164 / 196
7章―B ー消墨編ー
164.悩みと迷い
しおりを挟む
ウォーム・クラス本部へと帰還し、ひとまずメンバー全員を招集した。
サニイ「さて……コードから七代思想宗派の一つの殲滅を任されたが、誰を出すか迷っている。」
夢園での戦いには不参加だったため、行く気自体は十分にある。とはいえ、臨時の事態に対処できるよう、何人かには常駐してもらう気ではいる。
まず、邪種である彼らが何故乗り気でないのかを知る必要がある。
サニイ「強要するつもりはないが、最高戦力で挑むには、二人の力が必要不可欠になる。何か思うことがあるなら、無理はしなくていいから伝えてほしい。」
嘶「俺達邪種は、そいつによって造られた。もし仮に負けた時、奴は何をしてくるだろうか。殺すか?違う、再び邪種堕ちさせてくるにちがいない。……二度目に意識を与えてくるはずがない。そうしたら、どう再起させる気だ?」
サニイ「他の皆が成長しているように、俺も成長を続けている。止める事が不可能ではな……」
嘶「最悪の場合、複数同時に相手することになるが?」
サニイ「……君達の心配することは良く分かった…。」
俺の実力で抗えないことはない。ただ、嘶、抗、そして七つの大罪人の三人を同時相手、下手したらもっと多いかもしれない状況で、俺達が負けるのを危惧しているのだろう。
サニイ「……心配は無用。君達が負けることはない。そう信じてる。」
抗「おい、それって……」
サニイ「万が一起きるかもしれない最悪の事態に対処する覚悟は、出来ている。俺一人でもないし。ナセ、覚悟はあるか?」
そしてナセの方に視線を向けると、彼は頷いた。
サニイ「圧力をかけるわけじゃないけど、二人がどうしたいかは、じっくり考えてほしい。俺から言いたい事としては……協力が必要だ。」
そう言い残し、一旦解散した。
自室でドルフィオンから送られてきた情報を整理していると、ナセがドアをノックして部屋に入って来た。
サニイ「どうした?ナセ。」
ナセ「ちょっと気まぐれで……。」
サニイ「そうかい。ゆっくりしてきな。」
そうして情報整理の作業に戻り始めると、ナセは話し始めた。
ナセ「暴食でしたよね。今回倒そうとしている邪種の始祖は。」
サニイ「まぁそうだな。……邪種動乱の真の目的を彼らは知らない。そもそも邪種を奴は何にする気だったのか。」
ナセ「やはりエネルギーの試験体だったのでしょうか?」
サニイ「その線もある。現に、妙な術式を使う奴も多く居たし、エネルギー関連で何か行っているのは間違いなさそうだ。」
ナセ「コードさんとレイズさんなら詳しい事が分かっているのですか。」
サニイ「リヴォリーターの育成を始めた張本人達だから、俺達以上に何らかの因縁があるんだろうなぁ。だけど、行き着く先は平和のため。彼らを信じて着いていくのが我々にできる事。」
ナセ「そうですね。まずは目の前の前哨戦で勝利を収める事が使命です。」
サニイ「だな。近々疑問は解けるさ。」
そう会話が終わると、ナセは「失礼しました。ありがとございます。」と言って部屋を後にした。
まずは前哨戦。ここで損失を抑えて相手の手数を減らす事が、何よりも重要。希望の象徴である俺ができる事は、目の前の勝負で無事に勝つことなんだ。
サニイ「さて……コードから七代思想宗派の一つの殲滅を任されたが、誰を出すか迷っている。」
夢園での戦いには不参加だったため、行く気自体は十分にある。とはいえ、臨時の事態に対処できるよう、何人かには常駐してもらう気ではいる。
まず、邪種である彼らが何故乗り気でないのかを知る必要がある。
サニイ「強要するつもりはないが、最高戦力で挑むには、二人の力が必要不可欠になる。何か思うことがあるなら、無理はしなくていいから伝えてほしい。」
嘶「俺達邪種は、そいつによって造られた。もし仮に負けた時、奴は何をしてくるだろうか。殺すか?違う、再び邪種堕ちさせてくるにちがいない。……二度目に意識を与えてくるはずがない。そうしたら、どう再起させる気だ?」
サニイ「他の皆が成長しているように、俺も成長を続けている。止める事が不可能ではな……」
嘶「最悪の場合、複数同時に相手することになるが?」
サニイ「……君達の心配することは良く分かった…。」
俺の実力で抗えないことはない。ただ、嘶、抗、そして七つの大罪人の三人を同時相手、下手したらもっと多いかもしれない状況で、俺達が負けるのを危惧しているのだろう。
サニイ「……心配は無用。君達が負けることはない。そう信じてる。」
抗「おい、それって……」
サニイ「万が一起きるかもしれない最悪の事態に対処する覚悟は、出来ている。俺一人でもないし。ナセ、覚悟はあるか?」
そしてナセの方に視線を向けると、彼は頷いた。
サニイ「圧力をかけるわけじゃないけど、二人がどうしたいかは、じっくり考えてほしい。俺から言いたい事としては……協力が必要だ。」
そう言い残し、一旦解散した。
自室でドルフィオンから送られてきた情報を整理していると、ナセがドアをノックして部屋に入って来た。
サニイ「どうした?ナセ。」
ナセ「ちょっと気まぐれで……。」
サニイ「そうかい。ゆっくりしてきな。」
そうして情報整理の作業に戻り始めると、ナセは話し始めた。
ナセ「暴食でしたよね。今回倒そうとしている邪種の始祖は。」
サニイ「まぁそうだな。……邪種動乱の真の目的を彼らは知らない。そもそも邪種を奴は何にする気だったのか。」
ナセ「やはりエネルギーの試験体だったのでしょうか?」
サニイ「その線もある。現に、妙な術式を使う奴も多く居たし、エネルギー関連で何か行っているのは間違いなさそうだ。」
ナセ「コードさんとレイズさんなら詳しい事が分かっているのですか。」
サニイ「リヴォリーターの育成を始めた張本人達だから、俺達以上に何らかの因縁があるんだろうなぁ。だけど、行き着く先は平和のため。彼らを信じて着いていくのが我々にできる事。」
ナセ「そうですね。まずは目の前の前哨戦で勝利を収める事が使命です。」
サニイ「だな。近々疑問は解けるさ。」
そう会話が終わると、ナセは「失礼しました。ありがとございます。」と言って部屋を後にした。
まずは前哨戦。ここで損失を抑えて相手の手数を減らす事が、何よりも重要。希望の象徴である俺ができる事は、目の前の勝負で無事に勝つことなんだ。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
13歳女子は男友達のためヌードモデルになる
矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる