思想で溢れたメモリー

やみくも

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7章―B ー消墨編ー

164.悩みと迷い

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 ウォーム・クラス本部へと帰還し、ひとまずメンバー全員を招集した。

サニイ「さて……コードから七代思想宗派の一つの殲滅を任されたが、誰を出すか迷っている。」

 夢園での戦いには不参加だったため、行く気自体は十分にある。とはいえ、臨時の事態に対処できるよう、何人かには常駐してもらう気ではいる。
 まず、邪種である彼らが何故乗り気でないのかを知る必要がある。

サニイ「強要するつもりはないが、最高戦力で挑むには、二人の力が必要不可欠になる。何か思うことがあるなら、無理はしなくていいから伝えてほしい。」

嘶「俺達邪種は、そいつによって造られた。もし仮に負けた時、奴は何をしてくるだろうか。殺すか?違う、再び邪種堕ちさせてくるにちがいない。……二度目に意識を与えてくるはずがない。そうしたら、どう再起させる気だ?」

サニイ「他の皆が成長しているように、俺も成長を続けている。止める事が不可能ではな……」

嘶「最悪の場合、複数同時に相手することになるが?」

サニイ「……君達の心配することは良く分かった…。」

 俺の実力で抗えないことはない。ただ、嘶、抗、そして七つの大罪人の三人を同時相手、下手したらもっと多いかもしれない状況で、俺達が負けるのを危惧しているのだろう。

サニイ「……心配は無用。君達が負けることはない。そう信じてる。」

抗「おい、それって……」

サニイ「万が一起きるかもしれない最悪の事態に対処する覚悟は、出来ている。俺一人でもないし。ナセ、覚悟はあるか?」

 そしてナセの方に視線を向けると、彼は頷いた。

サニイ「圧力をかけるわけじゃないけど、二人がどうしたいかは、じっくり考えてほしい。俺から言いたい事としては……協力が必要だ。」

 そう言い残し、一旦解散した。







 自室でドルフィオンから送られてきた情報を整理していると、ナセがドアをノックして部屋に入って来た。

サニイ「どうした?ナセ。」

ナセ「ちょっと気まぐれで……。」

サニイ「そうかい。ゆっくりしてきな。」

 そうして情報整理の作業に戻り始めると、ナセは話し始めた。

ナセ「暴食でしたよね。今回倒そうとしている邪種の始祖は。」

サニイ「まぁそうだな。……邪種動乱の真の目的を彼らは知らない。そもそも邪種を奴は何にする気だったのか。」

ナセ「やはりエネルギーの試験体だったのでしょうか?」

サニイ「その線もある。現に、妙な術式を使う奴も多く居たし、エネルギー関連で何か行っているのは間違いなさそうだ。」

ナセ「コードさんとレイズさんなら詳しい事が分かっているのですか。」

サニイ「リヴォリーターの育成を始めた張本人達だから、俺達以上に何らかの因縁があるんだろうなぁ。だけど、行き着く先は平和のため。彼らを信じて着いていくのが我々にできる事。」

ナセ「そうですね。まずは目の前の前哨戦で勝利を収める事が使命です。」

サニイ「だな。近々疑問は解けるさ。」

 そう会話が終わると、ナセは「失礼しました。ありがとございます。」と言って部屋を後にした。
 まずは前哨戦。ここで損失を抑えて相手の手数を減らす事が、何よりも重要。希望の象徴である俺ができる事は、目の前の勝負で無事に勝つことなんだ。
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