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第一章

22、後ろからなら

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ルートヴィッヒの隣に座るエレオノーラから花の香りがする。
初めて会った時に案内してくれた庭園で、沢山の花の種類について教えてくれてからまだ半年も経たない。

「エル」

「は、はいっ!」

明らかに緊張しているエルが可愛らしくてつい笑みがこぼれる。

「緊張するなと言っても無理かもしれないが、緊張しなくて大丈夫だ」

屈んでエレオノーラにキスをする。
深夜で疲れているせいもあってか、つい本能のままにその小さな唇を貪り尽くしてみたくなる。
エレオノーラの頭を手で支えながら何度も離れては触れ合うキスを繰り返していると、互いの唇が少しずつ湿っていき、クチュリと音を立て始めた。
濡れたキスの音が二人の間で何度も立つと、一杯一杯になったエレオノーラがルートヴィッヒの夜着の裾をぎゅっと握ってきた。
キスする度にエレオノーラが無意識でしているこの仕草に、毎回己の浅ましい征服欲が刺激される。
いつかエレオノーラをめちゃくちゃに抱いてしまうかもしれない、そんな予感が掻き立てられる。
ルートヴィッヒは唇だけでなく、目蓋や頬にもキスをし始めた。

「耳まで真っ赤だな」

薄くて柔らかい耳を舐めるとエレオノーラの肩がビクッと揺れた。
いつもは抜けるように白いうなじも今はほんのり紅く染まっている。
エレオノーラの背中と膝裏に腕を入れ、ベッドの上に寝かせた。
ガウンを脱がせて夜着だけになったエレオノーラに覆い被さる様に再び口付ける。
その蕩けるような甘い唇を舌で割って中に入り、少し体温の高いエレオノーラの舌が口腔の奥に引っ込もうとするのを自身のそれで絡めて捕まえる。

「んん……っ……」

口蓋の奥の柔らかい粘膜を舌で愛撫するとエレオノーラの切なそうな声が漏れてルートヴィッヒの鼓膜を甘く刺激した。
少しの間キスを中断すると、唇をうっすら開けてはぁはぁと呼吸するエレオノーラが自分を見つめている。
その碧い瞳に宿っているのが熱なのか、覚悟なのか、ルートヴィッヒには分からない。
エレオノーラの白い首筋に潜り込むようにキスをしながら胸元に夜着の上から手を伸ばす。

「ルートヴィッヒさ、ま……」

布越しでも伝わるエレオノーラの胸の柔らかさに、最近ずっと彼女を腕に抱きながら眠れない夜を過ごしている事を思い出す。
でももう我慢しなくていい、今日はこの胸に直接触れる、そう思っただけで身体に熱が走るのを感じた。
ネグリジェの細い肩ひもを外し胸をあらわにすると、エレオノーラは両手で顔を隠した。

「エルはどうしようもなく綺麗だな──」

「どうしようもなくとは、どうい──っ、ひゃぁっ」

言葉の意味を測りかねたエレオノーラが質問をし終える前に、彼女の右の胸を愛撫した。
肌に吸い付く乳房が自分の手の中で捏ねられてプルンと弾む。

「これからもっと恥ずかしいことをするが、その間ずっとエルの可愛い顔が見られないのは残念だ」

「すみません……」

それでもエレオノーラが手を外せないのを見てルートヴィッヒはその手の甲に口付けた。
そしてエレオノーラをベッドの上に足を伸ばして座らせ、自分はその後ろから抱きしめるように膝を立てて腰を下ろした。
エレオノーラの柔肌が自分の下肢に当たり、布越しですらなんとも言えず心地好い。

「これなら俺からはエルが見えないから恥ずかしさも抑えられるか?」

ルートヴィッヒはエレオノーラが小さく頷くのを見ると後ろから両手を伸ばして再び胸への愛撫を開始する。
柔らかい胸をゆっくりと揉んでいる内に、頂きが少ししこってくるのを感じた。

「気持ちいいか?」

「わかりません……あんっ……そんなっ…………」

エレオノーラは首を振るが、薄桃色の乳首は少しずつ固さを増していて、ルートヴィッヒの指先がかすめる度に吐息が漏れた。
エレオノーラの白い首筋もほんのり色付き始めている。
その無垢な首筋に後ろから吸い付いて、乳首をキュッと指先で少しだけ強く摘まみながら、掌からこぼれかけている豊満な胸を揉むように揺さぶった。
その瞬間、エレオノーラがのけ反った。

「はぁんん……あぁ……ダメ……で、す……」

「ダメ? そんなに甘い声で誘っているのにか?」

「誘ってなんて……わたし……もぉ……はぁっ……」

ルートヴィッヒに答えようとするも、言葉になっていない。
くたっと自分に寄りかかるエレオノーラの身体をベッドに寝かせると、薄紅に染まった乳首を唇で咥えた。

「……っ! ……ルートヴィッヒさまぁ……ダメ……っ……」

エレオノーラの啼き声は誘うように甘く、拒んでいるのか誘っているのか、判別するのは容易だった。

「わたし、わたし……」

「エル、何も考えなくていい、今は快楽に流されろ」

ルートヴィッヒはエレオノーラの蜜壺に手を伸ばした。
下着の中がドロドロになっていて、布越しに擦ると指が滑った。

「ちゃんと濡れているな」

ルートヴィッヒはエレオノーラの両腿を少しだけ開かせ、下着をずらしてその長い指でぬかるみをなぞった。
エレオノーラは怒涛の展開と押し寄せる快楽に、圧倒されている。

「今日いきなりだと辛いから、慣らすことから始めよう」

言葉の意味を理解しているのかいないのか、エレオノーラはルートヴィッヒの視線を感じて足を閉じようとする。

「大丈夫だ。痛くないし、怖くもない」

エレオノーラの浅い所で指を抜き差しする。
ピチャピチャと音を立てる蜜口は、もっともっととねだっているように聞こえてくる。
ルートヴィッヒは少しだけ指のピストンを早めた。
時々腰が浮くエレオノーラの額にキスをすると、左手で胸への愛撫も再開する。
左右の乳輪をクチュリと交互にしゃぶるとエレオノーラの固くなった乳首が咥内に入り、舌や粘膜に当たって、ルートヴィッヒの下半身をどうしようもなく刺激する。
思わず何度もしゃぶっては舐めてを繰り返していたら、エレオノーラの乳首は赤く勃起仕切ってしまった。

「ルートヴィッヒ様……そんな……あぁ、激しい……」

エレオノーラの絶頂が近いと感じた。
胸にしゃぶりつきながら、左手をまだ触れていなかった下の口の上の蕾に伸ばし、親指で皮を剥くようぬるぬると捏ねくり回しながら少しずつ刺激する。
ルートヴィッヒはエレオノーラの絶頂が近いことを悟り、どんどんしこり固まる秘芽を指でぎゅっと蓋をするように押した。

「あっ……あっぁぁぁぁぁぁんっ……!」

その瞬間にエレオノーラは達した。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ…………」

「エル、大丈夫か?」

「は……い、だいじょう、ぶ、です……」

こちらを見るエレオノーラの瞳にはいつもの汚れない純粋さの中に快楽の余韻が入り交じっている。
それはルートヴィッヒが初めて見たエレオノーラの『女』の顔だった。



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