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3、糾弾の場
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実際のところ、アザリアは混乱はしたものの、悲観はまったくしていなかった。
きっと、大した話では無いのだ。
状況の裏にある人物は分かっていた。
あの男──間違いなく、レド・レマウスがその当人だ。
大方、レドが今までになく王家に迫ったに違いなかった。
アザリアを偽物の聖女であるとして処分するようにと。
レドのケルロー公爵家は、スザン有数の大家であり、王家とも近縁に当たる。
多少、顔を立てる必要があっただけのことだろう。
アザリアには今後のことが手に取るように分かった。
全ては形式的だ。
アザリアは一応のこと王宮で身の潔白を証言する。結果、当然のこととして王家はアザリアを無実だと認める。
そうに違いなかった。
まさか王家が……婚約者である王子が、自身を偽物だと疑うはずなど無いのだ。
よって、緊張感はあっても、アザリアには余裕もあった。
「……ふふん。ようやくだな。ようやく、貴殿の偽りが糾弾される時が来たか」
案の定である。
引き立てられた先の玉座の間にはレドもいた。
その軽薄な笑みには、確かに怒りは禁じえなかった。
だが、あの男の表情は最後には失望なり、絶望に変わるのだ。
アザリアは余裕をもって正面を向く。
一段高い場所にある玉座、その前にである。
そこには、レドなどとは比べものにはならない重要な人物が立っている。
すらりとした長身で、その立ち姿だけで生まれの高貴さを察せて余りある青年。
ハルート・スザン。
スザン王国の第一王子であり、アザリアにとっては敬愛すべき婚約者である。
アザリアは少なからず残念な気持ちにさせられた。
彼との久しぶりの対面が、このような形になってしまったためだ。
いつもであれば、彼は優美な笑みをアザリアに向けてくれるのだ。
しかし、今日は違う。
一応のこと、糾弾の舞台だからということだろう。
彼は極めて険しい表情をしており、それを向けられることには悲しさもあった。
しかし、全ては茶番。
すぐに彼と笑顔で語らえる時間はやってくる。
アザリアが見つめる中、ハルートは重々しく口を開いた。
「……今日の召還の理由が何なのか? もちろん聞いてはいような?」
アザリアは気負いも無く頷く。
「はい。聞き及んでおります」
「ならば無駄に言葉を費やす必要も無い。テラルフォのアザリア。聖女を騙り、王家を欺いた蛮行。死罪だ。死をもってその罪を贖うがいい」
アザリアはしばし待つことになった。
ハルートの底冷えするような嫌悪の表情を見つめながらに待つ。
これで終わりのはずは無かった。
すぐに彼は苦笑を浮かべるだろう。
悪い冗談だったと軽く頭を下げた上で、アザリアが偽物であるはずが無いと力強く断言してくれるだろう。
そうに違いなかった。
彼は再び口を開く。
「弁解をするつもりは無いということか? 話が早くて結構だ。衛兵っ! その女を刑場に……」
「で、殿下っ!?」
待ち続けるのはもう無理だった。
アザリアは、ハルートに何とか作り上げた笑みを向ける。
「ご冗談もほどほどにお願いします。私が偽物? 死罪? どうされたのですか? 殿下の日常の言動とは思えませんが……」
疲れていた。
気が立っていた。
とにかく何でも良かった。
何かしらの理由により、彼は妙な言動をしているに違いなかった。
信じて、笑みのままでハルートを見つめる。
彼は「ふん」と不快そうに鼻を鳴らした。
「冗談だと? 王家を欺いた大罪人めが、ふざけたことを……もういい。衛兵、連れていけ」
衛兵に腕をつかまれ、アザリアは呆然の最中で理解した。
(殿下は……)
何も冗談を言ってはいない。
アザリアが偽物の聖女であり、死罪に値するのだと信じきっている。
「で、殿下っ!? おかしいです! 殿下ほどの方が、何故そんな与太話をお信じに……!?」
前のめりになって叫ぶ。
ハルートは眉間にしわを寄せた。
「与太話だと? 与太話は貴様の存在そのものであろうに。全て分かっているのだぞ。貴様の悪事については、信頼の置ける筋から密告があった。言い逃れは出来ん」
密告。
その言葉に、アザリアは思わず視線を動かした。
向かう先は、レド・マシウスだ。
彼は変わらずにやけ面で立っているが、間違いなかった。
その信頼の置ける筋とやらが一体誰であるのか。
「何故、そんな男の言葉などを……」
アザリアは悲痛の思いでハルートを見つめることになった。
悲しくもあり、悔しかった。
何故、ハルートには自分の言葉では無く、レドなどの言葉が響いてしまっているのか。
声を枯らして何故と叫びたかった。
しかし、ハルートの現状だ。
何があったのかは分からないが、彼の表情にはアザリアへの情などまったく無い。
「……へ、陛下は? 陛下はいらっしゃらないのですか!?」
説得が絶望的だと思え、咄嗟に口を突いて出た言葉がそれだった。
陛下はもちろんハルートの父であるが、彼は間違いなく自身の味方のはずだった。
アザリアを見込んで、ハルートの婚約者としたのも彼である。
必ず、自分の言葉を信じてもらえると思えた。
ハルートは忌々しげに目を細める。
「陛下か? 我が父なら、今は病床に伏せているがな」
「……え?」
「貴様が偽物であるとの報告を受けてのことだ。ふん。偽物どころか、とんだ疫病神だな」
アザリアが呆然としていると、ハルートは燃えるような憎悪の目つきを向けてくる。
「貴様のような女が婚約者であったとは、我が身の一生の恥だ。牢で悔恨する時間もあると思うな。即刻刑場に引き立て、その首刎ねてくれる」
一体この状況は何なのか?
分からずとも、アザリアには一つ分かることはあった。
それは、自身には味方になってくれる者は一人としていないということだ。
「いや、殿下。即刻の処刑というのは正直いかがかと思いますが」
きっと、大した話では無いのだ。
状況の裏にある人物は分かっていた。
あの男──間違いなく、レド・レマウスがその当人だ。
大方、レドが今までになく王家に迫ったに違いなかった。
アザリアを偽物の聖女であるとして処分するようにと。
レドのケルロー公爵家は、スザン有数の大家であり、王家とも近縁に当たる。
多少、顔を立てる必要があっただけのことだろう。
アザリアには今後のことが手に取るように分かった。
全ては形式的だ。
アザリアは一応のこと王宮で身の潔白を証言する。結果、当然のこととして王家はアザリアを無実だと認める。
そうに違いなかった。
まさか王家が……婚約者である王子が、自身を偽物だと疑うはずなど無いのだ。
よって、緊張感はあっても、アザリアには余裕もあった。
「……ふふん。ようやくだな。ようやく、貴殿の偽りが糾弾される時が来たか」
案の定である。
引き立てられた先の玉座の間にはレドもいた。
その軽薄な笑みには、確かに怒りは禁じえなかった。
だが、あの男の表情は最後には失望なり、絶望に変わるのだ。
アザリアは余裕をもって正面を向く。
一段高い場所にある玉座、その前にである。
そこには、レドなどとは比べものにはならない重要な人物が立っている。
すらりとした長身で、その立ち姿だけで生まれの高貴さを察せて余りある青年。
ハルート・スザン。
スザン王国の第一王子であり、アザリアにとっては敬愛すべき婚約者である。
アザリアは少なからず残念な気持ちにさせられた。
彼との久しぶりの対面が、このような形になってしまったためだ。
いつもであれば、彼は優美な笑みをアザリアに向けてくれるのだ。
しかし、今日は違う。
一応のこと、糾弾の舞台だからということだろう。
彼は極めて険しい表情をしており、それを向けられることには悲しさもあった。
しかし、全ては茶番。
すぐに彼と笑顔で語らえる時間はやってくる。
アザリアが見つめる中、ハルートは重々しく口を開いた。
「……今日の召還の理由が何なのか? もちろん聞いてはいような?」
アザリアは気負いも無く頷く。
「はい。聞き及んでおります」
「ならば無駄に言葉を費やす必要も無い。テラルフォのアザリア。聖女を騙り、王家を欺いた蛮行。死罪だ。死をもってその罪を贖うがいい」
アザリアはしばし待つことになった。
ハルートの底冷えするような嫌悪の表情を見つめながらに待つ。
これで終わりのはずは無かった。
すぐに彼は苦笑を浮かべるだろう。
悪い冗談だったと軽く頭を下げた上で、アザリアが偽物であるはずが無いと力強く断言してくれるだろう。
そうに違いなかった。
彼は再び口を開く。
「弁解をするつもりは無いということか? 話が早くて結構だ。衛兵っ! その女を刑場に……」
「で、殿下っ!?」
待ち続けるのはもう無理だった。
アザリアは、ハルートに何とか作り上げた笑みを向ける。
「ご冗談もほどほどにお願いします。私が偽物? 死罪? どうされたのですか? 殿下の日常の言動とは思えませんが……」
疲れていた。
気が立っていた。
とにかく何でも良かった。
何かしらの理由により、彼は妙な言動をしているに違いなかった。
信じて、笑みのままでハルートを見つめる。
彼は「ふん」と不快そうに鼻を鳴らした。
「冗談だと? 王家を欺いた大罪人めが、ふざけたことを……もういい。衛兵、連れていけ」
衛兵に腕をつかまれ、アザリアは呆然の最中で理解した。
(殿下は……)
何も冗談を言ってはいない。
アザリアが偽物の聖女であり、死罪に値するのだと信じきっている。
「で、殿下っ!? おかしいです! 殿下ほどの方が、何故そんな与太話をお信じに……!?」
前のめりになって叫ぶ。
ハルートは眉間にしわを寄せた。
「与太話だと? 与太話は貴様の存在そのものであろうに。全て分かっているのだぞ。貴様の悪事については、信頼の置ける筋から密告があった。言い逃れは出来ん」
密告。
その言葉に、アザリアは思わず視線を動かした。
向かう先は、レド・マシウスだ。
彼は変わらずにやけ面で立っているが、間違いなかった。
その信頼の置ける筋とやらが一体誰であるのか。
「何故、そんな男の言葉などを……」
アザリアは悲痛の思いでハルートを見つめることになった。
悲しくもあり、悔しかった。
何故、ハルートには自分の言葉では無く、レドなどの言葉が響いてしまっているのか。
声を枯らして何故と叫びたかった。
しかし、ハルートの現状だ。
何があったのかは分からないが、彼の表情にはアザリアへの情などまったく無い。
「……へ、陛下は? 陛下はいらっしゃらないのですか!?」
説得が絶望的だと思え、咄嗟に口を突いて出た言葉がそれだった。
陛下はもちろんハルートの父であるが、彼は間違いなく自身の味方のはずだった。
アザリアを見込んで、ハルートの婚約者としたのも彼である。
必ず、自分の言葉を信じてもらえると思えた。
ハルートは忌々しげに目を細める。
「陛下か? 我が父なら、今は病床に伏せているがな」
「……え?」
「貴様が偽物であるとの報告を受けてのことだ。ふん。偽物どころか、とんだ疫病神だな」
アザリアが呆然としていると、ハルートは燃えるような憎悪の目つきを向けてくる。
「貴様のような女が婚約者であったとは、我が身の一生の恥だ。牢で悔恨する時間もあると思うな。即刻刑場に引き立て、その首刎ねてくれる」
一体この状況は何なのか?
分からずとも、アザリアには一つ分かることはあった。
それは、自身には味方になってくれる者は一人としていないということだ。
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