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5,元パーティメンバーは後悔し始めます。本当によろしいのでしょうか。
しおりを挟む続きですね。修正しました。
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「ねぇー、アキーどれにするー?」
アリスが聞いてくる。今、俺達はギルド内の依頼掲示板の前にいる。そこにはランク別で、依頼書が置いてあるのだ。パーティランクはひとつ上まで受けれるが、個人ランクだとそのランクまでしか受けれない。
つまり俺達のパーティランクはSランクだから、SSランクまで受けれるって言うことだ。
「このSランクのワイバーン討伐とかいいんじゃない?」
「お、いいな。この前もやったし、いいだろう。金額もいいしな!」
シエンがいた時に5回くらい行った。このワイバーン討伐はすごく金額がいい。金貨5枚に上乗せあり。この上乗せというのは、素材が良かったり、取ってきてすぐだったりした場合もらえる。このおかげで、この前は金貨40枚もらった。
しかも、だ。今回はあの役立たずのシエンがいないんだ。報酬はもっと上を行くだろう。シエンがいなくなってから人生が良い方へと進んでいっている気がする。
依頼書を受付に持っていく。
「これ、お願いしまぁーす!」
「はい。承りまし…あの…」
「ん?どうした?」
「これはSランク依頼です。」
「知ってるぞ?」
「いえ、だから、Sランク依頼なのであなた達は受けることができません。」
「何を言っているんだ?前だって受けただろ!?俺達のパーティは、Sランクだ!」
「…(この人達は何を仰っているのでしょう)」
「おい、聞いてんのか?…はぁ、いいか?パーティランクだとひとつ上のまで受けれるんだ。つまり俺達はSSランクまで受けれるって言うことだ。この依頼はSランクだぞ?」
「…私はギルド職員です。そのくらい知っております。」
「じゃあさっさと受け付けろ!俺らは忙しいんだ!」
「…少々お待ちください。確認して参ります。」
「ちっ!はやくしろ!」
ギルド職員は席を立ち奥に向かっていった。
奥から人が来る。
「おいおい、『紅龍』。お前ら、ギルド内のルールも知らねえのか?それとも忘れちまったのか?」
ギルマスだった。
「どういう意味だ!?」
「…おいまじか、本当に知らないのか?」
「だからなんの話だと聴いているっ!」
「はぁ…、いいか?よく聞けよ?おい、そこら辺で飲んでる奴らも一緒に聞いとけっ!もしかしたら知らねぇかもしれねぇからな!」
「「「うぅーい!!」」」
「…ランクは知ってるな?EランクからSSSランクまである。パーティランクもそれと同様だ。そして、依頼の受けれるランクも、さっきお前らが言った通りだ。ここまではいいな?」
「「ああ。(ええ。)」」
「そして、重要なのがここからだ。誰かがパーティを抜けたとき、又は入ってきた時はパーティランクは変化するんだ。…言いたいことは分かるか?」
「…つまり、シエンが抜けたから俺達のパーティランクが変わるという事だな?」
「ああ、そうだ。」
「やったぞ!アリス!ユキ!」
「うん!良かったね!」
「やっとランクが上がりますのね!素敵ですわ!」
「…お前らは何を言ってるんだ?上がる?なわけないだろ。」
「え?」
「下がるんだよ。なにせ、シエンがいなくなったからな。」
「?…ギルマスこそ何言ってるんだ?シエンが抜けたんだぞ?上がるだろ。」
「…はぁ…ほんとにお前らは何も知らないんだな。いいか?シエンはこの国唯一のSSSランカーだ。そのシエンが抜けた今、お前らのランクはかなり下がる。たしか…Cランクだったな。」
「は?待てよ!Cランク!?俺らはSランクだったんだぞ!?」
「人の話はちゃんと聞けよ。シエンがSSSランカーだったおかげで、お前らはSランクでいられたんだ。そのシエンが居なくなったんだ。お前らの個人ランクに見合ったパーティランクになるに決まってる。」
「シエンが!?あの役立たずのシエンだぞ!?SSSランカーなわけないじゃないか!」
「シエンが役立たずかどうかはしらんが、冒険者としても、剣士としても魔術師としても優秀であることには変わりない。だからこその国が認める唯一のSSSランクだしな。…聞いたことくらいあるだろ?真の顔を見たものはいない、なぜか倒されたもの達は光となって消える、とかいう噂をもつ、SSSランクのトップと言っても過言ではない『幻光』の名を。」
「幻光!?え!?あの!?有名な!?」
「シエンが、そんなっ…!?おい!ギルマスでも嘘ついたらゆるさねぇーぞ!?」
「嘘つくわけないだろ。ここにいる全員知っていることだ。」
「っ!?」
「(そんなことも知らないとは…)…それに比べて、お前はなんだ?才能も確かにあるかもしれないが、お前はこの5年近くBランクから上がってないぞ?それと、幼なじみなんだろ?、今まで1番多く隣にいたお前が、なんでシエンのことを知らない?そもそも何故追放したんだ?」
「っ!?Bランクなのは!全部あいつのせいだ!俺は悪くないっ!シエンは、シエンはっ!いつも俺の邪魔をする!俺の大事なアリスとユキに色目を使ったんだっ!」
「いや、ランクにシエンは関係ないだろ。邪魔をする?色目?お前こそ何言ってるんだ?シエンが、色目使うわけないだろ。女だぞ?」
「「「は…?(え…?)女…?」」」
「ん?おい。もしかしてそこからか?まて、アキ。お前らは幼なじみじゃなかったのか?もしかして性別も知らないとか言い出すんじゃないだろうな?」
「え?…え?」
「おいおい。マジかよ笑シエンさんの性別も知らないとか笑ランクも異名も知らない。あいつらは何を知ってたんだろうな?」
「名前?」
「あんなに可愛くて美人さんなのにな。」
「いや、知らなかったから追放したんだろ?」
「女をはべらせて!」
「これは、シエンさんが女って知られてたら…」
「女好きのアレに襲われてたな!」
「「うわ、こわぁーい」」
「シエンさん、変装してるって聞いたよ?」
「え?いつ?」
「この前、話したんだぁー」
「うわ、ずるぅーい!うちも呼んでくれたら良かったのに!」
「へっへー!でねでね!アレの前と普段と2回変装していて、3つの姿をもってるっていってたの!」
「え、マジ!?え?じゃー、うちらの前でも、変装してるってことなん!?」
「多分ねー」
「「…本当の姿見てみたいなぁー」」
「おい、『幻光』なんだから、正体知ってるものはいないという噂だぞ?」
「『幻光』。いいなぁー。私も異名つけられてみたぁい!」
「あんたには無理よ。」
「いや、いつかはきっと…?」
「「無理。」」
「ひどい!」
「あー、外野ども、うるせー。」
「「「うわー、ギルマスひどーい」」」
「だまれ。」
「「「………」」」
「よし。…『紅龍』。納得出来たか?」
「「「………。」」」
「(納得してないようだな。)まぁいい。で?どうするんだ?依頼受けるのか?」
「……ぃ。」
「あ?」
「今日はもういいと言ったんだっ!行くぞ!アリス!ユキ!」
「「は、はい!(はい。)」」
Cランク『紅龍』パーティは、ギルドから出ていった。
「明日来てくれねぇーと困るんだが。」
「ああ。賭けか。」
『紅龍』が、ギルドに戻ってくるのはこれから、30分後。ワイバーン討伐に行っていたらしい。だが、彼らの姿はどっからどう見ても、負けたとしか思えない。
そう。惨敗だったのだ。
*
ー『紅龍』ワイバーン惨敗からの帰り道
「「「………」」」
誰一人として声を発しない。
新品同様なアリスのローブは無残に破け、杖はただの木の棒となっていた。ユキの街中の娘風ドレスは所々が破けてしまい肌が見えている。一見見ると娼婦と間違われてもおかしくはない。アキの鎧は傷が入り、あちこちへこんでいる。剣も鉄の塊になっていた。
惨敗だ。
アキside
負けた。おかしい。これはおかしい。
この前はあんなに簡単に倒せたのに。
何故だ。なんでなんだ?
あいつか?シエンのせいなのか?
そうか。また、シエンが邪魔したんだな!?ああ、まだあいつは俺の邪魔をするのか!?もういい加減にしてくれ。お前は死んだんだろ!?俺に恨みでもあるのか!?あいつが、いるから悪いんだ。もしかして…まだ生きてるんじゃないのか?そうだ!きっとそうだ!まだ、生きてるから俺に、俺達に害があるんだ!あいつを…一刻も早くあいつを殺さないと…。
アリスside
もう!信じらんない!なんなのあれ!?ワイバーンってあんなに強かったっけ?おかげで、つい最近アキにおねだりして買ってもらったローブと杖が使い物にならなくなってしまったじゃない!…まぁまた買ってもらえばいいかぁ。あー、今回の報酬はゼロかぁ。あれ?アキ賭けしてなかったっけ?シエン死んでくれると私たちに利があっていいのに…。それにしても…シエンは女の子だったのかぁ。…もっといじめてやれば良かった。社会的にも死んでくれたら嬉しいのに。
ユキside
もう!お気に入りのドレスが着られなくなってしまいましたわ!最新作でしたのに!どれだけお金がかかったと思ってますの!金貨10枚はくだらないのですよ!もっと身を粉にして私を守ってくださいまし!…シエンがいた時の方がまだマシですわ…あの方は私を守ってくださいましたし…。女の子でしたのね。もっとお話したかったわ…。
*
街へと戻ってきた『紅龍』。彼らは取り敢えずと、ギルドへ向かった。
ガチャ
「お、おお!?どうしたんだ?こんなカッコで」
話しかけてきたのは、あの賭けを持ちかけた男だった。
「ワイバーン討伐に行ってた。」
「その格好は…」
「しくった。」
「成果は聞いた方がいいか?」
「いや、辞めてくれ。」
「…そうか。今日はもう休めよ。」
「ああ。そうする。…優しいんだな。」
「フッ…一応これでも先輩だからな。」
「…ありがとう。初めの態度は謝ってやる。」
「お前はどこでも上から目線だな。…賭けの結果は明日知らせる。念の為金を持ってきといてくれよ。」
「……。」
『紅龍』はギルドを出て、宿へと向かう。
彼らが、ギルドを出たのを確認して、動き出す影…。
その影は、『紅龍』にむかって、歩き出した。
「…おや?あなた方は『紅龍』パーティではありませんか?」
声を掛けられる。
「誰だ?」
「ああ、申し遅れました。私は、(元)クラウン王国第二王子の執事をしております、ミラバと申します。以後お見知り置きを。」
確かに格好は執事のようだった。
「…第二王子様の執事が何の用だ。」
「(元)第二王子であらせられる、我が主クローツ様があなたがたのことを気にしていらしたので…。」
第二王子が…?もしかして…俺を貴族に…!?貴族になれば、好きに遊べる!シエンともおさらばだ!取り敢えず、落ち着いて話を聞かなければ…。
「何故第二王子様なんかが俺らのことを?」
「主の考えは私にもわかりかねます。…もし宜しければ、お食事でもいかがでしょうか?…お話が会うかもしれませんし…。いかがでしょう?」
食事…。王族の料理興味あるな…。腹一杯食べれるかもしれない…。
「…食事くらいなら…いいよな?アリス、ユキ」
「お任せ致しますわ」
「いいと思う!」
「では、ご案内致します。」
歩き出すミラバの後ろをついて行く。
何故か王城と反対方向に向かっていることに疑問を持ちながら…。
まぁ、関係ないかと思い直して。
これが破滅の1歩だと知らずに…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
レイです。後悔しませんでしたね。ユキだけは若干してましたが…。
シエンの異名『幻光』でした。数話前から布石うってたの気づきました??
次は『6,王城に呼ばれます。本当によろしいのでしょうか。』ですね。
書き終わり次第投稿します。頑張ります。
よろしくお願いします。
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