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9章ー総力決戦編ー
209.背中を預けて
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仲間を呆気なく目の前で殺されて、過去の自分と今の自分を比べてバーグスにはふつふつと沸き上がる感情があった。
パングス「目つきが変わったな!最初からその気迫でやりゃあ今頃1対3だっただろうにな!」
バーグス「ちと緊張し過ぎてた。慢心も駄目、慎重になり過ぎるのも駄目。ならばどうするべきだ?……本能を曝け出す。そうしなければ、格上に一矢報いることすらできない。」
するとバーグスは脚にエネルギーを集中させて、パングスの頭上へ跳び上がった。
バーグス「仲間の仇は必ずとる!例えこの身を削ろうともな!」
勢いをつけたまま姿勢を変えて、パングスの顔面を力強く蹴った。
油断していたのか、パングスは守りもせずに蹴りをもろに入れられて、少し後ろへとよろめいた。
パングス「グファッ!……やってくれるな…ノリだけでここに来た訳じゃなさそうだ。」
バーグス「心の奥深くでは強さを履き違えていない。だからここまで生き延びれたんだ。…だが、保身はもう終わり。少しでもあの人の力になれるように…俺は背中を見せない!」
そのまま失速せずに脚にオーラを纏い、バーグスは追撃した。
バーグス「脚術:大戒転」
パングス「一撃入れて勝った気になられちゃあ困るな。魔拳:スチームパンチ」
高い威力を誇る両者の脚と拳がかちあい、煙を帯びた風圧が部屋全体に広がった。
ルゥリム「す…すごい…天使である私でも立っていられないなんて……。…感心してる場合じゃない。聖術:風唄」
吹き飛ばされないように足に力を込めつつも、魔法を放ち煙を晴らした。
バーグス「ルゥリム!」
ルゥリム「私の事は気にしないで!今、互角に打ち合えるのはバーグスさんしかいない!私は引き続き戦場を整えてサポートする!」
バーグス「…ああ頼んだぞ。」
目の前の敵に集中する為に、ルゥリムに背中を預けて視野をパングスへと狭めた。
一方その隣の部屋ではバシュノンとギガントに圧倒されて、じわじわと消耗するエサラ達がいた。
エサラ「…状況はよくありません。私達だけではとても……バロンさん援軍は…!」
バロン『状況が悪いのはここだけじゃない。劣勢なんだ……』
エサラ「あれが伝説の弓使いの力…いくらクローンとは言っても、あまりにも勝算が……」
バロン『無くはないだろう。』
エサラ「バロンさん…実力の差を分かって……!」
バロン『分かってるさ。…よく聞け。たった今、分析が終わったんだ。奴の腕前・技は劣化コピーとは思えない実力だ。素が強過ぎるからな。……ただ、奴には明らか脆弱性がある。』
エサラ「脆弱性……ですか?」
バロン『そうだ。……あの才能を再現するために、どれだけ負荷がかかると思っている。実力が本物でも所詮は模造品。耐久力もエネルギーもない。直接叩けばすぐ沈むさ。それができない理由は何だ?』
エサラ「…!ギガントの守り…」
バロン『行けそうな気がしただろ。…お前が諦めるな。一人で戦ってる訳じゃないんだ。』
そう言うと、隣で自己修復していたグラッシェが立ち上がってエサラに言った。
グラッシェ「人には誰しも役割がある。ゴツい装甲には…ゴツい攻撃をぶつけるんだよ!」
するとグラッシェはガントレットを起動して、勇猛果敢にギガントを攻めた。バシュノンは撃ち落とそうと弓を引いた。
しかし、倒れていたナセが起き上がってバリアを張り、矢の雨を防いでみせた。
ナセ「あの矢の雨掻い潜れるのエサラだけ。頼んだよ……」
エサラ「ナセさん…グラッシェさん……よろしくお願いします。少しの間、私の背中を預かっててください。」
グラッシェ「もちろんだ!」
エサラ「バロンさん…指揮をお願いします!」
バロン『了解。最小限のダメージであの猛攻を突破させてみせます。』
一心同体となった彼らは、脅威への反撃を開始した。
ラーシャル「嘘……だよね…?…お姉ちゃん……」
パングス「目つきが変わったな!最初からその気迫でやりゃあ今頃1対3だっただろうにな!」
バーグス「ちと緊張し過ぎてた。慢心も駄目、慎重になり過ぎるのも駄目。ならばどうするべきだ?……本能を曝け出す。そうしなければ、格上に一矢報いることすらできない。」
するとバーグスは脚にエネルギーを集中させて、パングスの頭上へ跳び上がった。
バーグス「仲間の仇は必ずとる!例えこの身を削ろうともな!」
勢いをつけたまま姿勢を変えて、パングスの顔面を力強く蹴った。
油断していたのか、パングスは守りもせずに蹴りをもろに入れられて、少し後ろへとよろめいた。
パングス「グファッ!……やってくれるな…ノリだけでここに来た訳じゃなさそうだ。」
バーグス「心の奥深くでは強さを履き違えていない。だからここまで生き延びれたんだ。…だが、保身はもう終わり。少しでもあの人の力になれるように…俺は背中を見せない!」
そのまま失速せずに脚にオーラを纏い、バーグスは追撃した。
バーグス「脚術:大戒転」
パングス「一撃入れて勝った気になられちゃあ困るな。魔拳:スチームパンチ」
高い威力を誇る両者の脚と拳がかちあい、煙を帯びた風圧が部屋全体に広がった。
ルゥリム「す…すごい…天使である私でも立っていられないなんて……。…感心してる場合じゃない。聖術:風唄」
吹き飛ばされないように足に力を込めつつも、魔法を放ち煙を晴らした。
バーグス「ルゥリム!」
ルゥリム「私の事は気にしないで!今、互角に打ち合えるのはバーグスさんしかいない!私は引き続き戦場を整えてサポートする!」
バーグス「…ああ頼んだぞ。」
目の前の敵に集中する為に、ルゥリムに背中を預けて視野をパングスへと狭めた。
一方その隣の部屋ではバシュノンとギガントに圧倒されて、じわじわと消耗するエサラ達がいた。
エサラ「…状況はよくありません。私達だけではとても……バロンさん援軍は…!」
バロン『状況が悪いのはここだけじゃない。劣勢なんだ……』
エサラ「あれが伝説の弓使いの力…いくらクローンとは言っても、あまりにも勝算が……」
バロン『無くはないだろう。』
エサラ「バロンさん…実力の差を分かって……!」
バロン『分かってるさ。…よく聞け。たった今、分析が終わったんだ。奴の腕前・技は劣化コピーとは思えない実力だ。素が強過ぎるからな。……ただ、奴には明らか脆弱性がある。』
エサラ「脆弱性……ですか?」
バロン『そうだ。……あの才能を再現するために、どれだけ負荷がかかると思っている。実力が本物でも所詮は模造品。耐久力もエネルギーもない。直接叩けばすぐ沈むさ。それができない理由は何だ?』
エサラ「…!ギガントの守り…」
バロン『行けそうな気がしただろ。…お前が諦めるな。一人で戦ってる訳じゃないんだ。』
そう言うと、隣で自己修復していたグラッシェが立ち上がってエサラに言った。
グラッシェ「人には誰しも役割がある。ゴツい装甲には…ゴツい攻撃をぶつけるんだよ!」
するとグラッシェはガントレットを起動して、勇猛果敢にギガントを攻めた。バシュノンは撃ち落とそうと弓を引いた。
しかし、倒れていたナセが起き上がってバリアを張り、矢の雨を防いでみせた。
ナセ「あの矢の雨掻い潜れるのエサラだけ。頼んだよ……」
エサラ「ナセさん…グラッシェさん……よろしくお願いします。少しの間、私の背中を預かっててください。」
グラッシェ「もちろんだ!」
エサラ「バロンさん…指揮をお願いします!」
バロン『了解。最小限のダメージであの猛攻を突破させてみせます。』
一心同体となった彼らは、脅威への反撃を開始した。
ラーシャル「嘘……だよね…?…お姉ちゃん……」
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