上 下
17 / 36

休ませたい博士と助手の話

しおりを挟む

「助手君よ、そろそろ休まないのか?」


僕と博士しかいない研究室では、今日は博士の少し心配そうな声が響く。

「うーん……もうちょっとだけこの実験結果を纏めておきたいので」

「昨日もそう言って、あんまり休んでいなかったじゃないか」

「それはそうですけど、時間があるうちに纏めておかないと後で地獄を見ますからね」

「確かにそうなんだが……、少しは昼寝でもしたらどうだ?何だったら膝枕でもか――」

「いや別に大丈夫ですよ。心配してくれてありがとうございます」

「そ、そうか……分かった……」


そうして、博士は少しシュンとした顔でキッチンへと向かった。

うん?何をするつもりなんだろう?
そう思って、少し博士の行動を眺めていると。

……あれって、前に作った睡眠薬じゃね。
それを、コーヒーに入れて、こっちに向かってくる……。


「助手君よ、コーヒーを淹れたぞ。これを飲んで、頑張ってくれ」

「……」


……そこまでして休んで欲しいのか。
はぁ、仕方がない、休むか。


「……1時間ぐらい仮眠を取りましょうかね」

「おっ、本当か!それじゃあ、私の膝枕でも使うかい?」

「……お願いします」

「うふふ、分かった、それじゃあ、そこのソファで寝ようじゃないか」


僕たちはソファに移動する。
そして、博士は自分の膝をポンポンと叩く。


「ほら、おいで」

「……失礼します」

僕はその博士の膝に頭をのせる。


「どうだい、ゆっくり休めそうかい?」

「はい、ありがとうございます」

「なぁに、礼には及ばんさ。それじゃあ、おやすみ」

「おやすみなさい」


そうして、僕は博士の膝で少しの間、幸せな睡眠を体感するのだった。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

壁の薄いアパートで、隣の部屋から喘ぎ声がする

サドラ
恋愛
最近付き合い始めた彼女とアパートにいる主人公。しかし、隣の部屋からの喘ぎ声が壁が薄いせいで聞こえてくる。そのせいで欲情が刺激された両者はー

夜の公園、誰かが喘いでる

ヘロディア
恋愛
塾の居残りに引っかかった主人公。 しかし、帰り道に近道をしたところ、夜の公園から喘ぎ声が聞こえてきて…

恋人の水着は想像以上に刺激的だった

ヘロディア
恋愛
プールにデートに行くことになった主人公と恋人。 恋人の水着が刺激的すぎた主人公は…

美少女幼馴染が火照って喘いでいる

サドラ
恋愛
高校生の主人公。ある日、風でも引いてそうな幼馴染の姿を見るがその後、彼女の家から変な喘ぎ声が聞こえてくるー

【R18】ドS上司とヤンデレイケメンに毎晩種付けされた結果、泥沼三角関係に堕ちました。

雪村 里帆
恋愛
お陰様でHOT女性向けランキング31位、人気ランキング132位の記録達成※雪村里帆、性欲旺盛なアラサーOL。ブラック企業から転職した先の会社でドS歳下上司の宮野孝司と出会い、彼の事を考えながら毎晩自慰に耽る。ある日、中学時代に里帆に告白してきた同級生のイケメン・桜庭亮が里帆の部署に異動してきて…⁉︎ドキドキハラハラ淫猥不埒な雪村里帆のめまぐるしい二重恋愛生活が始まる…!優柔不断でドMな里帆は、ドS上司とヤンデレイケメンのどちらを選ぶのか…⁉︎ ——もしも恋愛ドラマの濡れ場シーンがカット無しで放映されたら?という妄想も込めて執筆しました。長編です。 ※連載当時のものです。

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

JC💋フェラ

山葵あいす
恋愛
森野 稚菜(もりの わかな)は、中学2年生になる14歳の女の子だ。家では姉夫婦が一緒に暮らしており、稚菜に甘い義兄の真雄(まさお)は、いつも彼女におねだりされるままお小遣いを渡していたのだが……

【完結】maybe 恋の予感~イジワル上司の甘いご褒美~

蓮美ちま
恋愛
会社のなんでも屋さん。それが私の仕事。 なのに突然、企画部エースの補佐につくことになって……?! アイドル顔負けのルックス 庶務課 蜂谷あすか(24) × 社内人気NO.1のイケメンエリート 企画部エース 天野翔(31) 「会社のなんでも屋さんから、天野さん専属のなんでも屋さんってこと…?」 女子社員から妬まれるのは面倒。 イケメンには関わりたくないのに。 「お前は俺専属のなんでも屋だろ?」 イジワルで横柄な天野さんだけど、仕事は抜群に出来て人望もあって 人を思いやれる優しい人。 そんな彼に認められたいと思う反面、なかなか素直になれなくて…。 「私、…役に立ちました?」 それなら…もっと……。 「褒めて下さい」 もっともっと、彼に認められたい。 「もっと、褒めて下さ…っん!」 首の後ろを掬いあげられるように掴まれて 重ねた唇は煙草の匂いがした。 「なぁ。褒めて欲しい?」 それは甘いキスの誘惑…。

処理中です...