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女王様と犬、時々下克上 2
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汚い。汚い。汚い。
私はボディタオルで首筋をごしごしとこすった。
私の住むアパートは、ワンルームにしては珍しく、お風呂とトイレが分かれている。お風呂場には大きな鏡があって、そこには、陰気な顔をした髪の長い女が映っていた。
顔立ちは決して悪くないと思うのだが地味だ。真面目そうとか銀行員みたいとか言われる見た目である。まだ大学生だというのに。
いつ見てもきれいにメイクし、ヘアセットもばっちりだったOLと、どうして間違われたのかまったくわからない。酔っ払い脳怖すぎる。
思いっきりこすったせいで皮膚は赤くなっており、熱いシャワーを浴びるとひりひりと痛んだ。
痛むのは首だけじゃない。念入りに歯を磨いた口の中もだ。
体の痛みに、私は男に対する怒りを募らせた。
パジャマに着替え、ささやかな脱衣スペースから出た私は、玄関で眠る男の寝相が変わり、土足のままフローリングの床の上に乗っている事に気付いた。
こいつ!
ムカっときて、思わずその足を蹴りだす。
「うう、ん」
痛かったのか男は眉間に皺を寄せると、横向きに丸くなり、再び靴を履いた足を侵入させてきた。
この野郎……
苛立ちにひくりと頬の筋肉が引きつるのを感じた。
ダメだ私。怒るな。冷静に。冷静に。
私はしばし考えた後、男の靴を脱がせる事にした。
おしゃれ意識の高そうな男の靴は、ブランド物のブーツだった。
とは言え一日中履いていたであろう足に、風呂上りの体で触れるのはもの凄く嫌だった。男に対するどす黒い気持ちが膨れ上がる。
縛って転がすだけではこの気持ちはおさまりそうにない。もっと何か、男に嫌な思いをさせる方法はないだろうか。
……動画。
ふとそんな単語が頭に浮かんだ。
そうだ。こいつは未遂とはいえ性犯罪者じゃないか。仕返しに恥ずかしい動画を撮られても文句は言えないはずだ。
ついでに男が気が付いて、騒がれた場合、黙らせる材料にもなるだろう。
私は心を決めると、男のコートに手をかけた。
上はとりあえずはいい。重要なのは下だ。
私はコートの前を全開にすると、下準備として足も拘束しておく事にした。
縛るのは腕だけでいいかなと思っていたのだが、服を剥ぎ取る事で目覚めて蹴られたら危なそうだ。
スネ毛にテープが絡まったらさすがに可哀想なので、靴下の上からガムテープをぐるぐる巻きにしておく。簡単には動かせないようになっているか確認してから、私はズボンのベルトに手をかけた。
ベルトを外し、ファスナーを下げると、ストライプ柄のボクサーパンツが現れた。
私は緊張にごくりと生唾を飲み込む。
乙女として踏みとどまるべきだ、という考えがちらりとよぎるが、復讐心で私はそれを押さえつけた。
思い切ってぐいっと下着をずらす。
まず見えたのは、縮れた下の毛だった。
当たり前だが自分のものよりも長くて濃い。そして更に下着をずらすと、毛の間からくたりと元気のない男のブツが顔を出した。
これが平常時か。
思ったよりも小さい。ふにゃふにゃしてるし、こんなモノがホントに大きくなるんだろうか。
私はスマホを手に取り、男の寝顔が一緒に映るように、パシャリと写真を撮影した。
そしてしげしげと男のソコを観察する。
彼氏いない暦イコール年齢の私にとって、ソレを至近距離で目にするのは初めての経験である。
子供の頃、お父さんのものを見たことはあるが小学校低学年の頃の記憶だけにあやふやだ。
男のアレは、先っぽまで皮で覆われており、先端部分がちょっとだけ顔を出していた。これは日本人には多いという、仮性包茎という奴だろうか。
折角だから大きくなったところを見てみたいが、さすがに直に触るのには抵抗がある。
どうしたものか、と辺りを見回したときに、台所に放置していた割り箸が目に入った。コンビニ弁当を買った時についていた奴だ。
よし、これを使おう。
私は箸を包装から取り出すと、つんつん、と男のブツをつついてみた。男は深く寝入っており、こんなことをされているのにすうすうと気持ち良さそうに寝息をたてる。
それを確認した私は、箸を構えると好奇心の趣くままにブツを挟んで上に動かしてみた。アレの裏側にあるモノを見てみたかったのだ。狸の置物についているあいつである。
前にあるものをどかす事で見えたソレは、びっしりと毛に覆われていてグロテスクだった。
(ほんとに二つあるんだ)
なんだか妙な感動を覚え、私はほう、と息をついた。
そしてしっかりとスマホで撮影しておく。
我ながらちょっぴり変態みたいだと思うが、自分についてないモノなんだから気になるのはしょうがない。同じ立場になったら誰だって似たようなことをやるはずだ。そう自分に言い聞かせる。
しかしこうして大事な部分二箇所を見てしまうと、次は勃起したところを見てみたくなる。
(割り箸じゃだめだよね。んー、掃除用のゴム手袋でも使うかぁ)
手袋を取りに行くべく中腰になったときだった。
「うー……んん」
身じろぎしたかと思うと男の目が開いた。焦点の合ってない目で中空を見つめている。
「あれ……? ここ、ユキちゃんち……?」
ぼんやりと辺りを見回す男の視線が私をとらえた。かと思うとカッっと見開かれる。
「え? お前誰? って、何で俺縛られて……え?」
きょろきょろと辺りを見回す様子を見るに、一気に酔いが覚めたようである。
「あなたが私をユキちゃんと間違えて、不法侵入してきたので自衛の為に」
「へ? マジで? それはどうもすみませんでした……」
男はぽかんとしながらも謝ってきたが、私はばっさりと切り捨てた。
「そんなこと言われても許せそうにないです。押し倒されて危うく貞操の危機だったので。という訳で仕返しを続けさせてもらいますね」
「仕返しって……ちょ、なんかスースーすると思ったら、なんだよこれっ!」
私の視線が局部に移動した事で、男はソコが丸出しになっていることに今更のように気付いたようだ。
「仕返しって言いましたよね。私は深く傷付いたので償ってください」
冷たく言い放つと、男の顔はさあっと青ざめた。
「えっと、俺、彼女に振られて自分でも訳わかんなくなるくらい飲んじゃって……本当にごめんなさい。反省してるのでお願いします、これ、解いてください」
「まだ私の気は済んでないので嫌です」
「そんな、何でもしますから! 金……はあんまり貯金ないけど、俺にできることならなんでもします」
「もう一度襲われないという保証がないからダメです。もう少し撮りためないと」
「なっ、んだよそれ! まさかこの格好撮ったのか? 犯罪だろそれ! 消せよ!」
スマホを構えると、男の顔色が変わった。両手両足を縛られているのに力の限り暴れ始める。
やっぱり足も縛っておいて良かった。足を自由にしていたら、そこら中蹴られまくったに違いない。
「未遂とはいえ婦女暴行しようとした人に、犯罪とか言われたくないですねぇ。安心してください。動画は撮りますけど、あなたが変な真似さえしなきゃアップしたりはしません」
「んなの信用できるかっ!」
「私もあなたの事が信用できないのでおあいこですね」
きっぱりと言い返すと男はぷるぷると震えた。
「さあ、続きをしましょうか。やっぱりちゃんとおっきくなってるところが撮りたいんですよねぇ。こすれば勃ちます?」
「さわんな! 今触られたら出るっ!」
「へ? まだくったりしてますけど?」
「ちが……そうじゃなくて……トイレ……行きたい……だからこれ、とって……」
男の声は、羞恥のためか消え入りそうなくらいに小さかった。
「へぇ、もしかしてすごく我慢してます?」
「仕方ないだろ! アルコールは分解されたら水になるんだ!」
(……ふむ)
私はどう処理するかしばし考え、浮かんだ発想ににやりと笑った。勃たせるよりも恥ずかしくい動画が取れそうだ。
「わかりました。生理現象ですから仕方ないですね」
そう言うと、男はほっとした表情になった。私にはトイレに行かせる気なんてないのに。
立ち上がって向かった先はお風呂場だ。洗面器を持って戻った私に、男の期待に満ちたまなざしが曇った。
「おい、まさかそれにしろって言うんじゃ……」
「大当たりです。察しがいいですね。あなたも漏らして服が濡れたら嫌ですよね」
私はにっこりと微笑んだ。
私はボディタオルで首筋をごしごしとこすった。
私の住むアパートは、ワンルームにしては珍しく、お風呂とトイレが分かれている。お風呂場には大きな鏡があって、そこには、陰気な顔をした髪の長い女が映っていた。
顔立ちは決して悪くないと思うのだが地味だ。真面目そうとか銀行員みたいとか言われる見た目である。まだ大学生だというのに。
いつ見てもきれいにメイクし、ヘアセットもばっちりだったOLと、どうして間違われたのかまったくわからない。酔っ払い脳怖すぎる。
思いっきりこすったせいで皮膚は赤くなっており、熱いシャワーを浴びるとひりひりと痛んだ。
痛むのは首だけじゃない。念入りに歯を磨いた口の中もだ。
体の痛みに、私は男に対する怒りを募らせた。
パジャマに着替え、ささやかな脱衣スペースから出た私は、玄関で眠る男の寝相が変わり、土足のままフローリングの床の上に乗っている事に気付いた。
こいつ!
ムカっときて、思わずその足を蹴りだす。
「うう、ん」
痛かったのか男は眉間に皺を寄せると、横向きに丸くなり、再び靴を履いた足を侵入させてきた。
この野郎……
苛立ちにひくりと頬の筋肉が引きつるのを感じた。
ダメだ私。怒るな。冷静に。冷静に。
私はしばし考えた後、男の靴を脱がせる事にした。
おしゃれ意識の高そうな男の靴は、ブランド物のブーツだった。
とは言え一日中履いていたであろう足に、風呂上りの体で触れるのはもの凄く嫌だった。男に対するどす黒い気持ちが膨れ上がる。
縛って転がすだけではこの気持ちはおさまりそうにない。もっと何か、男に嫌な思いをさせる方法はないだろうか。
……動画。
ふとそんな単語が頭に浮かんだ。
そうだ。こいつは未遂とはいえ性犯罪者じゃないか。仕返しに恥ずかしい動画を撮られても文句は言えないはずだ。
ついでに男が気が付いて、騒がれた場合、黙らせる材料にもなるだろう。
私は心を決めると、男のコートに手をかけた。
上はとりあえずはいい。重要なのは下だ。
私はコートの前を全開にすると、下準備として足も拘束しておく事にした。
縛るのは腕だけでいいかなと思っていたのだが、服を剥ぎ取る事で目覚めて蹴られたら危なそうだ。
スネ毛にテープが絡まったらさすがに可哀想なので、靴下の上からガムテープをぐるぐる巻きにしておく。簡単には動かせないようになっているか確認してから、私はズボンのベルトに手をかけた。
ベルトを外し、ファスナーを下げると、ストライプ柄のボクサーパンツが現れた。
私は緊張にごくりと生唾を飲み込む。
乙女として踏みとどまるべきだ、という考えがちらりとよぎるが、復讐心で私はそれを押さえつけた。
思い切ってぐいっと下着をずらす。
まず見えたのは、縮れた下の毛だった。
当たり前だが自分のものよりも長くて濃い。そして更に下着をずらすと、毛の間からくたりと元気のない男のブツが顔を出した。
これが平常時か。
思ったよりも小さい。ふにゃふにゃしてるし、こんなモノがホントに大きくなるんだろうか。
私はスマホを手に取り、男の寝顔が一緒に映るように、パシャリと写真を撮影した。
そしてしげしげと男のソコを観察する。
彼氏いない暦イコール年齢の私にとって、ソレを至近距離で目にするのは初めての経験である。
子供の頃、お父さんのものを見たことはあるが小学校低学年の頃の記憶だけにあやふやだ。
男のアレは、先っぽまで皮で覆われており、先端部分がちょっとだけ顔を出していた。これは日本人には多いという、仮性包茎という奴だろうか。
折角だから大きくなったところを見てみたいが、さすがに直に触るのには抵抗がある。
どうしたものか、と辺りを見回したときに、台所に放置していた割り箸が目に入った。コンビニ弁当を買った時についていた奴だ。
よし、これを使おう。
私は箸を包装から取り出すと、つんつん、と男のブツをつついてみた。男は深く寝入っており、こんなことをされているのにすうすうと気持ち良さそうに寝息をたてる。
それを確認した私は、箸を構えると好奇心の趣くままにブツを挟んで上に動かしてみた。アレの裏側にあるモノを見てみたかったのだ。狸の置物についているあいつである。
前にあるものをどかす事で見えたソレは、びっしりと毛に覆われていてグロテスクだった。
(ほんとに二つあるんだ)
なんだか妙な感動を覚え、私はほう、と息をついた。
そしてしっかりとスマホで撮影しておく。
我ながらちょっぴり変態みたいだと思うが、自分についてないモノなんだから気になるのはしょうがない。同じ立場になったら誰だって似たようなことをやるはずだ。そう自分に言い聞かせる。
しかしこうして大事な部分二箇所を見てしまうと、次は勃起したところを見てみたくなる。
(割り箸じゃだめだよね。んー、掃除用のゴム手袋でも使うかぁ)
手袋を取りに行くべく中腰になったときだった。
「うー……んん」
身じろぎしたかと思うと男の目が開いた。焦点の合ってない目で中空を見つめている。
「あれ……? ここ、ユキちゃんち……?」
ぼんやりと辺りを見回す男の視線が私をとらえた。かと思うとカッっと見開かれる。
「え? お前誰? って、何で俺縛られて……え?」
きょろきょろと辺りを見回す様子を見るに、一気に酔いが覚めたようである。
「あなたが私をユキちゃんと間違えて、不法侵入してきたので自衛の為に」
「へ? マジで? それはどうもすみませんでした……」
男はぽかんとしながらも謝ってきたが、私はばっさりと切り捨てた。
「そんなこと言われても許せそうにないです。押し倒されて危うく貞操の危機だったので。という訳で仕返しを続けさせてもらいますね」
「仕返しって……ちょ、なんかスースーすると思ったら、なんだよこれっ!」
私の視線が局部に移動した事で、男はソコが丸出しになっていることに今更のように気付いたようだ。
「仕返しって言いましたよね。私は深く傷付いたので償ってください」
冷たく言い放つと、男の顔はさあっと青ざめた。
「えっと、俺、彼女に振られて自分でも訳わかんなくなるくらい飲んじゃって……本当にごめんなさい。反省してるのでお願いします、これ、解いてください」
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「もう一度襲われないという保証がないからダメです。もう少し撮りためないと」
「なっ、んだよそれ! まさかこの格好撮ったのか? 犯罪だろそれ! 消せよ!」
スマホを構えると、男の顔色が変わった。両手両足を縛られているのに力の限り暴れ始める。
やっぱり足も縛っておいて良かった。足を自由にしていたら、そこら中蹴られまくったに違いない。
「未遂とはいえ婦女暴行しようとした人に、犯罪とか言われたくないですねぇ。安心してください。動画は撮りますけど、あなたが変な真似さえしなきゃアップしたりはしません」
「んなの信用できるかっ!」
「私もあなたの事が信用できないのでおあいこですね」
きっぱりと言い返すと男はぷるぷると震えた。
「さあ、続きをしましょうか。やっぱりちゃんとおっきくなってるところが撮りたいんですよねぇ。こすれば勃ちます?」
「さわんな! 今触られたら出るっ!」
「へ? まだくったりしてますけど?」
「ちが……そうじゃなくて……トイレ……行きたい……だからこれ、とって……」
男の声は、羞恥のためか消え入りそうなくらいに小さかった。
「へぇ、もしかしてすごく我慢してます?」
「仕方ないだろ! アルコールは分解されたら水になるんだ!」
(……ふむ)
私はどう処理するかしばし考え、浮かんだ発想ににやりと笑った。勃たせるよりも恥ずかしくい動画が取れそうだ。
「わかりました。生理現象ですから仕方ないですね」
そう言うと、男はほっとした表情になった。私にはトイレに行かせる気なんてないのに。
立ち上がって向かった先はお風呂場だ。洗面器を持って戻った私に、男の期待に満ちたまなざしが曇った。
「おい、まさかそれにしろって言うんじゃ……」
「大当たりです。察しがいいですね。あなたも漏らして服が濡れたら嫌ですよね」
私はにっこりと微笑んだ。
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