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第十一章〜王子は誇りを胸へ〜
16.天は遠く
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折角ファルクラムに来たのだから、母校と恩師に顔見せしたい、という単純な理由もあり俺は第二学園に来ていた。
何気に賢神になってから来るのは初めてだ。
「随分と久しぶりだな。賢者の塔へ行って以来か。」
歩きながら、振り返らずにアルドール先生はそう言った。
「君が来た目的は学園長に会うためだろう。そこまで送ろう。」
簡潔に、そして無感情にそう付け足す。
アルドール先生も喜んだり悲しんだり、怒ったりはするが珍しい。必要がない時は感情を完全に押し殺せるからだ。きっと貴族として培われた能力なのだろう。
先生は人に厳しいが、それは自分にそれ以上厳しいからである。というかそうでなくては、どれだけ才能があっても冠位と貴族としての活動は両立できない。
「いや、もちろん学園長にも用はあるんですけど、アルドール先生にも用があるんです。」
俺の言葉に反応してか、先生は足を止める。そして振り返って、俺の顔をよく見た。
別にそう言われているわけじゃないのに、まるで試されているかのような、そんな錯覚を俺は覚えた。
「……なるほど、遂に冠位を獲りに行くのか。」
どうやら俺の考えは見透かされていたらしい。
冠位になるには冠位の内から三人以上の推薦が必要である。俺が目星をつけているのもちょうど三人。
賢神第一席であるレイ、『悠久の魔女』であるオーディン、そしてアルドール先生の三人だ。これに断られてしまえば、大分面倒になるに違いないだろう。
「三つの推薦状と一つの研究成果、そして賢神としての実績。それを以て、やっと冠位の入口に立てる。その覚悟は顔つきを見るに十分そうだな。」
「ええ、もちろん。」
「であれば、私は君に教鞭をとった身だ。その実力と気概は知っている。推薦状を書くのはやぶさかでない。」
俺がその言葉に喜び、思わずガッツポーズをしそうになるタイミングで、「ただし」とアルドール先生は加えて言った。
「私に推薦状を書かせたいのならば、学園長の推薦状を手に入れるのが先だ。今の私は学園長の下で働く一教師にすぎない。学園長を差し置いて推薦状は書くのは不義理な行いだ。わかるかね?」
まあ、言いたい事は分かった。確かに先生の言うとおりである。それぐらい融通を利かせてくれよと思わなくはないが、そういう人であるのは俺も知っている。
何より、元々学園長には会いに行くつもりだった。どちらにせよ、という話だ。
むしろこれでも譲歩してくれた方だろう。俺が生徒でなかったのなら、本当に冠位として十分か否かを見極めるために課題を出していたに違いない。
「わかってくれたのなら結構、他に何か質問や頼み事はあるか?」
「頼み事はもうありませんが、質問ならまだ一つ。」
自分で言うのも何だが、俺は日々成長している。スキルだって、天界の一件で手に入れた。俺の力は、きっと学園にいた時とは比にならないぐらいだろう。
だが別に俺がなりたいのは最強でも何でもない。そりゃあ、負けたら悔しいが、それは俺個人の感情であって夢とは少し異なる。
だから俺に必要なのは、人を救うに十分な力を俺が持っているかどうか。具体的に言うならそれは――
「俺は、親父に届きましたか?」
最初にして最大、最後の壁。ずっと雲を掴むような気分であった憧憬に、俺は確かに手が掠った感覚を覚えていた。
賢神第三席にして冠位魔導神秘科《ロード・オブ・ミステリー》、『天覇』ラウロ・ウァクラートに俺が追いつく事ができたのか。それは生前の親父を知るアルドール先生でなくては分からない。
「君が、ラウロにか……難しい話だ。」
かなり無茶な質問だ。だって俺がどれくらい強くなったのかアルドール先生は知らないし、親父が死んでから期間もかなり空く。記憶が怪しい部分もあるだろう。
それでもアルドール先生は真剣に考えてくれた。
「ラウロは若くして第三席に選ばれた。それは疑う余地もなく、圧倒的にラウロが強かったからだ。古株の『術式王』ハデス、同世代最強とも言われた『スプラッタ』ヴィリデニア、それらと比べてもラウロの方が強かった。当然、私よりもだ。」
ヴィリデニアの魔法は見た事がない。しかしハデスが魔法なら、グラデリメロスにガレウが襲われたあの夜に見た事があった。
もはや芸術品とまで言えるほどの完璧な魔力の動かし方と魔法の展開。無論、まだ他にも手札はあるだろうが、それだけでも現在の第三席に位置しているのが納得の魔法使いだ。
その魔法使いよりも、親父は強かったらしい。
「君の成長度合いは分からない。魔法使いの腕という純粋な点で言うのなら、届いた可能性も大いにある。しかし、君の言う届くという言葉がもし、強さという点で見ているのならば――」
その先の言葉は、言われなくても分かった。驚く事はなかった。予想できた事だ。ただ、悔しいというだけの話で。
「――君は決してラウロには及ばない。」
先生は決して、個人の感情で何かを決めつける事はしない。断言をする時とは、それ即ち、違いなくそれが明らかである時に限定される。
不服を申し立てようと一瞬は思ったが、それを思い出してやめた。俺の実力をどれだけ高く見積もっても、親父には勝てないと先生は言ったのだ。ぐちぐち言うのは格好良くない。
「しかし落ち込むな。君は魔法の腕という一点であれば、ラウロに迫る所まで来ている。魔力量も合わせればそこに大差はない。君に足りないのは、魔法の幅だ。」
「幅、ですか?」
「もっと頭を柔らかくすると良い。魔法とは元来、自由なものだ。」
そう言って再び先生は歩き始めた。俺は釈然としないながらも、それについていく。
幅とは何だろう。幅広く魔法を覚えるという意味ではもうやっている。勿論、得意不得意もあるが回復魔法や封印魔法のような専門性が必要なものを除いて一通り使えるという自負もある。
しかしそんな浅い言葉ではないだろう。強力な魔法が足りないという事だろうか。確かに切り札は多ければ多いほど良いだろうが、あまり多過ぎては使い分けが難しくなる。選択肢が多過ぎれば、逆に枷となる事もあるだろう。
幅、はば、ハバ。考えれば考えるほど分からなくなっていく。堂々巡りというやつだ。
唸っている内にアルドール先生は足を止めた。それにつられて俺も足を止める。
気付けば学園長の部屋の前まで来ていたようだ。
「……では、また会おう。君の成長を楽しみにしているよ。」
アルドール先生は別れを惜しむこともなく、その場を離れていった。扉の前に残ったのは俺だけである。
悩んでいても仕方がない。どうせ直ぐに解決する問題でないのは確かだ。
俺は考えるのを止めにして、その扉を叩いた。
何気に賢神になってから来るのは初めてだ。
「随分と久しぶりだな。賢者の塔へ行って以来か。」
歩きながら、振り返らずにアルドール先生はそう言った。
「君が来た目的は学園長に会うためだろう。そこまで送ろう。」
簡潔に、そして無感情にそう付け足す。
アルドール先生も喜んだり悲しんだり、怒ったりはするが珍しい。必要がない時は感情を完全に押し殺せるからだ。きっと貴族として培われた能力なのだろう。
先生は人に厳しいが、それは自分にそれ以上厳しいからである。というかそうでなくては、どれだけ才能があっても冠位と貴族としての活動は両立できない。
「いや、もちろん学園長にも用はあるんですけど、アルドール先生にも用があるんです。」
俺の言葉に反応してか、先生は足を止める。そして振り返って、俺の顔をよく見た。
別にそう言われているわけじゃないのに、まるで試されているかのような、そんな錯覚を俺は覚えた。
「……なるほど、遂に冠位を獲りに行くのか。」
どうやら俺の考えは見透かされていたらしい。
冠位になるには冠位の内から三人以上の推薦が必要である。俺が目星をつけているのもちょうど三人。
賢神第一席であるレイ、『悠久の魔女』であるオーディン、そしてアルドール先生の三人だ。これに断られてしまえば、大分面倒になるに違いないだろう。
「三つの推薦状と一つの研究成果、そして賢神としての実績。それを以て、やっと冠位の入口に立てる。その覚悟は顔つきを見るに十分そうだな。」
「ええ、もちろん。」
「であれば、私は君に教鞭をとった身だ。その実力と気概は知っている。推薦状を書くのはやぶさかでない。」
俺がその言葉に喜び、思わずガッツポーズをしそうになるタイミングで、「ただし」とアルドール先生は加えて言った。
「私に推薦状を書かせたいのならば、学園長の推薦状を手に入れるのが先だ。今の私は学園長の下で働く一教師にすぎない。学園長を差し置いて推薦状は書くのは不義理な行いだ。わかるかね?」
まあ、言いたい事は分かった。確かに先生の言うとおりである。それぐらい融通を利かせてくれよと思わなくはないが、そういう人であるのは俺も知っている。
何より、元々学園長には会いに行くつもりだった。どちらにせよ、という話だ。
むしろこれでも譲歩してくれた方だろう。俺が生徒でなかったのなら、本当に冠位として十分か否かを見極めるために課題を出していたに違いない。
「わかってくれたのなら結構、他に何か質問や頼み事はあるか?」
「頼み事はもうありませんが、質問ならまだ一つ。」
自分で言うのも何だが、俺は日々成長している。スキルだって、天界の一件で手に入れた。俺の力は、きっと学園にいた時とは比にならないぐらいだろう。
だが別に俺がなりたいのは最強でも何でもない。そりゃあ、負けたら悔しいが、それは俺個人の感情であって夢とは少し異なる。
だから俺に必要なのは、人を救うに十分な力を俺が持っているかどうか。具体的に言うならそれは――
「俺は、親父に届きましたか?」
最初にして最大、最後の壁。ずっと雲を掴むような気分であった憧憬に、俺は確かに手が掠った感覚を覚えていた。
賢神第三席にして冠位魔導神秘科《ロード・オブ・ミステリー》、『天覇』ラウロ・ウァクラートに俺が追いつく事ができたのか。それは生前の親父を知るアルドール先生でなくては分からない。
「君が、ラウロにか……難しい話だ。」
かなり無茶な質問だ。だって俺がどれくらい強くなったのかアルドール先生は知らないし、親父が死んでから期間もかなり空く。記憶が怪しい部分もあるだろう。
それでもアルドール先生は真剣に考えてくれた。
「ラウロは若くして第三席に選ばれた。それは疑う余地もなく、圧倒的にラウロが強かったからだ。古株の『術式王』ハデス、同世代最強とも言われた『スプラッタ』ヴィリデニア、それらと比べてもラウロの方が強かった。当然、私よりもだ。」
ヴィリデニアの魔法は見た事がない。しかしハデスが魔法なら、グラデリメロスにガレウが襲われたあの夜に見た事があった。
もはや芸術品とまで言えるほどの完璧な魔力の動かし方と魔法の展開。無論、まだ他にも手札はあるだろうが、それだけでも現在の第三席に位置しているのが納得の魔法使いだ。
その魔法使いよりも、親父は強かったらしい。
「君の成長度合いは分からない。魔法使いの腕という純粋な点で言うのなら、届いた可能性も大いにある。しかし、君の言う届くという言葉がもし、強さという点で見ているのならば――」
その先の言葉は、言われなくても分かった。驚く事はなかった。予想できた事だ。ただ、悔しいというだけの話で。
「――君は決してラウロには及ばない。」
先生は決して、個人の感情で何かを決めつける事はしない。断言をする時とは、それ即ち、違いなくそれが明らかである時に限定される。
不服を申し立てようと一瞬は思ったが、それを思い出してやめた。俺の実力をどれだけ高く見積もっても、親父には勝てないと先生は言ったのだ。ぐちぐち言うのは格好良くない。
「しかし落ち込むな。君は魔法の腕という一点であれば、ラウロに迫る所まで来ている。魔力量も合わせればそこに大差はない。君に足りないのは、魔法の幅だ。」
「幅、ですか?」
「もっと頭を柔らかくすると良い。魔法とは元来、自由なものだ。」
そう言って再び先生は歩き始めた。俺は釈然としないながらも、それについていく。
幅とは何だろう。幅広く魔法を覚えるという意味ではもうやっている。勿論、得意不得意もあるが回復魔法や封印魔法のような専門性が必要なものを除いて一通り使えるという自負もある。
しかしそんな浅い言葉ではないだろう。強力な魔法が足りないという事だろうか。確かに切り札は多ければ多いほど良いだろうが、あまり多過ぎては使い分けが難しくなる。選択肢が多過ぎれば、逆に枷となる事もあるだろう。
幅、はば、ハバ。考えれば考えるほど分からなくなっていく。堂々巡りというやつだ。
唸っている内にアルドール先生は足を止めた。それにつられて俺も足を止める。
気付けば学園長の部屋の前まで来ていたようだ。
「……では、また会おう。君の成長を楽しみにしているよ。」
アルドール先生は別れを惜しむこともなく、その場を離れていった。扉の前に残ったのは俺だけである。
悩んでいても仕方がない。どうせ直ぐに解決する問題でないのは確かだ。
俺は考えるのを止めにして、その扉を叩いた。
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