独自ダンジョン攻略

sasina

文字の大きさ
上 下
23 / 125
呪いのスキル

23.小石拾い

しおりを挟む
 

 マジックポーチを腰に装備して、ダンジョンに戻った。

 残り1つの隠し部屋ある思われる場所へと移動する。

 大した経験値にもなってないと思われるスライムを倒しながら、幾らでも入るマジックポーチにドロップアイテムを仕舞って進み、隠し部屋の近くまで来た。

 最後の隠し部屋は大きく範囲が広いので、入口の候補が沢山あり、隠し部屋の壁に面している通路を虱潰しに鑑定していく。

 鑑定結果が【土壁】になっているところがダンジョンの力が及んでない隠し部屋の入口になっている場所だ。

ーーー

 探し始めて1時間が経った頃、ようやく鑑定結果が【土壁】になる場所を発見した。

「やっとか」

 かなり時間が掛かったな。

 まあ、当たり前か。隠し部屋に隣接する通路の全てが近い通路で繋がっている訳じゃないからな。
 行ったり来たりして移動だけでもそれなりに時間が掛かった。

 実際、土壁を見つけた場所は隠し部屋からかなり離れた所からの一本道が土壁のある場所に繋がっていた。

 早速、土壁に蹴りを入れて、土壁を崩した。

 開いた隠し部屋の入り口から中に入ると、部屋の周りには火が灯してあり、ダンジョンに入ってから始めて明るい場所に来た。

 部屋を見渡してみると、正面の壁に何かのレリーフが彫ってある壁があった。

 その壁の横には、人一人ぐらいが余裕で入りそうな巨大な杯が置いてある。

 壁のレリーフや巨大な杯だけで、他には特に何も無いみたいだ。

 一先ず、壁のレリーフと巨大な杯だけでも鑑定しておくか。

 鑑定。

【名前:試練の扉
 条件:供物の杯
 効果:挑戦    】

 壁じゃなかったのかよ。

 それにしてもデカイ両開きの扉だ。高さ約20mあり横幅も15mはあった。この扉の厚さは天眼さんの空間把握能力の出力を効果範囲を犠牲にして上げてみると、大体1mだとわかった。

 普通の人間には、無理のある重さの扉だな。

 土は大体1㎥の固く締まっている土だと2t、それが20×15で300㎥になり2tだから×2で600tになるな。

 この片側300tの扉を物理的に開けるには、あとくらいlvを上げないといけないんだろう?

 まあ、鑑定で見た感じでは、ギミックで開ける事も出来る扉なので大丈夫だけどな。

 供物の杯って事は扉の隣に置いてある、この巨大な杯の事だろう。

 しかし、試練の扉に効果は挑戦か。これはほぼ確実にボス戦だよな。

 扉の向こうにどんなモンスターが居るのかは分からないが、こんな物見つけたら挑戦しない訳にはいかないよな。

 ボスを倒したら当然宝箱が手に入るだろうしな。ゲームの知識では。

 次は扉をあける為の巨大な杯の方も鑑定しておく。

【名前:供物の杯
 条件:2000/10000
 効果:扉の開閉  】

 これが供物の杯で間違いないようだな。

 効果は勿論、扉の開ける事だな。

 そして条件。もう既に10000の内2000は溜まっているのか。

 供物の杯って事は、誰かに何かを捧げるって事だよな?

 誰に捧げるかは考えても仕方がないけど、何を捧げるかはきちんと考えないとな。

 まあ、これは簡単だと思う。みんながみんな鑑定系スキルを持っている訳じゃないからな。

 こういうダンジョンのギミックでは、ヒントとして杯の中には、既に何かが入っていると思う。
 既に溜まっている2000はそのヒントの事だろう。

 供物の杯の中を覗いてみると、中には黒い小石が沢山入っていた。

「これか」

 スライムのハズレドロップだと思っていたあの黒い小石だな。
 何処に使い道があるのかと思いつつも全部拾っていたけど、やっと使い道が見つかったな。

 それに供物の杯に集める物が、血液とか集めるのに苦労しそうな物じゃなくて良かった。
 供物って言うぐらいだから、人体の一部を大量に要求されたらどうしようかと思っていたからな。

 しかし黒い小石があと8000個も必要なのか。

 そんなに持っていたかな?

 杯の上で、マジックポーチを逆さにして黒い小石だけが出る様に思い浮かべると、杯の上に次々と黒い小石が溜まっていく。

 全部、出し終えてから再度供物の杯うぃ鑑定をしてみる。

【名前:供物の杯
 条件:3135/10000
 効果:扉の開閉  】

 あと、6865個も足りないのか。

 最高率でドロップしたとしても、あと6865体にスライムを倒さなくてはいけない。普通のドロップ確率は3体に1回のドロップだ。
 だから実際は6868×3で20595体になる。

 こんなにもスライムを倒してからでないと、ボスに挑戦出来ないのか。

 しょうがないので、杯に入れた黒い小石を元々ヒント用に入っていた黒い小石も一緒にマジックポーチに回収するか。

ーーー

 全ての黒い小石を回収し終えて、この後どうするか決める。

 折角こんな扉を見つけてしまったなら、挑戦してみたくなる。

 黒い小石を一番早く集めるには、簡単に倒せる1階層のスライムを周回して狩るしかない。

 この隠し部屋に来たあとには2階層に行く予定だったが、それは後回しにしてスライム狩りマラソンをして黒い小石を集める事にした。

ーーー

 スライム狩りを続けていると、小腹が空いた。

 時間を確認すると、もう20時を過ぎていた。
 ドロップした黒い小石がどのくらいの数集まったのか知っておきたい。

 けど一つ一つ数えるには数が多過ぎるので、供物の杯に乗せてみて鑑定しよう。
 元々持っていた黒い小石を差し引けば、どのくらい黒い小石がドロップしたか分かる。

 供物の杯がある部屋まで戻るか。

 勿論、道中のスライムもちゃんと倒して行く。

ーーー

 マジックポーチから供物の杯にマジックポーチから黒い小石を出そうとしたが、何故か既に杯の中には黒い小石が入っていた。

 取り忘れか? 鑑定をしてみる。

【名前:供物の杯
 条件:500/10000
 効果:扉の開閉  】

 500もあるのか。流石にこの量を取り忘れるとは思えない。

 あと考えられるとすれば、それはヒントだ。

 このギミックは鑑定系のスキルが無くても大丈夫な様に、分かりやすく杯の中に黒い小石が入れてあった。

 それを俺が全て取って去ってしまったので、ヒントが無くなりダンジョン側がヒントを補充したって所だろう。

 これは地道にスライムのドロップアイテムを集めるよりも、供物の杯が黒い小石を補充するのを待って回収した方が効率が良いと思う。

 上限が2000だと、黒い小石が2000になる前に回収しないとな。

 やっていこうか。まずは早速500個を回収する。

 ご飯もテントに一々戻らずにこの部屋で食べてしまおう。

 どうやらこの部屋には、スライムがリポップしてないようなので、安心して寛げる。



 

 



 
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

『希望の実』拾い食いから始まる逆転ダンジョン生活!(改訂版)

IXA
ファンタジー
凡そ三十年前、この世界は一変した。 世界各地に次々と現れた天を突く蒼の塔、それとほぼ同時期に発見されたのが、『ダンジョン』と呼ばれる奇妙な空間だ。 不気味で異質、しかしながらダンジョン内で手に入る資源は欲望を刺激し、ダンジョン内で戦い続ける『探索者』と呼ばれる職業すら生まれた。そしていつしか人類は拒否感を拭いきれずも、ダンジョンに依存する生活へ移行していく。 そんなある日、ちっぽけな少女が探索者協会の扉を叩いた。 諸事情により金欠な彼女が探索者となった時、世界の流れは大きく変わっていくこととなる…… 人との出会い、無数に折り重なる悪意、そして隠された真実と絶望。 夢見る少女の戦いの果て、ちっぽけな彼女は一体何を選ぶ? 絶望に、立ち向かえ。

異世界でも男装標準装備~性別迷子とか普通だけど~

結城 朱煉
ファンタジー
日常から男装している木原祐樹(25歳)は 気が付くと真っ白い空間にいた 自称神という男性によると 部下によるミスが原因だった 元の世界に戻れないので 異世界に行って生きる事を決めました! 異世界に行って、自由気ままに、生きていきます ~☆~☆~☆~☆~☆ 誤字脱字など、気を付けていますが、ありましたら教えて頂けると助かります! また、感想を頂けると大喜びします 気が向いたら書き込んでやって下さい ~☆~☆~☆~☆~☆ カクヨム・小説家になろうでも公開しています もしもシリーズ作りました<異世界でも男装標準装備~もしもシリーズ~> もし、よろしければ読んであげて下さい

劣等生のハイランカー

双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ダンジョンが当たり前に存在する世界で、貧乏学生である【海斗】は一攫千金を夢見て探索者の仮免許がもらえる周王学園への入学を目指す! 無事内定をもらえたのも束の間。案内されたクラスはどいつもこいつも金欲しさで集まった探索者不適合者たち。通称【Fクラス】。 カーストの最下位を指し示すと同時、そこは生徒からサンドバッグ扱いをされる掃き溜めのようなクラスだった。 唯一生き残れる道は【才能】の覚醒のみ。 学園側に【将来性】を示せねば、一方的に搾取される未来が待ち受けていた。 クラスメイトは全員ライバル! 卒業するまで、一瞬たりとも油断できない生活の幕開けである! そんな中【海斗】の覚醒した【才能】はダンジョンの中でしか発現せず、ダンジョンの外に出れば一般人になり変わる超絶ピーキーな代物だった。 それでも【海斗】は大金を得るためダンジョンに潜り続ける。 難病で眠り続ける、余命いくばくかの妹の命を救うために。 かくして、人知れず大量のTP(トレジャーポイント)を荒稼ぎする【海斗】の前に不審に思った人物が現れる。 「おかしいですね、一学期でこの成績。学年主席の私よりも高ポイント。この人は一体誰でしょうか?」 学年主席であり【氷姫】の二つ名を冠する御堂凛華から注目を浴びる。 「おいおいおい、このポイントを叩き出した【MNO】って一体誰だ? プロでもここまで出せるやつはいねーぞ?」 時を同じくゲームセンターでハイスコアを叩き出した生徒が現れた。 制服から察するに、近隣の周王学園生であることは割ている。 そんな噂は瞬く間に【学園にヤバい奴がいる】と掲示板に載せられ存在しない生徒【ゴースト】の噂が囁かれた。 (各20話編成) 1章:ダンジョン学園【完結】 2章:ダンジョンチルドレン【完結】 3章:大罪の権能【完結】 4章:暴食の力【完結】 5章:暗躍する嫉妬【完結】 6章:奇妙な共闘【完結】 7章:最弱種族の下剋上【完結】

現代ダンジョンで成り上がり!

カメ
ファンタジー
現代ダンジョンで成り上がる! 現代の世界に大きな地震が全世界同時に起こると共に、全世界にダンジョンが現れた。 舞台はその後の世界。ダンジョンの出現とともに、ステータスが見れる様になり、多くの能力、スキルを持つ人たちが現れる。その人達は冒険者と呼ばれる様になり、ダンジョンから得られる貴重な資源のおかげで稼ぎが多い冒険者は、多くの人から憧れる職業となった。 四ノ宮翔には、いいスキルもステータスもない。ましてや呪いをその身に受ける、呪われた子の称号を持つ存在だ。そんな彼がこの世界でどう生き、成り上がるのか、その冒険が今始まる。

ゴミスキルでもたくさん集めればチートになるのかもしれない

兎屋亀吉
ファンタジー
底辺冒険者クロードは転生者である。しかしチートはなにひとつ持たない。だが救いがないわけじゃなかった。その世界にはスキルと呼ばれる力を後天的に手に入れる手段があったのだ。迷宮の宝箱から出るスキルオーブ。それがあればスキル無双できると知ったクロードはチートスキルを手に入れるために、今日も薬草を摘むのであった。

異世界帰りの英雄は理不尽な現代でそこそこ無双する〜やりすぎはいかんよ、やりすぎは〜

mitsuzoエンターテインメンツ
ファンタジー
<初投稿4日目からは『お昼12:00頃』の毎日配信となります> 「異世界から元の世界に戻るとレベルはリセットされる」⋯⋯そう女神に告げられるも「それでも元の世界で自分の人生を取り戻したい」と言って一から出直すつもりで元の世界に戻った結城タケル。  死ぬ前の時間軸——5年前の高校2年生の、あの事故現場に戻ったタケル。そこはダンジョンのある現代。タケルはダンジョン探索者《シーカー》になるべくダンジョン養成講座を受け、初心者養成ダンジョンに入る。  レベル1ではスライム1匹にさえ苦戦するという貧弱さであるにも関わらず、最悪なことに2匹のゴブリンに遭遇するタケル。  絶望の中、タケルは「どうにかしなければ⋯⋯」と必死の中、ステータスをおもむろに開く。それはただの悪あがきのようなものだったが、 「え?、何だ⋯⋯これ?」  これは、異世界に転移し魔王を倒した勇者が、ダンジョンのある現代に戻っていろいろとやらかしていく物語である。

黄金蒐覇のグリード 〜力と財貨を欲しても、理性と対価は忘れずに〜

黒城白爵
ファンタジー
 とある異世界を救い、元の世界へと帰還した玄鐘理音は、その後の人生を平凡に送った末に病でこの世を去った。  死後、不可思議な空間にいた謎の神性存在から、異世界を救った報酬として全盛期の肉体と変質したかつての力である〈強欲〉を受け取り、以前とは別の異世界にて第二の人生をはじめる。  自由気儘に人を救い、スキルやアイテムを集め、敵を滅する日々は、リオンの空虚だった心を満たしていく。  黄金と力を蒐集し目指すは世界最高ランクの冒険者。  使命も宿命も無き救世の勇者は、今日も欲望と理性を秤にかけて我が道を往く。 ※ 更新予定日は【月曜日】と【金曜日】です。 ※第301話から更新時間を朝5時からに変更します。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

処理中です...