上 下
69 / 96
これはなんだ

偉)三話 なにこれ

しおりを挟む
 光る画面にぼやぁっと黒い影が映ってそこからその影が段々と人の形をとってついには見慣れない服を着たおじさんが現れた。

これは部屋…かな?

俺がそんなことを考えていると画面の中の状況が変わる。
新しく部屋に若い男の人が入ってきてその人をおじさんが怒っているように動きその若い男を蹴り倒す。
その若い男は恨めしそうにおじさんを睨みつけてから急に刃物を取り出しておじさんを刺し殺した。
 場面転換したのか新しい黒い影が現れてまた人の形をとる。
次は若い男と若い女で男が刺された。
 こんな映像を50パターンくらい見させられた。
内容は決まって偉そうな男が刺されり、吊るされたり、溺死させられたり、焼かれたりと壮絶な死を遂げていた。

「この映像をみて何か気づいたことはある?」

何処からかまた声が聞こえたから俺はそれに応える。

「これは…偉そうにしてた男が毎回死んでた、かな」

俺がそう応えるとパチパチと手を叩いたような音が響き

「正解!この映像はね、身分の高い人が身分の低い人をないがしろにしていて、それを恨んだ身分の低い人が恨みを晴らす映像だったんだ。
この映像から得られる教訓ってなんだと思う?」

「えっと…身分が下の者にも敬意をしめせ?」

「またまた正解!まぁもっというなら他人には敬意を示そうってことだね。
自分行動や言動一つが命取りになる可能性がある。
だけど、敬意や誠意が相手に伝われたら少なくとも君の敵にはならない。
自分自身には厳しく、親兄弟も含めて他人には優しくする。
そうすればみんな幸せになるんだよ!」

あの映像をみた俺の心には彼の言葉はすごく響いた。

「これから俺はどうすればいいのかな」

俺は気がついたらそんなことを呟いていた。
そんな俺の呟きを聞いた彼は微かに笑いながら

「だったら…」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

色ボケ王子は御免ですので、婚約破棄して参ります~替え玉令嬢の成り上がり奮闘記~

春乃紅葉@コミカライズ2作品配信中
ファンタジー
「借金は全て私が立て替えよう。だから安心して嫁にきなさい!」 王都の端にある小さな雑貨店にて、ルゥナ=パストゥールは、商店街の会長(54歳)に求婚された。 常連客のイケメン騎士様のお陰でその場を乗り切るも、今度は騎士様の主人である王女様のお願いで、ルゥナは王女の替え玉に任命されることになる。 王女の婚約者はロンバルト王国第二王子。 無類の女好きという噂の、ぐうたら王子だった。 王女は彼の不貞を調べ婚約を破棄するようルゥナへ密命を与える。 この密命を全うすれば、借金は帳消し、そして悩める王女様を救うことが出来る。 ルゥナは使命感をもって立ち上がるが、 何故か命を狙われる事に!? そして、対象の王子は、剣を握ればイケメンだけど、ただの色ボケ王子。 と思っていたら、観察する内に本当の彼が見えてきて……。 そしてルゥナ達の周りで渦巻く陰謀? 果たして、ルゥナは婚約を破棄し、無事に密命を遂行出来るのか――。

【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!

暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい! 政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。

公爵家次男はちょっと変わりモノ? ~ここは乙女ゲームの世界だから、デブなら婚約破棄されると思っていました~

松原 透
ファンタジー
異世界に転生した俺は、婚約破棄をされるため誰も成し得なかったデブに進化する。 なぜそんな事になったのか……目が覚めると、ローバン公爵家次男のアレスという少年の姿に変わっていた。 生まれ変わったことで、異世界を満喫していた俺は冒険者に憧れる。訓練中に、魔獣に襲われていたミーアを助けることになったが……。 しかし俺は、失敗をしてしまう。責任を取らされる形で、ミーアを婚約者として迎え入れることになった。その婚約者に奇妙な違和感を感じていた。 二人である場所へと行ったことで、この異世界が乙女ゲームだったことを理解した。 婚約破棄されるためのデブとなり、陰ながらミーアを守るため奮闘する日々が始まる……はずだった。 カクヨム様 小説家になろう様でも掲載してます。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持

空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。 その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。 ※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。 ※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!

ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」 ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。 「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」 そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。 (やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。 ※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。

元悪役令嬢はオンボロ修道院で余生を過ごす

こうじ
ファンタジー
両親から妹に婚約者を譲れと言われたレスナー・ティアント。彼女は勝手な両親や裏切った婚約者、寝取った妹に嫌気がさし自ら修道院に入る事にした。研修期間を経て彼女は修道院に入る事になったのだが彼女が送られたのは廃墟寸前の修道院でしかも修道女はレスナー一人のみ。しかし、彼女にとっては好都合だった。『誰にも邪魔されずに好きな事が出来る!これって恵まれているんじゃ?』公爵令嬢から修道女になったレスナーののんびり修道院ライフが始まる!

【読切】婚約破棄?まあ、ご冗談を!

オリハルコン陸
ファンタジー
婚約破棄?あら、うふふ。 王妃教育を、しっかり過ぎるほど受けた令嬢が、婚約破棄を宣言されたら。

処理中です...