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未定
98.伝達ミス
しおりを挟む他に重要そうな情報は上がっていないな。
ダンジョン外にモンスターが出てくる話ばかりで、面白そうな話は見かけない。
ダンジョン外モンスターの逸れモンスターについての情報も出ていないな。
国側が逸れに未だ接触してないなんて事はあり得ないだろうから意図的に隠しているんだろう。
それもいつまで隠し通せるか分からないが。
掲示板を流し読みしていると、ダンジョン外にモンスターが出ると分かってから、未発見ダンジョンを探す事を諦めていた人達が、森とかに入ってモンスター狩りしようぜ、という動きがあって盛り上がっていた。
実際に森に入る人達がどの程度いるのかは分からないが、こう言う事には絶対に一定数の馬鹿がいるものだから、きっとそういう奴はモンスター狩りに行くんだろうな。
俺も未だにダンジョンを見つけていなかったら、春と同じ様に森へ突撃していたかもしれない。
だから、その中には逸れモンスターと遭遇する奴は居るだろう。そして運良く逃げ切れる者も居るだろうから、逸れモンスターについての情報が上がるのも時間の問題だ。
さて、これ以上見ても新たな情報は無さそうなので、そろそろ学校に行く準備をしよう。
ーーー
まずはペットボトルに水を補充してマジックポーチに入れておく。
水は幾らあっても無駄にならないからな。最悪ダンジョンの試練の扉の様に閉じ込められる時には、その水が生命線になるだろうな。
今日もダンジョンに寄ってから高校に行く予定なので、私服に着替えてから朝食、シャワーを終えて家を出た。
勿論、制服も忘れない様にマジックポーチに入れてある。
ーーー
スライムダンジョンに着いた。
このlv62の体にも慣れてきたので、もう人が出歩いている時間だが、今日は目撃されないだろう入り組んだ裏道を通ってきた。
まあ、目撃されそうになった時は、普通の人を装って歩いたりしながらもダンジョンに向かった。
神眼のお陰で見つかる様な事もなく、10分程度でダンジョンに到着した。
俺は早速ダンジョンに入り、レッドウルフの所に向かう。
昨日と同じ様にレッドウルフの目の前に、道中のスライムゼリーを置いてダンジョンを出た。
スライムダンジョンを出た後、今度はウルフダンジョンに向かった。
家から来た時と同じように目撃されないように裏山に入りダンジョンを目指す。
ダンジョン外にウルフが居ないかを注意深く確認しながらダンジョンに向かったが、ダンジョン外にウルフは見当たらなかった。
昨日できちんと狩り尽くす事が出来たという事だろう。
ウルフダンジョンに着いた。
念の為、ダンジョン外にウルフが出ていないかを暫く待ってみたが、出て来る気配は無かった。
まあ、昨日あれだけ間引きをしたんだからダンジョン外にウルフは出てこないか。
さて、今日の間引きを始めよう。
ーーー
放課後になりました。
「しかし、光希がダンジョンを見つけているとはね。しかも高校の裏山にあるなんて」
「まあ、裏山なんて滅多に入る人が居ないんだから、裏山の外でモンスターが目撃される前に見つけた俺に感謝してくれ」
「でも、なんで俺にまで黙っていたんだ?」
「いや、黙っていた訳じゃない。昨日の昼休みに伝えようと思っていたら色々あったから忘れていたんだ」
「それで美月達には話したと」
「美月達に話したのではなく、ダンジョンの会に話したつもりだったんだよ」
「でも、俺は今日、光希に話を聞くまで知らなかったんだぞ? どうなっているんだよ」
「それは美月達が勝手に勘違いしただけで、俺には関係無い」
俺が慶の愚痴に付き合わせれているのは、春を迎えに行った3人が戻って来るのを待ているからだ。
これから裏山のダンジョンに向い、ダンジョン体験ツアーを春に体験させる予定だった。
だが、慶はさっきまで自分だけがウルフダンジョンについて知らなかった事に不満があるそうなので、今は慶の話に適度に反論しながら聞き流している最中だ。
「そうだ。それより裏山のダンジョンはどんな感じだったよ?」
「どんな感じか。普通が分からないから普通と言っても伝わらないよな」
「当たり前だろ。俺や光希も含めて普通のダンジョンが分かる奴は殆どいないだろ」
普通が分かる程様々なダンジョンに入っているのは自衛隊と警察くらいのものだろう。
「だよな。まあ、簡単に説明する」
「おう」
「まず、ダンジョンで出てきたモンスターは今の所ウルフと言う狼系のモンスターだけだ。
まだ1階層を少し入っただけだから、隠し部屋とか階段は見つけてない。
それとウルフと言うモンスターの特性を利かす為か通路の幅が少し広い様に感じたな。
他には特にないかな?」
「ダンジョンは出現モンスターによってダンジョン内の構造が変わるのか」
「そうな感じだ。これが今の所の1階層の地図な」
昨日の描いた分の地図を慶に渡して見せる。
「ふ~ん、真っ赤なのは気になるが、相変わらず綺麗な地図を描くのが上手いな」
「真っ赤なのは気にしないでくれ」
「俺も頑張って描ける様になった方が良いのかね?」
「描けないよりは描けた方が良いだろう」
そんな会話をしながら春達が来るのを待った。
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