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中等部へ進級
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医務室から出て奥に進むと、2年生の教室があり、社会の授業をしていた。
「これから移動教室で使うプレイルームに行くぞ。プレイルームは基本的に1対1で、先生と生徒が使う部屋になる。その場合はまた個人個人時間割が変わるからな。」
そう言った山本先生は、廊下の突き当たりにあるプレイルーム1と、プレイルーム2と書かれた部屋の1を開けた。
プレイルーム1は、教室と変わらない広さだったけど、床に平行棒やハンモックのように吊られた布、天井から伸びたロープにタイヤが結ばれている物などが設置されていた。
「先生!あのタイヤはぶらんこですか?」
「正解!…この部屋は体幹や普段使わない筋肉を遊びながら鍛えるための部屋だ。次はプレイルーム2に行こうか。」
隣のプレイルーム2は、部屋の隅にジョイントマットよりも柔らかい低反発マットレスが床に敷かれた場所があり、机と椅子のセットが1つ置かれていた。
そして何より目を引くのは、ロッカーに並べられた積み木やブロックや絵本。
それからぬいぐるみに箱に入れられた沢山のフィギュア。
「すっげぇ!戦隊物のフィギュアからボカロのまである!」
「…出た。オタクめ…。 先生、ここは何をする部屋なんですか?」
夕陽が質問した。
「この部屋は、手遊びを通してで集中力や手の動作などの発達を促すための部屋だ。」
「朔がよく使いそう!」
「そうだな。瀬咲は来る事が多いだろうな。よし、どんどん行くぞ。」
それから各移動教室の部屋を見て周り、3年生の部屋もちらりと覗いた。
「エレベーターの乗り方は分かるか?」
「もちろん!初等科で高学年の時に使ってました!」
エレベーターホールには2機のエレベーターがあり、これに乗って高等部にある理科室や音楽室それから家庭科室に行く事ができる。
準備に2機のエレベーターに乗り、2階の高等部に来た。
高等部の生徒は、俺らよりもうんと背も体格も大きくて、遠目から見ただけでも少しびびった。
「中学生?1年生?円周率は?立方体を求めよ。」
「佐古さん!今は国語の時間だよ。教室戻ろう。」
高等部の女の子に早口で質問をされ呆然とする俺ら。
突然数学の問題を出されたのかと思った。
「驚いたね。今の子は、佐古さん。会う度に円周率を聞いて来るけど、3.14って答えてあげると喜ぶからね。」
橘先生が教えてくれた。
この学校には、本当に色んな人がいる。
知的障害のある人や俺らみたいに身体障害がある人。
同じ学校内にその障害者を総合的に受け入れ、初等科から高等部まである学校は珍しく隣の県からわざわざ通っている人もいるとか…。
一通り校内を見て周り2時間目が終了した。
「次は身体測定があるからね。みんなトイレをすませて体操服に着替えてね。」
「はーい。」
橘先生と田渕先生が、みんなの着替えを手伝ってくれた。
一旦教室を離れていた橘先生が、ブルーの袋を手に声をかけてきた。
「朔くん、トイレに行こう。」
着替え終わった子から順にトイレに行っていて、俺も橘先生に半ば強制的にトイレに連れて行かれた。
全く溜まってる感覚が分からないから、カテーテル突っ込まれて尿が排出されて、ようやく尿が溜まっている事に気づく。
秦先生には、お腹が痛くなって処置をするのは遅いからね。と毎回注意されるけど、尿意の感覚が分からないから、トイレに行く時間もいつも忘れてしまう。
だから橘先生に連れて来られないと、多分自分からは足を運ばなかったと思う。
トイレは下駄箱の斜め向かいと、建物の奥の職員室前にある。
トイレは、車椅子で入る事を考慮して、全て広い多目的トイレの造りになっている。
橘先生に手前のトイレに連れ込まれ、便座の前に折り畳み式の椅子を置き使い捨ての紙シートを敷いた。
「朔くん体をこっちに凭れて大丈夫だからズボン下ろそうか。」
橘先生に肩を預けるように凭れかかり、体操服のズボンのウエストに親指をかけて膝まで下ろした。
それから紙パンツも下ろし、脇を支えて貰い椅子に座った。
橘先生が持っているブルーの袋は、今朝俺が医務室で渡した物だ。
中にカテーテルや紙パンツの予備が入っている。
「準備するから、少し待っててね。」
手を洗い消毒をした橘先生は、俺の横にしゃがみゴム手袋をパチンとはめた。
「おちんちんに触るね。もう少し足開いて力抜いててね。」
慣れた手つきで俺の陰茎を持ち包皮を根元に向けて下げ、亀頭をしっかりと露出させた。
個包装を破り消毒液の浸った脱脂綿で、くるりと尿道口を消毒されていく。
消毒液が尿道口にチリリと沁みる感じがして、顔つきが少しずつ険しくなっていた。
「朔くん、怖い?これから管入れていくね。力んじゃってると余計に痛くなるから、ゆっくり深呼吸してよう?」
橘先生の大袈裟なジェスチャーに合わせてゆっくり深呼吸をする。
息を吐いた瞬間に尿道口にグッとカテーテルが入った感覚がして、橘先生の手元を見た。
「ちゃんと入ったよ。スルスル~って進んでるから今は痛くないでしょ?」
「…ん。大丈夫。やっぱ先生上手いな。」
「ありがとう。」
かなり尿が溜まっていたみたいで、カテーテルを通り濃い黄褐色した尿が排出されていく。
「そういえば朔くん。明日は、病院の日だったよね?何時くらいに行くか分かる?ハート手帳に時間が書かれてなかったんだよね。」
「…ん~。てんかんの検査だったから、脳波取るって言うのは聞いてるけど…。何時かは分からないです。」
「そっかぁ。…よし。カテーテル抜くね。気持ち悪い感じするかな…。」
橘先生は、ゆっくりとカテーテルを引っ張り、スルりと尿道から抜け出たカテーテルを消毒液の入ったケースにしまい、尿道口に付着していた潤滑ジェルを拭き取り、包皮を戻した後手袋を外した。
「立つよ。せーのっ!」
キーンコーン…カーンコーン……
「お、予鈴がなっちゃった。先生が履かせちゃうね。」
大急ぎで橘先生に紙パンツとズボンを上げて貰いトイレを出た。
教室に着いた時には山本先生も既に教室に来ていた。
「瀬咲が戻ったな。これから医務室に身体測定に行くぞ。
身長・体重・視力検査・骨密度測定・医師の診察を受けるからな。
予め主治医の先生から紙を貰って来ていると思う。各自持って来ている紙を医師に渡すこと。じゃ、行こうか。」
「これから移動教室で使うプレイルームに行くぞ。プレイルームは基本的に1対1で、先生と生徒が使う部屋になる。その場合はまた個人個人時間割が変わるからな。」
そう言った山本先生は、廊下の突き当たりにあるプレイルーム1と、プレイルーム2と書かれた部屋の1を開けた。
プレイルーム1は、教室と変わらない広さだったけど、床に平行棒やハンモックのように吊られた布、天井から伸びたロープにタイヤが結ばれている物などが設置されていた。
「先生!あのタイヤはぶらんこですか?」
「正解!…この部屋は体幹や普段使わない筋肉を遊びながら鍛えるための部屋だ。次はプレイルーム2に行こうか。」
隣のプレイルーム2は、部屋の隅にジョイントマットよりも柔らかい低反発マットレスが床に敷かれた場所があり、机と椅子のセットが1つ置かれていた。
そして何より目を引くのは、ロッカーに並べられた積み木やブロックや絵本。
それからぬいぐるみに箱に入れられた沢山のフィギュア。
「すっげぇ!戦隊物のフィギュアからボカロのまである!」
「…出た。オタクめ…。 先生、ここは何をする部屋なんですか?」
夕陽が質問した。
「この部屋は、手遊びを通してで集中力や手の動作などの発達を促すための部屋だ。」
「朔がよく使いそう!」
「そうだな。瀬咲は来る事が多いだろうな。よし、どんどん行くぞ。」
それから各移動教室の部屋を見て周り、3年生の部屋もちらりと覗いた。
「エレベーターの乗り方は分かるか?」
「もちろん!初等科で高学年の時に使ってました!」
エレベーターホールには2機のエレベーターがあり、これに乗って高等部にある理科室や音楽室それから家庭科室に行く事ができる。
準備に2機のエレベーターに乗り、2階の高等部に来た。
高等部の生徒は、俺らよりもうんと背も体格も大きくて、遠目から見ただけでも少しびびった。
「中学生?1年生?円周率は?立方体を求めよ。」
「佐古さん!今は国語の時間だよ。教室戻ろう。」
高等部の女の子に早口で質問をされ呆然とする俺ら。
突然数学の問題を出されたのかと思った。
「驚いたね。今の子は、佐古さん。会う度に円周率を聞いて来るけど、3.14って答えてあげると喜ぶからね。」
橘先生が教えてくれた。
この学校には、本当に色んな人がいる。
知的障害のある人や俺らみたいに身体障害がある人。
同じ学校内にその障害者を総合的に受け入れ、初等科から高等部まである学校は珍しく隣の県からわざわざ通っている人もいるとか…。
一通り校内を見て周り2時間目が終了した。
「次は身体測定があるからね。みんなトイレをすませて体操服に着替えてね。」
「はーい。」
橘先生と田渕先生が、みんなの着替えを手伝ってくれた。
一旦教室を離れていた橘先生が、ブルーの袋を手に声をかけてきた。
「朔くん、トイレに行こう。」
着替え終わった子から順にトイレに行っていて、俺も橘先生に半ば強制的にトイレに連れて行かれた。
全く溜まってる感覚が分からないから、カテーテル突っ込まれて尿が排出されて、ようやく尿が溜まっている事に気づく。
秦先生には、お腹が痛くなって処置をするのは遅いからね。と毎回注意されるけど、尿意の感覚が分からないから、トイレに行く時間もいつも忘れてしまう。
だから橘先生に連れて来られないと、多分自分からは足を運ばなかったと思う。
トイレは下駄箱の斜め向かいと、建物の奥の職員室前にある。
トイレは、車椅子で入る事を考慮して、全て広い多目的トイレの造りになっている。
橘先生に手前のトイレに連れ込まれ、便座の前に折り畳み式の椅子を置き使い捨ての紙シートを敷いた。
「朔くん体をこっちに凭れて大丈夫だからズボン下ろそうか。」
橘先生に肩を預けるように凭れかかり、体操服のズボンのウエストに親指をかけて膝まで下ろした。
それから紙パンツも下ろし、脇を支えて貰い椅子に座った。
橘先生が持っているブルーの袋は、今朝俺が医務室で渡した物だ。
中にカテーテルや紙パンツの予備が入っている。
「準備するから、少し待っててね。」
手を洗い消毒をした橘先生は、俺の横にしゃがみゴム手袋をパチンとはめた。
「おちんちんに触るね。もう少し足開いて力抜いててね。」
慣れた手つきで俺の陰茎を持ち包皮を根元に向けて下げ、亀頭をしっかりと露出させた。
個包装を破り消毒液の浸った脱脂綿で、くるりと尿道口を消毒されていく。
消毒液が尿道口にチリリと沁みる感じがして、顔つきが少しずつ険しくなっていた。
「朔くん、怖い?これから管入れていくね。力んじゃってると余計に痛くなるから、ゆっくり深呼吸してよう?」
橘先生の大袈裟なジェスチャーに合わせてゆっくり深呼吸をする。
息を吐いた瞬間に尿道口にグッとカテーテルが入った感覚がして、橘先生の手元を見た。
「ちゃんと入ったよ。スルスル~って進んでるから今は痛くないでしょ?」
「…ん。大丈夫。やっぱ先生上手いな。」
「ありがとう。」
かなり尿が溜まっていたみたいで、カテーテルを通り濃い黄褐色した尿が排出されていく。
「そういえば朔くん。明日は、病院の日だったよね?何時くらいに行くか分かる?ハート手帳に時間が書かれてなかったんだよね。」
「…ん~。てんかんの検査だったから、脳波取るって言うのは聞いてるけど…。何時かは分からないです。」
「そっかぁ。…よし。カテーテル抜くね。気持ち悪い感じするかな…。」
橘先生は、ゆっくりとカテーテルを引っ張り、スルりと尿道から抜け出たカテーテルを消毒液の入ったケースにしまい、尿道口に付着していた潤滑ジェルを拭き取り、包皮を戻した後手袋を外した。
「立つよ。せーのっ!」
キーンコーン…カーンコーン……
「お、予鈴がなっちゃった。先生が履かせちゃうね。」
大急ぎで橘先生に紙パンツとズボンを上げて貰いトイレを出た。
教室に着いた時には山本先生も既に教室に来ていた。
「瀬咲が戻ったな。これから医務室に身体測定に行くぞ。
身長・体重・視力検査・骨密度測定・医師の診察を受けるからな。
予め主治医の先生から紙を貰って来ていると思う。各自持って来ている紙を医師に渡すこと。じゃ、行こうか。」
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