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未定
112.俺の方が女子力が高いと言う事実(愕然)
しおりを挟む購買では俺が何と無くサラダサンドを慶が焼きそばパンとタマゴサンドを買ってから屋上に向かった。
屋上に着くと、そこには既に美月達3人が揃っていて、彼女達の前にはそれぞれ購買で買ってきたと思われるサラダサンドとタマゴサンドが並んでいた。
「待たせた。今日は全員購買ご飯か」
「あはは、実は朝お弁当作るの忘れていまして」
俺の言葉に美月は照れ臭そうにしながら事情を話す。
朝食も忘れていたくらいだ。多分そんなんだろうと思っていた。
だから、慶も今日は弁当が無かった。
「ん、不覚」
「咲良はいつもの事ですよ。私は基本、お昼は購買で買う派です」
凛はボケているのか本気なのか分からない咲良にツッコミを入れ、自分だけは忘れたんじゃないと主張する。
俺も購買で買う派だ。
別に料理が出来ない訳ではないが、毎朝弁当を作るのは手間や時間が掛かるので、その時間を漫画やゲーム、今だとダンジョンに割り当てたいから弁当は気が向いた時にしか作らない事にしている。
まあ、多分凛は俺と違って料理が出来ないから、弁当を作らないタイプだと思うけどな。
料理出来るような奴が相手を教育しようなんてお馬鹿な発言をするとは思えない。
「それより早く飯食べよう。腹減った~」
「ああ、そうだな」
慶がそう言うので、皆で食事を始めた。
ーーー
俺はさっさと食事を済ませて、マジックポーチを腰から外して正面へ持ってきた。
「慶、地図の更新がしたいんだけど」
「地図? ああ、持ってきてほしいって言っていた昨日のヤツか」
「そうだ。昨日別れて探索したダンジョンの地図を慶の方と合わせて更新しておく」
「えーっと、美月。持ってきているよね」
「ありますよ。どうぞ光希さん」
「ありがとう」
さて、地図の更新をしていこう。
と言っても、今日の朝に1階層は全て回ったので念の為間違え探しをしておこうと思っただけだけどな。
問題無さそうだな。
俺の地図に抜けている箇所は無い。隠し部屋も予想通り小さいのが3つであってそうだ。
それに美月の地図もそこそこ上手く描けていた。
これなら俺が居なくても佐久間家のダンジョンの隠し部屋は見つけられそうだった。
さて、後はこの真っ赤な地図を新しい紙に写してからスマホで写真を撮り、その写真をダンジョンの会のメンバー全員に送信する。
「今、送ったのがウルフダンジョンの1階層の地図だ。大切にしろよ。あと誰にもバレるな」
「分かってるって」
「分かりました」「了解」「はい」
勿論、春にも同じ物を送っておいた。
「あ、ここが先輩の言っていた隠し部屋がある場所ですか?」
凛は送られていき写真の地図で不自然に空間の空いた場所を指差して聞いてきた。
「ああ、それが多分隠し部屋がある場所だ。実際に見た訳でないから隠し部屋が無いかもしれないが、俺が管理している場所では同じ様な空間に隠し部屋があった身体中可能性が高い」
「へぇ~ここが隠し部屋か」
「分かりづらい」
俺と凛がそうやって隠し部屋の場所について話していると、慶達も興味を持ったのか凛のスマホの覗き込んできた。
「正確な地図を描く事の出来る光希さんだからこそ見つけられる隠し部屋みたいですね。確か入り口は壁で塞がれているんでしたよね?」
「隠し部屋は普通の通路の壁と見分けが付かない脆い壁があって、それが入り口になっている」
鑑定以外では実際に壊してみるまでは本当に見分けがつかない土壁だ。
「と、そうだ。忘れていた」
言っておかないといけない事があった。
「何をだ?」
そう言えば、慶だけはまだ内容を知らないのか。
また美月達から何も聞いていないのか? ハブられているな。
まあ、しょうがない。美月はこの前の失敗がある。咲良はこういう気は利かない。凛は何か慶と少し距離がある感じだから無理だな。
「今話していた隠し部屋についてだよ」
「え、もしかしてまだ入っていないのか?」
その可能性に気付いた慶は驚いてまさかとは思ったのか聞いてきた。
「地図に描き込まれていないんだから行った事が無いという事だ。ゲームのマップと同じだな」
「例えが分かりづらいな」
「まあ、それはそうと。今日の放課後隠し部屋に行こうと思っているから、一緒に行きたい人っ」
「「「「はいっ!」」」」
俺がそう言って手を挙げると、4人全員が同時に手を挙げた。
「春の呼べば来ると思うから、それなら全員参加という事で決まりだな」
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