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Chapter Ⅱ:Vicious
No24.What do you think of me
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あの一件から二日が経過した。全員を無事に救う事ができ、平穏な日常を…送ってはいなかった。
俺はあの一件以来家から出ておらず、誰ともあっていない。何かやる気が無くなったからだ。
「…きっと疲労だ。すぐ治る。」
そう呟いて横になろうとすると、旋梨から電話が掛かったため、受話器を手に取った。
「もしもし。何?」
「生存確認。お前人を心配させてる自覚あるかぁ?」
「……正直無い。多少は頭をよぎったが、すぐに闇に消えた。」
すると向こう側から旋梨の軽い溜息が聞こえた。彼は俺の精神状態が良くない事を察しているのだろう。
「まぁ今すぐ来いとは言わない。ただ…お前の帰りを待っている人がいる事は忘れないで欲しい。またな歪。」
「…あぁ。」
すると電話は切れた。
俺は人間味が無くなる事を恐れている。欠点が少ない事は最大の欠点だと思う。華隆さんは何故あの常人離れした強さと親近感を兼ね備えられたのだろうか。今の俺にはその結論を導けない。
歪の生存確認兼伝達の電話が終わり、俺はある場所に向かっていた。
現在は放課後である。今日は真依が家の事情で忙しく、凛はそれに同行するらしいため、練習は無しにした。
なので少し俺にとって縁のある場所に訪れる事にした。いや、絶望の始まりとも言える場所だ。
「この辺りか…。」
俺はある路地裏に辿り着いた。ここは俺が捨てられていた場所だ。警察署も近いため、すぐに見つけてくれると思ったのだろう。
ここからしばらく歩いた所にある駅前の広場で路上ライブを目にして、バンドに憧れたというエピソードもある。
捨てられた事で一度は人間不信になったが、この出来事がなければあの“最高”の仲間とは出会えていなかったと考えると、人生捨てたものじゃないなと強く感じた。
そうして感傷に浸りながら周辺を彷徨いていると、気づけば十九時になっていた。
「やっば。本部の同居人は何も言ってこないからいいけど。」
親も帰る家もない俺はサイレンス所属のある家系が運営しているシェアハウスを出入りしている。
そこを住居としている人は皆その家系の人という事にされているが、真実は全く違う。
全員がサイレンスの構成員である事は知っているが、どこで何をしているかは知らない。なんなら遭遇したことの無い人だっている。自由奔放な集団だ。
とは言え一応急いで帰路に着いた。
私は今日も委員会で遅くなったので、走って帰っていた。あの時は本当に怖かった。知らない男性に何をされるか分からない、分かりたくない恐怖。
……でも、だからこそヒーローのように見えた。あの件以来、私は紫藤さんと目を合わせられない。
すると、角に着いた。トラウマになってしまって後退ると誰かにぶつかった。
「きゃっ!ご、ごめんなさい。」
「そりゃ怖いよね。」
振り向くと、そこには紫藤さんが居た。
「…え?い、いつから?」
「実は自宅そっち方面だから。何か誰も近づけたくないようなオーラ放ってたから声掛けるの躊躇ってた。」
そう言うと彼はポケットからピックを出した。
「やるよ。俺が一番最初に使ってた物。お守りにでもどう?」
「あ、ありがとう…ございます……。」
私はピックを受け取って、ポケットに入れた。紫藤さんの顔を見て会話出来ていない。元々消極的な私だけど、いつも以上に消極的になっている気がする。
「もしかして…俺の事嫌い?」
「違う!ただちょっと…あの……なんか…緊張しちゃって……。」
そう言うと、しばらく気まずい沈黙が続いて彼は小さく口を開いた。
「……嫌だったら言ってね。」
「ふぇ?」
すると、私は身体が軽くなって、紫藤さん……旋梨君と目が合った。
俺はあの一件以来家から出ておらず、誰ともあっていない。何かやる気が無くなったからだ。
「…きっと疲労だ。すぐ治る。」
そう呟いて横になろうとすると、旋梨から電話が掛かったため、受話器を手に取った。
「もしもし。何?」
「生存確認。お前人を心配させてる自覚あるかぁ?」
「……正直無い。多少は頭をよぎったが、すぐに闇に消えた。」
すると向こう側から旋梨の軽い溜息が聞こえた。彼は俺の精神状態が良くない事を察しているのだろう。
「まぁ今すぐ来いとは言わない。ただ…お前の帰りを待っている人がいる事は忘れないで欲しい。またな歪。」
「…あぁ。」
すると電話は切れた。
俺は人間味が無くなる事を恐れている。欠点が少ない事は最大の欠点だと思う。華隆さんは何故あの常人離れした強さと親近感を兼ね備えられたのだろうか。今の俺にはその結論を導けない。
歪の生存確認兼伝達の電話が終わり、俺はある場所に向かっていた。
現在は放課後である。今日は真依が家の事情で忙しく、凛はそれに同行するらしいため、練習は無しにした。
なので少し俺にとって縁のある場所に訪れる事にした。いや、絶望の始まりとも言える場所だ。
「この辺りか…。」
俺はある路地裏に辿り着いた。ここは俺が捨てられていた場所だ。警察署も近いため、すぐに見つけてくれると思ったのだろう。
ここからしばらく歩いた所にある駅前の広場で路上ライブを目にして、バンドに憧れたというエピソードもある。
捨てられた事で一度は人間不信になったが、この出来事がなければあの“最高”の仲間とは出会えていなかったと考えると、人生捨てたものじゃないなと強く感じた。
そうして感傷に浸りながら周辺を彷徨いていると、気づけば十九時になっていた。
「やっば。本部の同居人は何も言ってこないからいいけど。」
親も帰る家もない俺はサイレンス所属のある家系が運営しているシェアハウスを出入りしている。
そこを住居としている人は皆その家系の人という事にされているが、真実は全く違う。
全員がサイレンスの構成員である事は知っているが、どこで何をしているかは知らない。なんなら遭遇したことの無い人だっている。自由奔放な集団だ。
とは言え一応急いで帰路に着いた。
私は今日も委員会で遅くなったので、走って帰っていた。あの時は本当に怖かった。知らない男性に何をされるか分からない、分かりたくない恐怖。
……でも、だからこそヒーローのように見えた。あの件以来、私は紫藤さんと目を合わせられない。
すると、角に着いた。トラウマになってしまって後退ると誰かにぶつかった。
「きゃっ!ご、ごめんなさい。」
「そりゃ怖いよね。」
振り向くと、そこには紫藤さんが居た。
「…え?い、いつから?」
「実は自宅そっち方面だから。何か誰も近づけたくないようなオーラ放ってたから声掛けるの躊躇ってた。」
そう言うと彼はポケットからピックを出した。
「やるよ。俺が一番最初に使ってた物。お守りにでもどう?」
「あ、ありがとう…ございます……。」
私はピックを受け取って、ポケットに入れた。紫藤さんの顔を見て会話出来ていない。元々消極的な私だけど、いつも以上に消極的になっている気がする。
「もしかして…俺の事嫌い?」
「違う!ただちょっと…あの……なんか…緊張しちゃって……。」
そう言うと、しばらく気まずい沈黙が続いて彼は小さく口を開いた。
「……嫌だったら言ってね。」
「ふぇ?」
すると、私は身体が軽くなって、紫藤さん……旋梨君と目が合った。
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