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休ませたい博士と助手の話
しおりを挟む「助手君よ、そろそろ休まないのか?」
僕と博士しかいない研究室では、今日は博士の少し心配そうな声が響く。
「うーん……もうちょっとだけこの実験結果を纏めておきたいので」
「昨日もそう言って、あんまり休んでいなかったじゃないか」
「それはそうですけど、時間があるうちに纏めておかないと後で地獄を見ますからね」
「確かにそうなんだが……、少しは昼寝でもしたらどうだ?何だったら膝枕でもか――」
「いや別に大丈夫ですよ。心配してくれてありがとうございます」
「そ、そうか……分かった……」
そうして、博士は少しシュンとした顔でキッチンへと向かった。
うん?何をするつもりなんだろう?
そう思って、少し博士の行動を眺めていると。
……あれって、前に作った睡眠薬じゃね。
それを、コーヒーに入れて、こっちに向かってくる……。
「助手君よ、コーヒーを淹れたぞ。これを飲んで、頑張ってくれ」
「……」
……そこまでして休んで欲しいのか。
はぁ、仕方がない、休むか。
「……1時間ぐらい仮眠を取りましょうかね」
「おっ、本当か!それじゃあ、私の膝枕でも使うかい?」
「……お願いします」
「うふふ、分かった、それじゃあ、そこのソファで寝ようじゃないか」
僕たちはソファに移動する。
そして、博士は自分の膝をポンポンと叩く。
「ほら、おいで」
「……失礼します」
僕はその博士の膝に頭をのせる。
「どうだい、ゆっくり休めそうかい?」
「はい、ありがとうございます」
「なぁに、礼には及ばんさ。それじゃあ、おやすみ」
「おやすみなさい」
そうして、僕は博士の膝で少しの間、幸せな睡眠を体感するのだった。
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