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第2章 【side 皇祐】
34.誰でも構わない
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待機室で皇祐とリオが準備をしていれば、他のキャストがざわつき始める。
「お疲れ様です」
キャストたちが立ち上がって、誰かに挨拶をしていた。そちらの方に視線を向ければ、そこには社長の依田の姿が見えた。
「コウ、依田さんが来てるわ! ステキよね、目の保養になるわ」
リオが喜んだ声を上げたかと思えば、今度は心底がっかりした声を出す。
「あーあ、うちの社長じゃなければ、最高なんだけど」
「リオは、ああいう人がタイプなんだ」
「タイプっていうか、いい男だなあと思って。でもイケメンと関わるとろくなことがないから」
苦しそうな顔をしたリオが大きなため息を吐いた。
あまり深く聞かない方がいいかもしれない。
皇祐はそのまま何も言わずにいると、気が付けば、依田がこちらの近くまでやってきていた。
「やだ、こっちに来るわよ。髪型変じゃない?」
そう言いながらリオは、その場を立ち上がり、皇祐と声を合わせて挨拶をする。
「「お疲れ様です」」
「お疲れ。コウ、今日で店を辞めていいよ」
突然の申し出に、皇祐は頭を下げながら固まった。
「え!? コウ、店辞めるの?」
リオも隣で驚きの声を上げた。
依田を見上げれば、笑みを浮かべて、こちらを見ていた。
「あの、どういうことですか?」
皇祐の返答に、依田はやれやれと首を振りながら、呆れたような顔をした。
「聞いてないのか? コウの恋人が、借金を払ってくれたよ。だから、君は自由だ」
「え? 待ってください。彼は関係ありません。どうして、お金を受け取ったんですか」
「彼が君の借金を支払うと言ったから、私は受け取っただけだ。お金を払ってもらえるなら、別に誰でも構わない。それと、コウの今日の予約分は、他のキャストに回すよう手配済みだからね」
何が起きたのかわからなかった。殴られたような痛みがが全身を貫く。そんな感覚に陥っていた。
「何で、コウ辞めちゃうの? ねー、聞いてないわよ」
嘆き叫ぶリオが、皇祐の身体をぐらぐらと揺らしてくる。だけど、皇祐はリオに構っている余裕はなかった。
「ごめん、リオ。詳しいことは、後日話すよ……」
皇祐は敦貴に会うために、急いでその場を後にした。
「お疲れ様です」
キャストたちが立ち上がって、誰かに挨拶をしていた。そちらの方に視線を向ければ、そこには社長の依田の姿が見えた。
「コウ、依田さんが来てるわ! ステキよね、目の保養になるわ」
リオが喜んだ声を上げたかと思えば、今度は心底がっかりした声を出す。
「あーあ、うちの社長じゃなければ、最高なんだけど」
「リオは、ああいう人がタイプなんだ」
「タイプっていうか、いい男だなあと思って。でもイケメンと関わるとろくなことがないから」
苦しそうな顔をしたリオが大きなため息を吐いた。
あまり深く聞かない方がいいかもしれない。
皇祐はそのまま何も言わずにいると、気が付けば、依田がこちらの近くまでやってきていた。
「やだ、こっちに来るわよ。髪型変じゃない?」
そう言いながらリオは、その場を立ち上がり、皇祐と声を合わせて挨拶をする。
「「お疲れ様です」」
「お疲れ。コウ、今日で店を辞めていいよ」
突然の申し出に、皇祐は頭を下げながら固まった。
「え!? コウ、店辞めるの?」
リオも隣で驚きの声を上げた。
依田を見上げれば、笑みを浮かべて、こちらを見ていた。
「あの、どういうことですか?」
皇祐の返答に、依田はやれやれと首を振りながら、呆れたような顔をした。
「聞いてないのか? コウの恋人が、借金を払ってくれたよ。だから、君は自由だ」
「え? 待ってください。彼は関係ありません。どうして、お金を受け取ったんですか」
「彼が君の借金を支払うと言ったから、私は受け取っただけだ。お金を払ってもらえるなら、別に誰でも構わない。それと、コウの今日の予約分は、他のキャストに回すよう手配済みだからね」
何が起きたのかわからなかった。殴られたような痛みがが全身を貫く。そんな感覚に陥っていた。
「何で、コウ辞めちゃうの? ねー、聞いてないわよ」
嘆き叫ぶリオが、皇祐の身体をぐらぐらと揺らしてくる。だけど、皇祐はリオに構っている余裕はなかった。
「ごめん、リオ。詳しいことは、後日話すよ……」
皇祐は敦貴に会うために、急いでその場を後にした。
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