胡蝶蘭を空へ

柔らかな風に桜舞う季節──。
小さな頃から心臓に病を抱え、体の弱かった僕も二十五歳となり、ようやく絵を描くことを職にすることができた。
それを伝えるために、ずっと顔を合わせていない彼女の元へと行くことを決意する。
十年前、彼女が最後にくれた花と同じ色の胡蝶蘭を手に、蘇る想い出とともに……。
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