33 / 35
エピローグ
しおりを挟む
ネージュはアリスティードに誘われて、屋敷の庭を散歩していた。
ちらりと隣を歩く彼の顔を窺うと、その横顔はどこか硬かった。
ネージュに対するアリスティードの態度は、謝罪を受けた日から今日までずっと、一貫して丁寧で優しい。
だけど、常に一定の距離があり、そこから踏み込んで来ようとしないのは、彼の中の後ろめたさのせいだろう。
しかし、アリスティードの深緑の瞳は、マルセルそっくりでありながら、彼にはなかった熱を帯びる事がある。
その瞳を向けられると、ネージュは平静ではいられない。胸の奥が疼いて息が苦しくなる。
きっとこれは恋愛感情だ。
初めて異性に対して覚えるそれに、ネージュは戸惑いながらも自分の幸運を噛み締めていた。
レーネ侯爵家の一員として、将来はマルセルの決めた相手と結婚する覚悟はしていた。
その相手が生理的嫌悪感を覚える見た目や態度だったり、粗暴な人だったりする可能性もあったのだ。
マルセルの面影を宿し、侯爵家を守ろうという意志の持ち主でもあるアリスティードは、ネージュにとって理想的な相手と言っていい。
そんな彼が、ネージュを大切にしてくれるのだ。幸せすぎて、どこかに落とし穴があるのではないかと怖くなってくる。
「少しあそこで休憩しませんか?」
アリスティードが提案してきたのは、四阿の近くに差し掛かった時だった。
四阿の中にはベンチが設置されている。そこに並んで腰かけると、アリスティードは、上着のポケットから小さなビロード張りの小箱を取り出して差し出してきた。
「これは……?」
小箱を受け取ったネージュは、首を傾げながら蓋を開ける。
すると、中には見覚えのあるアクアマリンのブローチが入っていた。
ネージュは大きく目を見開いて、ブローチをまじまじと見つめた。
「祖父があなたに贈ったもので間違いないか、ご確認頂けますか?」
アリスティードに促され、ネージュはブローチを取り出すと、前後に返して隅々までチェックした。
針の部分が少しだけ歪んでいたが、間違いない。これは、ネージュがマルセルから貰ったものだ。
「見つけてくださったんですね……」
嬉しさに視界が滲んだ。
「首都の故買人の所に流れていました。残念ながらそれ以上の後追いは出来ませんでしたが……」
故買人は、盗品を専門に扱う裏社会の商人だ。
恐らくジャンヌは何らかの伝手を使って、裏のマーケットに持ち逃げした宝飾品を売り飛ばしたのだろう。
「アリス様、見つけて下さってありがとうございます。本当に良かった……」
ブローチを握りしめて感謝の気持ちを伝えると、アリスティードの手が頬に伸びてきて、目元に唇を落とされた。
◆ ◆ ◆
透き通るような水色の瞳から零れた涙があまりにも綺麗で、衝動的に口付けたアリスティードは、相反する二つの感情に苛まれていた。
ネージュの喜ぶ姿が見れて嬉しいのに、ブローチの贈り主がマルセルだと思うと身を焦がすような嫉妬心が湧き上がる。
彼女は取り戻したブローチを、今度は決して手放さないだろう。そして以前のように毎日のように身に着けるに違いない。
どろどろとした昏い感情が湧き上がる自分が、酷く醜い生き物になった気がした。
『可哀想に。あなたはただの身代わりだ』
ナゼールの発言が頭の中に響いた。
尋問の時に、アリスティードを嘲笑しながら呪詛めいた言葉を吐いたあの男は、もうこの世にいない。
調査の結果、火災に関与した証拠が見つかったため、アリスティードは領主として厳しい処罰をせざるを得なかった。
この国では放火は絞首刑を最高刑とする重罪である。
あの爆発事故では、三人の命が失われている。
とはいえ、あの男を法廷に送り込めば、レーネ侯爵家の名誉に関わる。だから密かに処罰をするしかなかった。
毒杯か、餓死か。
それを突きつけた結果、ナゼールは毒杯を選択した。
ネージュには、自殺したと事実のみを伝えたが、恐らくアリスティードが何をしたのか察しているに違いない。
――かつてマルセルがダニエルを処罰した時のように。
アリスティードはエリックから、マルセルがどうダニエルを処罰したのか聞いている。窓のない部屋に監禁し、自ら死を選ぶように仕向けたのだ。
はからずも祖父と同じやり方でネージュを傷付けた罪人を裁いた事に、アリスティードは複雑な感情を抱かずにはいられなかった。
『死者を超えるのは難しいですよ。思い出の中で美化されていきますからね』
また幻聴が聞こえた。
そんな事、言われるまでもなくわかっている。
屋敷の中に残る若かりし頃の祖父の肖像画は、恐ろしい程にアリスティードとそっくりだった。
それだけではなく、祖父の肖像画を年代順に並べると、自分の老い方が想像できた。
ネージュが祖父を心から慕っているのは痛いほどにわかる。だから苦しい。彼女はアリスティードを受け入れ、尽くしてくれるけれど、結局その理由は祖父に行き着くに違いない。
自分はマルセルではない。
ちゃんと『アリスティード』を見てくれているのか。
確かめたいが恐ろしくて聞けない。そして、勝算が低い事は自分でも痛いほどにわかっていた。
心の中に浮かぶのは後悔だ。
騙されていたとはいえ、彼女に酷い態度を取ってしまった。
謝罪して、彼女も受け入れてはくれたけれど、過去の過ちは決して消えない。
もし、祖父の身代わりだとハッキリと突きつけられたら、きっと自分は立ち直れない。
それだけでなく、衝動と激情のままに彼女に酷い事をしてしまうかもしれない。
ナゼールはネージュを『魔性』と言った。
アリスティードもその通りだと思う。
気が付いたら自分も彼女に惹き付けられ、狂おしい程の執着心を抱くようになっていたのだから。
名実ともにネージュは自分のものなのに、その心は自分のものではないかもしれない。それが許せない。辛い。
さりとて確かめる意気地もない。そんな自分にアリスティードは心の中で自嘲した。
ネージュの涙に触れた唇は、苦味を含んだ塩の味がした。
身を離すと、ネージュは、直前までアリスティードの唇が触れていた場所を指先でなぞった。
潤んだ淡い水色の双眸がアリスティードに向けられる。
次の瞬間、アリスティードは衝動的にネージュを抱き締めると、その唇を奪っていた。
ちらりと隣を歩く彼の顔を窺うと、その横顔はどこか硬かった。
ネージュに対するアリスティードの態度は、謝罪を受けた日から今日までずっと、一貫して丁寧で優しい。
だけど、常に一定の距離があり、そこから踏み込んで来ようとしないのは、彼の中の後ろめたさのせいだろう。
しかし、アリスティードの深緑の瞳は、マルセルそっくりでありながら、彼にはなかった熱を帯びる事がある。
その瞳を向けられると、ネージュは平静ではいられない。胸の奥が疼いて息が苦しくなる。
きっとこれは恋愛感情だ。
初めて異性に対して覚えるそれに、ネージュは戸惑いながらも自分の幸運を噛み締めていた。
レーネ侯爵家の一員として、将来はマルセルの決めた相手と結婚する覚悟はしていた。
その相手が生理的嫌悪感を覚える見た目や態度だったり、粗暴な人だったりする可能性もあったのだ。
マルセルの面影を宿し、侯爵家を守ろうという意志の持ち主でもあるアリスティードは、ネージュにとって理想的な相手と言っていい。
そんな彼が、ネージュを大切にしてくれるのだ。幸せすぎて、どこかに落とし穴があるのではないかと怖くなってくる。
「少しあそこで休憩しませんか?」
アリスティードが提案してきたのは、四阿の近くに差し掛かった時だった。
四阿の中にはベンチが設置されている。そこに並んで腰かけると、アリスティードは、上着のポケットから小さなビロード張りの小箱を取り出して差し出してきた。
「これは……?」
小箱を受け取ったネージュは、首を傾げながら蓋を開ける。
すると、中には見覚えのあるアクアマリンのブローチが入っていた。
ネージュは大きく目を見開いて、ブローチをまじまじと見つめた。
「祖父があなたに贈ったもので間違いないか、ご確認頂けますか?」
アリスティードに促され、ネージュはブローチを取り出すと、前後に返して隅々までチェックした。
針の部分が少しだけ歪んでいたが、間違いない。これは、ネージュがマルセルから貰ったものだ。
「見つけてくださったんですね……」
嬉しさに視界が滲んだ。
「首都の故買人の所に流れていました。残念ながらそれ以上の後追いは出来ませんでしたが……」
故買人は、盗品を専門に扱う裏社会の商人だ。
恐らくジャンヌは何らかの伝手を使って、裏のマーケットに持ち逃げした宝飾品を売り飛ばしたのだろう。
「アリス様、見つけて下さってありがとうございます。本当に良かった……」
ブローチを握りしめて感謝の気持ちを伝えると、アリスティードの手が頬に伸びてきて、目元に唇を落とされた。
◆ ◆ ◆
透き通るような水色の瞳から零れた涙があまりにも綺麗で、衝動的に口付けたアリスティードは、相反する二つの感情に苛まれていた。
ネージュの喜ぶ姿が見れて嬉しいのに、ブローチの贈り主がマルセルだと思うと身を焦がすような嫉妬心が湧き上がる。
彼女は取り戻したブローチを、今度は決して手放さないだろう。そして以前のように毎日のように身に着けるに違いない。
どろどろとした昏い感情が湧き上がる自分が、酷く醜い生き物になった気がした。
『可哀想に。あなたはただの身代わりだ』
ナゼールの発言が頭の中に響いた。
尋問の時に、アリスティードを嘲笑しながら呪詛めいた言葉を吐いたあの男は、もうこの世にいない。
調査の結果、火災に関与した証拠が見つかったため、アリスティードは領主として厳しい処罰をせざるを得なかった。
この国では放火は絞首刑を最高刑とする重罪である。
あの爆発事故では、三人の命が失われている。
とはいえ、あの男を法廷に送り込めば、レーネ侯爵家の名誉に関わる。だから密かに処罰をするしかなかった。
毒杯か、餓死か。
それを突きつけた結果、ナゼールは毒杯を選択した。
ネージュには、自殺したと事実のみを伝えたが、恐らくアリスティードが何をしたのか察しているに違いない。
――かつてマルセルがダニエルを処罰した時のように。
アリスティードはエリックから、マルセルがどうダニエルを処罰したのか聞いている。窓のない部屋に監禁し、自ら死を選ぶように仕向けたのだ。
はからずも祖父と同じやり方でネージュを傷付けた罪人を裁いた事に、アリスティードは複雑な感情を抱かずにはいられなかった。
『死者を超えるのは難しいですよ。思い出の中で美化されていきますからね』
また幻聴が聞こえた。
そんな事、言われるまでもなくわかっている。
屋敷の中に残る若かりし頃の祖父の肖像画は、恐ろしい程にアリスティードとそっくりだった。
それだけではなく、祖父の肖像画を年代順に並べると、自分の老い方が想像できた。
ネージュが祖父を心から慕っているのは痛いほどにわかる。だから苦しい。彼女はアリスティードを受け入れ、尽くしてくれるけれど、結局その理由は祖父に行き着くに違いない。
自分はマルセルではない。
ちゃんと『アリスティード』を見てくれているのか。
確かめたいが恐ろしくて聞けない。そして、勝算が低い事は自分でも痛いほどにわかっていた。
心の中に浮かぶのは後悔だ。
騙されていたとはいえ、彼女に酷い態度を取ってしまった。
謝罪して、彼女も受け入れてはくれたけれど、過去の過ちは決して消えない。
もし、祖父の身代わりだとハッキリと突きつけられたら、きっと自分は立ち直れない。
それだけでなく、衝動と激情のままに彼女に酷い事をしてしまうかもしれない。
ナゼールはネージュを『魔性』と言った。
アリスティードもその通りだと思う。
気が付いたら自分も彼女に惹き付けられ、狂おしい程の執着心を抱くようになっていたのだから。
名実ともにネージュは自分のものなのに、その心は自分のものではないかもしれない。それが許せない。辛い。
さりとて確かめる意気地もない。そんな自分にアリスティードは心の中で自嘲した。
ネージュの涙に触れた唇は、苦味を含んだ塩の味がした。
身を離すと、ネージュは、直前までアリスティードの唇が触れていた場所を指先でなぞった。
潤んだ淡い水色の双眸がアリスティードに向けられる。
次の瞬間、アリスティードは衝動的にネージュを抱き締めると、その唇を奪っていた。
56
お気に入りに追加
2,063
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【掌編集】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜妻の残していった離婚受理証明書を握りしめイケメン公爵は涙と鼻水を垂らす
まほりろ
恋愛
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。
彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。
しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。
彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。
他掌編七作品収録。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します
「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」
某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。
【収録作品】
①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」
②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」
③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」
④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」
⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」
⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」
⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」
⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」
麗しの王子殿下は今日も私を睨みつける。
スズキアカネ
恋愛
「王子殿下の運命の相手を占いで決めるそうだから、レオーネ、あなたが選ばれるかもしれないわよ」
伯母の一声で連れて行かれた王宮広場にはたくさんの若い女の子たちで溢れかえっていた。
そしてバルコニーに立つのは麗しい王子様。
──あの、王子様……何故睨むんですか?
人違いに決まってるからそんなに怒らないでよぉ!
◇◆◇
無断転載・転用禁止。
Do not repost.
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
運命に勝てない当て馬令嬢の幕引き。
ぽんぽこ狸
恋愛
気高き公爵家令嬢オリヴィアの護衛騎士であるテオは、ある日、主に天啓を受けたと打ち明けられた。
その内容は運命の女神の聖女として召喚されたマイという少女と、オリヴィアの婚約者であるカルステンをめぐって死闘を繰り広げ命を失うというものだったらしい。
だからこそ、オリヴィアはもう何も望まない。テオは立場を失うオリヴィアの事は忘れて、自らの道を歩むようにと言われてしまう。
しかし、そんなことは出来るはずもなく、テオも将来の王妃をめぐる運命の争いの中に巻き込まれていくのだった。
五万文字いかない程度のお話です。さくっと終わりますので読者様の暇つぶしになればと思います。
旦那様は大変忙しいお方なのです
あねもね
恋愛
レオナルド・サルヴェール侯爵と政略結婚することになった私、リゼット・クレージュ。
しかし、その当人が結婚式に現れません。
侍従長が言うことには「旦那様は大変忙しいお方なのです」
呆気にとられたものの、こらえつつ、いざ侯爵家で生活することになっても、お目にかかれない。
相変わらず侍従長のお言葉は「旦那様は大変忙しいお方なのです」のみ。
我慢の限界が――来ました。
そちらがその気ならこちらにも考えがあります。
さあ。腕が鳴りますよ!
※視点がころころ変わります。
※※2021年10月1日、HOTランキング1位となりました。お読みいただいている皆様方、誠にありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる