくそ姉貴! 明ちゃん、何か変な事されたらすぐ逃げて良いからね」
「あの、えっと、はい」
そんな感じで、お姉さんに部屋に連れていかれる事になった。
春さんの機嫌がとても悪いので、後でちゃんとフォローしとかないといけないな。
・・・後でいっぱい甘えて貰おう。
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