思想で溢れたメモリー

やみくも

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6章―B ー夢園編ー

156.制止不能の加速

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 するとヴェレラインから青白いエネルギーが放出され、浮遊植物が光だし、より刺々しい姿へと変化した。
 奴自身にも毒針持ちのツタが纏われ、近づきづらい姿へ変貌した。

ヴェレライン「思想釈放の恐ろしさはエンデスで理解しているはずだ!しかもこの空気感。夢園はトライアングル化した。オリジンの最終兵器「トライアングル」は範囲内の生物に無差別デバフを撒く。しかし、思想エネルギーはこいつを相殺し合う。つまり無敵なんだよ!」

 完全に連中のペースに持っていかれた。二次覚醒を使って互角だろうが、奴の攻撃範囲は馬鹿げている。その上一発が非常に影響するため、リヴォリーター2人いても今まで押され気味だったのだ。

コード「……一か八かだな。ヴェレライン本体は任せたぞラーシャル。散々苦しめられた攻撃ユニットを抑え込む。」

 刹那、俺は天井を突き抜けた落雷を浴び、蒼薄雷を纏った。

コード「ダラダラとした消耗戦はいい加減疲れた。一気に形勢を崩す。」

 言い終えると俺は一瞬で最高速度に達し、浮遊植物を細かく斬り刻んだ。
 しかし実質的な覚醒状態だけあって、そんな浅い手数じゃ少し麻痺らせるのが限界のようだ。

ヴェレライン「速い……。追尾しろ。思術:跡駆の狩人」

 すると乱雑に浮遊していた植物がヴェレラインを護衛する4機を除いて全てに向いた。
 現在の速度はほぼ光の速度に等しい。だが横を見ると確実に植物と目線が合う。恐らく本体には追えていない様子なので、こいつの器官がいかに支配に特化しているかが目に見えて分かる。
 植物は思想エネルギーをチャージしながら、小弾を挟んで放ってきた。

コード「コード史で二番目位にはスピード戦になってるな。必ず勝ち取る。聖術:神速雷神・印鑑」

 植物のチャージが完了するまでの間はひたすらに小弾から逃げ、一つが思想エネルギー砲をぶっ放したタイミングで俺は即座に方向転換し、天高くへと上昇した。手始めに上空でチャージ完了が一番遅かった奴に突撃し、倒しながら陣形の中央にいる奴目掛けて転換して突撃した。そこでそいつを斬り裂くと同時にゲート内に退却した。
 即座にゲートを閉じたため、この時球状に陣形を作っていた植物は一斉に中心に向かって放ったため、対角線上の植物に直撃し、勝手に全滅した。
 一連の動きに掛かった時間は僅か一秒。残留した電子が散らばって烙印が空に浮かび上がっただろう。

 間髪入れずに俺はゲートを天に開き、急降下した。下では覚醒を発動したラーシャルとヴェレラインが体術戦を行なっていた。






ラーシャル「拳術:スペースブレイク」

 宇宙エネルギーを拳に纏って殴りかかるが、ヴェレラインは見透かしていると言わんばかりに昏睡牙を剥き出しにした植物を先置きしていて、全く手が進んでいなかった。

ヴェレライン「覚醒した事で火力と攻撃速度が格段に上昇したようだが、そもそも動きが読みやすい。…リヴォリーターか疑うレベルだ。言っておくが、神経解放状態なら最強とかの条件はこの戦いでは意味を成さない。」

 そうこう言いながらタレット型の植物を上方向に向かせた。






 バレているようだ。ここは仕掛けるべきか退くべきかの択になるが、先程まで俺が戦略的に動いていた事を考えると、そもそも迎撃体制がフェイクで退いた所を追撃する気なのかもしれない。

コード「吉とでるか凶と出るか!聖術:神速雷神」

ヴェレライン「ぐっ!何だと?!」

 読み合いには無事勝利したようだが流石の動体視力だ。咄嗟にタレット型から軸柱型に置き換えてシールドを貼ってきた。
 しかし万全じゃないためか、俺にしか意識が向いていない。先程までは常にどちらも視界に入れられていたと思うが。

ラーシャル「私を舐めないでくれるかな?秘術:ギャラクシーワームプール」

 拳に纏われた宇宙エネルギーが紅い銀河に染まり、撃ち出すと俺とヴェレラインの足場にブラックホールが開かれ、吸引された。

ヴェレライン「くっ!邪魔過ぎる奴だ!ロリヴォリーターがぁ!」

 奴の力が分散された影響か、シールドを崩せそうだ。しかし、このブラックホールは無差別能力。俺もしっかり影響を受ける。
 つまり時間との戦いだ。
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