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襲撃と討伐 04
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今回の臨時討伐は、対魔人にはシャールとユベール、そして応援に来てくれたユベールの母方の従兄を加えた高位貴族があたり、他の団員はそこに至るまでの露払いを行う事になっている。
討伐に出た団員は、各自が緊急脱出の魔法が込められた魔道具を持って出撃している。怪我人が出た場合は、この魔道具を使って一旦基地に戻ってくる事になっていた。
緊急脱出も転移も、ほんの五十年ほど前に開発された魔法である。
この二つは大きく社会発展に貢献した。
特に緊急脱出は、討伐の形そのものを変えた魔法である。この魔法が開発される前は女性も討伐に同行したというし、討伐に携わる者の死亡率もずっと高かったそうだ。
「マリー様、申し訳ありませんが次は骨折者の治療をお願いしてもよろしいでしょうか? 応急処置は済んでおりますので」
「はい」
マリーは魔力回復用の霊薬を飲み下しながら、話しかけてきた医療要員の青年に答えた。
霊薬は甘くて果実水のような味に作られているのだが、大量に飲むと味に飽きてくる。
水と違って何故かお腹にはたまらないという不思議な飲み薬だ。飲み薬の体を取っているが、胃から直接魔力器官に魔力を供給するような仕組みになっているらしい。
(今回は多い……)
頼りになるユベールの父方の叔母様達が不在なのもあるが、今までの討伐に比べると、明らかに怪我人の数が増えていた。
担架に乗せられて運び込まれてきた団員のおじさんは、あらかじめ医療要員に飲まされた麻痺の霊薬が効いているのか静かに眠っていた。
血縁者でない者に治癒魔法をかけると、苦痛をもたらす為、このような処置がされる。
患部は足で、既に骨の位置の整復はされていたが、開放骨折――骨が体を突き破りはみ出すような折れ方をしていたようで、脛が酷く損傷していた。
マリーは唇を引き結ぶと、患部に手を当て、慎重に治癒力に変換した魔力を流し込んだ。
止血や骨折の整復など、治癒魔法をかける前の前処置は専門の医療知識のある医療要員が行う。だからマリーの所にやってくる怪我人は、相応の処置がされた状態でやってくる。それでも大怪我をしている人を見るのは怖いし心が締め付けられた。
この人の痛みが早く引きますように。祈りながら相手の魔力の流れに合わせるように気を付けながら魔力を流していく。
いくら麻痺の霊薬を使っているとはいえ、急激に魔力を流すのは体に毒なのだ。
特異種が出ると、その魔力に引き摺られ、魔物は活性化すると言われている。
それに加えてここ最近、《マナ》の流れが乱れていた事も影響して、今回の討伐はかなり厳しいものになっているようだ。
大元を叩きにいっているユベールは大丈夫なのだろうか。
マリーは不安を振り払うため、軽く頭を振った。
◆ ◆ ◆
治癒魔法の中で一番高度な技術を要するのは臓器の修復である。
四肢や瞳の再生よりも難しく、魔力消費量も高い為、そちらはエレノアやクラリスが率先して受け持ってくれた。
マリーが昼下がりまでに診た中で、一番見た目が酷い状態の怪我人は、半身が焼け爛れた団員だった。
火の魔法を扱う魔物にやられたらしい。
火傷は範囲が広いと早く癒さないと命に関わる。マリーは内心で震えながら魔力を流した。
しかし、この日一番酷い怪我人が運ばれてきたのは午後のお茶の時間を少し過ぎた時だった。
「叔母上! クラリス殿! 早急に手当を!」
そんな叫び声と共に運び込まれてきた人物の姿に、天幕内は凍りついた。
「あなた! ユベール!!」
ちょうど怪我人が途切れ、霊薬で魔力を回復していたマリーは、エレノアの悲鳴に飛び出し――息を飲んだ。
そこには、担架に乗せられ、上半身全体を真っ赤に染めたユベールと、禍々しい黒い靄に全身を覆われたシャールの姿があった。
「一体何があったの!? 魔人は!?」
「倒しました! しかし二人が……!」
悲痛な叫びを上げたのは、シャールやユベールと共に魔人討伐に向かっていたユベールの従兄だった。
伯爵家に嫁いだエレノアの姉の息子で、確かジョエルという名だったはずだ。
「魔人の出現は人為的なものの可能性があります。叔父上の胸にあるのは人を魔人化させると考えられる魔道具です! ユベールはそれを止めようとして……」
「……呪いに近い印象ですね。王都の研究機関に運んだ方がいいかもしれない」
冷静に分析したのはクラリスだった。
その言葉に、エレノアの顔つきが変わった。腹を括った表情だ。
エレノアはシャールの傍に進み出ると、慎重にその状態を確認し、魔力を流した。
すると黒い靄が薄れていき、胸の中央、魔力器官があるあたりに服を突き破り、埋まりつつある禍々しい漆黒の魔石が見えた。
「治癒の魔力を注げば進行が抑えられるみたいね……シャールが魔人化したら大変な事になるわ。すぐ王都に運びましょう。クラリス、一緒に来て頂戴。ユベールはマリーちゃんに任せるわ!」
「待ってください! ユベール様はクラリス様が対応した方が……」
マリーは慌てた。
クラリスはユベールの叔父と婚姻契約を結んでいる。魔力の親和性はエレノア程でなくてもかなり高いはずだ。重傷者は親族が治癒に当たるのが基本である。
「シャールの魔人化を防ぐ方が最優先よ。貴族の、それも高位貴族が魔人化したら一体どうなるか!」
――魔王。
それはかつて人為的に魔人を作り出そうとした研究が生み出した災厄の名だ。
その誕生によって、このアライン王国は人口が半減するほどの壊滅的な被害を受けたと言われている。
「この黒い靄を抑えようと思ったら結構な魔力を流さなきゃいけないみたい。私の魔力が尽きた時の補助役が必要なの。だからマリーちゃん、ユベールはあなたに任せるわ」
エレノアは悲痛な表情でそう告げた。それは彼女にとっても苦渋の決断に違いない。
「マリー様、麻痺の霊薬の投与が完了しました。お願いします」
「わかったわ」
医療要員に応え、マリーは横たわるユベールに向き合った。
視界の端に、シャールを乗せた担架と共にエレノア達が慌ただしく天幕を出ていくのが見えた。
医療要員が治癒魔法の前準備として、ユベールの胴体の傷口を暴いていく。
その酷さにマリーは息を飲んだ。
下腹部から左の胸元にかけて大きく肉が抉り取られ、内臓が露出している。
まずは急いで血を止めなければ。
「豊穣の女神、大地母神ブリギットよ、その慈悲を我が身に降し給え……」
女に治癒魔法を授けたのは、天空神ルフの妻である大地母神ブリギットと言われている。
そして、ブリギットへの祈りは、生と死の狭間を彷徨う者への治癒の成功率を引き上げるとされていた。
流れる血液を止め、臓器を再生。
この創傷の範囲なら、ほとんどの臓器が損傷を受けている。時間との勝負になるのに、様子を見ながら少しずつ魔力を流すしかないのがもどかしい。
婚姻契約を結んでいればこんな魔力制御は必要なかったのに。
そんな思考が浮かんだ事に、マリーは衝撃を受けた。
婚姻契約は体を重ねるのと同義だ。
それを自分はしてもいいと思っている?
動揺は魔力の揺れを生む。
「ぐっ……」
ユベールの苦悶の声にマリーは目を見張った。
まずい。こんな状態の怪我人に魔力を流し過ぎたら――
「霊薬の追加を……」
「む、無理です。今日は予想外に大量の怪我人が出て……先程ユベール様に投与したのが最後の一本でした。ルカリオ様に相談し、手配はして頂いているのですが……」
医療要員からの答えにマリーは青ざめた。
自分が魔力の制御を誤ったせいで、麻痺の霊薬の効果に影響を及ぼした可能性がある。
かと言って、魔力を流すのをやめる訳にはいかない。ユベールはいつその命が海を渡ってもおかしくないような大怪我を負っているのだ。
「ぅ……ま、りー……?」
ユベールの目がうっすらと開き、かすれた声がマリーを呼んだ。
「ごめんなさい、苦しいですよね。私のミスで霊薬が切れたみたいで」
「マリーの、まりょく、なら、へ……き……」
こぷり、とユベールの唇から血液が溢れ出た。
彼の生命力がどんどん弱くなっているのを感じる。
現世に繋ぎ止めるには、もっと強く魔力を流すしかない。だけど。
他人の強すぎる魔力は時に毒となる。
何もせずに死なせるよりは、賭けた方が――
マリーは瞬時に決断すると腹を括った。ユベールに注ぎ込む魔力量を上げる。
(神様……)
人は死後、海神マナナン・マクリルが統治する喜びの島に迎え入れられるというけれど――
ケリドウィン様、まだ彼を連れていかないで。
マリーは死を司る月の女神に祈りながら再び意識を喪ったユベールの青白い顔を見つめた。
討伐に出た団員は、各自が緊急脱出の魔法が込められた魔道具を持って出撃している。怪我人が出た場合は、この魔道具を使って一旦基地に戻ってくる事になっていた。
緊急脱出も転移も、ほんの五十年ほど前に開発された魔法である。
この二つは大きく社会発展に貢献した。
特に緊急脱出は、討伐の形そのものを変えた魔法である。この魔法が開発される前は女性も討伐に同行したというし、討伐に携わる者の死亡率もずっと高かったそうだ。
「マリー様、申し訳ありませんが次は骨折者の治療をお願いしてもよろしいでしょうか? 応急処置は済んでおりますので」
「はい」
マリーは魔力回復用の霊薬を飲み下しながら、話しかけてきた医療要員の青年に答えた。
霊薬は甘くて果実水のような味に作られているのだが、大量に飲むと味に飽きてくる。
水と違って何故かお腹にはたまらないという不思議な飲み薬だ。飲み薬の体を取っているが、胃から直接魔力器官に魔力を供給するような仕組みになっているらしい。
(今回は多い……)
頼りになるユベールの父方の叔母様達が不在なのもあるが、今までの討伐に比べると、明らかに怪我人の数が増えていた。
担架に乗せられて運び込まれてきた団員のおじさんは、あらかじめ医療要員に飲まされた麻痺の霊薬が効いているのか静かに眠っていた。
血縁者でない者に治癒魔法をかけると、苦痛をもたらす為、このような処置がされる。
患部は足で、既に骨の位置の整復はされていたが、開放骨折――骨が体を突き破りはみ出すような折れ方をしていたようで、脛が酷く損傷していた。
マリーは唇を引き結ぶと、患部に手を当て、慎重に治癒力に変換した魔力を流し込んだ。
止血や骨折の整復など、治癒魔法をかける前の前処置は専門の医療知識のある医療要員が行う。だからマリーの所にやってくる怪我人は、相応の処置がされた状態でやってくる。それでも大怪我をしている人を見るのは怖いし心が締め付けられた。
この人の痛みが早く引きますように。祈りながら相手の魔力の流れに合わせるように気を付けながら魔力を流していく。
いくら麻痺の霊薬を使っているとはいえ、急激に魔力を流すのは体に毒なのだ。
特異種が出ると、その魔力に引き摺られ、魔物は活性化すると言われている。
それに加えてここ最近、《マナ》の流れが乱れていた事も影響して、今回の討伐はかなり厳しいものになっているようだ。
大元を叩きにいっているユベールは大丈夫なのだろうか。
マリーは不安を振り払うため、軽く頭を振った。
◆ ◆ ◆
治癒魔法の中で一番高度な技術を要するのは臓器の修復である。
四肢や瞳の再生よりも難しく、魔力消費量も高い為、そちらはエレノアやクラリスが率先して受け持ってくれた。
マリーが昼下がりまでに診た中で、一番見た目が酷い状態の怪我人は、半身が焼け爛れた団員だった。
火の魔法を扱う魔物にやられたらしい。
火傷は範囲が広いと早く癒さないと命に関わる。マリーは内心で震えながら魔力を流した。
しかし、この日一番酷い怪我人が運ばれてきたのは午後のお茶の時間を少し過ぎた時だった。
「叔母上! クラリス殿! 早急に手当を!」
そんな叫び声と共に運び込まれてきた人物の姿に、天幕内は凍りついた。
「あなた! ユベール!!」
ちょうど怪我人が途切れ、霊薬で魔力を回復していたマリーは、エレノアの悲鳴に飛び出し――息を飲んだ。
そこには、担架に乗せられ、上半身全体を真っ赤に染めたユベールと、禍々しい黒い靄に全身を覆われたシャールの姿があった。
「一体何があったの!? 魔人は!?」
「倒しました! しかし二人が……!」
悲痛な叫びを上げたのは、シャールやユベールと共に魔人討伐に向かっていたユベールの従兄だった。
伯爵家に嫁いだエレノアの姉の息子で、確かジョエルという名だったはずだ。
「魔人の出現は人為的なものの可能性があります。叔父上の胸にあるのは人を魔人化させると考えられる魔道具です! ユベールはそれを止めようとして……」
「……呪いに近い印象ですね。王都の研究機関に運んだ方がいいかもしれない」
冷静に分析したのはクラリスだった。
その言葉に、エレノアの顔つきが変わった。腹を括った表情だ。
エレノアはシャールの傍に進み出ると、慎重にその状態を確認し、魔力を流した。
すると黒い靄が薄れていき、胸の中央、魔力器官があるあたりに服を突き破り、埋まりつつある禍々しい漆黒の魔石が見えた。
「治癒の魔力を注げば進行が抑えられるみたいね……シャールが魔人化したら大変な事になるわ。すぐ王都に運びましょう。クラリス、一緒に来て頂戴。ユベールはマリーちゃんに任せるわ!」
「待ってください! ユベール様はクラリス様が対応した方が……」
マリーは慌てた。
クラリスはユベールの叔父と婚姻契約を結んでいる。魔力の親和性はエレノア程でなくてもかなり高いはずだ。重傷者は親族が治癒に当たるのが基本である。
「シャールの魔人化を防ぐ方が最優先よ。貴族の、それも高位貴族が魔人化したら一体どうなるか!」
――魔王。
それはかつて人為的に魔人を作り出そうとした研究が生み出した災厄の名だ。
その誕生によって、このアライン王国は人口が半減するほどの壊滅的な被害を受けたと言われている。
「この黒い靄を抑えようと思ったら結構な魔力を流さなきゃいけないみたい。私の魔力が尽きた時の補助役が必要なの。だからマリーちゃん、ユベールはあなたに任せるわ」
エレノアは悲痛な表情でそう告げた。それは彼女にとっても苦渋の決断に違いない。
「マリー様、麻痺の霊薬の投与が完了しました。お願いします」
「わかったわ」
医療要員に応え、マリーは横たわるユベールに向き合った。
視界の端に、シャールを乗せた担架と共にエレノア達が慌ただしく天幕を出ていくのが見えた。
医療要員が治癒魔法の前準備として、ユベールの胴体の傷口を暴いていく。
その酷さにマリーは息を飲んだ。
下腹部から左の胸元にかけて大きく肉が抉り取られ、内臓が露出している。
まずは急いで血を止めなければ。
「豊穣の女神、大地母神ブリギットよ、その慈悲を我が身に降し給え……」
女に治癒魔法を授けたのは、天空神ルフの妻である大地母神ブリギットと言われている。
そして、ブリギットへの祈りは、生と死の狭間を彷徨う者への治癒の成功率を引き上げるとされていた。
流れる血液を止め、臓器を再生。
この創傷の範囲なら、ほとんどの臓器が損傷を受けている。時間との勝負になるのに、様子を見ながら少しずつ魔力を流すしかないのがもどかしい。
婚姻契約を結んでいればこんな魔力制御は必要なかったのに。
そんな思考が浮かんだ事に、マリーは衝撃を受けた。
婚姻契約は体を重ねるのと同義だ。
それを自分はしてもいいと思っている?
動揺は魔力の揺れを生む。
「ぐっ……」
ユベールの苦悶の声にマリーは目を見張った。
まずい。こんな状態の怪我人に魔力を流し過ぎたら――
「霊薬の追加を……」
「む、無理です。今日は予想外に大量の怪我人が出て……先程ユベール様に投与したのが最後の一本でした。ルカリオ様に相談し、手配はして頂いているのですが……」
医療要員からの答えにマリーは青ざめた。
自分が魔力の制御を誤ったせいで、麻痺の霊薬の効果に影響を及ぼした可能性がある。
かと言って、魔力を流すのをやめる訳にはいかない。ユベールはいつその命が海を渡ってもおかしくないような大怪我を負っているのだ。
「ぅ……ま、りー……?」
ユベールの目がうっすらと開き、かすれた声がマリーを呼んだ。
「ごめんなさい、苦しいですよね。私のミスで霊薬が切れたみたいで」
「マリーの、まりょく、なら、へ……き……」
こぷり、とユベールの唇から血液が溢れ出た。
彼の生命力がどんどん弱くなっているのを感じる。
現世に繋ぎ止めるには、もっと強く魔力を流すしかない。だけど。
他人の強すぎる魔力は時に毒となる。
何もせずに死なせるよりは、賭けた方が――
マリーは瞬時に決断すると腹を括った。ユベールに注ぎ込む魔力量を上げる。
(神様……)
人は死後、海神マナナン・マクリルが統治する喜びの島に迎え入れられるというけれど――
ケリドウィン様、まだ彼を連れていかないで。
マリーは死を司る月の女神に祈りながら再び意識を喪ったユベールの青白い顔を見つめた。
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