5 / 19
第4話
しおりを挟む
噂が広がるのは思ったよりも早かった。
「オスワルド伯爵と結婚するんだって?」
栗色のショートヘアにソバカス顔の野暮ったい青年でクローディアの幼馴染であるケビンの耳にも入っていた。
彼はクローディアの親の知り合いの息子で、現在は父がやっている商会で運搬に関わる業務をしている。
「どこからそれを……」
「お前の親が彼方此方に言いふらしていたぞ。宝飾店の店主も店に来る客に面白おかしく言い回ってるな」
「事実無根、ただの噂よ」
クローディアはケビンに背を向けた。
「……え?」
「何?何か用だった?うちの屋敷にやって来て」
「何かって、クローディア、夜な夜などこかしらの貴族や金持ちの屋敷のパーティー行くから馬車を出せって頼んできたのはお前じゃないか」
あ、そうだった。
以前のクローディアは玉の輿を狙ってて、毎晩の様に社交界に顔出して夜遊び放題だったわね。
父は少し厳しかったから許してくれなくて、こっそり抜け出していたんだわ。
しかもケビンは幼い頃からクローディアの便利な召使い状態。いつもいつも高飛車な態度でワガママ放題アゴで使い彼を振り回していたっけ。
なんだか気の毒ね。
「ごめんね、あ~、あなたも大変でしょうし、もうそういうのは良いわ。今まで私のワガママ聞いてくれてあんがとね。もう言わないから、帰っていいわ。今後はもう夜遊びもやめるから来なくて良いわよ」
「はぁ?」
ケビンの目は点になっていた。
ああ、それよりも噂を早いところどうにかしないと……。
でも翌朝さらに噂話は広がっていた。
イケメンバツイチ伯爵が今度は中産階級の成金お嬢様にゾッコンだと。
伯爵の家にも行き来する仲で、お互いの瞳の色の宝石を贈り合ったと。
路上キッスしていたと。
みんなゴシップネタ好きだなあ。
周りに噂の話の真偽を問われるたびに否定して回るのも大変だった。
貴族との結婚って、変に舞い上がっている両親にも全力で否定した。
それなのに……。
「今度、婚約式のドレスを仕立てに行こうか。君は華やかな顔で色白だから鮮やかな彩色が似合いそうだね。……ところで、いつまでそうやって頭を垂れているつもりだい?」
レストランの広い個室には優雅な音楽が流れている。
私はまだ料理の運ばれていない白い布が掛けられたテーブルの上に額をくっつけて、伯爵様に頭を下げていた。
「土下座が良いですか!?」
食前酒をスタイリッシュに飲んでいた伯爵様は涼しい顔をしている。
「何についての謝罪かな?」
「単刀直入に申し上げます!伯爵様とご結婚はできません!」
「……私が何か君に対して失礼な事でもしてしまったかい?」
「そうではありません。……えっと、ご縁が無かったということで……、あ、それに私は平民で、伯爵様とは身分が違いすぎます」
しどろもどろではあるが告げた。
「今の時代、自由恋愛も解禁されて結婚において身分差なんて昔ほどないだろう?」
何も言い返せなくなるほどの眩しいイケメンの笑顔。
「あっそうだ、でも、きっと、伯爵様のご両親はお認めになりません!」
初恋相手の平民の娘とも両親の反対で破局したと、小説に……。
「両親は既に鬼籍に入っている、家督はこの私だ。口うるさい姑も居なくて良い嫁ぎ先だと思うが?まあ、喧しい執事は居るが君なら彼も気に入るだろう」
「……ぐっ」
イケメン、貴族、お金持ち、紳士的で物腰柔らか、両親既に他界……こんな優良物件と巡り会えることは、宝くじで一等当てるほどの確率だろう。
だが、いくら駅近の一等地かつ豪邸・低家賃の優良物件でも、心理的瑕疵あり事故物件だということを忘れてはいけない。
ていうか私こそがこれから彼という物件の心理的瑕疵の原因になる予定なんです。
ここ数日必死に抗っているのにこの予定調和はなんだろう?
「申し訳ございません!」
食事を運んできたウェイターがびっくりするくらいテーブルに頭を打ち付けた。
ウェイターは冷静を装いながら料理を運んできて、気まずそうにそそくさと退散した。
「伯爵様ほどの立派なお方でしたら、もっと相応しい女性がいらっしゃるはずだわ」
「……私は……僕は……、君が思っているほど立派な人間じゃないよ」
伯爵様は憂いを帯びた様な表情をした。
「小さい頃から長男なのに気弱で泣き虫で引っ込み思案でね。弟にもよく泣かされていたよ。恥ずかしながら初恋の相手にもヘタレ男だとか頼りないって言われて振られたんだ。みんな表面的な部分だけ見て立派だとか過剰評価するんだけど僕は最初からただのヘタレだよ。こんな情けない男は君も嫌いになるよね」
そんな顔をさせたいわけじゃ無かった。
私は事の顛末を俯瞰で見ていて全て知っているから必死に運命を回避したくて、それだけで、目の前の彼というこの世界をリアルに生きている人間の気持ちなど考えていなかった。
「……カボチャのパイ、最初の茶会で茶請けに出してくれた焼き菓子って、オスワルド様が用意してくれたものよね?」
「?、ああ。君が初めて会った時に好きだと話していただろう。作らせておいたんだ」
意識が戻る前のクローディアが伯爵様の気を引こうと適当に話していただけなのに。
クローディアに対して淡々としていて興味はなさそうだったが、クローディアが喋っていると相槌は必ず打ってくれていたし、紳士的にエスコートも欠かさなかった。
「……気弱で繊細か。だから、きっと、お優しいし、周りにも配慮もできる方なんでしょうね」
伯爵様は心底驚いた様に目を見開いた。
ビードロのように潤んだ青い瞳がじっと私を見つめている。
「君ね……。せっかく君のために、私を振るための理由をわざわざ差し出してあげたのに、それでは意味が無いよ?」
「え?……あっ」
「その中途半端な優しさは、男に付け入る隙を与えるだけだからね」
「ははは……、えっと、ワンチャンありますか?」
「ダメ、もうチャンスは与えない。僕は君にカッコ悪い姿を出してしまったからもう取り繕わないよ。みっともなくても、君を求めるよ」
失敗した……?腹いせに高級料理と高いワインを暴飲暴食してしまった。
帰りの馬車に乗り込む時にはベロベロに酔っ払って、足元もおぼつかなかった。
伯爵様が介抱してくれた。
「飲み過ぎだね、酔い潰してしまったのは僕の責任だ。このままじゃ君の家まで送れないよ」
「……私は酔っ払いですよ。どうぞ、こんな私なんか嫌いになってください」
頭や足がふわふわするし口も回らない。
ワインは1~2杯程度でそんなに酔うほど飲んだ覚えもないけれど、クローディアの身体がアルコールに耐性がないの?前世でOLだった頃は飲兵衛だったんだけどな。
馬車に乗り込むと目を閉じた、そしてもう一度細く目を開けると真っ暗な部屋の中。
ああ、ここ知ってる。伯爵様の部屋だ。
私はベッドの上に眠ってて、黒い影に身体を支えられながら服を脱がされていた。
ベッドの脇の小テーブルの上にはこの前の琥珀のブレスレット……。
男性用の大きな寝間着を一枚羽織らされ、またゆっくりと寝かされて。
黒い影は私の首元や胸元にチュッとリップ音を鳴らしながら口付けた。
眠くて眠くて、私はそのまま目を閉じた。
部屋の外から微かに会話が聞こえてくる。
伯爵様と、知らない若い男の人の声。
「“クリス”、クローディアの実家へ連絡を、彼女は今日ここに泊まっていくと」
「……“また”、薬を盛ったんですね?エゲツないですね」
「ものすごく微量のね、害はないよ。それに乱暴もしてないだろ?私は身体だけじゃなくて、彼女の心も欲しいんだ。でも、こうでもしないと彼女を足止めできないからね」
「あ~怖い怖い。厄介な男に惚れられたもんだ。可哀想に……アーメン」
「明日は“また”あのお喋りな行商人がやってくるだろ?」
「ハイハイ、それとなく吹き込めば良いんですね。クローディア様がお泊りなさったと、それはそれは燃えるような夜だったと……口の軽い男ですから、1日あれば広まりますね」
「ふふ。そういえばお前に頼んでいた“ケビン”の調査はどうなっている?」
「ああ、あいつですね、実はーーー」
何の話をしているの?
目蓋は重くて開かないが声だけは聞こえた。
考える間もなく寝落ちしてしまった。
「オスワルド伯爵と結婚するんだって?」
栗色のショートヘアにソバカス顔の野暮ったい青年でクローディアの幼馴染であるケビンの耳にも入っていた。
彼はクローディアの親の知り合いの息子で、現在は父がやっている商会で運搬に関わる業務をしている。
「どこからそれを……」
「お前の親が彼方此方に言いふらしていたぞ。宝飾店の店主も店に来る客に面白おかしく言い回ってるな」
「事実無根、ただの噂よ」
クローディアはケビンに背を向けた。
「……え?」
「何?何か用だった?うちの屋敷にやって来て」
「何かって、クローディア、夜な夜などこかしらの貴族や金持ちの屋敷のパーティー行くから馬車を出せって頼んできたのはお前じゃないか」
あ、そうだった。
以前のクローディアは玉の輿を狙ってて、毎晩の様に社交界に顔出して夜遊び放題だったわね。
父は少し厳しかったから許してくれなくて、こっそり抜け出していたんだわ。
しかもケビンは幼い頃からクローディアの便利な召使い状態。いつもいつも高飛車な態度でワガママ放題アゴで使い彼を振り回していたっけ。
なんだか気の毒ね。
「ごめんね、あ~、あなたも大変でしょうし、もうそういうのは良いわ。今まで私のワガママ聞いてくれてあんがとね。もう言わないから、帰っていいわ。今後はもう夜遊びもやめるから来なくて良いわよ」
「はぁ?」
ケビンの目は点になっていた。
ああ、それよりも噂を早いところどうにかしないと……。
でも翌朝さらに噂話は広がっていた。
イケメンバツイチ伯爵が今度は中産階級の成金お嬢様にゾッコンだと。
伯爵の家にも行き来する仲で、お互いの瞳の色の宝石を贈り合ったと。
路上キッスしていたと。
みんなゴシップネタ好きだなあ。
周りに噂の話の真偽を問われるたびに否定して回るのも大変だった。
貴族との結婚って、変に舞い上がっている両親にも全力で否定した。
それなのに……。
「今度、婚約式のドレスを仕立てに行こうか。君は華やかな顔で色白だから鮮やかな彩色が似合いそうだね。……ところで、いつまでそうやって頭を垂れているつもりだい?」
レストランの広い個室には優雅な音楽が流れている。
私はまだ料理の運ばれていない白い布が掛けられたテーブルの上に額をくっつけて、伯爵様に頭を下げていた。
「土下座が良いですか!?」
食前酒をスタイリッシュに飲んでいた伯爵様は涼しい顔をしている。
「何についての謝罪かな?」
「単刀直入に申し上げます!伯爵様とご結婚はできません!」
「……私が何か君に対して失礼な事でもしてしまったかい?」
「そうではありません。……えっと、ご縁が無かったということで……、あ、それに私は平民で、伯爵様とは身分が違いすぎます」
しどろもどろではあるが告げた。
「今の時代、自由恋愛も解禁されて結婚において身分差なんて昔ほどないだろう?」
何も言い返せなくなるほどの眩しいイケメンの笑顔。
「あっそうだ、でも、きっと、伯爵様のご両親はお認めになりません!」
初恋相手の平民の娘とも両親の反対で破局したと、小説に……。
「両親は既に鬼籍に入っている、家督はこの私だ。口うるさい姑も居なくて良い嫁ぎ先だと思うが?まあ、喧しい執事は居るが君なら彼も気に入るだろう」
「……ぐっ」
イケメン、貴族、お金持ち、紳士的で物腰柔らか、両親既に他界……こんな優良物件と巡り会えることは、宝くじで一等当てるほどの確率だろう。
だが、いくら駅近の一等地かつ豪邸・低家賃の優良物件でも、心理的瑕疵あり事故物件だということを忘れてはいけない。
ていうか私こそがこれから彼という物件の心理的瑕疵の原因になる予定なんです。
ここ数日必死に抗っているのにこの予定調和はなんだろう?
「申し訳ございません!」
食事を運んできたウェイターがびっくりするくらいテーブルに頭を打ち付けた。
ウェイターは冷静を装いながら料理を運んできて、気まずそうにそそくさと退散した。
「伯爵様ほどの立派なお方でしたら、もっと相応しい女性がいらっしゃるはずだわ」
「……私は……僕は……、君が思っているほど立派な人間じゃないよ」
伯爵様は憂いを帯びた様な表情をした。
「小さい頃から長男なのに気弱で泣き虫で引っ込み思案でね。弟にもよく泣かされていたよ。恥ずかしながら初恋の相手にもヘタレ男だとか頼りないって言われて振られたんだ。みんな表面的な部分だけ見て立派だとか過剰評価するんだけど僕は最初からただのヘタレだよ。こんな情けない男は君も嫌いになるよね」
そんな顔をさせたいわけじゃ無かった。
私は事の顛末を俯瞰で見ていて全て知っているから必死に運命を回避したくて、それだけで、目の前の彼というこの世界をリアルに生きている人間の気持ちなど考えていなかった。
「……カボチャのパイ、最初の茶会で茶請けに出してくれた焼き菓子って、オスワルド様が用意してくれたものよね?」
「?、ああ。君が初めて会った時に好きだと話していただろう。作らせておいたんだ」
意識が戻る前のクローディアが伯爵様の気を引こうと適当に話していただけなのに。
クローディアに対して淡々としていて興味はなさそうだったが、クローディアが喋っていると相槌は必ず打ってくれていたし、紳士的にエスコートも欠かさなかった。
「……気弱で繊細か。だから、きっと、お優しいし、周りにも配慮もできる方なんでしょうね」
伯爵様は心底驚いた様に目を見開いた。
ビードロのように潤んだ青い瞳がじっと私を見つめている。
「君ね……。せっかく君のために、私を振るための理由をわざわざ差し出してあげたのに、それでは意味が無いよ?」
「え?……あっ」
「その中途半端な優しさは、男に付け入る隙を与えるだけだからね」
「ははは……、えっと、ワンチャンありますか?」
「ダメ、もうチャンスは与えない。僕は君にカッコ悪い姿を出してしまったからもう取り繕わないよ。みっともなくても、君を求めるよ」
失敗した……?腹いせに高級料理と高いワインを暴飲暴食してしまった。
帰りの馬車に乗り込む時にはベロベロに酔っ払って、足元もおぼつかなかった。
伯爵様が介抱してくれた。
「飲み過ぎだね、酔い潰してしまったのは僕の責任だ。このままじゃ君の家まで送れないよ」
「……私は酔っ払いですよ。どうぞ、こんな私なんか嫌いになってください」
頭や足がふわふわするし口も回らない。
ワインは1~2杯程度でそんなに酔うほど飲んだ覚えもないけれど、クローディアの身体がアルコールに耐性がないの?前世でOLだった頃は飲兵衛だったんだけどな。
馬車に乗り込むと目を閉じた、そしてもう一度細く目を開けると真っ暗な部屋の中。
ああ、ここ知ってる。伯爵様の部屋だ。
私はベッドの上に眠ってて、黒い影に身体を支えられながら服を脱がされていた。
ベッドの脇の小テーブルの上にはこの前の琥珀のブレスレット……。
男性用の大きな寝間着を一枚羽織らされ、またゆっくりと寝かされて。
黒い影は私の首元や胸元にチュッとリップ音を鳴らしながら口付けた。
眠くて眠くて、私はそのまま目を閉じた。
部屋の外から微かに会話が聞こえてくる。
伯爵様と、知らない若い男の人の声。
「“クリス”、クローディアの実家へ連絡を、彼女は今日ここに泊まっていくと」
「……“また”、薬を盛ったんですね?エゲツないですね」
「ものすごく微量のね、害はないよ。それに乱暴もしてないだろ?私は身体だけじゃなくて、彼女の心も欲しいんだ。でも、こうでもしないと彼女を足止めできないからね」
「あ~怖い怖い。厄介な男に惚れられたもんだ。可哀想に……アーメン」
「明日は“また”あのお喋りな行商人がやってくるだろ?」
「ハイハイ、それとなく吹き込めば良いんですね。クローディア様がお泊りなさったと、それはそれは燃えるような夜だったと……口の軽い男ですから、1日あれば広まりますね」
「ふふ。そういえばお前に頼んでいた“ケビン”の調査はどうなっている?」
「ああ、あいつですね、実はーーー」
何の話をしているの?
目蓋は重くて開かないが声だけは聞こえた。
考える間もなく寝落ちしてしまった。
22
お気に入りに追加
412
あなたにおすすめの小説
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
婚約破棄したい悪役令嬢と呪われたヤンデレ王子
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
「フレデリック殿下、私が十七歳になったときに殿下の運命の方が現れるので安心して下さい」と婚約者は嬉々として自分の婚約破棄を語る。
それを阻止すべくフレデリックは婚約者のレティシアに愛を囁き、退路を断っていく。
そしてレティシアが十七歳に、フレデリックは真実を語る。
※王子目線です。
※一途で健全?なヤンデレ
※ざまああり。
※なろう、カクヨムにも掲載
【完結】ヤンデレ設定の義弟を手塩にかけたら、シスコン大魔法士に育ちました!?
三月よる
恋愛
14歳の誕生日、ピフラは自分が乙女ゲーム「LOVE/HEART(ラブハート)」通称「ラブハ」の悪役である事に気がついた。シナリオ通りなら、ピフラは義弟ガルムの心を病ませ、ヤンデレ化した彼に殺されてしまう運命。生き残りのため、ピフラはガルムのヤンデレ化を防止すべく、彼を手塩にかけて育てる事を決意する。その後、メイドに命を狙われる事件がありながらも、良好な関係を築いてきた2人。
そして10年後。シスコンに育ったガルムに、ピフラは婚活を邪魔されていた。姉離れのためにガルムを結婚させようと、ピフラは相手のヒロインを探すことに。そんなある日、ピフラは謎の美丈夫ウォラクに出会った。彼はガルムと同じ赤い瞳をしていた。そこで「赤目」と「悪魔と黒魔法士」の秘密の相関関係を聞かされる。その秘密が過去のメイド事件と重なり、ピフラはガルムに疑心を抱き始めた。一方、ピフラを監視していたガルムは自分以外の赤目と接触したピフラを監禁して──?
軽い気持ちで超絶美少年(ヤンデレ)に告白したら
夕立悠理
恋愛
容姿平凡、頭脳平凡、なリノアにはひとつだけ、普通とちがうところがある。
それは極度の面食いということ。
そんなリノアは冷徹と名高い公爵子息(イケメン)に嫁ぐことに。
「初夜放置? ぜーんぜん、問題ないわ!
だって旦那さまってば顔がいいもの!!!」
朝食をたまに一緒にとるだけで、満足だ。寝室別でも、他の女の香水の香りがしてもぜーんぜん平気。……なーんて、思っていたら、旦那さまの様子がおかしい?
「他の誰でもない君が! 僕がいいっていったんだ。……そうでしょ?」
あれ、旦那さまってば、どうして手錠をお持ちなのでしょうか?
それをわたしにつける??
じょ、冗談ですよね──!?!?
Wヒロインの乙女ゲームの元ライバルキャラに転生したけれど、ヤンデレにタゲられました。
舘野寧依
恋愛
ヤンデレさんにストーカーされていた女子高生の月穂はある日トラックにひかれてしまう。
そんな前世の記憶を思い出したのは、十七歳、女神選定試験が開始されるまさにその時だった。
そこでは月穂は大貴族のお嬢様、クリスティアナ・ド・セレスティアと呼ばれていた。
それは月穂がよくプレイしていた乙女ゲーのライバルキャラ(デフォルト)の名だった。
なぜか魔術師様との親密度と愛情度がグラフで視界に現れるし、どうやらここは『女神育成~魔術師様とご一緒に~』の世界らしい。
まあそれはいいとして、最悪なことにあのヤンデレさんが一緒に転生していて告白されました。
そしてまた、新たに別のヤンデレさんが誕生して見事にタゲられてしまい……。
そんな過剰な愛はいらないので、お願いですから普通に恋愛させてください。
最推しの幼馴染に転生できた!彼とあの子をくっつけよう!
下菊みこと
恋愛
ポンコツボンクラアホの子主人公と、彼女に人生めちゃくちゃにされたからめちゃくちゃに仕返したヤンデレ幼馴染くん(主人公の最推し)のどこまでもすれ違ってるお話。
多分エンドの後…いつかは和解できるんじゃないかな…多分…。
転生、ヤンデレ、洗脳、御都合主義なお話。
小説家になろう様でも投稿しています。
転生先が羞恥心的な意味で地獄なんだけどっ!!
高福あさひ
恋愛
とある日、自分が乙女ゲームの世界に転生したことを知ってしまったユーフェミア。そこは前世でハマっていたとはいえ、実際に生きるのにはとんでもなく痛々しい設定がモリモリな世界で羞恥心的な意味で地獄だった!!そんな世界で羞恥心さえ我慢すればモブとして平穏無事に生活できると思っていたのだけれど…?※カクヨム様、ムーンライトノベルズ様でも公開しています。不定期更新です。タイトル回収はだいぶ後半になると思います。前半はただのシリアスです。
おデブな悪役令嬢の侍女に転生しましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます
ちゃんゆ
恋愛
男爵家の三女に産まれた私。衝撃的な出来事などもなく、頭を打ったわけでもなく、池で溺れて死にかけたわけでもない。ごくごく自然に前世の記憶があった。
そして前世の私は…
ゴットハンドと呼ばれるほどのエステティシャンだった。
サロン勤めで拘束時間は長く、休みもなかなか取れずに働きに働いた結果。
貯金残高はビックリするほど貯まってたけど、使う時間もないまま転生してた。
そして通勤の電車の中で暇つぶしに、ちょろーっとだけ遊んでいた乙女ゲームの世界に転生したっぽい?
あんまり内容覚えてないけど…
悪役令嬢がムチムチしてたのだけは許せなかった!
さぁ、お嬢様。
私のゴットハンドを堪能してくださいませ?
********************
初投稿です。
転生侍女シリーズ第一弾。
短編全4話で、投稿予約済みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる