上 下
34 / 39
冒険者シエンの日常

俺の名は(サブキャラ視点)

しおりを挟む

皆様お久しぶりでございますっ!!
本編は完結済みですが、また番外編を更新したいと思います!!

是非是非、お付き合いくださいませ。

注:恋愛要素少なめでお送りします

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

***
とある冒険者side


俺は、しがない冒険者のドヤガー=オーだ。いや、変な言い方はよそう…。俺は優秀な冒険者だ。

俺には才能がある。

冒険者であった父と母に憧れ、幼少の頃から凄腕の冒険者になるために、日々研鑽を積んできた。

おかげで、中の上…いや、上の中あたり凡人では不可能なAランクまで辿り着いた。

Aランクだぞ?一国の冒険者ギルドでも、5人…地方では殆どいないとされるAランク。

確かにAパーティは複数存在するが、個人のAランクはそれほどいない。

俺が今いるギルドでも、個人のAランクは俺含めて3人。まぁ、比較的多い方だ。

が、たったの3人だともいえるんだぞ?
そのたったの3人の中に俺様がいるんだからな!

毎日のように、新人冒険者達に声をかけたり、サポートしたりしている。

全部俺の名声の為。

そして、依頼達成度だったり、他のAランクと違って俺はまぁ、優秀だから、ギルドに懇意にされてると思ってる。

俺って最強、素晴らしい。

俺には常に視線が付き纏う。

街を歩けば、女の視線の、
ギルドに入れば、冒険者の、

あつぅーい視線が(自意識過剰)

ま、身嗜みにも気を付けてるし、何せ俺ってかっこいいから

新人の冒険者達やそこそこのランクの冒険者達は、Aランクである俺を憧れの目と嫉妬の目で眺めてくる。

実に爽快で気分がいい。

もうこれは俺がTOPで最強だと言っても過言ではない。

あ?Sランク以上?あれはもう滅多にいないし、俺みたことねーし。

絶滅危惧種だよ。
なんなら、俺がSランク…いや、SSSランクになってやってもいい。

何せ俺様だからな


カランカランッ


いつものように、冒険者ギルドの扉を開ける。


ほら、俺に視線が集まった。

口元がにやけていたら、それこそかっこ悪い。

受付まで歩を進める。


「おい、アレって…」
「Aランクの『霧雨』だ…」
「え、あのひとが?」

「え、めっちゃイケめんおらん?」
「…っばか!」
「…となんで叩くのよ!」
「ほら、依頼いくよ!」
「え、っちょ、置いてかないで!?」

「アレか噂のー?」
「そそ」


俺は耳がいいからな。
そんなに褒めないでくれ。


「こんにちは、ドヤガーさん。どうされましたか?」

この受付嬢は絶対俺に気がある。
俺に笑いかけてくれるしな。

「あぁ、今日は何かいい依頼がないかな、と思ってな」

良い依頼というのは、まぁ、緊急案件のモノとかだ。

「今のところはないですよ」
「そうか、なら今日も通常依頼をするよ」
「かしこまりました」
「じゃ、行ってくるよ。今日終わったら、俺と…」
「お断りします。いってらっしゃいませ」

ふっ…きっと恥ずかしがってるんだな。
また、2人の時に誘うか。

踵を返し、依頼ボードへと向かう。

その途中、前にアドバイスした冒険者達。

「よぉ」
「「!!…あ、ドヤガーさん」」
「元気にやってるか?」
「はい。」
「この前はありがとうございました!」
「ありがとうございました!」
「いいってことよ、また何かあった時言ってくれ」
「「ありがとうございます!」」
「今から冒険か?」
「あ、はい!今日は討伐依頼をしようかと!」
「そうか、頑張れよ」
「「はい!」」

みてみろ、この俺を見る尊敬の眼差し。
俺が助けた人は、きっと俺を目指して冒険者をしてるんだな。そうにちがいない。


依頼ボードの前にフードを被ったチビがいるのを見つける。

初心者か?

なら、声かけてあげねーとな。
なんなら手助けしてやっても良い。

「よぉ。」

声と同時にぽんっと肩に手を置く。
華奢だな。こいつ本当に冒険者か?

フードの子は、ゆっくりと振り向いた。

「っ!?」

「…どうされました?」


目があった気がした。
殺気という剣呑な目が見えた気がした。
俺よりも圧倒的な強者であると本能が言った気がした。
そう、

だが、それは俺の気のせいだ。

こんなチビに、そんなこと思うわけねぇ。
現に、目の前にいるチビは、どこからどうみても普通のだ。

やけに整った顔をしてやがる。


「あ、いや…なんでもねぇ。…坊ちゃん、依頼か?」
「はい。今どれにしようか悩んでいるところです。」

依頼ボードに目を向ける。

チビが見ているのは、どこからどうみても、Aランク以上の高ランク依頼のあるほうだった。


文字が読めねぇのか?
どこからどう見ても初心者だしな…。


しゃーない、手伝ってやるか…





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
れいあおです!
いつのまにか名前変わってますが、気にしないでください!

お久しぶりですねっ!!
何せ、作者が、暫くの間、読み専にいました。

はい!ファンタジーです!
ファンタジーですよ!
またここから暫く更新していきたいと思いますので、お付き合いいただければ、感動で泣きます!

シエン冒険者物語
シエン無双ここに解禁です!


*ドヤガー=オーはちょっぴり自意識過剰な、自信家な、尊敬はされてるけど、自分に酔ってて痛い子だと認識されている、良い子です。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

不倫をしている私ですが、妻を愛しています。

ふまさ
恋愛
「──それをあなたが言うの?」

記憶を失くした悪役令嬢~私に婚約者なんておりましたでしょうか~

Blue
恋愛
マッツォレーラ侯爵の娘、エレオノーラ・マッツォレーラは、第一王子の婚約者。しかし、その婚約者を奪った男爵令嬢を助けようとして今正に、階段から二人まとめて落ちようとしていた。 走馬灯のように、第一王子との思い出を思い出す彼女は、強い衝撃と共に意識を失ったのだった。

公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-

猫まんじゅう
恋愛
 そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。  無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。  筈だったのです······が? ◆◇◆  「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」  拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?  「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」  溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない? ◆◇◆ 安心保障のR15設定。 描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。 ゆるゆる設定のコメディ要素あり。 つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。 ※妊娠に関する内容を含みます。 【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】 こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)

【完結】愛していないと王子が言った

miniko
恋愛
王子の婚約者であるリリアナは、大好きな彼が「リリアナの事など愛していない」と言っているのを、偶然立ち聞きしてしまう。 「こんな気持ちになるならば、恋など知りたくはなかったのに・・・」 ショックを受けたリリアナは、王子と距離を置こうとするのだが、なかなか上手くいかず・・・。 ※合わない場合はそっ閉じお願いします。 ※感想欄、ネタバレ有りの振り分けをしていないので、本編未読の方は自己責任で閲覧お願いします。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

もう終わってますわ

こもろう
恋愛
聖女ローラとばかり親しく付き合うの婚約者メルヴィン王子。 爪弾きにされた令嬢エメラインは覚悟を決めて立ち上がる。

冤罪から逃れるために全てを捨てた。

四折 柊
恋愛
王太子の婚約者だったオリビアは冤罪をかけられ捕縛されそうになり全てを捨てて家族と逃げた。そして以前留学していた国の恩師を頼り、新しい名前と身分を手に入れ幸せに過ごす。1年が過ぎ今が幸せだからこそ思い出してしまう。捨ててきた国や自分を陥れた人達が今どうしているのかを。(視点が何度も変わります)

寡黙な貴方は今も彼女を想う

MOMO-tank
恋愛
婚約者以外の女性に夢中になり、婚約者を蔑ろにしたうえ婚約破棄した。 ーーそんな過去を持つ私の旦那様は、今もなお後悔し続け、元婚約者を想っている。 シドニーは王宮で側妃付きの侍女として働く18歳の子爵令嬢。見た目が色っぽいシドニーは文官にしつこくされているところを眼光鋭い年上の騎士に助けられる。その男性とは辺境で騎士として12年、数々の武勲をあげ一代限りの男爵位を授かったクライブ・ノックスだった。二人はこの時を境に会えば挨拶を交わすようになり、いつしか婚約話が持ち上がり結婚する。 言葉少ないながらも彼の優しさに幸せを感じていたある日、クライブの元婚約者で現在は未亡人となった美しく儚げなステラ・コンウォール前伯爵夫人と夜会で再会する。 ※設定はゆるいです。 ※溺愛タグ追加しました。

処理中です...